紀元龍戦記ログ1

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生まれながらに不自由だった

全ての選択を拒絶され、”世界が拒む”が故に心を解き放とうとした。いつの日か、黎明を見収めるだけで毎日が幸福であれるようにと

生まれながらに不自由だった

全ての選択を否定され、人が拒む故に人の領域から解脱した。いつの日か、果ての景色へ至れるようにと

生まれながらに不自由だった。

全ての選択が許容され、”世界が代行する”から心に鍵をかけた。いつの日か、自分自身でさえ心の極彩を忘れられるようにと

世界を殺し尽くせば、この森から抜けられると信じて止まなかった





———20XX年 某国某所———






『—————7番ホームゥゥゥ……到着した列車はァァ 快速ゥゥ…… ケイオス東部首都行ですゥゥゥ ご利用ゥゥウ ありがとォォごずァいましたァァァァ ドアが開いてからァァァ 席をおたちくだs』


ミラ「 しっつれーい!! (ピンク・青と多色なメッシュが走る銀のツインテール、黒のタンクトップの上に宇宙服めいた白いパーカーを羽織った風代わりな少女が駆け抜ける。列車からホーム、ホームから改札へ弾丸のように飛ぶ)あーもしもしスタッフ!?誰でもいいの! 本番開始まで残り時間がアーアーアーアーアーアー……あと20!!いや15秒だから簡潔に言うね!!(雑居ビルの間を”三角飛び”し、風で音が拾いにくい中一方的に腕時計デバイスへ声を張り上げる) 」

ミラ「—————今から私のやること! “演出”ってことで口裏合わせてッ!!(雑居ビルの屋上へ着地、そのまま脇目も振らず、ツインテールが水平に尾を引く速度そのまま突っ走り……)┣¨  ごっめェーん!!待ったァーーッ!!?  ゴォ ン(駅前に設置された即席の”ステージ”へスパイダーマンさならに着地して見せた) 」

モブクロー「YEAHHHHHHH!!!!!!!!!!!(ステージを囲む客席を埋め尽くす人々、沈黙ポケモン、ヌマクローを含む”サポーター”がサイリウムを両手に奇声を上げる) 」

マルガリッタ斎藤「尾崎ィィーーーーッ!!来たぞあいつだ!!あいつ!!殴れ!! 私のゲーム実況が流行んなくなった原因大体あいつ!!ひがいもうそう……んなわけないわ!!殴れ!!浅野ォォォ————!! 」

イャンクック「キリンせんぱぁい。誘われたからきたけどこれなんなん?地下アイドルが地上に進出したようなもんじゃないあれ?(フライドポテトをもっさもっさ貪りながら) 」

キリン「お"い"!!言葉を慎めよ……イャンクックもアルベドじゃねえだろうな……(ツノをゲーミング光で照らしヘドバンしながら)『ミラ・ランドー』 V <ヴァース>から液晶の壁を超えてリアルに降り立つという偉業を成し遂げた未来の申し子だ。彼女がご機嫌は世界を変える、彼女の怒りが世界をぶち壊す!! 俺はどっちでもいい、どっちになってもそれは彼女の世界だ!!俺はその瞬間に立ち会うのだ!!わかったかクソボケナス!! 」

イャンクック「こわ ス橸ス栫c…。要は設定爆盛りV崩れハイブリットアイドルってことじゃん。アホくさ、ぼくしゃぶしゃぶ食いに行くんd……————— 」

リオレウス「あほくさ(その辺の柱をムッシャムッシャ食っている、ウラガンキンかお前は) 」

ミラ「えーえーえー……マイクテスマイクテス……よし!やすもんッ!!(マイクに見立てた適当な鉄パイプに声を吹き込んでから殴り捨てる) え"ー……みんな、まずは一つ言わせて! まだの人は眼科行こうね!!私で脳を焼かれてもおテレビで目を焼かれるなッ!!具体的に言うと1日2時間までねっ!!あとの時間は全部私に費やしてよろしく!!(シャウト混じりにジョークを飛ばしつつ親指を下へ向け地獄へ落ちろと伝える) それじゃあお待ちかね、リアルに世界をぶっ壊すよッ!!(快活にそう宣言するや彼女はマイクではなく適当な木の枝を口元に近づけ) 鼓膜ぶっ壊れろ、 『スコール・デストロイ』  」



——————z______!!~~====↑"↑"↑"↑"↑"↑"ッッッ!!!!!!!!! >> ★ <<  (それはあらゆる言語とも類さない"絶叫" 人の声がかき鳴らすエレキギターとでもいうような旋律。 意味がわからない、ただ攻撃的である、ただ背徳的であるとしか解せない。だが超毒性があり、聴くものの内に秘めた暴力性を引き出し、肯定し熱狂させる。 その感情の暴風は—————)

ポツ—————— ポツ——————   ザアアアアアァァァ…………  (本物の暴風を呼んだ。彼女の語調の強弱に合わせ天然物の雷鳴が轟き、会場を、周囲一帯を潤していく)



リオレウス「っせえな……キリンお前クシャル辺りにも声かけた?妙に風が強ェけど 」

キリン「お"い"!!言葉を慎めYO!!まサか |ノォレまデ ALBED じゃねーだろうNA!!(残像が見えるほどのヘドバンをしつつも受け答える)これは解放だ!!彼女がこの場にいる俺らの"フラストレーション"を広あげてるんだYO!解放!!最高!!解放!!最高!!お前も言え!!言えよおら!! 」

ちゃちゃまる「うおーーーーー!あのハゲ共今度ツラ見せたらぶっ刺したらよ!!ぶっ刺したらぁよ!!!! 」

リオレウス「こわ……オマエもそう思うよなクック?クック? 」

イャンクック「…………ほ、本当はもう……しゃぶしゃぶとか食い飽きてて……ほ、ほ"ん"と"は"!!毎"日"ス"テ"ー"キ"”……じゃなくって人肉食"い"た"いです!!モ"ン"ス"タ"ーだも"の"!! 」

米国の都落ち王「次当選したら任期を10年にしてやる!!20年にしてやる!!!!50年にしてやる!!!!!!100年にしてやる!!!!!!!! 」

ジャクリーヌ尾崎「言ってる事が良く分かりませんけれどいったいどういう事か説明してくださる!?(状況が呑み込めないままマルガリッタ斎藤に向き直り)いったいこれどういう……うぐうっ!?ちょっ、これ本当にどういう事ですの!?何か……"能力"の類ではなくって!?(反射的に耳を塞ぎ) 」

デッドプール「えーおはようテレビです、みなさんおはようございます。現場からお伝えしておりますーーー……えー…… 警官も対策が間に合わないほどの超スピードゲリラライブが彼女の売りの一つともされてるわけなんですけれども……えーご覧の通り、お集まりの皆さんは"感情"が爆発しておりまして、えー……あー…… くそァ!!!!!!(突然カメラマンにマイクを投げつける)本当はなァ!!!!俺だってなァ!!!!!こんなしみったれた番組じゃなくってよォ!!!!!全年齢のゴールドにでズバっててえよ!!!!キッズともがR18の世界に降りてこい!!!ウルヴァリン!!ウルヴァリンお前もそう思うだろうなあオ"イ"!! 」

スタッフ(新人)「うわぁ……こわ……(ステージ奥からポカリスエットを持ってミアの側まで"武装"したスタッフが駆け寄る)これ収集つくんですかぁ!?普通に警察沙汰…… 」

ミラ「っはー息継ぎたすかるーあんがとー。(飲料をノールックで掴み取り)  んっ  (口に含んだまま会場を指差す) 」

DATE刑事「KAZUMAのやつなァ!!あいつはなァ!!なんで一児の親になってから祖業が悪いんだお前よォ!!YAKUZAやってる頃の方が行儀いいってどういうことだよ!!おい!!どういうことだ!!(手頃な斎藤に嗚咽しながら喧嘩キックをかましている) 」

マルガリッタ斎藤「私もそう思うがなんで取り締まられてないか全くわからん!おいポリ公税金泥棒!!いい加減取り締まれあr……アッー!!尾崎ー!!たすけて尾崎ー!!(メタクソに蹴られネイマール以上に痛そうに転がる) 」

前原K1「うっ……!!!うわああああああああ!!ウッディ!!アァッ!!(どこからともなくバットを取り出し、手近な人間をバットで殴り始める) 」

ミラ「ほら、現場に駆けつけたポリもあのとーりだから警察もあんま大ごとにしたくないのよ。それにね? ライブ終わればみんななんかスッキリしたなー、全身痛いけどって感じで記憶も嫌なこともストレスも含めて吹っ飛んじゃうからへーきへーきぃ!(バンバンとスタッフの肩を叩き)スコール・デストロイもやったしハッピーヘルシングもやった、怒りのベイブレードと、ボブデビッグ・ジョーもやったし……。今日はあと一曲でしまいかな? 『テスタメント・パニッシュメント』イっちゃう? 」

スタッフ(新人)「マジっすか……(この防音アーマーそういう意味があったのか、っぶねぇ~~~)そっすね、時間も押してますしあんま長引くとまずいんでこう……そろそろ穏便に…… 」

リオレウス「な、なんだ!?みんなどうした!?みんな一体何をしてんだよッ!!!(CV:森田成一)ま、まともなやつはいないのか!? 」

モンスターハンター「本当は!!本当はステゴロでテメエを討伐してえんだ!!でもシステム上禿げないから!!素材取れないから!!クソ!!クソがよッ!! ク ソ が 世 (KOKA SEISHO) ガッガッガッガッ(リオレウスやモンスター達に蹴りだけを繰り出してくる。蹴り縛りに植えた悲しきモンスター、じゃなくてハンター) 」

ペニーワイズ「食らえクソ羊が!!!!!(ちゃちゃまるにジャスティスをぶん投げて自爆させる) 」

ジャクリーヌ尾崎「(音声が止まってる……動くなら今のうち……)普通にテロの先導にも等しいですわ!!とりあえずここから離れて……(斎藤の両脇に手を入れて引き摺り、騒動から遠ざける)忘れるも何もふつうに被害者出てますわー!! 」

竜宮レナ「あっはっはっ……あーっははっははははハァア!!K1くぅん!!駄目なんだよォそれをこんな所でえええええ!!(鉈を振りかざし、K1のバットと打ち合い) 」

アーニャ「アーニャおうちかえりたい 」

ミラ「おけまるー!(新人スタッフにもこびっこびのウィンクを飛ばし、軽快なステップで再びステージ中央に踊りです)エブリヤーング!!もう存分にオギャったりギャオったりしたかなー!?私はァ……   この世界ぶっ壊すまでまだァ!!でもぶっ壊すとみんなとさよならバイバイこの感情ともさよならバイバイ。そんなのイヤだから我慢して次ラスワンにすっからねー!(エレキギターに見せかけた火炎放射器を手に取り、拳を天高く振り上げる)それじゃあ心臓ぶち抜いてください。 『テスタメント・パニッシュメント』 (ステージ奥、設備すらない場所から不自然な花火が打ち上がり—————) 」

リオレウス「クソッ!まともな奴はいねえのか!!コイツは多分元々まともじゃない(モンスターハンターを雑に蹴っ飛ばし)散々だ……!!今年は厄年だ!!新年早々テレビを通じてみんな変な幻術にかかって頭おかしくなったと思ったら次は歌で引っ掛ける幻術かよ!! 」


——————— … . . ●  … . ———————

——————— 地上全体が"影"に覆われる   太 陽 に 風 穴 が 空 い た   


泉けん「みあたそおおおおおおおお!!!!!(スカイロッドで飛び回り、イケメンにボルガ博士を投下して爆発させる)ついで!(ちゃちゃまるにもボルガ博士を落とす) 」

ミラ「—————————。———————………    (絶句。 先まで彼女自身が何かのクスリをキメているかのように舞い上がっていたのが、太陽の消失によって電源を切られたかのように活力を消し飛ばされ、呆然と空を見上げた)  えっ……  え? マ? いや違う違う、ラスワン歌ってないし(スタッフに何度も目配せし、自分を指差しながら首を横に振る) 」

ボルガ博士×∞「うおおうおおおうううおおおううおうおううううおおおおおえおううおおおおおうううおおおうおえおうううおおお!!!!!(大量のボルガ博士が各地で大爆発する) 」

ニャオハ「(だる)(ボルガ博士の大爆発に巻き込まれまたしても立てなくなったニャオハ) 」

リオレウス「あ゛?また何かあったのかよ!?……なんかあの女も知らねえっぽいし!?やっぱ今年は厄年だよ!!!(そう愚痴をこぼしながらホバリングして浮き上がり太陽を見上げる) 」

イァンクック「人肉イェー!!人肉イェー!!野生解放!!野生解……   えっ  (感情の波が正常に戻り状況を見渡す。そしてミラに釣られ空を見上げ)—————。リオ先輩、俺……しゃぶしゃぶ食いに帰りたい……… 」

ジャクリーヌ尾崎「……っ!!(明らかに異常な雰囲気を察し、即座に顔を上げて耳を塞ぎ)――――耳をっ、塞いでくださ………っ……(空を見上げ、異様な光景を呆然と眺め) 」

モブクルーI「エルボォォォォォォォォオォ!!!!(ビッグバンインパクトでスカイロッドを撃ち落とす) 」

モブクルーI「(勢いで服が破れ背中に番号の入った蜘蛛の刺青が現れる) 」

マルガリッタ斎藤「クソァ、そこの恐竜くんの言う通り今年は厄年だよ……!助かった尾崎、そして助かってないらしいぞ尾崎(黒く染まった太陽を見上げ)えー……天気予報、天気予報……  あれ、え…… 」

リオレウス「クック!てめえ正気に戻ったのか!!(そう言って自分もまた空を見上げ、羽ばたいて少しばかり接近する)ンだありゃ…… 」


『北部通信めざましテレビです!!現場からお伝えしております!!ご覧下さい!上空に黒い太陽、そして海が!海が"栓を抜いた湯船"のように流氷ごと"謎の大穴"に吸い込まれていきます!!』『南部グッモーニンテレビです。見えますでしょうか、先ほどまでそこにあった太陽が日没を待たず黒く……そして当局より20km先に見えます密林が"大穴"に———』『西部トゥデイです!!ペガサス国が……ペガサス国が……————き   ブ ツ ッッ       」


 ォ   ン    ド  ォ   ン      ┣¨  ォ      ン  ・・・・  (遠方から共振音程度の何かが聞こえ、次に人が安普請の床を踏むような音が、そして終いには、巨人が太鼓型の大陸を踏みならすような、骨身まで軋ませる重低音が響き)      フッ     (ライブ会場から見える、シンボルマークを担っていた電波塔が、その周辺ごと " 落 下 " した) 」


リオレウス「あっやべえなこれ?(入ってくる情報を耳で捉えながら)あっこれマジでやべーやつだな!?こなくそ!!(轟音と共に惨事となったそれを見て、口に炎を溜め、大きく舞い上がる)喉いてえけどやるしかねえ!!! 」

ミラ「 コト ン    (マイクをステージに落とし、今まさに目の前でビルが、砕けたビスケットの破片のように"落ちていく"様を見、膝から崩れ落ちる)………………ち、ちが……ッ 世界をぶっ壊すっていうのは、そんな、そんなことじゃなくって……違う、違うって私じゃないって……はは、は……ね、ねえみんな?私にこんなのできっこないよね?できたらとっくにやってるって……!! 」


  パァ ンッッ  (破裂音が喧騒を引き裂いて児玉する。 会場のどこかからただの"鉛玉"がリオレウスへ飛来した) 」


イァンクック「パイセンあっぶね———————(リオレウスの目の前へ跳躍、ただの弾丸を胴体で受け止め———) ┣¨ ギュル   (胴体が異様に捻れ、皮膚が爆ぜた)………しゃ、しゃぶしゃぶ……くいたか…… 」

リオレウス「あッ!?(鉛玉が鱗に当たって跳弾の音を立てる。ギロリとその方向に目をやって)クッソんだァ!?……あの女もなんも知らなそうじゃねえか!!何が何で何ィ!? 」

リオレウス「……クック!?(不気味に捻じれたその姿を見て)クックが庇ったあとの破片じゃなきゃオレも……とか言ってる場合じゃねェよなァ!!?何が起きてんだ!!! 」

■■■■「(銃弾が飛来した方向、ライブ会場の客席から両手で指を鳴らし、鼻歌交じりに人影が姿を現す)——————生まれながらに不自由だった。全ての選択を拒絶され、”世界が拒む”が故に心を解き放とうとした。いつの日か、黎明を見収めるだけで毎日が幸福であれるようにと——————。 地上の文明はいいものだ、まるで俺の心情を代弁してくれるかのようなシャウト。この楽曲にかぎったはなじじゃぁないが、”ロック”はいいものだ。映画もいい、怪獣映画は好みだぜリオレウスくん 」

サイドに分けた金の長髪、ゴーグル、80年代のフライトジャケットという昭和の洋画然とした出で立ち。身長は185cm程、金の瞳と露出した腹筋からギリシャ彫刻に等しい肉体美を持つであろうこと以外特筆すべき特徴はない。しかし……それでも勘のいい生物は”理解”ってしまう。 それは生物でありながら、その枠に収まらない”統べる者”であると 」

リオレウス「あァてめェが犯人かァ!?よくもクックを捻じれ生肉にしてくれやがったな!!……映画はあんまりいい思い出がねえ!!!なんかネルスとディアの方が目立ってた気がする!!! 」

■■■■「————— ハロー人類。さっきのは俺の投げ銭だ、初めてのスパチャなもんで手違いがあったら申し訳なかったな(誠意の感じられない謝罪を軽々と飛ばし、"イャンクック"へ手にしたリボルバー型の"この世に存在しない銃"を発泡し)  パァンッッ  (全く見当違いの方向にいた斎藤へ弾丸を飛ばしてしまう)おっと、おかしいな……楽にしてやるつもりが。いや悪い悪い、俺の作るものってのはいつもこうなんだ。本当は弾丸ってまっすぐに飛ぶんだろう?どうなってるんだろうなァあれ 」

マルガリッタ斎藤「  えっ  (眉間を"ぶちぬかれ"、後頭部から肉片を撒き散らしながら尾崎に引きずられたまま崩れ落ちる ) 」

リオレウス「どうなってんだァその銃は!?サタデーナイトスペシャルってレベルじゃねえぞ!!!!とりあえずこの肉は俺が貰っておく(そう言ってクックを貪り始める) 」

■■■■「あー……んー? それは知らない作品だなぁ。レンタルするのもいいが返しにくるのは面倒だ、交通が不便でな実家。 ふむ(顎に手を当て辺りを見渡す。レンタルショップ"GAO"の看板を発見し、それを下げた駅ビルへ腕をかざし指を鳴らすと……) ┣¨  ォ ン    (駅ビルとその周囲一帯が底なしの大穴へ"落下"した。)クソほど見てレビューしてやるよ、監督も持ち帰れてたら君の代わりに抗議もしてやるぜ  」

ジャクリーヌ尾崎「冗談じゃありませんわ、こうなったら本当にこの騒動を止めに行くしか……っ……?(目の前で崩れ落ちた斎藤に一瞬呆気に取られ)……さ、斎藤さん!!銃……そんな……!! 」

リオレウス「ああそうしてもらえると助かうおあああまたかよ!?何が何で何!? 」

■■■■「いや悪いな本当、お友達のとこに送ってやりたいんだが(すかさず尾崎へ銃口を向け引き金を引くが) ┣¨ パァンッ(射程とは反対方向の通行人の心臓を穿ち、絶命させる)銃はわからん(二名と一匹を屠ったそれを乱雑に床に捨て、先までライブの中心だった舞台に大股で登る。堂々と、”彼女”がそうしたように木の枝をマイク代わりに拾い)降りてくれ、悪いね(愕然としたまま動かないミラに蹴りを入れ舞台から叩き落とす)—————“大統領演説”には舞台が必要だろう? 」

■■■■■「ごきげんよう諸君。俺は『ガルニーザ』。小賢しい政府諸君が『クリシス』と呼称する『霊長類』だ。先祖は猿と恐竜とじゃえらい違いだけどな? 伺うまでもないが君達の精神的コンディションは最悪だろう、実に残念だ。 先に今君達、君達の家族、友人、恋人、同僚達に何が起きているのか説明しよう。 」

■■■■■「———-『戦争』だ、君達は戦時下に晒されている。逃亡はできない、戦場はこの惑星全土だからだ。そしてこれは宣戦布告ではない。俺には国際法の教養がないし、そもそも協定が結ばれた国家からの侵略ではないから、いつどこでどう吹っ掛けようと咎めをける言われはない。 」

■■■■■「前置きが長くなったな、本題に入ろう。 これよりこの惑星全土を支配下に置く。抵抗を許そう、憎悪を許そう、ありとあらゆる攻撃を許容しよう。ただし和平を提案してくれるな、逃亡も認めない。そうすれば平等な犠牲を約束しよう 」

■■■■■「作戦遂行が完了するまでの時間は……ああ失礼(立ち尽くすサラリーマンに会釈をしてから、手を取り腕時計に鼻先が触れるまで目を近づける)———— 3 分 で も ら う ぞ 。 ところで趣味のいい時計だな、地上土産に買わせてくれ(了承を得ずサラリーマンから腕時計を抜き取り、腕にはめる。上機嫌に鼻歌を歌いつつ、ジーンズのポケットから札束をバラまいた)制限時間はカプラーメンが茹で上がるまでかな? だがまったくもって短い時間じゃーない。政府軍を呼んでも構わんぞ、 」

ガルニーザ「—————— まだ存在したら 駆けつけてくれるだろうよ 」

ジャクリーヌ尾崎「(斃れた斎藤を庇う様に前に立ち、カービンライフルを"召喚"し、ガルニーザと名乗った男の頭部に向かって即座に銃爪を引く)……何を…長々と…!! 」

リオレウス「プライベートな時に限ってよォォォ~~~~!!!!ムカつくぜ!!!!!(口から溢れ出すほどの炎を溜め)機嫌が悪いんだよ!!!!秒でヴェルダンにしてやるぜ!!!!!!!! 」

ガルニーザ「それでいい。仲間の死は仇討ちを以って償わせろ、戦争は相対的に犠牲を払わなくっちゃいけない(銃口を向けられるや、元々はだけていたシャツのボタンを外し、自身の胸部を親指で指し示す。そして自らの首を"ガチリ"と擬似金属音を鳴らして捻り……) メ ギ ョ ン  (左腕に爬虫類の"鱗"がまとわりつき、"機関銃の形をした生物"のような腕へ変貌した) "本番"までの余興だ。 狂い咲け 」


【DEAD or SURVIVE】

VS【戦機神龍:ガルニーザ】

BGM:Disaster [GODDESS OF VICTORY: NIKKE OST]


リオレウス「先制攻撃ィ!!!!!!!(炎を線上に纏め、火炎放射を口から吹き出し周りの被害一切無視で焼き払う) 」

ガルニーザ「(一瞬で炎に飲まれ姿が見えなくなる、しかし)いい湯加減だ(刹那的に竜巻が発生して霧散する。右腕が"翼竜の翼"へ変形し、余波だけで切り刻む真空波を発生させていた)先制は快感だろう。逆襲には劣るがな(尾崎、リオレウスへ左腕の銃口を向け、『重力波』『摩擦過負荷』『倍速』『超質量超圧縮』一発一発にそれらの要素が含まれる鱗を、銃口から連続で射出) ドギュ オ ッ (被弾した物質、建造物に一瞬クレーターが生成されたかと覆えば、砕け、捻じれ、"空間ごと"消滅する) 」

ジャクリーヌ尾崎「(片手でライフルを撃ち、もう片方の手で虚空から大量の"光の矢"を現出させ……ガルニーザに向けてその全てを放つ)……今ここが本番ですわ…!撃ち抜けっ……!! 」

リオレウス「マジ!?クシャルの奴の風みたいな感じ!?(翼の肉質で真空波を防ぎながら)甘ェよ!!!!(放たれた鱗を回転して弾く。被弾した地点から捻じれるが……)かあっ!!(腕を広げるように翼を広げると、それを無理矢理引きちぎるように無力化し)オレをクックの野郎と同じだと……思うんじゃねェ!!!!(そう言うと口に炎を溜め直し)月牙天衝ォ!!!!!!(まるで三日月のような形に振り抜いて飛ばす。えっお前さっきの声覚えてたの。) 」

ジャクリーヌ尾崎「(直観的にガルニーザの左腕の) 」

ジャクリーヌ尾崎「(直観的にガルニーザの左腕の危険性を察知し、斎藤の身体を素早く担ぎながら、射線から飛び退くように回避行動を取り)……っ!異常な……!空間ごと抉り取る弾丸……!上等ですわ、撃ち合いなら望む所!!(自らの背後に無数の"光の矢"を生成。そしてガルニーザの全身を撃ち抜くように全弾を発射) 」

ガルニーザ「うぉまぶっ……(光の矢が目前に迫り目を細めつつも床に転がり回避。)んでもって暗ェ!!黒い斬撃!!なんだそりゃそんなン使うの……あ、てめえオズワルドの弟子かなんかか!!(両腕の武装を解除、鱗を纏った人型の手に戻し、片手を月牙天衝へかざし) グジュウ (それを握り潰す。しかし)ははは!やっぱりなぁ!地上は秒単位で進化してやがる!!おもしr…… 」

ガルニーザ(喚起するのもつかの間、その拍子にライフルの弾丸が全身を捉え、鮮血が飛び散る)がァ……ッ ちゃんといてえじゃねえかッ!適当こきやがったなあのくそアマ!!(そうどこへとなく怒号を飛ばすや、被弾した部位の肉を鷲掴みに引きちぎり、『イァンクックの肉片』を欠損した部位に押し当て、『結合』する)ってなんだよオイ""修復"できるのかよ。さては50年前から学習はしてねえんだな? 」

リオレウス「オレの月牙を止めやがった!!こいつ中々に手強い!!てか再生の仕方キモッ!!!(そう言うと嫁のサマーソルトのごとく二回宙返りして炎を溜め)一発二発三発!!(ブレスを三連射) 」

ジャクリーヌ尾崎「(腕の形状が変わった……いや、それよりも……口調が明らかに変わった……?)……よし!当たった……!修復されるのはともかく、ダメージはある……ならば弾幕を緩める理由は無しっ!!蜂の巣になるまで……撃ち続けて差し上げますわ!!(更に光の矢を生成し続け、弾幕を張り続ける)修復出来ない類のダメージがある様ですが、そもそも治す暇を与えなければ済む事!! 」

ガルニーザ「口からしか摂取できねえのは不便だろうなァ!文明レベル合わせて先祖返りしてやるかァッ恐竜くんッ!!(右足が"イグアノドン"のそれに変貌し、ルガールさながらの宙返りと同時の三日月蹴りを二発、"空間断裂"を共に放ち)===== ギ  ィ ン (大気まで届く巨大な斬撃が地平まで駆け抜ける) 」

リオレウス「らあっ!!(その斬撃を翼の位置を合わせ、右翼を勢いよく振るって弾き飛ばす)めんどくせーめんどくせーめんどくせーなあ!!!この様子だとどっちにせよ長引きそうでめんどくせー!!!!こういう時にアルバートがいりゃあなあ!!!!!! 」

ガルニーザ「おいおいおいおい待て待て待て待て!なんかこう……あるだろリロードとkッッッッッ(言い終わるよりも先に光の矢と弾丸の暴風雨が全身を駆け抜け挽肉にし、土煙に飲まれてゆく……が)キ  ィ    (煙の隙間からピアノ線のように細い"軌跡"が複数、尾崎とリオレウスの傍を通り過ぎる。それは遅れて———) ヴ ォ   ン  ッ   (触れた物をミキサーにかけるように削り取る衝撃波を発生させ、ピアノ線のような光線が駆け抜けた空間を周辺事次々とそぎ落とした) 」

それはさながらに空間の消滅という概念そのものが無数に拡散し、嵐のように通り過ぎたようなものだ。ガルニーザの目線、否、射程にあった一切が例外なく瓦礫へ、肉片へ、そして砂へ帰化する 」

リオレウス「うお(駆け抜けた地点の近くの翼を軽く傷つけながら)しぶてーなぁ……こりゃまだピンピンしてっか 」

ガルニーザ「  ガシィンッッッ  (土煙を引き裂いて"異形"が床板を踏み砕く。うなじから頭部にかけてリボルバー式拳銃に、他全身も鱗と混ざり合った銃器と融合し、辛うじて人型、或いは恐竜の姿を保った生物が姿を晒す)これが現代地上における戦争か……"学習 "した。いっちねんせーからハイスクールまで飛び級しちまったなァァァァ 」

ガルニーザ「あと現代の恐竜君もな。人語を覚えたとこまではいい線言ってたと思うぜ(右腕が鱗で構成されたアサルトライフルへ変形、それをおおよそリオレウスが存在するのであろう場所へ向け)   ジュ   (消えた。引き金を引いた瞬間、銃口の向いた先にある一切の空間が"虚無"へと変貌した) 」

ジャクリーヌ尾崎「貴方が人に非ざる者ならば、何より私の友人をこんな目に合わせたのであれば……私も相応の手段を使うまでですわ、そのまま塵も残さずに……っ!?(腕の一部を巻き込まれる様に光線に抉られ)……まだここまで…… 」

リオレウス「な、なんだあっ!?(空間が虚無へ変わっていくのを見てからそれを“掴み”)かあっ!!(それを握り潰し、四散させる)……面白え手品だ。オレ以外に向けりゃ良かったのによォ! 」

ガルニーザ「へえ!生き延びる、生き延びるなァ!!今回の地上生物はなかなかに上質じゃねえか、過去一番かもしれねえ!!こいつは是非持ち帰りてえ!!(生存し続ける尾崎、リオレウスの両名を嬉々として称賛し両腕を広げる。だが程なくして、すぐにがっくりと肩を落とした) 」


キ ィ   イ    イ    ン  (遥か遠方から高音が、数秒と待たずその音の正体が戦地の上空へ到達した。政府軍の軍旗を掲げるMS搭載大型空中母艦である) 」


政府軍高官『目標補足! 民間人二名と友好個体リオレウスを確認!射手、待て!まだ撃つな!』 」

政府軍射手『申し訳ありませんが中将、大将の勅令ですので… …』

  ガコォ ン ッ  (空中母艦舟艇に搭載された砲塔の全てが、護衛のジム型MSの全機が銃口を地上へ向ける。 民間の犠牲などいとわないと言わんばかりに)


ガルニーザ「——--なるほど?存外政府軍とやらも成長するらしい。重力波から脱する技術を得たか(空へ右鵜を翳す。そして尾崎、リオレウスへ一瞥を送り)——-お前らは心配するまでもねえな、『世界樹領域』でも存在を保てるだろうよ。 じゃあな、深遠まで辿り着けたらまた戦ろうぜ 」

リオレウス「待て撃つな!!!オレは……てかあいつらMSの銃口地上に向けてる正気かよ!!!!!(そう言うとガルニーザの方を見て)あッ待ちやがれ 」


リンゴーン リンゴーン   ゴ  ウ   ン  ・ ・ ・ リンゴーン リンゴーン   (教会の鐘の音が上空から木霊する。当然教会などない、そもそも"ここ以外"地上は存在しない。にも拘らず鐘の音は鳴り、 空が開いた )  」

ギ ギ  ギ  ギ イ ィ ィ ィ    ィ  ・・・ (開かれた空から"逆さに吊るされた町"が地上を見下ろした。ビル群に見えるそれらは、全て高層ビルスケールの『兵器』だった。機銃、ミサイル、対物砲……ありとあらゆる重火器そのもので構成された町が空を埋め尽くし、地上の一切を見下ろしていた) 」


リオレウス「ヒィエエエエなんだあの……なんだあっ!?なんだあの戦闘街みたいなの!?なんだあの第三新東京みたいなのはあっ 」

ジャクリーヌ「ちょっ……私達全員に向け……っ!!まだ私達やその竜の方以外にも居るのに……(慌てて斎藤を担ぎ上げ、様相を変えた空を見上げ)……街……じゃない……あれは……銃火器……ミサイルまで……っ!(動き出したガルニーザを睨みつけ) 」

政府軍高官「(警告音が絶えず鳴り響く船内。自身の誇る船なぞ米粒にも満たないという規模の兵器の群れを見上げ)……………これは、夢だ……………   (膝をつき、祈るようにして頭を垂れた) 」

ガルニーザ「最後に種明かし。俺の"起源"は"因果"。ケイオスという惑星に刻まれた数多の生物の死の因果律、その総数を我が者とする 」



  パ  チ  ン   



『堕ちろ堕ちろ! 俺がたいらげた不自由のおすそわけだ! 死さえも与えない、彷徨え!!彷徨え!!』『気に入ったならいただいてやる!!飽きるまでだがなァ!!』『ハハハ!!ハハハハハ!!見ているか女王!!俺の勝ちだ!!お前が愛した者は何も残らない!!何も!!!!!』 」



ミラ「(落ちてゆく。なぜか原型を保って存在した"部隊"と共に。動かなきゃ————。そうするべきなのだという自覚はあった。だがそうしなければならないという”ワケ”がない。ともすれば自発的に動けない、それよりも生存を優先すべきなのだという結論が足を止める。崩れ落ちたまま惨事を見届けるハメになる)…………いやだ(そうだ) 」

ミラ「いやだ……まだ"世界を壊してない"のに……!まだその先を見ていない……!(思考していないにも関わらず体は条件反射的に小瓶を取り出した。赤い液体を一気に飲み干し、舞台へ駆けあがる。瓦礫と共に奈落へ帰る、"彼"を見つけ、拳を振りかぶった)どけ……どけよ……そこは—————— 」

ガルーザ「——————-は!?(勝利を確信した歓喜の悲鳴を上げ、余韻に浸っていたからなのか。それはひどく滑稽な上ずった悲鳴を上げ、目を丸くした。迎撃するという選択肢を忘れるほどに、その存在に"恐怖"を覚えたからだ) ざっけんな!!なぜテメエが地上にッッッッ 」

ミラ「 私のステージだッアアァァァァァァアァ了ァァッッッ!! (落ちてゆく。落ちるその速度のままに拳を横面にたたきつけ、もろとも果てのない暗がりへ落ちてゆく) 」



生まれながらに不自由だった。 」

全ての選択が許容され、”世界が代行する”から心に鍵をかけた。いつの日か、自分自身でさえ心の極彩を忘れられるようにと 」



———————ポツン

頬を冷たい感触の何かが叩き、そして皮膚を撫でてゆく。目覚めは飼い猫のナゴンの平手打ちで目を覚ますのだから、ここは自宅ではないのだろうと確信した 」

ミラ「………ッ ……い"ッ……(苦痛に顔を歪め、右腕を杖に上体を起こす。目をこすり何度も瞬きをしたが、視界が開ける気配はない。暗闇だ、光がないどこかに自分はあるのだと理解した)何が…… 」

ミラ「  ゾクッ  (ライブの記憶を原点に、意識が途切れる前までに起きた全てがフラッシュバックし背筋に悪寒が走った。思わず頭を抱えしゃがみ込む。だが待つこと数秒…何かが起きる気配はない) 」

ミラ「……(おそるおそる瞼を開け、両手を床につき匍匐前進する。手から伝わる感触は不可思議で、硬質な足場であることは確かだが温度というものを感じられない。暖かくも冷たくもない) 」

ミラ「…………(肉片、肉片、肉片。畑の刈入れのように積み上げられる死。最後に愉快な翼竜と、高貴な少女の姿が見えたが、彼、彼女らがどうなったかは定かでない。もしくは)……あの世、なのかな……これが…… 」

ミラ「(ならば進む理由はない。諦めてしまおうかと思い始めたその時だった。)———-!!(目が慣れてきたのか、光を感じ取った。進行方向に光が、そして熱があると感じ取った。 吸い寄せられるかのようにして立ち上がり、足早に前へ前へと足が進んだ) 」

——■■■■■領域 第■層—— 」

ミラが足を進めた先には、ようやく実体を持って残存する景色があった。空が開けた密林の原、光源と熱源であろう焚火。そしてそれを囲うようにして漂う青い火の玉と———— 血で染め上げたようなコートに身を包んだ白長髪に蒼白な肌の女性が、丸太に座していた 」

ミラ「(その光景を前にガルニーザを名乗る男の仲間かもしれない。予感からうかつに近づけず、一歩後ずさる。その拍子に木の枝を踏みつけてしまった)パキ ひぁ…!ぁ……きょ…… 」

■■■■「——————-今日は新入りが多いね(ミラへ一瞥もやらず、焚火を薄ぼんやりと眺めたまま女性は声を発した。冷淡、透き通った声だが一切に無関心であると容易に察せられる声色だった)座りなさい。疲労は魂の摩耗に、魂の摩耗は死に繋がる 」

ミラ「えぅ!? ぁ……ぁ………ぁ……ハイ……(女性の声を聞くや飛び跳ねるが、敵意は愚か、自身に対して興味がないということを察し、自然と促されるまま焚火を挟んで向かい側の丸太に腰を下ろす)……。………… 」

体感10分経過 」

ミラ「(——————-びっくりするぐらい喋らない!!)あ、あの……ええと……(おずおずと声を発し、何から聞こうか言葉を選んで口ごもってしまう) 」

■■■■「翼竜と妙に光る魂の持ち主ならこの先の集落に置いてきた(親指で自身の背後。暗がりへ続く道を指さす)この領域で自我と原型を保てる生物はそう多くない。強い魂ね(松明を取り出し、おもむろに焚火へ近付ける)知り合いかは知らないけれどその他に無数の魂が落ちてきた。 殆どはアレになった(松明を青い火の玉にかざし首をくいとひねる) 」

ミラ「!!(最後に見た両名が無事であると聞き、確証こそ持てないが光明を得て口元が綻ぶ。だが続けざまに告げられる事柄に眉を顰め)あれって……  これ?(同じく、自身を囲んでいる青い火の玉に手を翳した)うわつめた!? 」

■■■■「"この領域"は"死の概念"と"肉体と精神の境界"が曖昧になる。生命の火を与えれば元の人の形を保てるようになるけれど、資源は有限よ。頬っておいてもどこへも行けない、消えることもなく彷徨うだけだから使えない者に与える必要はない。(そう言うなり丸太から重い腰を上げ、ミラの傍へ音もなく歩み寄り) ん (松明をミラへ差し出す) 」

ミラ「え"……それってつまりこの青いのって"元人間"ってこと!? じゃ、じゃあその生命なんちゃらーで早く元に アッはい有限なんですね失礼しました(有無を言わさず松明を渡され)流れから察するにこれがその生命のなんちゃら……ってことなのね 」

■■■■「(受け応えはせず、松明を手渡すと自身が腰かけていた丸太の元へ戻り、別の松明を焚火にかざす。そしてあらぬ方向へ目線を送り、そちらへ歩を進めた)さっき示した方向にこの領域で原型を保つ生物の集落がある。"立ち向かう"なら頭数を揃えることね 」

ミラ「ちょっ…それだけ!?まってまって!!(慌てて丸太から跳ね上がり距離を詰め足を止める)な、名前とか聞いてないし!あなたと、ここの…… 」

■■■■「————-(背を向けたまま足を止め、気まずい沈黙と共にいたずらに時が経過する。しばらくして肩を落とし、僅かに首を傾けて声を発した)ここは『紀元世界樹領域 -ヴァルトゥーラ-』 私は——--。わた、しは………(一瞬だけ、訝しむような、勝機を疑うような目線を送り、そしてまた進行方向へ向き直った) 」

ヴェルサス「—————ヴェルサス。覚えなくていい……すぐに忘れる(どこか寂し気に消え入りそうな声でそう告げると、松明の明かりで暗がりを引き裂き、そして閉じる黒に飲まれ見えなくなった) 」

ミラ「———-(違和感。聞いたような、それも親しみを込めて呼んでいたような名前の響きに呼吸を忘れる。再び呼び止めようとした時には既に遅く、姿を見失っていた)———-。———-ん……    は ?   (陽だまりの温もりを背に感じ振り向く。だが見上げても空は黒い、いや黒すぎる、世闇以上に黒い。慌てて光源を探すと、今度は足元に"それ"は存在した) 」

BGM:【Area Zero — Pok—mon Scarlet & Violet: Extended Soundtrack OST 」

————————太陽が昇ってきた、これは読んで字のごとくだ。 ミラは"太陽を見下ろしていた"。ミラが立つ台地は、この星の地底まで果てしなく続く大穴、その入り口にある外枠せあった。大穴の奥には空があり、雲があり、そして……最深部と思しき地点に"太陽"が存在する。 今目の前に広がる光景は 『地底空洞説』 を具現化していた




      ———  森の国-ヴァルトゥーラ編 - 紀 元 龍 戦 記   ——-     


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最終更新:2023年02月03日 21:30