剣に導かれし者たちの爪痕

《剣に導かれし者たちの爪痕》


~夕刻:自然公園~


オリヴィエ「––––––– はぁ……むっ(今日の陽はビル群の地平に落ち、冬の残り香臭う冷たい風が吹き抜ける。その日、その場所だというに、当の彼女は呑気に垂れ気味の糸目を至福に染め三色団子を頬張り、首巻いたスカーフで尾を引きいけしゃあしゃあと散歩にふけっていた)いやぁ、東部はご飯に限らず甘味まで絶品ですねぇ……お茶っぱもまた良し、紙コップでいただけばよかったぁ~ 」

麗央「―――――(長髪を風に靡かせ、ただ舗装された道を歩く)あぁ―――――いい場所だ。いい風だ、いい華だ―――――(春の花々を愛でながら、ぽつぽつと見られる仲睦まじげな家族、カップルを見て微笑みながら)―――――(もうじき、出会うその道を、いつも通りの自信に溢れた笑みをたたえて歩く―――――) 」

オリヴィエ「–––––––––––-ザクッ (横たわる暁の灯を背に浴び、進む道に影を落とし彼女は足を止める)–––––––––––––  ニ  ィ  (がはためくスカーフを口元から指で離し、友<好敵手>を見つけたと言わんばかりの童が如く彼女の黄金色の瞳は刃紋に等しい輝きを帯び口橋は無邪気に吊り上がった)チンッ。 ザザザザザア……(人の気が比較的薄くなった自然公園、茂みを踏み分け風のように早く、林のように音は静かに声もなく、腰に帯た刀の鍔を親指で跳ね、遠くに見える麗央目掛け脇目も振らず駆け出す) 」

麗央「―――――ザッ!(オリヴィエの姿を認め、目を閉じてその場に佇む)―――――――(他の音は全て無し。耳に届くは足音と鍔鳴り。腰を落とし、華美な装飾の施された細剣の柄に手を添え―――――)――――――シャリンッ!!(互いの間合いに入った瞬間、剣が鞘の中から走る音と共に、その剣を抜き放つ―――――!) 」

オリヴィエ「–––––– ギ   ィ ン ッ  (『開戦の名乗りなどこの一閃で事足りる』と言わんばかりに互いの交差領域に飛び込むと、抜き放たれた刃が火花を散らして疾走。空を裂き解き放たれる二つの閃光が一つの瞬きに爆ぜて大気に風穴を開ける)ザシャァァァア ア (腕を振り抜いた態勢のまま、衝突時の衝撃に押され土煙を巻き上げながら後方へ腰を低く落としつつスライド移動し) ニ ん。 (笑みを絶やさず、休む間も無くサイドステップを踏み、大きく円を描くようにして麗央の左手へ回り込みつつ、小ぶりな薙ぎを、三日月状の軌跡を描いて幾度となく繰り返し放って来る) 」

麗央「―――――っく……はッ(刃と刃のぶつかり合い。初めて感じる手の痺れに、不思議と笑みが零れた)―――――はァッ!! ギンッ! キンッ! キィンッ!(放たれた斬撃のことごとくを"見てから"剣で撃ち落とす。尋常ならざる剣速の成せる技)ザッ――――――― ヒュッ! (そして斬撃を撃ち落とす合間に距離を詰め、オリヴィエの右肩を狙った突きを放つ) 」

オリヴィエ「  キュ ォ (迫り来る切っ先以外の全てが遠くに錯覚する刹那、彼女の瞳孔は収縮し) ギュルンッ (右足をコンパスに見立て円を描くようにその場で一回転しつつ一本にまとめた長髪を翻して腰を屈め、肩への刺突による傷をかすめる程度に抑え)   ブ ァ   (そのまま勢いを殺さず二回転し地を抉りながら右足で半円を描き麗央の踵目掛け蹴りを仕掛けた) 」

麗央「 ガッ! ――――――ッ!(蹴りが命中し、顔を歪める)(ああ、この痛み――――痛みを感じたのは――――何年ぶりだろうか) ふ、ふっ―――――(ニィッ、と笑う。自信があった。自身の剣速、身を屈めたことで回避が困難になっているであろうオリヴィエの体勢。命中する確信を持ちながら剣を振ろうとして――――)――――――(躊躇。傷つけられたことも無く、傷つけたことも無い彼女は―――――潜在的に、斬ることへの気後れがあった)く―――――タンッ……トン、トンッ(苦々しい顔で痛みで言うことを聞かない左足を上げ、右足一本でオリヴィエから少し距離を取る) 」

オリヴィエ「ス–––––––ヒュオ… パシッ(劣勢と思しき態勢、しかして平静を保つ彼女は牽制策として腰にから抜き取った鞘を、距離を置かれたことで持て余し、それを一回転させ逆手に持ち玩びながら、『取りに行く』眼で上目に麗央を視線で追う) ヒョッ   ダ ッ  ザザザザザ…(『ブーメラン』を投げつけるような手付きで鞘を麗央へ放ると同時に、地を蹴り腰を低く屈めただ一点、打撃を貰った彼女の『足』を見据え下段の構えを取りつつ駆け出す) 」

麗央「―――――(ギリ、と唇を噛む)(何をしている、私は……) チンッ (剣を鞘に納め、腰を落とした姿勢でオリヴィエを迎え撃とうとする)(撃て―――――天嶺無双の技を―――――この劣勢を覆すには――――!)――――――(しかし、使ったらどうなるのか―――――技が、オリヴィエに命中したら―――――脳裏に過ぎったイメージはまたも麗央の手を止めさせる) ガッ――――(飛んできた鞘を剣の腹で受け―――――剣を上段に構え、迫りくるオリヴィエを見据える)――――――シャ アッ!!(風を斬る音と共に、迫りくるオリヴィエが構えた下段からの剣閃を迎え撃つために振り下ろす) 」

オリヴィエ「フッ–––––––– (––––––再び交差領域に踏み込む両者、時の流れが深海へ踏み込んだが如く、舞う砂塵も、はためく布地の何もかもが緩やかに錯覚できる刹那。麗央と相対するオリヴィエの瞳には彼女の姿しか写っていない。彼女を、ただ剣の向かう先として、彼女自身の姿を曇りのない鏡のように反射しているのが見える)––––––––(『私はそう容易く斬れませんよ、あなたの剣ならいざ知らず。あなたの迷いを断ち切れぬなまくらなれば』と眼で訴え……)––––––【二ノ序 芽柱】(一歩、大きく踏み込み完全に停止、一瞬の沈黙を守り……) 」


ズ ┣¨ゥッ (縦一文字、一寸の狂い泣く、地をえぐってからの一閃を穿つ)


麗央「 ギ ィ ン ッーーーーー ブ シ ィ ッ!!(振り下ろした剣は一方的に弾かれ、胴を縦に一閃――――服を切り裂き、皮膚を、肉を切り裂き――――鮮血が走る) ―――――ぐっ……(崩れ落ち、痛みに多量の汗を浮かべる)――――ああ、そうか―――――ここが、分かれ目なのかもしれない―――――(そう独り言ちる)(教科書通りに武芸を修めたお嬢様か、人を斬りて武技を極めんとする剣士か―――――私は―――――どう生きる?) 」

オリヴィエ「––––––ビスッ(天を開かんと高く振り上げた刃を潤わす鮮血を、斜めに払って捨て)ヒュン–––– ピッ(間髪入れず切っ先を麗央へ向ける。彼女は血に汚れた風にスカーフを、さも普段からそなっていたとでも言うように受け入れ沈黙を見守るように口をつぐむ)–––––––。今一つ、確信が出来ました(麗央を見下ろし彼女の脳裏には、無数に繰り返し言い聞かせ、”徳”として教えられた言葉が陳列されていた) 」


『武家の長たるもの』『武家の娘として』『リンドヴルムの姫君として』『強くあれ』『野に咲く花のように弱くとも』『騎士の癖に』『女の癖に』『素晴らしい!それでこそだ!』『間違っている、何をどうしたらお前のように生まれ落ちる』『ありがとう』『産まなければよかった––––––––』


オリヴィエ「–––––––どうあれ、我々は間違うのです。どうあれ、我々は褒め称えられ、非難されるのです。どうあれ、その家に生まれた以上は、そこにある以上は頭を抱えずとも、その流れに身を委ねようともそれは変わらないのです(ただ一点、崩れ落ちる麗央の瞳一点を向け)なら–––––何故私は敢えて『選んだ』と思いますか。なぜあなたは『迷える』のか、解りますか 」

麗央「確信……? やはり私は、ただの温室育ちの女だと――――取るに足りぬと、いうことをか?(ふ、と口元は笑みを浮かべる。剣を支えにするように地に刺し、片膝を立てた体勢で荒く呼吸する) 」

麗央「―――――(オリヴィエの問いかけに沈黙し、視線を下に落とす)その答えを得ているのなら――――きっと私は迷いなど抱かずに済んでいるだろう。……教えてくれ。なぜ君は選べた?今ある立場を捨てるということは―――――人を、信頼を、捨ててしまうことではないのか?誰かを斬るということは―――――大切な縁まで、斬ってしまうことではないのか? 」

オリヴィエ「–––––それが『答え』でないことを知っているからです(儚げに微笑む。命を奪うことや、縁を断ち切ることではない、モラルよりもより根底に近い『この先も選び続ける』ことへの恐怖に、今にも竦みそうな両の足。それでもこの地に立ち、少女は向き合う。己のに問い続けるために)––––––きっとこの先も選び続けるでしょう、何度でも間違うでしょう。けれど、それでも私は『オリヴィエ』でありたいのです、例え己の『血』と決別したとしても……『選ぶ』ことに『迷える』ことそのものにッ!オリヴィエという一人の人間の意思の在り処は、あるはずなのだから……っ 」

麗央「―――――(無言でオリヴィエの話を聞く) ……そうか……自身が、自身であるために……。では、私は……やはり、君のようにはなれないらしい(剣を鞘に納める――――その柄に手を添えたまま)私は……やはり、いずれ商人となることを捨てられない。そうなることに誇りを持っているから――――君のように、君たちのように、ただ剣の道に邁進することはできないだろう。だが……(オリヴィエを見つめ)天嶺院家はそもそも、両立してきているのだと――――君のおかげで、今更になって気付かされた。ああそうだ、私は私――――天嶺院の私。剣を極め、商いを極めた天嶺院家としての誇りを持つ私―――――だから、私は! 」

麗央「―――――"選ばない"ッ!迷うことなどない――――欲したものは!"全て極める"! それが、『天嶺院麗央』だ!! 」


――――― 天嶺無双流 「初刃」 ―――――


ズ ァッ!!(単なる一太刀――――ただ速いだけの横薙ぎの一太刀がオリヴィエを襲う)


オリヴィエ「–––––––ええ(麗央の指し示した答えを受け、彼女は納得を得て目を伏せ微笑んだ。選択の有無ではなく、彼女が胸を張って己を名乗ったことが、不思議と嬉しくて仕方がなかった)ヒュオッ––––––  それでこそですとも  (刀を斜めに降る払い、初めて放たれるであろう、来るべき彼女の”技”を前にオリヴィエは『霞の構え』を取り待ち構えた)『六道万華』––––––––– (それは流派にはない構え。『捨てた』のではない、今この場において彼女の選んだ一つの選択であった) 」


――――― 【螺旋桜花】 ―――――


ギュ   オ  ァ   (六と言う斬撃が桜色に閃く曲線の軌跡を描き、麗央という一点に収縮する。それは複数の閃撃の閃きが折り重なることで一輪の花を描く、彼女の在り方の答えでもあった。 互いの交差領域において、二人の必殺はすれ違うように駆け抜ける)


麗央「――――ぉぉおおおォッ!(更に素早い剣速で十字に切る、目で追えるのはそこまで。放たれた二つの剣閃が―――――折り重なった十の剣閃へと変わる) 」


――――― 天嶺無双流 「光芒一閃・十字星」 ―――――


ギャリリリィーーーーッ!!! (一瞬の攻防では本来あり得ない――――六と十の剣閃がぶつかり合い、けたたましい金属音を上げる)


オリヴィエ「(–––––––– 嗚呼、やはり)フ––––––– (–––––––愉しい、この死地にこそ生を謳歌する実感がある。勝ち負けでもない、殺し殺されるか……その是非ではない、ただこうして『己』を叫ぶこの舞であればこそ––––––)ピッ––––– (十の斬撃が、その一端が肩に触れたのを認識した、直撃は免れない、だが言い知れぬ恐怖が、言の葉に例えることすら必要ない極限に生まれる思いが、彼女をさらに前へ押し進める)はぁぁああァァアアアア ア ア ッ!!!!(渦巻く六と言う閃光はやがて一筋へと交わる、焦点へ、その一点へ、面積は零に限りなく近い点へ目掛け突きを穿ち駆け抜ける––––– ) 」


–––––––– 六道万華 【還零回桜】 ––––––––


オリヴィエ「––––––––––––––––……。(六道、この世における六の界を渡ろうとも、己と言う一に還る一閃を突った態勢のまま、麗央へ背を向け微動だにしない、その気配すらない。ただ静粛が空間を支配する) 」

麗央「(止まるな――――振り続けろ!一から十へ――――十から百へ―――――百から千へ―――――!光へ―――――!) ッ―――――ぁぁぁぁああああああッ!!!(更に剣を振る――――三振り目。百の斬撃を見舞おうとするも―――――) ギ ィィ ンッ――――(一筋の閃光に全て弾かれ――――――) ―――――ふ…… 良い、勉強になった。(オリヴィエに背を向けたまま語る)次に活 か せ る―――――― ズシャッ……(倒れ、地に伏す) 」

オリヴィエ「–––––––––ヒュオッ ……ビッ    キンッ(刀を一振り、刃に刻まれた一切を清めるように払い、かつてルドゥラがそうしたように舞にも似た動作で納刀)––––––– (麗央の方へ僅かに首を傾け)––––––– (『感謝』を伝えるように彼女へ一瞥を送る。何かを伝えようと口元が動くが、声すら満足に出せない)  ブシッ……(肩、腕、足、そのほかにもあらゆる部位から鮮血が噴き出す。十、百、千……重なる剣撃は『波』よ『圧』を以ってして、彼女に届いていた。その痛みを抱いて)–––––トサ…(背を、あの桜へと続く石段に預け、穏やかな心持ちで瞼を閉じた) 」



~某国、中華繁華街~


李劉冥「(真っ赤なネオンが夜を照らす中、買い物袋を両手に帰路につく。)ふぅ、買い出しというのも難儀な物だ。遠路はるばる着てようやく目当てが見つかった。(最近は歳をとっている為かこうした旅にも疲れが見え始める)呵々、儂もまだまだ未熟か。」 」

もうすぐで駅に着く。そのはずだった。徐々に違和感に気付いていく。あれだけ賑わっていたハズの街並みから、人が消えた。自分ひとりだけが取り残されて辺りは奇妙な静寂に包まれる。李劉冥はゆっくりと視線を回した。敵の気配は今の所ない。だがまるで心臓を鷲掴みにされたような感覚がずっと続いている。 」


チュドォオオオオオンッッッ!!!!!!!!(突如李の10メートル先に何かが墜落したような衝撃が走る)


李劉冥「ぬぅぅううう!?(思わず腕で防御姿勢をとったがすぐに状況を理解する。敵襲だ。砂煙の中から人影が見える。あまりに濃密な闘気に一瞬吐き気を催しそうになったが、丹田に力を入れて持ち直す)……………やれ、随分とかぶいた登場の仕方よ。お陰で埃が舞って喉に悪い。ケホ、コホ。この老体になにようかな? 」

ルドゥラ「ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……(砂埃の中からその輪郭を露わにし改めて李劉冥を睨みつける)フゥゥゥ……(無言。ただるのは明確な殺意のみ。だが憎悪や嫌悪といった感情は見られない。今宵は殺し屋として彼の前に現れた) 」

李劉冥「―――――――――ッ!!!!(闘気の正体が彼であったことに目を見開く)……よもや、貴様であったか。ルドゥラ・ヤマト………噂には聞いていたが、そうか、これも何かの縁かもしれんな(同じく裏世界にいた者として、同じ郷土の者の父親代わりになった者として、なんらかの引力を感じずにはいられなかった)見ての通り、儂はただのオヤジよ。この荷物も、ホレ。ただの買い出しで買い込んだものに過ぎん。(そう言って買い物袋の中身をひっくり返して見せた) 」

ルドゥラ「そんなこと俺には関係がない。俺は依頼を受け、承諾し、そしてここへ来た。(砂埃の中から足を進ませ、李劉冥の方へと)貴様のことは聞いている名うての拳法使いだそうだな。ならば――――――(拳を握りしめ、構える)新たなる力の糧となれ(今日は刀を持っていない。完全なる素手だ)」 」

李劉冥「…………ッッッ 」

ミサナ「(雑居アパートの一室、テープで補強された窓を開けスコープ越しに戦況を伺う少女が一人。頭髪は黒のショートボブ、肌色は東洋人、瞳は北欧人種寄りの水色。傍らにメールを開いたままのラップトップ端末を抱え戦々恐々とした面持ちで息を飲み行く末を見守る)やややややばいとこに越してきちゃった……っ この辺りはどの業界の縄張りでもないはずなのに……っ(襲われてる?方はどう見ても『李劉冥』だけど相手は……あれ?どこかで見たような……) 」

李劉冥「…………ッッッ!!!(刀を持たず、拳で挑んできたこと。そしてその隙の無い構えを見た瞬間)ビキビキビキビキビキッッ!!(武術家としての血が血管と神経を刺激する。肉体と精神が瞬時に戦闘モードに切り替わった)……ほう、随分と舐められたものだ。自慢の刀を持たずして儂に挑もうとは(ようやく自らも足を進めていく。ゆっくりとした足取りだ)儂を殺すなら、侮らぬ方がいい。刀は、抜いたほうがいいぞ? 」

ルドゥラ「(李劉冥が間合いに近付いてくる少しの地点で、また口を開く)―――――ならば俺に刀を抜かせてみせろ。(そこからは超高速で背後に回り込み)ン゛ン゛ン゛ン゛ラ゛ァ゛ァ゛ァ゛ア゛ッ!!(完全に背後をとったうえでの踵落とし) 」

ミサナ「  !?  は、はや………ッ(常人からすれば残像さえ映らぬ達人極限世界。これを何者でもない、運動神経で言えば一般人にも劣りそうな少女の『眼』がその速度に着いていく。一瞬の攻防、一挙一動を捉え、それ故に『恐怖』した。すかさず手元のキーボードの上で指を走らせメールに文面を綴り始める)カタ……カタカタ(と……とりあえず要注意人物としてレポートには残さなきゃ)ああぁ神様ぁぁぁ私には全く関係ない案件でありますように……! 」


李劉冥「――――――ギギギギギッ!!(両目の周囲の血管が大きく浮き出ると同時に両腕を旋風のように振り回し、踵落としをいなした)フンッ!!(踵が地面ついたと同時に衝撃波とクレーターが起こるも、長年鍛え上げた足腰でバランスを保ち、そのまま攻撃を続ける。上からの斬り下ろすような掌底に、下から龍のように鋭く昇る掌底。それらを腰の回転をつかって左右に不規則に行う。八極拳と同時に修める拳法のひとつである『劈掛掌』である) 」

ルドゥラ「ハァアアアッ!!(劈掛掌による距離を取られる変則的な攻撃と八極拳による至近距離からの爆発的な攻撃に合わせるように、拳と蹴りを組み合わせてぶつかり合わせる)scum!(拳法染みた俊敏な動きからボクシングの堅実かつ合理的な動きまで全てを実践。カポエイラのような超回転的な連続蹴りすらも交える)ン゛ン゛ン゛ン゛ラ゛ァ゛ァ゛ァ゛ア゛ッ!!(圧倒的な力で李劉冥を圧していく) 」

李劉冥「ぬぅううッ!!(なんという力だ。…一撃の重みが桁外れか。初速の動きがまるで見えん。儂も老いたな。だが――――)――――フン、血が滾ってきたわ!!!!!(拳を握りしめルドゥラに肉薄、猛虎硬爬山)せぁああああああッ!!(虎が硬い岩山を引っ掻きながら駆け上がるが如し。ここまで優勢だったルドゥラの肉体に全てを命中させる) 」

ルドゥラ「(これは!?)ぬぅうううッ!!(全ての攻撃が当たったことにより肉体のコントロールが失われ後方へと吹っ飛んで店の中へと轟音を上げならぶつかる)ゴガガガガガガア!!(あまりの勢いに店が音を立てて崩れていき、ルドゥラを生き埋めにさせる) 」

パラパラ…(周囲にまた砂埃がたち、煙たい空気を充満させる。この付近の住民に申し訳なく思いつつも、李劉冥は気をはり続けた。嫌な気分がまだ収まらない) 」

ミサナ「(いやいやいや……いやいやいや!ボクシングにジークンドー、カポエリスタのモーションまで詰め込みすぎでしょ!打撃のバーゲンセールか!)カタカタ あの李老師が押されてるだなんて……嫌でもここから切り返すだなんて————(そう、『不可能である筈だった』李劉冥の『技』は老いという概念とは無縁であるルドゥラとの体力差を一時的に凌駕し、これを覆した。『実戦の観察』に慣れている彼女からしてみれば、それこそこの老人は空想上の存在に思えた)ゴクッ……どっちが勝ってもこわいよぉ……あっ返信きた。 」

ルドゥラ「ガラガラガラ(瓦礫の中から立ち上がり、再度李劉冥の方を睨みつける。口角から血を流しているあたりダメージはいっているようではあるが、それ以上の反応を示さないので判別はつきにくい)あれだけの技を駆使して尚、決定打にはいたらず、か。(どこか感心しているような口ぶりで服に着いた埃をはたき、降りた髪の毛をさっとかき上げる) 」

李劉冥「(あの技を受けて立っているのか?頸が通らなかったか?いや……確かに通したはず。外側も内側も破壊するつもりでやった……だが)…………千の技を駆使し、状況によって使い分ける。考え方はおかしくはない。だが、一番大事なことは一つの技を極め抜くことであると、儂は信じている。――――さて、まだやるか?先ほどは仕損じたが、次はないぞ?(静かな構えからくる闘気) 」

ミサナ「——————(ぞぉっとした。こと先頭においては実戦経験の一つもない素人ではあるが動体視力がずば抜けて高い彼女からすれば、攻撃は全て『入っていた』筈だ。それも試合や演習といったさ殺気のないそれではない、明確な殺意をもって屠る致命の一撃を何発も入れたようなものだ。これを受けて生きていることは愚か、立っているなどとあり得ざる現象でしかない) ピコン (口を開け惚けているのも束の間、彼女の開いた端末に返信を知らせる通知音が鳴り恐々と画面を見やる) 」


『 戦闘パターン把握。容姿の特徴を詳細に 』


ルドゥラ「……そうか。(短く答えそれ以上でもなければ以下でもないような雰囲気でまた構える)確かに貴様の言う通りかもしれな。こんな小手先ばかりの技では、貴様ほどの拳鬼を打ち砕くことなど出来まいて。――――――ならば(次の瞬間、彼の構えが一転し、右半身から重心をさらに落としたような構えを取る)……ならば貴様に敬意を評し、そのの極め上げた『一』を見せてやろう。"準備運動"は終わりだ 」

李劉冥「(彼がその構えに移行した直後に感じた、その身に浴びるには膨大過ぎる死の気配。まるで嵐の海の中に突き落とされたような感覚が襲った)ぬッ………(見たこともない構えだ。それに、呵呵呵、準備運動と来たか。誇張表現では、ないらしい……この闘気、なんだというのだ? なにが、起きている?)(長年武術にその身を投じてきた彼でさえ恐れを抱くほどに身を震わせた。震えはすぐに気の持ち直しで押さえられたが、それでも首筋と心臓に感じる死神の鎌の冷たさはぬぐい切れなかった)」 」

ルドゥラ「…二の打ち要らずの八極拳。練りに練り上げたその力、見事としかいう他あるまい。だが……(体に力を集結させる)――――――『流霊殺』、これが俺が、力を得るために練り上げた新たな武術だ。もう一度言うぞ李劉冥。――――――――俺に刀を抜かせてみせろ(直後、それは異変ともいうべき体動を見せる) 」

ミサナ「えと————— タン (『銀のオールバックでs  』 文面途中で手が止まる。スコープ越しに見ている筈のルドゥラの姿が目前まで迫っているかのような錯覚を覚え文字通り意識を潰されかけたからだ。生き汚さだけは一級品なだけあって呼吸を取り戻すが、如何せん恐怖だけが拭えず)タンッ(『銀のオールバックに紺染のロングコート。人とは思えない殺気を放っています。怖いです』) 」

李劉冥の目に映ったのは、まるで蜃気楼か流水のようにブレるルドゥラ・ヤマトの姿。固体から液体へと変化していくようでまるで的の定まらない虚像。 」

李劉冥「……?(な、なんだこれは? 儂はなにを見ている?) 」


それでも尚気を張る李劉冥であったが、またしても奇々怪々なことに見舞われる。視覚的にそれを言うなら『水が線になって襲い掛かって来た』だ。ルドゥラの姿が消え、一瞬にして肉薄したかと思えばすでに攻撃されていた。それが蹴りだったのか拳だったのか、肘だったのか膝だったのか。それすら見切れない。否、そもそも認識すらできない。視覚は勿論直感でも経験則でも、果ては触覚、聴覚でさえその攻撃がなんなのかがわからなかった。攻撃を受けた部位は顔面。反撃に移ろうかと思った時にはすでに姿はなく、周囲を囲むように移動しながら足や腕、胴を攻撃される。圏境による一撃とはまた違う見えざる一撃だった。


李劉冥「(速い! いや、攻撃の速度や感覚からして、普通かそれより遅い、のか!? わからぬ…なにが起きているのだ!)くぅぅああああああああああ!!!(腕を振り回しての牽制。そこから離れるように距離をとったルドゥラを睨みながら)ハァ、ハァ、ゼェ…………(拳を構える。異能を使っているようには見えない。使えば例え才のない彼でもわかる。兎に角異様だった) 」

ルドゥラ「ふむ、初の実戦としてはこんなものだろう。……さて、威力を上げるぞ?(また構えた)……………流霊殺・空式。――――フンヌッッッ!!!(突如その位置で拳を振るう。その衝撃で生じた圧力が一瞬にも満たない感覚で李劉冥に襲い来る)ズドンズドンズドンズドンズドンズドォォオオンッ!!(それも両の拳で連続して) 」

李劉冥「――――がふっ!?(一発目は反応出来ずに直撃するが)ぬぁああああッ(自らも拳を振るい後続の空式を拳で打ち返していく、が)ドゴドゴドゴドゴォオッ!!!(反応出来なかった残りはまた彼の身体へとあたった)(拳圧を飛ばして、遠距離の技と成しているのか!? そういった輩と戦ったことがないわけではないが、これは桁外れだッ!! 一瞬にも満たぬ感覚で到達させるなど……人間技ではないッ!!) 」

ミサナ「(当たってない……”圧”……っ 魔力、異能の補助話。あくまで物理!『運動エネルギー』だけが移動しているというの!?威力を維持しつつ間合いを制する、こんなの勝ち目が……斬撃を飛ばすとかじゃないんだから————)ピコン ハっ……———— 」


―――状況を把握、その男には一切接触しないように。5分で向かいます ―――


ルドゥラ「――――ッ!!(それは瞬間移動にも似た早業。怯んだ李劉冥の背後に一瞬にして回り)流霊殺・脚式ッ!! (背後の相手を下から蹴り上げる。ほんの僅かに掠っただけでも出血を免れぬ威力であり、なんとか反応して身を捩った李劉冥であったが)ブシュウウウウウウ!!(彼の横っ腹がまるで大刀にでもぶった切られたかのような血飛沫を上げるのを見る)まだこれで終わりではない。――――ここからが、本番だッ!!!(流霊殺のさらなる術式展開。己の中にある霊力でさらに身体能力を底上げする) 」

李劉冥「(ここまでやられっぱなし。しかも相手の身体能力が跳ね上がったことで更に絶望的な状況となる。だが)呵呵呵呵呵呵!! これほどの窮地ッ!! かつて殴り合い殺し合いに明け暮れていた若き日の頃を思い出すわ!!噴ッ!!(凄まじい震脚により李劉冥の気が大地に張り巡らされる)フゥゥウウウウウッ!!(右の拳に必殺の気が立ち込め)七孔噴血…………(彼が人生を賭して築き上げ、昇り咲いた境地『无二打』。その一撃がまさにルドゥラに真正面から向けられようとしている) 」

ミサナ「(型が幾つあるのあの人!だめ、こんなの目で追えても行動予測が立てられなければ悉くぺースを奪われ続ける、カンが良ければ、目がよければ、先読みが上手ければ……それ程に坩堝にはまる……!) ! (あの構え……『无二打』 一撃必滅を体現した抹殺の極意、それ以降の技は不要!!この一撃に掛ける気……終わる……!)————— えっ(いやちょっとこのタイミングで戻るって……!!) 」

ルドゥラ「――――――(この時、彼にはもう勝利の方程式が組んであった。このまま李劉冥に攻撃を差せればいい。"どうせあたらない"のだ。水面に映る人影を殴るような手応えの無さに驚きを隠せないはず。その間に致命の一打を与えればそれで。――――――だが)―――――ッッダン!!!(なぜかルドゥラもまた同じように踏み込んだ。彼に呼応するように真正面から)流霊殺・滅式ッ!!!(自然と拳に力が入る。今、ルドゥラ李劉冥の无二打と言えるあの拳に魅了された。そして比べたくなったのだ。人間が長年練り上げた拳と、今の自分の拳、どちらが強いのかを) 」

李劉冥「撒き■ぇエエエいッ!!!!(拳が前に出される。それと同時にルドゥラの絶技である拳もまた前へ。両者の拳が真っ向からぶつかり合った) 」

ルドゥラ「ぬぅぅぅ……ッおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!(拳と拳がぶつかり合う。互いに周囲の家々を跳ね飛ばすほどの衝撃が走った。しかし両者一歩も譲らない。負けを認めない。断固として拳を引っ込めようとせず、例え拳が砕けようとも前へ前へと突き出そうと雄叫びを上げながらぶつかり合う) 」

李劉冥「お゛お゛お゛お゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!!!!(老齢とは思えない気迫で大悪霊にして裏世界にて最強の武を振るうルドゥラに拮抗している。この一打に全てを賭けて。拳がミシミシと音をたて砕けていく。練り上げた気が自分に弾き返されそうになりながらも)あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!(地獄の悪鬼のような形相で咆哮しながら立ち向かう) 」

ルドゥラ「お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛ッ!!!!!(老いし達人の一撃の重さを実感しながら、更に拳を捻り込む)おちろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!! 」

李劉冥「ぐがああああああああああああああああッ!! ボキボキボキ、バキバキメキバキィイッ!!(拳がひしゃげ、そのままヒビが割れていくように腕や骨が血飛沫と共に裂け始める)ブチチチチッ! ギチギチギチグチィイイイイイッ!!(ルドゥラが完全に拳を突き出したと同時に、李劉冥の腕は完全に破壊された) 」


しかし、ここでもふたりは同時に動く。右を失ったのなら次は左だと。右を打ちはなった反動を利用し左でその胸を抉るのだと。両者の拳撃が振りかぶられる


ズドンッ!! ―――――ザシュウウウウッ!!!


勢い多く、また周囲に砂埃が立ち込め、周囲には瓦礫が転げ落ちる。


砂煙が晴れた頃にはその凄惨な光景は繁華街の明かりによってより鮮明に映し出されていた。


李劉冥「……グチュ、ビチャ(自身の心臓のある部位をじっと見ている。そこにはルドゥラの一撃が貫通していた)が……、あ……ぐ……………。(口をガタガタと震わせながらドロドロと血を吐いていた。自分は死ぬのかと現実として現れ、それに少し驚いているように) 」

ミサナ「  ス ト   ン   (糸が切れた人形同然にへたりこむ。スコープ越しに最後に見た光景は『李劉冥』が致命の一撃を受け『死』を受け入れたかのように抵抗をやめたという信じがたい像だった。武の達人、それも業界においては伝説に匹敵する男が拳をもってして叶わなかった。否、そのような慣れた者の考えなど至らない、ただ『人が殺される』という事実だけで腰を砕くに十分だった) 」

ルドゥラ「ふぅ……ふぅ………(呼吸を整え、貫いた腕を引き抜いた。大量の血が腕や袖にこびりついてはいるがそれをけして拭い落そうとはしなかった)……これで終わりだ。李劉冥。お前は死ぬ。 」

李劉冥「呵、呵……そう、だな。(足元が血で濡れていくのを見ながらドシャリと座り込む)………良い、拳、だっ、た。最期に、貴様に見(まみ)えて、よかっ、た…………。(その顔にはもう武の達人としての色はなかった。ただ死を受け入れる、ただ日々を暮らしていた老爺の顔だけだった) 」

ルドゥラ「……?(彼にはその顔が理解できなかった。これから死ぬというのに、恨みはおろか未練も吐かない。それが彼にとっては異様に映る)何故感謝を言う。イカれたか? 」

李劉冥「……(ルドゥラの表情を見て何かを悟る)そうかも、しれんな。呵呵、呵。床に伏して死ねるとは思うてはおらんよ。…武術家など、そんなものだ。(徐々に意識を失う中で満足そうに表情を作る)ただ、そうさな。こうして……更なる力の糧となって死ねるは、ある種の誉れかもしれなんな。 」

ルドゥラ「(ふと无二打と重ねた拳を見る。この拳にはあの威力が文字通り骨の髄まで染み込んでいる。神髄にまで練り上げたあの拳の痛みが今でも全身を駆け巡ってくるような気がした)そうだ。糧だ。……まだ足りん。力を、もっと力をッ!!(グッと拳を握りしめ天に掲げる) 」

李劉冥「(あぁ、あの姿………あれは……うん? かつての、儂か? 若い頃、武術に明け暮れ何人も殴り殺してきた……あれは、そうか……"俺"なのか)(そうして力なく後ろへと倒れる。凶拳士とまで言われた男李劉冥。かつて悪霊山の少年と親睦があった彼は今、悪霊山の始祖と同等の存在により、この世を去った) 」


コツ……  (靴底が床板を踏む音が静粛を破る。 人にして人ならざる何かの気配がルドゥラに迫った)


ルドゥラ「(无二打を受けたことにより、流霊殺に更なる可能性を見出した所であったが)………(その方向をみやる。獲物は李劉冥のみ。そのほかにいるはずがない。依頼をして来たマフィアが自分を消す為に刺客でも向けてきたかと思ったが、それは違うと確信するまで時間は掛からなかった) 」

狼「(—————“仕事”を終えたばかりなのか滴る赤、血染めの拳を携えそれは佇んでいた。雪夜に溶けそうな白の長髪と白のコートをよ風に靡かせた人影が月下に佇む)    コ  ツ    (その有様は”狼”だった。耳も鼻も、立ち姿も、二足歩行という歩法も、その顔立ちも”人”の女性そのもの。だが幾たびの死線を越え血を浴びても尚狂気という”異常”に犯されず鉄のような理性と平静を保つ銀色の瞳は最早人ではなく”狼”でしかなかった。畜生共とは異なる、森羅万象と共に人界を渡り足跡に地獄を残す、気高い獣そのものだった) 」

ルドゥラ「血の臭いにでも誘われたか獣。(狼に物おじせず腕を組んで睨んで見せる)餌が欲しいのなら、そこに転がる死体でも貪るがいい。……もっとも、お前に食人の気はなさそうだ。―――なにが望みだ。 」

狼「(獣の眼にルドゥラを捉える。フード越ではあるが『獲物』を視覚に捉えた獣の眼であることは彼からすれば疑いようがない。懐のに忍ばせた『日本刀』という牙に、既に手を添えおいているのだから)  ———————。(一歩、前へ踏み出そうとした刹那だった。 けたたましいサイレンの音が響く。近辺の住人だろうか、野次馬の気配が並みの如く押し寄せ、それを感じ取ったのか足を止めた) 」

狼「————————(ルドゥラへ一瞥をやり『南の方角』へ『何かを促す』ように首をくいと捻る。八重歯が見える長髪的な薄ら笑いを浮かべ、フードの端に手を添えて再び歩き出す。瞬く間に”彼(ルドゥラ)”の間合いに入るが、それを意に返さず進み)   フッ   (時の流れが散漫に錯覚する刹那、二つの”孤高”同士の方がすれ違う。時が戻る頃には、程なくして集まった人の海へ、喧騒の向こうへ獣は姿を消していた) 」

ルドゥラ「…(あの女、どこかで……)(そう思いながらも、コートをはためかしその場を後にする。目指すは勿論南の方角。また新たな力の波動を感覚で理解できた。ルドゥラに迷いはない。拳でも刀でも、全ての力が彼に集結する。その糧がこの世には多くある。そういう意味では、自分もまた奴と同じ獣かもしれないと考える。)くだらん。俺が獣だと? なら、その獣の力すら食らいつくしてやろう。全ては俺の糧となる……。 」


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最終更新:2024年01月24日 21:35