誕生編 過去ログ.11

ヒガナ「(暗い海の上を飛行するポケモン「チルタリス」の上にヒロとミヤコを乗せ、自身は真っ直ぐにそのゆくさきを見つめていた)――― ふぅ~ん…ヒロにミヤコっていうんだ。随分散々な目に遭ったねえ…風邪引かないでよ?(半乾きのヒロに一瞥を与え悪戯っぽい笑う) 」

ヒロ「まぁーな……気をつけるわ…へっきし!(くしゃみ) 」

ミヤコ「 風邪引いたら…プリン美味しく食べられないの~…気をつけるの~!>< 」

ヒガナ「どうやら君たちは、単なる好奇心か何かであの船に乗り込んだみたいだね。…でも、それもまた、運命って奴かな。(ぼそりと呟く)…ねえ、ヒロ。…もしも明日――――世界が滅ぶと知ったら、君はどうする?(彼の方へは振り返らず、唐突な質問を投げかける) 」


BGM♪



ヒロ「ん、そうだな…お大事にするさ(ニコッとしながらミヤコに)…?(ヒガナの質問を聞き)そうだな、やり残したことがないように精一杯生きるかな…というか、どうして急にそんな事を?(ヒガナの質問を聞いて、神妙な表情になる) 」

ヒガナ「ははは!なるほど…なんか君らしいね♪(ヒロの答えに噴き出した後、急に表情が一変。先のへらついたような表情が強張る)…遥か大昔より、『私たち』は天からの予言を受け、この星に降りかかる災厄から人々を、自然を、世界を救ってきた。それが…私たち『流星の民』。その末裔にして伝承者である私は、今も尚…その予言の下に、災厄から世界を守るために各地を旅しているんだ。 」

ヒガナ「…だけど今、そんな私たちの前に新たな予言が現れた。それは今までのものとは比べ物にならないくらい…とても最悪な…"大災厄"さ。間もなくこの世界は、宇宙からやってくる「巨大隕石」に滅ぼされる。それが、この世界に齎される"大災厄の預言"――― 」

ヒガナ「この夜空を見上げてごらん?星は燦々と輝き、海は穏やかに流れ、時々水平線の向こうからカモメの鳴き声が聞こえてくる。それは平和な世界… そんな世界が、まさか急に滅んでしまうなんて、誰も信じられないかもね。…でも、君ならどうだい?出会って間もない、正体も身分も知らない可愛い女の子の戯言を… 信じられるかい?(その時、初めてヒロと目を合わせる。その凛とした双眸には嘘偽りなどなく、彼女の確固たる強い意志の灯火が、輝きとなって揺らいでいる) 」

ヒロ「……幾多の災厄から世界を救った民でも驚くレベルの災厄……(空を見ながら)確かに、こんな平和な状態でそんなことが起こるようには見えない。でも………(再びヒガナの目の方に視線を戻す)目を見たらその強い意志はわかる。君は嘘はついていない。その目から伝わる熱意は、関わった期間がどれだけ長かろうと身分がどうだろうと関係ないさ(笑顔で返す) 」

ヒガナ「……!(ヒロの真っ直ぐな瞳に圧巻され、しばらく呆然としていたが、くすっと笑みを零した)…君なら私のこと、信じてくれると思ったよ。だって私も、君のことを信じていたから。…ヒロ、ミヤコ… 私と一緒に、"大災厄の予言"を回避してほしい。その為なら私はどんなことでも協力を惜しまない。この星の未来の為に…私と一緒についてきてほしい。…君たちを、信じてのお願いだよ。 」

ミヤコ「世界が壊れちゃったら…ミヤコ、もうプリン食べられなくなるの……そんなのヤなのー!」

ヒロ「君も、俺のことを信じてくれたのか………わかった。この世界を救うために………協力するよ! 」

ヒガナ「…ありがとう…ヒロ、ミヤコ。(二人に頷く)これまでの災厄は、私たちだけでもどうにかできた。でも今回は違う。この"大災厄"…巨大隕石を食い止めるためには、超古代ポケモン『レックウザ』の力を借りなくちゃいけない。レックウザはこれまでもこの世界に降りかかる災厄から人々を守って来てくれた… けど、災厄がなかった数千年以上もの間、その長い平穏な時間の中で、レックウザの力は酷く衰弱しちゃったんだ。その証拠に…レックウザは5日前に――― 『ロケット団』に捕らわれてしまった。 」

ヒロ「ロケット団……!!あいつらに捕まったってことか…!(先ほどの門矢士との戦いを思い出し)…それで、君はあそこにいたのか…!? 」

ヒガナ「そう… レックウザは伝説のポケモン。あんな奴らに捕獲されるなんてありえないんだけど…さっきも言ったように、レックウザ自体の力が極限まで衰弱してしまったことや、ロケット団の首領が変わって、あの組織が得体の知れない力を手にしたことによって…起こったしまったのかもね… 」


俺は仮面ライダー「ディケイド」。"全てを破壊する"存在だ。人の命だろうと世界の理だろうと場の雰囲気だろうと、俺のまわりにあるものはすべて破壊される。覚えておくんだな―――(ヒロの脳裏に、ディケイドこと門矢士と初めて出会った日のことがフラッシュバックする)


ヒガナ「私はロケット団からレックウザを解放するために、この組織へ乗り込んだ。…だけど、その為だけなんかじゃないんだよ。 」

ヒロ「やはりそのレックウザが捕まったのは、あいつの影響か…(あの野郎……!この世界だけは、絶対破壊させねえ…!!!)(脳裏にフラッシュバックされた言葉に対し、怒りで体を震わせる)……他に、何か理由があるのか?(言葉の続きを待つ) 」

ヒガナ「うん…私が見た予言によれば、力を失ったレックウザに再び精力を注ぎこむ『ある青年』が、いつか私たちの前に現れることも知った。今から向かう先は「ナナシマ」、そしてロケット団のアジトがあるのもその島… そう、『彼』は必ず、ナナシマでレックウザと出会い、救い出してくれる。その『彼』こそが…君なんだよ、『ヒロ』。(人差し指で彼の胸を軽くつつく) 」

ヒロ「おうっふ…(胸をつつかれ)俺がレックウザを救い、復活させるキーってわけか………つまり、その『彼』…すなわち俺がそこに来たから。そういうことか? 」

ヒガナ「そうだよ~!(にししと笑いながら)流星の民の予言は外れない。君は必ず、レックウザを救い出してくれる鍵となる。…けど、そこから先の予言はまだ見えない。それはつまり、レックウザを救い出したとしても、私たちが本来食い止めるべき巨大隕石を食い止められない未来…即ち、"世界が崩壊する可能性"だってあるということも秘めている。 」

ヒガナ「でも、私は君たちを信じるよ。何故レックウザがヒロの力に呼応し復活するのかは分からないけど…君たちがあの島へ向かい、その道中で私と出会い、共に世界を救うために戦いに身を乗り出すことが予言にあったように、その先にきっと希望はある。だから私は、君たちと接触を図ったんだから。(ウインクする) 」

ミヤコ「ヒロはミヤコのこと、助けてくれたの~。だから、ミヤコ以外のたくさんの人も、助けてくれるの~♪ 」

ヒロ「…こりゃあ、とんでもない大役だなぁ(まいったなと言わんばかりにたははと笑いながら)……だが、面白い。君が俺のことを信じて共に闘ってくれるなら……俺が、レックウザを救い出す鍵になるなら…いくらでもその先の予言の鍵を握ってやるぜ!(任せとけと言わんばかりにドン!と自身の胸を叩く) 」

ヒガナ「ふふふ…頼もしいね~♪やはりそうでなくっちゃ!さ、それなら急ごうか…自体は一刻を争うからね。チルタリス、全速力でお願いよー! 」

チルタリス「チルー!(三人を背に乗せたまま更に加速飛行する) 」

ヒガナ「(未来は、多くの「気合」…「絆」…「希望」…そして「奇跡」によって変わる。それが…予言とは違う、私に刷り込まれた「記憶」にあった確かなことなんだから―――)――― 行こう、ナナシマへ! 」


― ナナシマ・6のしま ―


ザザァーン……(夜の空間に漂う心地の良いさざ波。その自然の音色が奏でる小さな島の中心に、一本の石柱だけがそびえ立っていた)


ヒガナ「ようやく着いたね…(チルタリスから降りる)ここがナナシマ…とはいっても、7つ以上もある小島のうちのひとつなんだろうけどね。(額に手をかざし、辺りを見渡してみる) 」

ミヤコ「 ん~…何もないの…誰もいないの~…(空から島全体を俯瞰しているが、これと言って目ぼしいものは発見できず、ふよふよとヒロたちのもとへ降りてくる) 」

ヒロ「ここか………ナナシマってそういうことなのな(7つ以上あると聞き)……ここには奴らはいないということか。(ミヤコを見て) 」

ヒガナ「所説はいろいろあるみたいだけどね。私もこの島のことはよくわかんないし。(舌を出しながら)そうだねー…ロケット団はおろか、住民すらいなさそうだし…ここはハズレかな?何もなさそうな次の島へ………?(その島を去ろうとした瞬間、ふと振り返った先に石柱を発見し、目を細めその先へと歩みを進める) 」


ヒガナが見つけたのは今にも崩れそうなほど脆い雰囲気を出すただの石柱。その表面はデコボコしていた。


ヒガナ「これは……点字?何か書いてあるみたいだけど……ん~…ヒガナちゃんは点字詳しくないからなぁ…?(石柱を前に腕を組み難しそうな表情で何度も首を左右へ振った) 」

ヒロ「…どうした?……点字……んー、俺もあんまり点字は詳しくないな……(ヒガナの方に近づき、点字を見る) 」

××××「―――― ひかり かがやく ふたつの いし… ひとつわ あかく ひとつわ あおく… (石柱の上に何者かが居座っている。頭上から聞こえる声の正体は女性。彼女は、まるで彼等に代わりその点字の内容を解読するように、静かに語りかけた) 」

××××「ふたつの ちからで かこが つながり… ふたりの ちからで ひかり かがやく… (腰かけていた石柱から軽い身のこなしで降り、ヒロの元へとゆっくり、ゆっくりと歩み寄っていく) そして あたらしい せかいが みえてくる… つぎの せかいを つくるのわ ――――― あなただ もー はじまっている (指でヒロの鼻先にちょこんと小突きウインクを飛ばす) 」

ヒガナ「すごいね…まさか今の、この文字のこと?お姉さん、もしかして考古学者だったり…?(興味深そうにニヤニヤしながら謎の女性を見やる) 」

ヒロ「……うぉっ!?なんだ!?(アコールの姿を見て)おっ…!?(鼻を小突かれ、声が出る)………俺が、世界を作る…? 」

ミヤコ「 ほわ~…とっても賢そうなの…ミヤコとは大違いなの~…! 」

××××→アコール「世界は誰にだって変えられますからね。こんな私でも、そして今はまだ旅を始めたばかりの貴方でも…ね?(ヒロの服に着いたほこりを摘まみ上げる)いえいえ、それほど大した者では…(落ち着いた様子で両手を振って謙遜する)申しおくれました。私(わたくし)…『アコール』と申します。貴方がたのお察しの通り、この島には何もございません。ええ、何も。この石板のメッセージも…恐らくは今の貴方がたには必要のないもの。故に、ここには何もございません。…ですが、こうして私たちが出会ったのも何かの縁。せっかくですので、少々お話する時間をください。…よろしいでしょうか…ヒガナさん、ミヤコさん、そして――― ヒロさん?(初対面の女性から、あたかも見知ったように彼らの名前が告げられる)」

ヒガナ「まあ、クールダウンにはちょうどいいかもね。…ところで、どうして私たちの名前を?もしかして…ロケット団の追手…とかじゃないよね?(不敵な笑みを浮かべつつも疑うような目でアコールに目を光らせる) 」

ミヤコ「 おねーさん、ミヤコのこと知ってるのー?なんでなんで~?(不思議そうにアコールを凝視する) 」

ヒロ「………なるほどね。確かに……変えられる。大事なのは気持ち……そういうことだろ?アコールちゃん。……なんで、俺たちの名前を知っている?(訝しむような顔でアコールに) 」

アコール「 いえいえ。私は何者でもございません。貴方がたの名を知っているのは…そうですね…偶然?とでも言っておきましょうか。(口元に手を当てふふふと上品らしく笑う) 」


BGM♪



アコール「 突然ですが、あなたがたは信じますか?この世界ではない、もう一つの世界の存在を――― 」

ヒガナ「どうだかなぁ…(「偶然」の言葉に対し怪しそうに思いながら、何か言い逃れられた様な感じがして参ったなと後頭部を掻く)もう一つの…世界…? 」

ヒロ「偶然…そうか、まぁ…なんの偶然があったのかは詳しくは聞かないでおくか(心の中で強引に納得させる)もう一つの世界?………ここの他に、世界があると? 」

アコール「 生命が持つ意識の数だけ世界はあります。意識の一部は他者の意識と重なり、ある一定以上の重なりを… 人はこの、「世界」と呼ばれる空間として共存している。 」

アコール「 もちろん世界の中には、異なる時間の速度で生きている生命も多数存在します。複雑に絡み合う数多の時空間… ――― 本当の意味で世界や時間を知る者はいません。 」

アコール「 人は、今まさに目の前に広がる「世界」が現実のものだと認識するもの。それでも、精神は意図とせず…光を越えて、時を越えて…様々な世界へと干渉し合う。その繋がりをはじめて認識した時、我々が現実だと思われた「世界」が…強大な何かの枠組みの中の一部に過ぎなかったと悟るのです。 」

アコール「 こうして私たちが出会う最中、ある世界では私たちの理解できない速度でその時間が流れている。時の奔流により進む世界…そこに住まう生命… 可能性の話ですが、ここではない何処かの世界にも、私たちがいるとするならば… 今まさにここにいる私たちとは異なる時間を過ごしていることでしょう。そう考えると、不思議な事だとは思いませんか? 」

ヒガナ「多世界の話…パラレルワールドの話かな?かつて、世界平和のためだと言って、私たちが住む世界とは異なる何処かの世界へ、人類の失敗作を投げ捨てようとしてた人たちがいたものだよ… (うんうんと頷く様に) 」

ヒガナ「様々なメカニズムによって引き起こされる世界の揺らぎ… この世界とは似て非なる別の世界の観測、そして確定… 私たち『流星の民』もその真実を予言と共に受け継いできたから信じている。…誰かが起こした行動によって未来が分岐するように…世界は私たちが思う以上にたくさん存在する。そしてそれらの世界にも、私たちはいる… 」

ミヤコ「 う~~ん…よくわかんないけど… プリンがたくさんあるみたいに…ヒロやミヤコもたくさんあるってことなの~?それって…ミヤコたちもプリンってことなの~?ほえ~~~~~(目をぐるぐるさせて) 」

ヒロ「……パラレルワールド…(ヒガナの言葉を聞いて納得したように)今の世界で生きる俺の他にも……俺たち以上の速さの時の流れの世界もある……生まれた世界によっては、違った未来があったかもしれない。そういうことか?(アコールに) 」

ヒガナ「もしも…空想の話かもしれないけれど、仮に世界と世界が繋がり合えば、当然新しい第三の世界が誕生する可能性だって秘めている…この石板に記されているのって…もしかして、そういうこと? 」

アコール「そういうことです。(ヒロにくすりと微笑む)さあて、どうなんでしょうかね。ですが、私が思うことも、貴方がたが思うことも…正解となり、そうではなくなり得るかもしれません。金魚は金魚鉢から出られない。世界の真理を本当の意味で理解できる日は、まだまだ遠い話になりそうですね。(ふふっと微笑む)プリン、美味しいですよね。私も大好きです。 」

ヒガナ「ふぅ~ん…(多くの世界…繋がり合う世界… もしも私たちの目に見える範囲で世界の繋がりが観測されたら…今いる私たちはどうなるのだろう… そんなこと、考えたこともなかったな…) …お姉さんは創造力が豊かだね。本当は何者なんだい? 」

ヒロ「……ハハッ、すっかりプリンの虜になってらぁ(ミヤコの言葉を聞いて微笑ましそうに見る)………(もし、今の世界とは違うところにいたら……俺はどうなってた?)(考え込む) 」

アコール「んんっ(ヒガナに詰め寄られたことにわざとらしく咳払いする)さて、と…まだまだお話したいことはたくさんございますが…今はそんな悠長な事をしている暇はありませんでしたね。お時間をちょうだいして申し訳ございませんでした。 」

ヒガナ「…そうだったね。せっかくの興味深い話、もっと聞きたかったけど…世界滅亡の危機を目の前にしている今、ここでゆっくりしている時間はないからね。行こう、ヒロ、ミヤコ。ここにロケット団はいない…他の島へ急ごう…!(アコールの存在を気にしながらも、先にその場を後にした) 」

ミヤコ「うんっ…ミヤコもいくの~(ヒガナに続いていった) 」

アコール「 …………ヒロさん。(一同が次の目的地へと向かおうとする中、ヒロだけを呼び止める) 」

ヒロ「あぁ、そうだな。時間は限られ……ん、どうした?(アコールに呼び止められ) 」

アコール「(先程までの様な柔らかい表情から、どことなく危機感を露わにした様な眼差しでヒロをまっすぐに見つめる)…あなたはこれまで数多くのものを失い、その喪失に心に深い傷を負った。ある時は家族を、ある時は恋人を、そしてある時は…自分自身を…――― あなたの正義は、蓄積されていく犠牲を食い止めようとする…「誰かを守りたい」という強い意志から成り立っている。 」

アコール「その為なら、どんなに傷だらけになっても…汚れても、しっかりと地に足をつけながら、少しずつ歩んでいこうとする。貴方に土を司る能力が開花したのも、不死身の身体を得た運命もまたきっと、その揺るぎない意志に呼応してのもの。 」

アコール「 しかし、貴方の中に流れる時間は、貴方が思っている以上に急激な速度で加速している。それは、"もう貴方には残された時間はない"ということです。 」

ヒロ「……!……よく知ってるじゃないか。俺の過去の過ち……そして信念を(自身の過去について話すアコールを見て動揺した表情を見せるが、すぐさま平静を装う)…………どういう事だ?(突然の宣告にも近い言葉に対し驚いた表情を見せる) 」

アコール「限られた人生という名の時間の中で、あなたはこれからも大切なものを守るために戦い続ける… ですが、懸命に戦い抜いても尚、いつかは守れない命に直面することになるでしょう。貴方はそうして、何度も、苦しい喪失を味わってきたからこそ…分かるはずです。「最愛の喪失」こそが貴方の時間を、心を、自我を蝕む、と。 」

アコール「貴方は強い。だからこそ、そのような絶望を重ねても尚今を生きている。…ですが、心の何処かで…そんな自分を偽ることで、現実から逃げているあなたも確かに潜んでいる。身体と精神は既に限界に直面しております。 」

アコール「――― もしも最悪の瞬間が永遠に続くというのなら、あなたはあなたでいられますか? ―――


ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ … ッ … (周囲の空間に重圧が圧しかかる。それはヒロにとって、これから起こるであろう「絶望の未来」を暗示しているかのように…)


ヒロ「………っっ…!……今まで、いろんな人に会ってきたが………そこまで俺の本質を見抜いたのはあんたが初めてだ…(彼女の言葉を聞き、自分の心の奥底に潜む…否、無理やり心の奥底に押し込んだ弱い自身と闘うかのように言葉を震わせる)……俺は、もう…誰も失いたくない…俺の力不足で…また、誰かを失うのはもう嫌だ…もし、そんな時間が永遠に続くというなら、俺は……!!!(絞り出すような声で一言一言必死に伝える) 」

アコール「……(ヒロの様子を窺い、静かに口元が緩む)――― 貴方の中にある、その"揺るぎない意志"があれば、大丈夫です。(にっこりとほほ笑む)あなたは『特異点』として…いいえ、唯一人の『ヒロ』さんとして、すべてを救い出す『』となる。貴方の中にある『鍵』はいつか必ず誰かを救い出す。これまで貴方が失ったものも、貴方を失った貴方自身も。 」

アコール「出会った人との『キズナ』 絶望に抗う『キアイ』 抱き続ける『キボウ』 引き寄せる『キセキ』 貴方が渡り歩いた『キオク』…――― それらすべてが重なり合った時、貴方は『』としてこの世界に目覚める。 」

アコール「『特異点・ヒロ』 ―――― "すべての世界に手を差し伸べる救世主"

アコール「貴方の物語は、ここから始まるんです ――――(巨大なトランクケースを背後に回し、突然島にたちこめた蜃気楼の中へと姿を消した) 」

ヒロ「………俺が、全てを救う……俺が、新たな希望……なのか…?(消えゆくアコールに向けてつぶやく) 」

ミヤコ「 ヒロ~…!早くいかないと、置いて行っちゃうの~!>< (遠くからヒロを呼ぶ) 」

ヒロ「……あぁ!悪いな!(笑顔に戻り、ミヤコたちの方に走り出す) 」



― ナナシマ・各島 ―


BGM♪



ズ ズ ズ … … ッ … ! ! ! (豪華客船シーギャロップ号から多くの小型船が進出。船はナナシマにある7つの小島それぞれに到着し、各船から多くのロケット団員が現れた)


ランスロケット団総員に告げる!これより我々はナナシマの完全制圧を行う!各島の施設を占拠し、全てのポケモンを捕獲するのです!! 」

ラムダ「Raid On the City, Knock out, Evil Tusks!(町々を襲いつくせ、撃ちのめせ、悪の牙達よ!) さあ行けぇいッ!! 」

ロケット団員『 ウ オ ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ァ ッ ! ! ! ! ! (各島に上陸した団員たちがモンスターボールを片手に進軍する)』

ロケット団したっぱ「おらッ!お前らのポケモンをよこせ!!(3の島にて、ポケモンセンターを襲撃し住人からモンスターボールを無理矢理強奪する) 」

syamu_game「 (状況に追いつけず、ただカメラを持って歩いている) 」

ギコ「 よっしゃあ!なんだかよくわかんねえが…とりあえず暴れりゃいいんだろ?(ブンブンッ)(バットで素振りしている) 」

モララー「 自然破壊は楽しいなああああああああ(民家周辺の雑草をブチブチ引き抜いている) 」

syamu_game「 ……クソ、誰かなんとかしやがれ!!!(とりあえずポンプアクションショットガンを取り出してその辺に乱射する) 」

モナーモララー!それは善良な行いモナ! さっき船の中で聞いた話だと…支給されたポケモンを使ってポケモンをゲットすると聞いたけど、その為なら何をしてもいいモナ?(困惑している) 」

宮本武蔵「 美容年トレーナー発見伝!小次郎、君に決めた!『つばめがえし』だこじろう! 」

ニッキー「 はあいみんな、ニッキーだよ~♪ やっと南の島に上陸したよ~♪ ニッキーはこれからバカンスを楽しみたいと思います♪ ん~♪楽しみだね~♪ (※仕事内容を聞いていない) 」

ガヴリール「 ふわあぁ~~~……ったく、何なんだよ騒がしい。(豪華客船にて) 」

佐々木小次郎「 コジー!!(甲高い声) 【コジロウ の つばめがえし! こうかはばつぐんだ!】(目にも留まらぬ剣さばきで次々とトレーナーの服をかっさばきドロップしたモンスターボールを回収している) 」

スバル「 おほー!!ようやく島に着いたぜ、レム!さあて何をやるんだろうな~?(心を弾ませながら島を探索している)おっ、この世界にもパイナップルがあるのか!?くぅ~~~いいねぇ~! 」

レム「 なんだかみなさん、様子が可笑しいみたいですが…って、スバル君…!?何処行くんですかー!?(はわわっ) 」

シーザー「 シュロロロ…俺様はロケット団の天才科学者『シーザー・クラウン』様だ。俺様が発明した殺戮ガスで…この島の住民を皆殺しにしてやるぜ…!シュロロロロ!(森林地帯の中央にて、両手に抱えていた怪しい装置を地面に置く) 」

アヒャ「 アヒャヒャヒャ!!!奪え奪え奪えぇー!!!(包丁を振り回しながら現地住民を追いかけまわしている) 」

syamu_game「 おい、なんとかしやがれ!!!(淫夢連中の方にポンプアクションショットガンを撃ちながらギコに向けて叫ぶ) 」

綺麗なジャイアン「 俺の物はお前の物、お前の物もお前の物だ!(きれいなゆえ、ロケット団側にあるポケモンのボールを住民に横流ししている) 」

ロケット団したっぱH「あははは!全てのポケモンは、私たち『ロケット団』のものよ! 」

syamu_game「 のびハザのジャイアンやんか!なにやってんねん!(ジャイアンの行動を見て団員に報告するかのように叫ぶ) 」

佐藤太郎「ゔぇぇぇぇぇ!?島についたらBBQ食い放題って聞いたんですけどおおおおおおお!!?話が違うじゃねえかあああ!!!………… 」

佐藤太郎→桐生戦兎「なんてな。(変装を解く)侵入は成功。あとは奴らのアジトを突き止めねえとな。(他のロケット団員の眼を盗み茂みへと姿を消した) 」

フーム「 ひどい…!無抵抗の住民を襲って、彼らのポケモンを奪うなんて…!(物陰からロケット団員の悪行を見ていた) 」

ブン「 だから言ったろねーちゃん!あいつらロケット団は悪者なんだってねえチャーハン! 」

syamu_game「 (住民を威嚇するかのようにポンプアクションショットガンを乱射。横流しされたボールを取ろうとした住民に向けてポンプアクションショットガンを乱射。ポンプアクションショットガンを構え、暴れまわる) 」

フーム「 わかったわ…私たちだけでも奴らの野望を阻止しないと…!まずはその根城を探さないとね…行くわよブン!(裏路地を駆け抜けていった) 」

ブン「 よっしゃ!(フームについていった) 」

ロケット団したっぱG「ケッケッケッ…!(4のしま「いてだきのどうくつ」にて)ここにはあの珍しい「ラプラス」が住んでいるんだってな…俺様が捕まえて、あわよくば幹部昇格だぜ。ケッケッケッケッ…!! 」


シュンッ―――― ド ゴ ォ ッ ! ! ! (森林の茂みから颯爽と姿を現した陰が、シーザーの腹部に強烈な一撃を叩き込んだ)


シーザー「 シュロロロ…震え上がれ、ゴミムシ共!今、俺様の科学力の前に…滅んでしm――――ギゴベガァッ!!?( ドグゥオオオオオォォンッ ! ! ! )(突如腹部に炸裂した一撃に、木々を貫く様に激突しながら大きく吹き飛んだ)…ゼェ……ゼェ…!この俺に…"触れた"だと…!?…何もんだァッ!!?(向かい側にいる、自分を襲撃した者に激昂する) 」

サボ「 ザッ…ザッ…ザッ…――― 盛り上がっているところ悪いが…勝手な真似はさせないぞ、『ロケット団』さんよ。(シーザーの目先から、ハットの鍔に手を添えた青年が、鉄パイプを片手に姿を現した) 」

ルイージ「 ねえ…親父さん…やっぱりここ怪しいよ…!もう帰ろうよ~!(涙目でナックルズに訴えかける) 」

ロケット団したっぱF「おい!そこの新人共!なにぼさっとしてやがる!さっさとそこのガキ共を痛めつけてポケモンを奪いやがれ!(ルイージとナックルズに) 」

ヒロ「………なにやら、騒がしいな…(ロケット団員から少し離れたところで、彼らの悪行の物音に気づく) 」

ルイージ「 ひぃぃっ!ごご、ごめんなさい!!サボりませんから…苛めないでください~!!(したっぱFに怯えナックルズの背に隠れる) 」

syamu_game「 ……(あの助詞の下っ端の言葉で納得しただで…今氏がやることは全てのポケモンを組織のものとすること……そうか、ここでたくさんポケモンを取れば女性にモテる…そしてコイニハッテンシテ……素敵なことやないですかぁ……)おい、まだ説教は続いてんだよ(その辺の子供を捕まえる) 」

ナックルズ「 はぁ~~~~~~~~………―――― しょーもねえ。(それだけ呟くとしたっぱFの懐に潜り込み―――)――― ド ゴ ォ ッ ! ! (強烈なアッパーカットを繰り出した) 」

ロケット団したっぱF「ぐはぁ…ッ!!? ドサァ… ! (倒れる)が、が…お、おい貴様ァ!なんのつもりだぁ!!?(ナックルズを指しながら) 」

ナックルズ「 ここに来れば…俺は自分の「記憶」を取り戻せるんじゃねえかと思った。だがよ、それはたんなる思い込みに過ぎなかったみてえだ。こんなくだらねえことで記憶なんかが戻るはずがねえ。 ガ ッ (両の拳を突き合わせる)だから気が変わった。今から俺はこいつ等をぶっ飛ばす。(したっぱFに敵意をむき出し、拳を突きつける) 」

ガヴリール=「 ……ま、どこで誰が何してようが、私にゃ関係ねーや。ここにいりゃ困る事なんか何もないし、それに纏まったカネが入ってくんだもんなー(未だ豪華客船にてのんびりしながら独り言) 」

syamu_game「 はぁ?悪いこと?それは君が疑↑心↓暗鬼になってるんやぞ(子供からポケモンを強奪) 」

ゴラン「 俺の足はドードーより速い。こんなものを食ううのはもぐ…不本意だし諦めてポケモンを寄越すんだ(住民から機械のように正確にボールを回収していく) 」

シーザー「シュロロロ…この俺様にはむかうとはいい度胸をしているな…ジワジワといたぶり殺してやるから覚悟しやがれよォッ!!!いけェ!!!!(したっぱたちにサボへ襲いかかるよう命令する) 」


BGM♪



ロケット団したっぱD「おらっ!!(モンスターボールを投げる) 」

syamu_game「 ええいっ、抱きつき攻撃。(女性市民を見つけて抱きつくと同時にポケモンを奪う) 」

ポチエナ「ガルル…!(したっぱDのボールから出現し、サボに襲いかかる) 」

ロケット団したっぱC「なんだ貴様!?怪しい奴だな…痛めつけてくれるわ!(ヒロを発見し、ボールからズバットを出現させる) 」

ヌマクロー(ダークライ)「(殺伐とした状況に四天王タケシが繰り出した野生の伝説のポケモン『ミュウツー』のアロラーラの姿が!)イワァァァァァ―――――――― ッッック!!!!!!! 」

syamu_game「 すまんすまん、頭をナデナデ。(ポケモンを奪った後、女性市民の頭を撫でてその場から離れる) 」

サボ「 来るか…?フォンフォンフォン… ! (鉄パイプを振り回しながら身構える) よっ!!(襲いかかってきたポチエナを薙ぎ払い、したっぱDを蹴り飛ばした) 」

ミヤコ「 ヒロ!危ないの~!(したっぱCの襲撃に彼の背に回る) 」

ヒロ「……気づかれたか…!(ズバットを繰り出したのを見てなぜか日本刀を構える) 」

ロケット団したっぱF「裏切り者めぇ…!!貴様は絶対に許さねえ!!(ボールからマグカルゴを出す)マグカルゴ!“かえんほうしゃ”だ!! 」

ヒロ「…!ミヤコちゃん!大丈夫だ、俺の後ろにいれば…!(背に回った彼女に対) 」

ズバット「ズバッ!!(上空を旋回し、急降下からヒロに噛みつこうと襲いかかる) 」

syamu_game「 あ、今のでキュンっときたね?俺に惚れたらダメだで(すれ違う女性したっぱに対しナンパ) 」

マグカルゴ「ゴァッ!!(ナックルズとルイージに対し、口内から火炎を吐き出す) 」

syamu_game「 よこしやがれ!(子供を殴ってポケモンを奪って回る) 」

ルビー「 ―――人からものを奪ったら、泥棒だよ!(颯爽と現れ、ゴランの前に立ちふさがる)さ、盗んだものを返してあげて! 」

syamu_game「 どひゃあ~~~!!!(慌てて火炎から逃げ出す) 」

ヒロ「……そのままの軌道で…飛んでろよ…!(しゃがんだ瞬間木刀に切り替え、叩きつけるように急降下してくるズバットに向けて振りかざす) 」

ナックルズ「 熱いねぇ~!(火炎に身が包まれるが、その中で平然と不敵な笑みを浮かべる)熱いくらいがちょうどいいんだよ!うおらぁッ!!(マグカルゴに正拳突き) 」

ズバット「ずばっ…!!?(ヒロの一撃に地面に叩き落とされ、戦闘不能になる) 」

ロケット団したっぱH「あははは!今度はあたしが相手よ!!(ボールを投げ、ルージュラを出す)ルージュラ!“れいとうビーム”よ! 」

syamu_game「 アッアッアッアッアッ!ポケモンたくさんゲットしただで!これで彼女できるだで!(盗んだモンスターボールをシャツの中に入れながら、女性したっぱたちや船に乗っていた女性に向けてクソキモウィンク) 」

ルージュラ「 ヒ ュ ォ ォ ォ オ ! (ヒロの両足に向けてれいとうビームを解き放った) 」

マグカルゴ「マグガァ…!!(ナックルズの重い拳に殴り飛ばされ、したっぱFに激突する) 」

ゴラン「―――――もぐ。   月給、この国の通貨で2百万。それが最低賃金で、使えるポケモン一個につきプラス15万。それが俺に提示された条件だ。―――――合理的に考えようかお嬢さん。君に"それ以上"の報酬が支払えるか(そう告げるとハンドガンをバックルから引き抜き躊躇なくルビーへぶっ放した) 」

シーザー「 使えねえ雑魚どもが…いいだろう。ならば、「ガスガスの実」を食べたこの俺様が直々にひねり潰してくれる!!(全身をガス状に変形し、爆発性のガスを森林地帯に充満させる。その後、懐から取り出したカスタネットを鳴らした)―――“ガスタネット”!!! 」


ボッガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーンッ ! ! ! ! ! !(シーザーの攻撃により、島の森林地帯が瞬く間に業火に包まれる)


ヒロ「………今度は冷気かよ!(土でガスバーナーを錬成し、れいとうビームに向けて撃つ) 」

ルビー「 ひゃっ…!(身を翻し銃弾を間一髪回避する)グルングルングルン―――― ジ ャ キ ィ ン ッ ! ! (手にした赤い武器「クレセント・ローズ」を大鎌状に変形させ)計算は苦手なんだよ――――ね!!(ゴランに接近し、薙ぎ払いを仕掛ける) 」

ロケット団したっぱF「ぬぐぁッ!!(マグカルゴと共に吹き飛ばされた) 」

ルージュラ「ジュラ…!!?(れいとうビームを溶かしたガスバーナーがそのままルージュラに被弾し、身を焦がしながら倒れ戦闘不能となった) 」

ランス「部下から連絡が入ったと思えば…これはどういうことです?(ヒロたちの前に数人のしたっぱを引き連れ現れる)あなたですか?我々の邪魔をしているという青年は。(ヒロたちを睨みつける) 」

ゴラン「 !――――(動体視力に対してより素早い……加速能力……"契約者"か)もぐっ だが(目と鼻の先までルビーの薙ぎ払いが接近するにも関わらず棒立ちしハンバーガーを一口頬張る、すると)"下位互換"だな(青い残光を残しゴランの姿が『消滅』した)  ゴッ  いっでぇ!(するとルビーの背後。並の人間が恥じれば20秒は要する距離にある木にぶつけたのか鼻頭をさすっている) 」

ヒロ「…………そうだと言ったら?(睨みつけるランスに対しても怯まずに) 」

サボ「 おっとっと…こいつぁやばいな…!(燃え盛る木々をよそ目に冷や汗をかく)だが…生憎、火炎なら俺の方が勝っている。シュボ…ッ… ! ! ! (右手が発火し、やがてその炎は回りの火炎をも呑み込むほどに膨張する) 」

ルビー「 えいやっ―――――!?(獲物を振った瞬間に感じた"虚無感"。その手応えの無さに一瞬目を丸くし、空ぶった反動から前転し態勢を整える)今のは…“センブランス”…?でも何か違う様な…??(頬に人差し指を添えながら、難しそうな表情で小首を傾げる) 」

ヒガナ「ナイスファイトだねヒロ~♪ (ヒロの背後から現れ、彼の肩にポンと手を置く)おっ、どうやら幹部のお出ましだね。ここはヒガナちゃんも手を貸した方がいいかもだね~―――― ス … (モンスターボールを構え、投げ出した) 」

ロケット団したっぱH「……!?ランス様…!!(ああぁん…ランス様…なんてかっこいいのかしら…!)(現れたランスの冷徹な表情にうっとりする) 」

ランス「粛正するのみ――― ス チ ャ (モンスターボールを構える)私はロケット団・幹部『ランス』。ロケット団で最も冷酷と呼ばれた男。貴方がたを排除します。(ボールを投げる) 」

ボーマンダ「ゴアァッ!!!(ヒガナのボールから出現) 」

ヒロ「…おっ(肩に手を置かれたのに気づき、後ろを向く)おうよ、ここで本気を出さねえでいつ出すってんだ!……ついに幹部が出てきたか!(彼女の言葉で再度表情を引き締める) 」

エアームド「キィキォンッ !!(ランスのボールから出現) 」


Vs 《ロケット団・幹部》 ランス


BGM♪



シーザー「 何…ッ…!?貴様も能力者か…!!(発火するサボを見て仰天) 」

ゴラン「 やれやれ……明日は筋肉痛だ……。(何処へでもなく発した愚痴とは裏腹に『感情という光のない』目をルビーへ向け)――――お前の異能は『加速』だろう。だが俺のそれとは速度の質が違う。どこぞの誰かのように、広範囲に遮蔽物をバラ魔kれればお陀仏だが心配はなさそうだ。それじゃぁ……―――――(再びハンドガンを抜き取りルビーへ銃口を向けるが)prrrr!!(ポケットから着信音が響く)……?ああ、少し待て。不意打ちとか考えるなよ。合理的じゃない(そこから携帯を取り出し耳に当てた) 」

サボ「シュボッ…ボボォッ… ! ! ! (火炎はさらに熱を帯びる)燃える竜爪拳――― ガ ッ ! ! (一瞬でシーザーの懐に潜り込み、彼の腹部を尋常ではない握力で掴み)―――“「火炎」竜王”…!!!(業火を纏う腕を回転させ、シーザーに凄まじい一撃を炸裂させると共に遥か彼方へと吹き飛ばした) 」

シーザー「んなッ――― グギャアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァーーーーーーッ!!!!!!(サボの業火の鉤爪に身を抉り出されるような痛みが走り、身を焦がしながら水平線の彼方へと吹き飛ばされた) 」

ランス「エアームド ―――“かみなり”です。 」

吉良の同僚「 おいおいおい、おいおいおいおい……ッ! アイツ等ロケット団じゃあねぇか。確かポケモンを出して攻撃するんだったな(┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨) 」

エアームド「キィキィギシャァーンッ!!(ゴ ロ ゴ ロ …――― ピ シ ャ ア ア ア ァ ァ ァ ー ー ー ン ッ ! ! ! )(本来ならば覚えられるはずの無い技“かみなり”を繰り出し、ヒロとボーマンダに雷(いかずち)が天より襲いかかった) 」

ルビー「 ハッ ばれちゃったらしょうがないね(てへぺろ)んむぅ…(確かに今のスピード…私よりも圧倒的に早かった…!真っ向から戦おうとすると勝てないかも…どうすれば…)ぐぬぬっ…それでも、負けてたまるか!え~~~い……ほわー!?!?!?!?(ゴランの制止に、ギャグ漫画風にズサーと滑りこむ) 」

ヒロ「………来るか…!(雷を見て、土でゴム毬を生成し、雷に向けて投げる) 」


『――――――。――――――――――。いるんだろ?『赤ずきんちゃん』―――――。』(携帯からは音声が僅かに漏れている。その会話のほとんどは聞き取れなかったが、最中にルビーにとって聞き覚えのあるフレーズが響いた)


ルビー「 いたた…なになにもぅ~…―――――!(ゴランの電話越しに聞こえる男性の声。彼女はその声に聞き覚えがあった。決して忘れられることのないその声の主を、彼女はこう呼んだ―――)――――『ローマン・トーチウィック』……ッ…? 」

ヒガナ「うそっ…!?避けて、ボーマンダ!(エアームドの型破りの攻撃に不意を突かれ、ボーマンダに回避するよう指示を出す) 」

ボーマンダ「……!(ヒガナの指示で雷を華麗に回避する) 」

ランス「フフフ…エアームド、次は―――――“りゅうのいぶき”です。 」

エアームド「キィキィコォンッ!!!( ド ギ ュ ア ア ァ ッ ! ! ! ) (雷を退けたヒロとボーマンダに対し、今度は口内から凄まじい波動を解き放ち、吹き飛ばそうとする) 」

サボ「 フゥ…やったか。 ガシャアァンッ ! ! (シーザーの殺戮ガスを踏み潰す)ロケット団、か…まだこの島にたくさんいるみたいだな。(そう言うと灰燼と化した焼け野原を後にした) 」

ゴラン「 ―――――― 。ピッ(面白くなさそうに通信を終え耳元から端末を離すと、共通して聞きなれた名を彼女が読んだことにより黙して一瞥をやる)――――『それ以上の報酬を支払える』相手だ。どうやら、お前は俺の雇い主にとって『お得意様』らしい(そう肩を落としながら返すと回収したモンスターボールを詰めていたズタ袋を取り出し、目の前にさらして強調)―――前金だ。だが断れば中のペットごとこいつをお見舞いする。まずは話を聞け、いいな?(―――――そのズタ袋へ、ボールに収まり抵抗できないポケモン達へ銃口を密着させた) 」

ボーマンダ「ボマァ…!!(りゅうのはどうが直撃し、空中から地面に叩き落とされる) 」

ヒガナ「ボーマンダ…!?(落下したボーマンダのもとへ駆け寄る)どういうこと…?どうして… エアームドが………!まさか… 「改造」…!!? 」

ルビー「 …ッ……!(ボールに銃口を突きつけるゴランに屈し、無表情の彼を悔しそうに見上げている) 」

ヒロ「………チィッ…!(波動に向けてショットガンを構えるが、間に合わずに攻撃を食らう)……!?(さっきから様子がおかしいと思ったら……本来ならありえない攻撃な訳か!)(ヒガナの様子を見て) 」

ゴラン「 ――――クライアント……いや、ローマン・トーチウィックからのアドバイスは二つ。ひとつ、今のお前はチームではない、よってその『指揮能力』は意味をなさない。よって単独では組織に対し無力に等しいと知ること。二つ、お前は幸い『何も知らず』客船へ乗り込んだ。他にもそういった輩は多いと聞く。ならばそれらと合流し、闇雲に戦うのではなく反撃の機会を伺え。 以上ができるなら、その上で『この組織を潰せる』なら、これは前金として渡してやれ。そして微力だが協力もしてやるんだそうだ(そう告げると『できないなら』と強調するようにモンスタボール入りの袋に銃を押し付けた) 」

ランス「改造とは人聞きの悪い。これは「進化」なのです。(フフフと不敵な笑みを浮かべる)このナナシマには「たんじょうのしま」と呼ばれる小島があります。その島にはかつて、遥か大昔より隕石が飛来した。大いなる力を秘めた隕石の落下と共に、その島を中心に膨大な特殊エネルギーが発生。そのエネルギーの影響を受けたポケモンは、従来の生態とは異なる個体へと変貌を遂げた… 」

ランス「我々はこのエネルギーを『ホロンエネルギー』と呼称。ホロンエネルギーが蓄積し、個体変化を遂げた特殊なポケモンを『デルタ種』としたのです。 」

ランス「『デルタ種』となったポケモンは、タイプ、とくせい、技、ステータス…あらゆる面において従来の個体とは変化し、そして、その潜在能力も極めて高い。我々ロケット団がこのナナシマを占拠したのはその為…デルタ種のポケモンを人工的に生み出し、最強のポケモン軍団を築き上げることで、全世界がロケット団に跪くのです。(両腕を広げ不気味な笑みを浮かべる) 」

ルビー「 …… …… ……わかった…(ローマンの企みを疑いつつも、今目の前にある『命』を優先し、獲物をしまい戦闘中断の意思を示す) 」

ミヤコ「 あの人…なんだか怖いの…(ヒロの背後からランスの冷酷な表情に慄いている) 」

ゴラン「 いい子だ……(モンスターボール入りの袋を何の気なしにルビーへ放り投げ、ハンドガンをホルスターへ仕舞う)あれでもお前に何度もしてやられたんだ、それなりに評価はしているんだろうさ。これは俺個人のアドバイスだが、合理的に考えるなら『話に乗ったフリ』をしておくのが利口だろうな 」

ヒガナ「……!(「隕石」―――そのワードに全身に戦慄が走る)…まさか…"大災厄"の引き金は――― ううん、怖がっちゃだめ、ヒガナ。予言を止めるんだ…その為に私は…!(ヒロに一瞥を与えた後、ランスを睨みつける)ボーマンダ!“だいもんじ”!! 」

ボーマンダ「ボアァッ!!(大の字の火炎をエアームドに解き放つ) 」

ヒロ「………あぁ、言ってることはよく理解できねぇが、確かなことは…あいつら、放っておいたら大変なことになるってことだな………(背後で慄いているミヤコの頭に優しく手を添える) 」

ルビー「 わわっ…!(投げ渡されたボール入りのズタ袋を両腕で受け止める)…あなたはいったい… あの男(ローマン)は何を企んでいるの? 」

エアームド(デルタ種)「 ド ゥ ッ ! ! (ボーマンダのだいもんじが炸裂。しかし…) ニ ィ ――― キィコカァンッ!!(デルタ種であるエアームドは従来のはがねタイプではないらしく、弱点であったはずの炎が一切通用していない。反撃として、ボーマンダとヒロに再び“りゅうのはなどう”を放った) 」

ゴラン「 もぐっ……俺は"契約者"だよ。元々はロシア、KGBの雇われだったが全身蜂の巣にされたと思えばこのわけわからん世界だ(ルビーが自らとローマンを疑っている様子を考えるまでもなく察し、面倒臭そうに肩を落とす)―――なぁ、お嬢ちゃん。お前"死ぬのは嫌だろ?" 」

ルビー「 ロシ…?ふぅ~ん…(聞いた事のない名前にぎこちなく頷く)…それは…みんなが嫌だと思っているよ……(伏し目がちに) 」

ヒガナ「(炎はダメ…いったいどうすれば…―――)……?(りゅうのはどうを放つエアームドを見て、ふとあることに気づく)もしかして… よしっ!ボーマンダ―――“ドラゴンクロー”!! 」

ボーマンダ「グガァアッ!!(りゅうのはどうを飛行回避しながら、ドラゴンクローで反撃に回った) 」

ヒロ「………(本来はあれが効く…けど効かないわけね。火の攻撃は通用しないってことか)……(土で大きな筒らしきものを錬成させる) 」

ヒロ「…そらぁっ!!!(りゅうのはどうに筒を向け、大量の水を発射させる) 」

ゴラン「 ―――――それが何よりの答えだ。そして何よりも"今は"ローマン・トーチウィックという最も己の利益を愛する人間だからこそ信じていい理由だ。俺もあいつも"一度死んだ"からこそ知っている、その誤算は『己の保身を合理的思考に組み込まなかった』ことだと。だから、今はあいつもお前も、『生きる』という共通の利益を持つと感がレバいいさ。それが合理的だ 」

エアームド(デルタ種)「 ピ シ ッ ! ! (ヒロの放つ水を鋼鉄の翼で受け止める)―――!?(だがその隙を突かれる様にドラゴンクローが全身に炸裂し、大きく吹き飛ばされる) 」

ヒガナ「やっぱりそうか…!このエアームドは…「ドラゴンタイプ」!だったらこっちのもんだよ! バ ッ ! (右足に装着されたメガンクレットのキーストーンが輝きだす)行くよボーマンダ…――――"メガシンカ"!! 」

ボーマンダ→メガボーマンダ「(ボーマンダが持つメガストーン「ボーマンダナイト」がヒガナのキーストーンに反応に輝きだす)キュラキュラキュラ―――― ズ ギ ャア ア ア ァ ァ ン ッ ! ! ! ボアアアアアァァァァッ!!!(全身に包まれた神々しい結晶体が破裂すると、メガシンカを果たしたボーマンダが姿を現した)グガアアアァッ!!!(渾身の一撃を込めた強烈なドラゴンクローを叩き込んだ) 」

エアームド(デルタ種)「キィキィギィガアアァッ…!!!(メガボーマンダの凄まじい一撃の前に敗れ、戦闘不能に) 」

ヒロ「受け止めたか……だが、十分!(ボーマンダの姿を見てニヤリ)……!?(メガシンカしたボーマンダを見て) 」

ルビー「 あ……(脳裏に過る過去―――夜空、荒れ狂う風に舞う戦艦の甲板上で対峙するシルクハットの男、視界を覆い尽くす巨大な黒い化け物…そこから先は、眼を伏せたくなるような惨劇―――)…「生きる」 … そうだよね。朝起きて、美味しいものを食べて、友達と学校へ行って、楽しく遊んで、ふかふかのベッドに寝て…そうしてずっと、私は「生きて」きた。そして今も…ひとりになった今でも、私はここに「生きて」いる。みんな同じなんだ。(両腕の中にあるボール、その中ですやすやと眠るポケモンたちに視線を落とす) 」

ランス「くッ…!馬鹿な… まあいいでしょう。たかだか一匹が落とされたくらい、どうということはありません。我々にはさらに強力なポケモンがいる。貴方がたは決して我々の野望を打ち砕くことはできない。強大な力を持つ、我々を―――(帽子の鍔に手を当て、その場からしたっぱたちと共に静かに退却した) 」

ゴラン「 (まぁ俺もあいつも死にたくねぇってのが本音なんだが)―――というわけだ。とはいえ結局のところ他人の生き死にまでは合理的の範疇にはない。くれぐれも"悟られるな"よ。お前がどうなろうが俺達は助けないしシラを切る。そうなるまでが共同戦線だ(そう告げると開封していないハンバーガーを放り投げ)包み紙でも紙は紙だ。俺はまだ構成員として潜伏する。用があったらこれを連絡手段に使え(そう告げるとひらりと手を振り、森の茂みへ姿を消す) 」

ヒガナ「ありがとう、ヒロ。お陰であいつの弱点を探り当てることが出来たよ。(メガボーマンダをボールに戻す)逃げられちったか…アジトの在処を聞き出そうと思ったんだけど、これは虱潰しにやっていくしかないかな。 」

ルビー「 おっとと…!いいにおい~♪(包み紙から漂うハンバーガーの香りにうっとりする)あー、うん…ありがとう。……難しいことは、食べてから考えよっと!(不思議そうな顔でゴランを見送った後、包み紙からハンバーガーを露わにし口いっぱいに頬張った) 」

ヒロ「ハハ、お役に立てて何よりだ(退却したのを見て脱力した顔でメガボーマンダを戻したヒガナを見る)あっ、そうか……(まぁ、あの様子だと…仮に聞き出したとしても吐きそうにはねえ気もするな……)あぁ、そうだな……俺も全力で行くぜ…!(ヒガナの言葉に乗るように気合いを入れる) 」


その頃…


――― ナナシマ・6のしま ―――


門矢士「 ヒ ュ ォ ォ ォ ォ … (点字が刻まれた石柱しか存在しない殺風景な島。かつて自身が訪れたこの地に再び足を踏み込み、足元に転がっている瓦礫に視線を落とし目を細める)……俺以外に「ここ」へ来た奴がいたみたいだな。(そして、目の前の石柱に手を添えた) 」


ジ ャ リ … ジ ャ リ … ―――― やあ、『士』。(彼以外誰もいるはずのない静かな島に新たな影が忍び寄る。まるで慣れ親しんだかのような青年の声が、彼の背後から聞こえた)


門矢士「……とうとう『この世界』にまで踏み込んできたか―――― 『海東』。(背後の声の主には振り返らず、両手をズボンのポケットに差しこむ) 」

海東大樹「 ジ ャ リ … (足元に散らばっている瓦礫の破片を踏みならしながら士へと歩み寄る) ずいぶん久しいのに湿気た挨拶じゃないか。もっと僕を見たまえよ。 」

門矢士「今更俺に何の用だ。 」

海東大樹「君に用はない。ただ、君が訪れた『この世界』に興味があってね。あるんだろう?この世界にも…あっと驚くような『お宝』が。(右手に、赤と青の宝石…ルビーとサファイアが握られている) 」

門矢士「相も変わらず宝探しか。懲りない奴だな。…まさかだとは思うが、お前も読み説いたのか?(席柱を見上げながら) 」

海東大樹「…ひかり かがやく ふたつの いし。ひとつわ あかく ひとつわ あおく。(破片を踏みならしながら周辺を歩き渡る)ふたつの ちからで かこが つながり…ふたりの ちからで ひかり かがやく… そして あたらしい せかいが みえてくる(片手に握ったルビーとサファイアを、満月に掲げる。月光により照らされた赤と青の宝石は、更なる輝きを帯び始める)つぎの せかいを つくるのわ あなただ…―――― もー はじまっている。 」

海東大樹「…「あかいいし」と「あおいいし」…君は"意思"と読み取ったみたいだが、僕は"石"…即ち宝石だと思っている。この世に眠るお宝というものは素晴らしい力を秘めている。きっと僕が見つけたこの宝石こそが、新たな世界へと繋がる鍵となる。君はどう思う、士? 」

門矢士「そんな石に価値を見出そうとしたところで、所詮は石ころに過ぎない。お前の曲解などに興味はない。 」

海東大樹「そうかい。(そっけなく応え)ま、やはり君じゃお宝の素晴らしさは理解できないだろう。…僕はもう『この世界』のお宝は手に入れた。でも、『この世界』はまだ進行していない。きっとその先に、もっと素晴らしいお宝が眠っているはずだ。君が『世界』を進めてくれるまでの間、僕は『他の世界』でお宝探しに出かけるとするよ。精々がんばりたまえ。(ふっと不敵な笑みを零し、結局士とは目を合わせることもなく「この物語」から消え去った) 」

門矢士「……いずれ俺は『この世界』も、そしてすべての世界も破壊してやる。それが俺の…"役目"であり、この世界の"天命"なのだからな ―――(海東とは正反対の方角へと歩き去っていった) 」


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最終更新:2019年09月05日 20:25