以前は鬼道王がいい奴だから従ってるとの話でしたよね?
ああ、いい奴だ。なんせこの俺を自由にしてくれたからな、暴れ放題のおまけ付きで
そんなに遠野での生活は窮屈だったんですか?
窮屈もなにも、ひでえ話だぜ!薄暗い蔵に閉じ込められて飼い殺しだったからな
それは災難ですね、だから自分を解放した鬼道王に恩義を感じていると
感謝はするが従うつもりまではねえけどな、俺は強い奴と戦えればそれでいいんだよ
なるほど、僕の軍ではご満足頂けてますか?
まだまだ鍛え足りない奴らばかりだ、だが筋はいい……楽しませてもらってるぜ
だが、俺達鬼道衆に比べりゃ遠く及ばんな
そんなに強い人と戦いたいならこっちに付いてみてはどうですか?なんちゃって、ハハハ……
なんだと!……それは盲点だった、もっと他の魔刀とも戦ってみたかったんだよなー
(だよなーって、そっちが盲点ならこっちは目が点ですよ……でも、この感触なら)
あの強大な力を持つ鬼道衆と戦っているんです、こちらに付けば強敵との連戦は保障しますよ
それに加えて、うちのご飯は美味しいんです、神様達も虜にする程の絶品ですよ
……食後の甘味は?
言わずもがなです、先日もうちの職人が新作の大福を開発しています
よし、その話乗ったぞ!
(釣れた!食べ物の話を出せとのひまり様の指示、これが効いたみたいだ)
だがこっちも頼まれごとを途中放棄するつもりはねえ、攻撃は全力で続けるぜ
ではこちらはその攻撃を凌ぎ、鬼道王への義理を果し終わった後であれば……
おうよ、狐共に俺の力を貸してやるぜ
手を抜くつもりはねえしアンタらが潰れたらこの話もご破算だ、せいぜい気張れよ
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