リューズ島

《 リューズ(とう) / Gear island 》


概要

僕らの物語』・第1章に登場する舞台。
僅かな草木に紛れて数多の錆びた歯車残骸がいくつも点在している発条仕掛けの島。

もともとは旧カオス文明の時代に生み出された複雑な歯車式機械の産物であり、高度な科学文明を齎していた巨大な工業島。
だが後述する「とある大事件」の影響を受けて本島が海底へと沈み、その山岳が現在のような孤島となっている。
主に東西国の貿易における仲介地点ともなっており、東西の国を繋ぐ海域に存在する島国の中では3番目に大きく発展していることから観光地ともなっている。

島に点在する歯車は、それ自体構造が非常に精巧であり、古代の著名な科学者たちが作成に関わった可能性が取り立たされている。
島にある歯車の建造物全てが世界遺産に登録され、長年島民たちによって大切に保管されてきた。

島周辺の海域では定期的に大きな渦潮が発生と消滅を繰り返している。
これは、海底へと沈んだ本島の一部の歯車が時々起動しては回転し、その遠心力によって渦潮が発生しているという仕組みであった。
海底の歯車が一時的に起動するタイミングは島民による長年の観察によって判明されており、発生する時間帯は既に把握されている。

ただし、「12彗星」の日を境に海底の歯車の起動が収まらず稼働し続けたことから海域の渦潮が消滅せず、数多の船がリューズ島への停泊もしくは旋回を余儀なくされた。
同時期に、長年封鎖されていた「風の塔」(下記)がポーキー率いる亜空軍残党によって開放され、塔及び地下にある本島が占領される事件が発生。
原因追及のために乗り込んだ「あなた」たちの活躍により、ポーキーの暗躍と渦潮発生の原因が直結し、後に解決される。

500年前、とある科学者を筆頭に「天の聖杯」がこの島で生み出された。
しかし不慮の事故によって天の聖杯は暴走。
甚大な被害を被ったリューズ島はこの大事件により海底へと沈んでしまい、同時期に並行していた実験等もすべて頓挫された。
地下本島には今でもその当時に生み出された古代文明の一部が眠っている。

『僕らの物語』・第5章に登場する「月の都」とも密接な関係がある(詳細は該当ページを参照)。

僕らの物語 外伝 Episode of "You"』にも登場。
劇中では『僕らの物語』本編での事件が解決した直後の話が描かれており、「あなた」はここでユゥと出会った。
島民のフサギコ曰く、リューズ島が誕生するよりもはるか昔からこの海域には伝説のポケモン「ルギア」が縄張りとしており、
その当時島に流れ着いた放浪者の学者たちがこの地で歯車を応用した文明を築き、その回転力を利用することで海流を良くし、
この海域に多くの魚を巻き込むことでルギアの空腹を満たし、
その関係からルギアと絆を結んだ人々に友好の証として「銀色の羽」を授かる。
銀色の羽がある限り、ルギアは島に危機が会った際に駆けつける守り神として称えられることとなる。
しかし、その銀色の羽が不慮の事故で喪失した際にはルギアは怒り狂い島を半壊させるほど暴走するなど危険も伴っていた。
先住民たちは年に一度の夏頃、銀色の羽の交換期として島に上陸するルギアに羽を献上し、新たな羽を授かる「風祭り」を開いている。
そこから現在に至り、「あなた」一行によって壊滅に追いやられた亜空軍残党に銀色の羽が盗まれたことで二度目の災害が発生し、
暴走したルギアを鎮める為に島民や観光客たちと協力して行動することになったが、
羽よりも危機に瀕したユゥを優先した「あなた」の行動に感心したルギアは人間への信頼が変わり、彼らにすべてを委ねる形で羽を残すことなく島を去った。
ルギアの意思で銀色の羽が完全に消失したことでもはや羽に気遣うことはなくなった島民たちだが、
それでもルギアを奉るための風祭は今後も変わらず開き続けるという。


施設一覧

ネジの町
島の玄関である交易港から近い場所にある小さな町。
大きな一本の脇に様々な店や建物が並列している簡素な町並みだが、野外には屋台や一人身で物売りをしている商業者たちがいて賑わいを見せている。
リューズ島の代名詞ともいえる歯車をはじめとした機械部品やジャンクパーツなどを売っているお店が多く見受けられる。

風の塔
ネジの町から離れた丘の上に立つ錆び果てた鉄塔。
鉄塔の上には、まるで風車を思わせる大きな歯車があり、今もなお回り続けている。
塔の歯車が止まると風が凪いでしまう不可思議な現象が起き、島民からは風の塔が島に風を吸い寄せ送り込んでいるのではないかと噂されている。
メディ曰く、風の塔が齎す遠心力によって島全体の電力を生み出しており、島民の生活をより豊かなものにしているとのこと。
塔内部には地下にある本島へと通じるエレベーターが存在する。
500年前に起きた天の聖杯による大事件によって硬く封鎖されていたが、亜空軍残党によって開放されてしまう。

パージエリア
リューズ島の地下に眠る広大な工業施設であり、「本島」とも呼ばれている。
幾つもの歯車が施された機械空間であり、薄暗い空間に怪しい緑のネオンライトが仄かに道を照らしている。
劇中では以下の施設が判明している。

  • 動力室
パージエリア最深部に存在する広大な円形空間。
その中央には棺桶を模した装置が存在し、そこに天の聖杯であるホムラが封印されていた。
同時に棺桶装置の前には天の聖杯の所有物である「聖杯の剣」が刺さった台座もある。

  • 宝物庫
劇中では、亜空軍残党が収集したガラクタや非常食などをはじめ、
彼らを束ねるポーキーが唯一大事にしていた宝物「古びたヨーヨー」が保管されていた。

  • 資料庫
かつてリューズ島で行われた研究に纏わる報告書が保管されていた部屋。
劇中で明かされた報告の内容については下記を参照。

+ 報告書内容
【報告書:12900913】
長い間、例のプロジェクトの後継科学者を探していたが、前任者「W.D. Gaster」の代わりとなる崇高な人物はいなかった。

【報告書:18910704】
方舟計画《プロジェクト・アーク》は順調に進んでいる。
だが、「方舟」の完成まであと少しというところで、責任者の「プロフェッサー・ジェラルド」が世界政府へ連行されてしまった。
当然のことながら、この計画は頓挫した。しかし、「方舟」はまだ眠っている。

【報告書:18920426】
人為的に開放した異次元ホールの果てに、とある星の存在を確認する。
その星の文明は我々人類が長年築き上げてきたそれとは比較にならないほどの超高次元的なものであった。
何より目を引いたのは、それらの遺産の殆どに"願いを具現化するシステム"を実行するための類稀なるプログラムが設定されていたのだ。
後にその星は「ハルカンドラ」と名称付けられることとなった。

【報告書:18930617】
我々は彼らの文明を流用し、彼らが遺した未完成となる遺産を人工月としてカモフラージュし、世界政府の目を欺きながら完成を目指した。
だが、頓挫してしまった方舟計画《プロジェクト・アーク》により、この作業からも撤退せざるを得なくなった。
人工月「Star Dream」は未だ衛星軌道の何処かを彷徨っている。

【報告書:13940522】
不可能を可能に変える」――― それこそが、科学を科学たらしめる不変の指標である。
しかし、我々はそれを成すことができなかった。足りなかったことはただ一つ。
何も考えず無我夢中に走り続けていた、あの幼き日にあった混じり気のない心だけだと、私はここを去る間際に思いだしたのだ。

【報告書:14971202】
そして、ついに発見した。未だかつて発見されたことのない電磁異常物質を。
これはエネルギー保存則を無視した永久機関だ。
更に研究を進めた結果、これは多元的な世界同士を繋げるマルチバース・ジョイントであることが判明した。
我々はこれを「扉《ゲート》」と呼んだ。
扉《ゲート》を利用した相転移実験を成功させれば、人類が夢見た理想を実現できるだろう。

【報告書:14971218】
合議型人工知性群「トリニティ・プロセッサー」を制作。
これは、「プネウマ」「ロゴス」「ウーシア」の3つの生体素子を採用したプロセッサー群から成る。
プロセッサーの各々を異なる仮想空間で育成することで個性を獲得させ、
その合議により我々人類の判断に拠らないの扉《ゲート》管理運営を可能にすることを期待したい。
その願いを込め、我々はこの三体を『天の聖杯』と呼ぶことにした。
だが、この混沌世界が齎すエーテルの流れに乱れが生じ、「ロゴス」と「ウーシア」は別次元の彼方へと消失してしまった。
我々にはもう、「プネウマ」しか残されていない。

【報告書:14980118】
残された天の聖杯「プネウマ」を基に、被験者を通じて疑似的な同調実験へと移行する。
扉《ゲート》から直接エネルギーを抽出することで超常的な力を持つ天の聖杯の存在は絶大的と言えるものだった。
仮に実験に失敗しても消滅することなく存在し続ける。そうして何度も失敗を重ねながら実験を続けた。
やがて実験結果より、天の聖杯はすべての生命体と同調することが可能とされ、
同調した生命体情報、更には経験や感情までもが記録されるなど、生命を管理するに相応しい役目を持っていることが分かった。
これら蓄積された情報を基に新たな進化コードを提言することで、更なる生命体を生み出す命の循環を作り出せるかもしれない。

【報告書:14980228】
天の聖杯の実験もいよいよ大詰めとなり、我々はついにプネウマへの本格的な同調を開始することとした。
結果、驚くことにプネウマから「一人の少女」が誕生した。プロセッサーが擬人化されたものと推測。
対話を試みようとしたが、不運にもーテルの乱れ――"混沌"――が発生。その影響により少女の人格はほぼ半壊し、ついに暴走。
驚異的な潜在能力を発揮した擬人化体はこの研究所、更には地上へと抜け出し世界全域に甚大な被害を齎した。
幸いにもその活動時間は一時的なものであったらしく、機能停止した実験体の回収に何とか成功。
しかしこの事件で様々なプロジェクトが夢半ばへと潰えた。
無論、事件の影響はついに隠し切れないものとなってしまった。世界政府が我々の所在を把握したのだ。
苦渋の決断の末、生存した我々はこの島諸共海底へと鎮め、逃走することに至った。
悲劇の発端となってしまった「天の聖杯」も、動力室に封印することとする。
次に目覚めた頃は…我々人間に悪意を抱くことがないようにと願いたい。

墓標島
「第5章」にてメディの発言から明らかになった場所。
リューズ島付近の離れ小島であり、おびただしい程の墓標が立っている。
これは、500年前に起きた天の聖杯の暴走事故により無くなった当時の関係者たちのものであり、
ユリアナを導いたはずの「レーメ少佐」と「プルシュイ博士」もここに眠っている。

ロストエリア
「第6章」にて明らかになった場所。
リューズ島・本島、パージエリアよりも下の最深部にある広大なエリア。
ここには200年前に造られた『方舟《 アーク 》』が今も尚眠っている。


参考ページ


参考画像



僕らの物語へ戻る

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2024年08月07日 21:37