つまらない朝のことだった。

 ニージェは筋肉質にスープを食べ終わると、やめればいいのに簡単な仕事で理解力のある女のことを考えた。いつにしても出会いは大切だが、どうもこのところマグロつづきでやるせない。どう見ても、漁師が風しだいなら、冒険者は貼紙しだいである。時代の風をおもう。三年前はこうじゃなかった。まだ夢があった。

 貿易都市リューンはつめたい風が石床のそうじをするように、市民はなにもいわず交差していた。いつからだろう、剣聖アセコガラムがリューン大帝に任命され、当時の貴族らを思うままに動かしたのは。

 誰もかれも夢をわすれた。

 宿の親父が言った。

「おい、のんきにエルティネのミックルスジュースワインでも飲みたそうな顔をしているが、おいしいことにはまず仕事をしなきゃなんねえ。どうだ? いまならリューンの地下のネズミ退治で350spだ。まずいって価値じゃないだろ?」

「それ、ネズミってのは都合のいい話で、ほんとうのバケモンは地下にすくうモンスターだろ?」

「なんにでも裏はある。だが350spとやればワインがのめることには裏はねえ。どうだ?」

「いいよ。やることがねえ。それを受ける。だが言うぜ? とんでもないバケモンがいたら、この宿をMPKしにおれの霊体があらわれるからな」

「よせよ。お前はやれる男だ」

 時計は午後をすぎ、ネズミ退治の貼紙主がニージェのもとにやってきた。

 男は説明した。

「リューンの東地区のB2エリアを担当してほしいッス。ネズミにまぎれて、わけわからない進化をとげた魔法生物とかいるけど、冒険者なら大丈夫スね」

 ……それで350spか。どうかんがえても、わりがあいそうにない。こっちは超常現象あいてするんだぞ。

「場合によっては、賃上がりすることはありえるス。まあお願いします」

 空の雲はうごいている。まるでモノクロフィルムでのぞいたかのように、雲と雲は差はあれどうごいている。リューンでは、聖帝王アセコガラムが三つの提唱をそとにだした。どれも民間に圧政をひくものだった。貴族たちは腐敗した。こうして、じぶんをつぶすものを弱体化した。ただ冒険者は、いつのじだいにも貧困であるが、ゆるぎないナイトセーバーをもつものに、外部の依頼がうごくのは、あともうすこしのことだった。

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最終更新:2020年11月12日 15:23