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––––––––-僕は普通の文学青年であって、例えば異世界に転生したりとか、例えば幽霊に憑依されて囲碁の世界で活躍したりとか、そんな幸運はない
ピカマン「死兆星が鳴いている、天へ帰る時が来たのだ」
文学青年「た、助けてくれー!タステクレー!」
––––––––ただ強いて言えば、不幸は皆平等に訪れる可能性を持っていて、その失敗を踏むものことそのものが悲劇なのだと考える
マリオ「今助けるぞ」テッコツポーイ
鉄骨「そこの君!鉄骨が当たったよ!」
–––––––––だからこれは、救いも何もない、無益な悲劇の物語
ピカマン「これも運命か–––––––」グシャ
文学青年「ごゔぁっ」グシャ
- ------------強いて言えば、こうなる前にもっとマシな幕引きを誰かに渡して欲しかった
患者「内臓が激しく損傷!ダメです止血間に合いません!」
医者「もう一方の患者の内臓は無事だ、遺族には私から説明する!」
-----------これは紛れもない、道化の物語なのだから
ピカマン「信じてくれ!僕は”人間”だったんだッ!!」
プリン「そう言う君は目の前のそれが人間に見えるのかね」
ピカマン「見える」
ピカマン「逆に言えば、自らを人間と主張するそれが岩の塊とかよく分からないものに見える」
ピカマン「教えてくれ、君は何者なんだ。なぜ君だけがこの世界で唯一『人間』に見える」
プリン「かつて人間を同族と認識していた君が人間ではなくなったと言うことさ」
教えてよ
教えてよ
その仕組みを
-変身-
クイントA「パターン黒、間違いありません使徒です!SSレート、超大型ゴッキブリ、来ます!」
クイントB「衛生兵ー!衛生兵ー!」
クイントC「ダメだ!ダメだ!ダメだ!ダメだ!」
クインドD「DAISUKE」
ニオ「何をしているクズ共、ただ死ね!そしてせめて死に意味を持たせろ!さぁ、私のために死んでこい!お前たちは弾丸なのだ!炸裂弾だ!」
クイント達「「「「「お師匠様ばんざーーーーーーイ!!!!」」」」」
\バンザーイ!!/\バンザーイ!!/\バンザーイ!!/\コロシテヤルウウウウ!!!/\バンザーイ!/\エイセイヘーイ!!/\オシショウサマバンザアアイ!!/\ウワアアアア!!/\タスケテクレー!!/
サタナエル「やめたまえ君達。争いは争いしか生まない。つまりもう手遅れなんだ、はるか昔に争いを始めた時点で手遅れなんだ
戦争は一つの種だ、細菌だ、やっぱり手遅れだ!皆戦え!死ぬまで戦え!みんな死ぬまで戦い続けろ!!」
じょうじ「じょうじ!じょう!じょうすけ!」
サタ萎える「いいぞ殺せ!」
–––––––––2018年 6/15 それはまだ梅雨であろうにも関わらずと言う我々の認識の甘さをあざ笑うかのように奴らは下水道より進軍を始めた
God of キブリニチ。略してゴキブリ、八頭身で人と形容しがたい顔をしたあの屈強な生物が我々を侵略しにやってくる
台所に出現するどころの騒ぎではない、奴らは我々の生活領域を侵略し、平然と生を謳歌するつもりなのだ
ピカマン「(無言の指ポキ)」
–––––––––これに対抗するべく
政府軍は『徴兵制度』を施行した
だが民から叩き上げの兵など弾除けにすらならない。これを解決するべく『スーパーソルジャー』計画が施行された
実験は失敗、人々はことごとく『ピカマン』と言う異形へと変貌し、かつて人であったと言う薄ぼんやりとした認識と、
それを奪った権力への臓腑のみを糧に活動し、ゴキブリも、人も関係なく殺しにかかる人類の脅威なのだ
クイント達「ウワアアアア–––––––––-!!」
–––––––––これらを掃討するべく大魔導士ニオ=タソがスプレッター社の財源を利用しクローンクイント部隊を編成
『人類などどうでもいい、ピカマンとゴキブリが消えてくれればまた静かな暮らしが帰ってくる』
と、首脳会談の場で彼女は涼しい顔をして語った。これには温厚で有名な
ロバート大統領は苦笑し、クロフォード総理は匙を投げたという
今こうして、外敵VS人類の失敗VS究極の自己中、どれが勝ち残ったとしても人類は元の生活へ戻ることなど許されない領域に突入していた
どうしようもない事態へ直面した時、人々はやるせなさからか、せめて攻撃対象を探そうとささやかな抵抗として『責任問題』を追求し始めた
「そもそもなぜゴキブリがこうなるまで進化したのです!」
「原子力発電所に生息していたゴキブリだと聞き及んでおりますが!」
「ピカマンは元々徴兵された人間だとのことですが!」
「総理!お答えください総理!」「いやこれは陸軍が勝手に忖度を」
「忖度っていうのはですね!えー忖度というのは、つまり私が忖度したのです?」
「知るかハゲ!コノハゲー!バーカ!」
「静粛にお願いします!静粛にバックします!」
「いるさ!ここにな!」
「ここ好き!」
「そのカップリングはない!」
「同じコマにいた!!!!!!」
「なんでこんなことで言い争ってるんですかね…」
「もうみんな死ねばいいと思う」
これを是正するチャンスは誰にでもあった
ゴキブリが進化する可能性はニュースで報じられていたが政治の無関心を国民は咎めなかった、
徴兵制が施行される兆候はあったが、誰もそれに危機感が及ばなかった、
そもそも上記の二つがなければクイント部隊は編成されなかった
誰にでも止められた、誰にでも声を上げることはできた、そして誰もそうしなかった
この手記を残す私でさえ、その愚かなりし傍観者の一人であったのだと強く認識し、叶うならこの身を捧げて、
それを引き換えに天におわしになる主に人類を救っていただきたい
だがそれはもはや叶わない、何せこれそのものが天罰に、主の怒りに等しいのだと、痛感しているから
いつだって目に見える問題を先送りにしてきた、我々の咎を負うのは、我々の他にないのだから––––––だから
カ ッ
「なんだあれは!」「ピカマン……いや違う!」「ライチュウだ!ライマン!?いや、もうめんどくさいからライナーでいいや!」
超大型八頭身ライチュウ「オアアアアアアアァァァァァァ––––––––––––––––– ッッッ!!!!」
私はこの体になっても尚立ち向かう
この魂に人としての尊厳がある限り、何度だって立ち上がり、そして困難に向かっていく
私は人だ、どんな姿になっても尚、私であり続ける。だから諦めるな、私にはできる、しがない文学青年だった私にも
きっと、勇気を持って立ち向かえば––––––––––––––––––––
┣¨ ンッ
ライチュウ「」チーン……
ライチュウ(あれ? 私は負けたのか?)
ライチュウ(待って待って、何これおかしい)
サタナエル「あーあー、負けちゃいましたねぇ」
ニオ「まぁこんなこともあるさ。来世では付いていますように」
––––––––––
よっちゃんの味噌汁
陸軍はまだそんなものを隠し持っていたというのか……ッ!
なぜだ、私は立ち向かったのに、人類のために立ち向かったのに……なぜ私までこうなる、なぜ私まであの核兵器の攻撃対象になる
サタナエル「そりゃお前、人間じゃないからだよ」
ライチュウマン「う”わ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!!!」
市長「いやぁ効きますねよっちゃんの味噌汁。山田くん、これ箱で買いなさい」
市長「この過ちは人類から始まった」
市長「であれば人類がケリをつけなくては。子供だって散らかした玩具は片つけますよ」
市長「そしてものに心があったとしても、当たり前に処分するのですから」
市長「ご安心を、あなた一人、徴兵された被験体の方々、ニオナントカさん」
市長「全員殺したところで、遺族が悲しみに暮れようと、人類史は続きますよ」
ガララッ
のりしお「そうはさせん!」
市長「何!お前は!?」
のりしお「ファイナルエクスプロージョンンン––––––––––––––– ッ!!!!!!!!!!!!!!」
市長「た、タスケテー!!!!!」
こうして人類は救われたし悪も去った
だが失ったものは永遠に取り戻せない、時計は前へ進み続けるのだから……
ニオ「やっぱり安眠薬ってロクなものじゃないわ」
Happy end
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最終更新:2024年04月11日 03:38