だいたいのはなしのなかで、たとえば机のうえに茶碗が置いてある。
これをどう描写するか?
小説を書いて玄人なら、こんなはなしは読み飛ばせばいいが、文章をほんとうに目の当たりにしなかったひとたちは、よおく考える必要がある。
まずダークネスに表現するなら。
※A「くたびれた机のうえに欠けた茶碗が影をのばしてる」
どうしたらこんな風にかけるか簡単な例を紹介しよう。
まず最初にもとの文章がある。
※B「机のうえに茶碗が置いてある」
なにも特別な描写をほどこしてないなんてことのない文章だ。
ひとにものを伝えるときの脳ブレインを簡単にあらわしている。
フォトショップをもってる人なら利便的にはなしがつたわるんだが、そう、たとえば写真加工ソフトだ。
※Bをフォトショップなどで、画像を目的にそって効果的にいじくりたおすなら、まず対象はなにか考えよう。この場合、「机」と「茶碗」である。もちろん他のものを思いついたらそれもいい。人間は想像力が無限だということを示さなければいけない。
その結果、※Aだ。
「くたびれた机のうえに欠けた茶碗が影をのばしてる」
よけいな言葉を名詞につけちゃいけないとか、よく小説講座で、言葉削りまくりコーチングしている先生を見かけることがあるが、問題なのは、2は1より曖昧で、1は2より明確的で、2と3は独特の雰囲気というかんがえかたを持つことだ。
数字は、言葉の数を示しているが、余計な言葉がつくほど、意味にするどさがなくなってしまう。
たとえば、「人は多い」「人は多くて汚い」「人は多くて汚いがIQがある」「人はおくて汚いがIQがある、なるほど、動物的ではないことがうかがえる」などなどだ。おもしろくしたければとことん言葉をつぎこむのも手のうちだ。だが狙ったところするどく、というのも忘れない。
そうだな。
ABABABABABAB
と交互に、するどい表現と他列的な表現があるのがいい。
AABAABAABAAB
こういうのもいい。小説は文体において、表現の順に共通性があるのを評価する。
ならばこういうのはどうか
ABAABAAABAAAABAAAAABAAAABAAABAABAB
この共通性に気づくかは、ほとんどIQテストの要項だが、とにかく黄金律的なものを好む習性が文化的にある。
それでまた※Aだ。
「くたびれた机のうえに欠けた茶碗が影をのばしてる」
言葉の語尾がそれぞれ違っている。
一般の初級者の先生は、語尾は全部ちぐはぐにというが、ほんとうはねらいがあれば、同じでもいい。だが基本的なはなしをすれば、初級者の先生と同じ通り、全部ちぐはぐにしたほうがいい。
このほうが簡単にプロっぽく見える。