(良いですか。貴方もいつかは、殿方にその身を任せる時が来るのですよ)
そんな母の話を、元親は苦笑交じりに聞いていた。
そして、神妙に頷くフリをする傍らで、元親は内心で諦観気味に呟く。
(心配しなくても、そんな日は訪れそうにないけどね)
そんな母の話を、元親は苦笑交じりに聞いていた。
そして、神妙に頷くフリをする傍らで、元親は内心で諦観気味に呟く。
(心配しなくても、そんな日は訪れそうにないけどね)
結局、父親と並ぶほどの背丈にまで成長してしまった元親は、その時点で「姫」と
しての生き方を、殆ど諦めていた。
このような四国の弱小の、それも「鬼」とあだ名される大女を嫁に娶ろうなどとい
う者は、誰ひとりとしていなかったのだ。
はじめは、「女だてらに、船を操り海を渡るなど」と眉を顰められたが、元親の実
力と、彼女を慕う部下達の行動が、それを認めさせた。
だが、心の何処かでは諦めきれない自分もいた。
叶わない事だと判ってはいるものの、既に着られなくなってしまった小袖や、短い
髪には挿せない簪などの髪飾り、そして、元親が生まれた時から、彼女の母親自ら
少しずつ刺繍を入れ続け、いつか元親が嫁ぐ日の為の嫁入り道具として作り上げら
れた打掛だけは、今でも大切に閉まってある。
(いつか、こんな私でもいい。そんな事言ってくれる奇特な人なんて……現れる訳
ないか)
今の生活に、それなりに満足はしていたものの、「鬼」と「姫」が同居する奇異な
自分に、元親も何処かで振り回され続けているのである。
しての生き方を、殆ど諦めていた。
このような四国の弱小の、それも「鬼」とあだ名される大女を嫁に娶ろうなどとい
う者は、誰ひとりとしていなかったのだ。
はじめは、「女だてらに、船を操り海を渡るなど」と眉を顰められたが、元親の実
力と、彼女を慕う部下達の行動が、それを認めさせた。
だが、心の何処かでは諦めきれない自分もいた。
叶わない事だと判ってはいるものの、既に着られなくなってしまった小袖や、短い
髪には挿せない簪などの髪飾り、そして、元親が生まれた時から、彼女の母親自ら
少しずつ刺繍を入れ続け、いつか元親が嫁ぐ日の為の嫁入り道具として作り上げら
れた打掛だけは、今でも大切に閉まってある。
(いつか、こんな私でもいい。そんな事言ってくれる奇特な人なんて……現れる訳
ないか)
今の生活に、それなりに満足はしていたものの、「鬼」と「姫」が同居する奇異な
自分に、元親も何処かで振り回され続けているのである。
渾身の力で元就の身体を押しのけた元親は、必死で部屋の扉を開け、外へ逃げよう
とした。
だが、脱げかかった着物に動きを妨げられた上、恐怖に震える身体は、彼女の思う
通りには動いてはくれず、元親の指が扉にかかる前に、背後から伸ばされた元就の
手が、彼女の襟を掴んで引き摺り倒した。
痛みに顔を顰めていると、見かけより強靭な元就の身体が覆い被さって来る。
「やだ…やめて!お願い!やだぁ!」
「大人しくしろ」
纏わり付く着物を半ば強引に取り去ると、元就は露になった元親のたわわな乳房を
揉みしだく。
外部からの刺激で屹立を始めた乳首を指で抓ると、くぐもった様な呻き声が上が
った。
「…いやぁ…放して…放してぇ……」
堪え切れずに零れ落ちた涙を拭う余裕もないまま、元親は弱々しく嗚咽を繰り返す。
己の指の動きに過剰とも呼べる反応を返す元親に、元就は自分の雄が張り詰めてい
くのを覚えた。
あの時も見た筈の元親の裸体が、自分の眼前にだけ広がっている優越感に、元就は
最早己の欲望を隠せずにいたのである。
「うっ…うぅ……」
両の乳房を舌と手で弄られていた元親は、味わった事のない感覚に、すっかり翻弄
されてしまっていた。
そんな自分が情けなくて、小さく頭を振っていると、畳の上に何かが転がっている
のを見つけた。
瀬戸内のカイとゲルダ19
とした。
だが、脱げかかった着物に動きを妨げられた上、恐怖に震える身体は、彼女の思う
通りには動いてはくれず、元親の指が扉にかかる前に、背後から伸ばされた元就の
手が、彼女の襟を掴んで引き摺り倒した。
痛みに顔を顰めていると、見かけより強靭な元就の身体が覆い被さって来る。
「やだ…やめて!お願い!やだぁ!」
「大人しくしろ」
纏わり付く着物を半ば強引に取り去ると、元就は露になった元親のたわわな乳房を
揉みしだく。
外部からの刺激で屹立を始めた乳首を指で抓ると、くぐもった様な呻き声が上が
った。
「…いやぁ…放して…放してぇ……」
堪え切れずに零れ落ちた涙を拭う余裕もないまま、元親は弱々しく嗚咽を繰り返す。
己の指の動きに過剰とも呼べる反応を返す元親に、元就は自分の雄が張り詰めてい
くのを覚えた。
あの時も見た筈の元親の裸体が、自分の眼前にだけ広がっている優越感に、元就は
最早己の欲望を隠せずにいたのである。
「うっ…うぅ……」
両の乳房を舌と手で弄られていた元親は、味わった事のない感覚に、すっかり翻弄
されてしまっていた。
そんな自分が情けなくて、小さく頭を振っていると、畳の上に何かが転がっている
のを見つけた。
瀬戸内のカイとゲルダ19




