いや~………今日も疲れたったらなんの。
久しぶりに国に戻ったかと思えば、兄の
リコルに政略結婚だと疑ってもおかしくないような内容の手紙が届いていたとか。なんとか…
例えこの国を治めるあたしの父さんが賛成しても、この国の守り神だー!だのなんだの呼ばれちゃってる姉ちゃんが賛成したとしても、
あたしは絶対絶対ぜぇーーったいッッ!!認ないんだからねッッ!!!!!!
……あぁ、そうそう。
リコルっていうのはね、さっきも述べたとおりあたしの双子の兄で、本当の名前は……
リコル「ディーヴさん、さっきそこに君の日記が置いてあったよ?」
………本当の名はディコル。
普段はこんな風に猫を被っているけど、本性はただの悪魔……といより、悪ガキ。
ディーヴ「……何改まっちゃってんのさ………気色悪い………」
実は私、こういう系の男の人は苦手なんだよね~……。
なんだか気味が悪いというか、なんて反応したらよいか分からないというか………。
だから私は、兄としてのリコル……つまりディコルの方がどちらかと言えば、好きかもしれない。
というか、ただ話しやすいっていうだけの話なんだけどね。
リコル「き……気色悪いだなんて失礼なっ!僕はただ、この国の王子として……」
ディーヴ「あーはいはい、分かったわよ。どーせまた姉ちゃんやら神信仰系やらにとやかく言われたんでしょーが。」
リコル「………図星。いや~だからさ、城にいる間だけでも大人しくしてようかなって………」
ディーヴ「昔の猫の被り様は何処に消えたのよ…全く。」
どうやらリコルもそろそろいい子ぶるのに飽き飽きしているらしい。
分かる。妹だからこそ分かる。
姉ちゃんと仲の良い人達は大抵、几帳面で神経質だ。
悪く言えば……………五月蠅い奴等ってとこ。
あんた達いい加減に黙れないの?って程。うざったい。…おまけにあたしと比較するしっ。
これだから私、教会には通ってないし、神なんて信じてない。
勿論神にも色んな種類があるんだろうけど…少なくとも聖王国の神は嫌い。
運命を操るだのなんだのテキトーなこと言っちゃって。そんなことできるワケないじゃない。
だって……
運命を変えることが出来るのは、強い意志を持つ者……即ち、その人自身なのだから。
人の運命を他人の事情で好き勝手に変えられちゃ、たまったもんじゃないわよ。ほんと。
さて………と。
あたしは束ねていた髪の毛を解いた。
リコル「………相変わらず長いな。」
ディーヴ「何、この髪型が似合わないとでも言いたいの?」
リコル「いや………ただ―――」
ディーヴ「……?」
リコル「……別に。気にするな。」
それだけ言うと、リコルは踵を返し、部屋から出て行ってしまった。
ディーヴ「なっ……何よあいつ、変なのーっ………」
…ま、いっか。
さーて、久しぶりに近くの町にでも遊びに行ってみようかしらね~♪
一方その頃……
キュウカ「……くしゅんっ!……あ、あら……?今、誰かが私のことを……気のせいかしら?」
と、疑問を抱くキュウカであった。(笑)
END
最終更新:2024年04月11日 00:36