罪業の刻印 ログ5

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.ミッション01 終了後



クロサワ「さて……。王子閣下をおもてなしするにはいささかお粗末な部屋だが勘弁してくれ。何分我々は総帥でさえファーストクラスでくつろげない身分でね。失恋のショックは? なんならデリヘルでも呼ぼうか」

「ーーーーいいや?全然……さっさと煮るなり焼くなり好きにしろ。先に断っておくが、私は拷問程度とっくに経験している、7歳でだ。プロの尋問を知っているか?爪の間に竹を突っ込むってあれだ。まあ私は1本目に突っ込まれる以前で救出されたが」

クロサワ「伊達に王子をしていないということか。の割にはやけに協力的だったじゃないか。あのチンピラ共が素直に開拓班に加わったのはお前が護送中に説得したからこそだと聞いているが」

「ああ、あれか?連中は思ったより学がなかった。たった二日で私の完全指揮下に置かれキメラ売買に疑問を抱かず協力した。その分、単純作業さえ満足にこなせん。結局顧客への売り込みも何もかも私がこなしていた。いつ正規のスタッフを迎え、あれらを切り捨てるか苦心していたんだ」

クロサワ「ほほう、ではゴミの分別はせず構わず全員リサイクルか。再就職先まで面倒を見るとはな」

「……。私の経営に関して口出しすることに何の利益がある、今更共同経営をしようなんて言うまいな」

クロサワ「経営……経営ねぇ。随分ビジネスライクじゃないか。まあいい、あんたは本作戦において共同戦線を組むビジネスパートナーとする用意もあったが状況が変わった。 質問には全て答えろ、全てだ。余計な口を挟めばまずは殴る、『まずは』だ。」

「わかった。続けろ」

クロサワ「第一に救難信号だ。 チンピラ共に聞いたが、あんたが拉致されたのは事実らしいな。だがやけに落ち着き払って対応して見せたどころか、そもそも縄張りに『金塊』と言う土産を持ち込んできたそうじゃないか。二ヶ月前、シハナと言う女性と共に捕まってからすぐに、この土産を献上し『奴隷より儲かる』とキメラ売買を推奨した」

クロサワ「インターネットを開通させ、通販サイトを開設。現在に至るまで奴隷より希少価値の高い偽ツチノコで羽振り良く設けていた。王宮にいた頃がどうだったかは知らんが、どうあれよろしく商売していたじゃないか。何故救難信号など飛ばした」

「はんっ あんたらが無線傍受なんぞしていなければ別の連中が応じたんだよ。王宮の人間を呼び出す手筈だったんだ」

クロサワ「王宮? 何故だ、あんたは拉致監禁という建前を偽ってまで玉座を捨て亡命した側だろう」

「追っ手を引きずり出し尋問する手筈だった。今私が置かれてる状況を、別の相手にそのまましてやるんだよ。私から公式に政治主導権を手放し民主化したと発表させるつもりなら……正規の手続きを経て民主化を測るつもりだったなら悪いが、私にそれほどの力はない」

「まだ公式発表はされていないが……世界政府が既に王宮へ介入している。お前達がやろうとしていた事が、既に先回りされていた訳だ」

クロサワ「世界政府が介入……? いや待て、ならばあんたの思惑通りじゃないか。民主化……を図ろうとしたかは怪しいところだが」

「民主化民主化……どいつもこいつも泊地に程のいい理想論を振りかざすじゃないか。私が今の、この国の現状を見てそんな愚策を講じると思うか?」

「あれが成立するのは国民一人一人に政治への知識的理解、個人単位の政治思想があり独立して行動できる……そんな高い水準での教育が用意できてこそ可能な話だ。この国を見てみろ、他所じゃガキがガム一個買える程度の金を握らせて右を向けと言えばそうする。それだけ学がない国に他所の政治が介入して利益の有無関係なく親切ご丁寧に改善すると思うか?いいや逆だ」

「民主化によって、学も知もない群衆を利用した程のいい他国にとって政治運用が可能になると仮定してみろ。今世界政府の介入によって民主化が進められれば、それが充分可能な状態になる」

クロサワ「……。仮に、世界政府の狙いが火の国を一部の人間にとって利益的に都合のいい状況にするとして……加担しようとしたのはあんたじゃなかったか」

「大臣がやらかした事でさえ私のせいか。いやまぁ……あれに権限を与えたのは他ならない私だ。責任はあるが、政府軍へ人材提供を提案したのは外務大臣のアブラハムだ」

クロサワ「ハメられたとでも」

「そうなるね。だから救難信号はブラフだった、それが答えだ。 まあ現在の状況を鑑みると私の身の上話、政治理念を高尚に語ったところで意味はないだろう。まあどうあれ、私は君達に敵対する立場でもないし利用価値もない。残念だったな」

クロサワ「情報源にはなるだろう。 シハナといったか、あの女との関係は」

「王宮時代だったか。私が奴隷商から買い上げた連中のひとりさ。今の時代奴隷商というのはIT化、経済の仮想現実化が進む現代文明に適応出来ていないと表明しているようなものさ。だから商いのノウハウを教えてやる代わりに奴隷を全員解放させた。ここがブラックマーケットの温床でしかないと他国に見限られるのは癪だったからね、追々奴隷市場は根絶する筈だった」

「話を戻そうか。奴隷共は全員元の国、元の村へ飛ばしたがシハナは親の顔も覚えていないという。顔は好みだったし……何故か頭が良く回る。私の側近に迎え入れ、経営についてのイロハや社会情勢を教えていた。王宮から逃亡する際も、彼女だけはどういうわけか信頼……いいや盲信していた」

「チンピラ連中に蛇とモルモットのキメラを提案したのは彼女だ。いやここから疑問を持つべきだったが……彼女はキメラを合成する技術を所有していた。魔術によるものだ。そもキメラとするべきかも怪しいところだ、あれは蛇がモルモットを捕食しているようなものだ。主導権を握った同化といったところか」

クロサワ「蛇語……だったか?蛇と意思疎通手段を持つようだが、なるほど、蛇にモルモットを取り込ませツチノコに見せ……で?あれの本当の目的に心当たりは」

「ないね。私は希少価値が極めて高いペットとして売りさばいていただけで……」

クロサワ「……。まあ、消されかけた訳だからな。期待するだけ無駄か」

「そういう事だ。さて、他には何かないか?」

クロサワ「今のところはない。邪魔したな」

「待った、私からひとつ提案がある。あんた……いやあんたらの組織は利益を継続するのが下手だろう」

クロサワ「都落ちした王族崩れに指摘されたくはないな」

「どうだ、私を教育者として雇いいれる気はないか?基本方針はあんたに従おう。無論タダではないが」

クロサワ「教官は俺だ、生憎と間に合っている」

「お前はG.A.T.Eを傭兵部隊にでも仕立て上げる気か? いいか耳の穴をかっぽじって聞けよ筋肉ダルマ共。あんた方がこんな荒んだ資源も乏しい土地に開拓民としてわざわざ駆り出される羽目になったのはこの国に『学』がないからだ。民主化に欠かせない一票の重みというのは、国民一人一人が知識を振り絞って考えた末に選択をするからこそだ。ここらは良きも悪しきも、知識がないから時代錯誤な従属関係が横行している。国家でさえもそんな有様なんだ」

クロサワ「あんたは違うとでも」

「ジミー・ペンヴァー名義で東国の大学にネットワーク経由で在学していた。経済を中心に知識をかき集めた。いかに王宮が、埃の被った政治体制だったか痛感したよ。 忠告しておくが、教育を最底辺に至るまで行き渡らせねば根本的な解決にはならないぞ。すぐにまた、個々が目の前の利益に固執し現在の状況に立ち戻る」

クロサワ「なるほど、開拓した村々でアルセニオ大先生がご教授くださるという訳だ」

「私一人では無理だ。そこで、あんたが回収した人材数名に教育に必要な知識教養を叩き込み派遣できるようにする。報酬はいらんぞ。下手に外部から教育スタッフを雇いれるより安上がりだ」

クロサワ「いやしかしだな……」

「開拓する上でも有利になる。人材の質が向上すれば今後多方面にわたって役立つ筈だ」

クロサワ「そうまでしてなんの利益がある。他ならぬあんたに」

「長期的に見て利益がある、投資と一緒さ。この国にあるのは黴の生えた文化だけだ、強みがない。王宮でさえ、私手ずから教育改革に乗り出そうとすれば『民草には無用の長物』と反対で押し切られる程に腐敗している。民草から変えないとならない、変わらなければ火の国は再生できない」

クロサワ「腐っても……一国の王という訳か。 いいだろう、俺の一存では難しいが総帥に掛け合ってはみるとしよう。 その時は改めてよろしく頼む、王子殿」

イドリス「いい返事を待っているよ。それまではこの国に関する情報提供と全面協力を約束しよう。 ああそれと、私のことは『イドリス』と呼んでくれ。アルセニオとは王の名だからな」

クロサワ「わかった。よろしく頼む、イドリス。俺はクロサワ・ミラーだ」

イドリス「よろしくミスタークロダワ。ところで次の開拓先は決まっているのか?」

クロサワ「……。いや………」

イドリス「ほとんどノープランという訳か。まあここまでどこもかしくも荒廃しているとな……。 わかった、まずはこの国の開拓を進めたいなら『警戒すべき』勢力について教えよう。構わないか?」

クロサワ「獄中で協力者から享受されるというのはどうもな……」

イドリス「なぁに、あんたらもまだ私を信用しあぐねてるのは確かだろうさ」


イドリス「?????リトル・ベニス。粗方の概要は把握しているだろう」


クロサワ「オアシスの水宮……だったか。先進国の主要都市水準にまで発展した、王都を遥かに凌ぐ火の国唯一の経済都市だろう」

イドリス「開拓する上で最重要視すべきはリトル・ベニスだ。あそこを解体しなければ何をしても火に油だろうさ」

クロサワ「何故だ、開拓するまでもなく充分に発展した大都市だろう? むしろ協力を仰ぐべきだ。近々我々の活動をプレゼンし現地スポンサーを募るプランだった。その時の立役者として、あんたを迎え入れるつもりでいたのだが」

イドリス「お前のサングラス、ちゃんと物は見えるようになってるか? 何故あそこだけが唯一発展している、そこから疑問を持たなかったか」

クロサワ「いや……まぁ……」

イドリス「オタクのボスは多分気づいてるぞ」

クロサワ「え”ぇ”っ!!?俺茅野外ッ!?」

イドリス「うん」

クロサワ「えぇ……」

イドリス「単刀直入に言うぞ、リトルベニスは世界政府の息がかかっている。寧ろ現状を作り出すための先駆けのようなもんだ」




イドリス「ーーーーーリトルベニスから、世界中へ『核』が売られている」











クロサワ『―――――今回依頼する任務は国際法で禁止されている違法物品全般の運送を受け持つ組織への潜入調査。並びに組織の排除、連中に占拠されているスラム街の解放だ』 」

クロサワ『組織の名は『近江運送』 チキュウオチ日経マフィアの残党が経営しているフロント企業だ。当然、運送しているのは麻薬・各国の偽札などせこい小遣い稼ぎにしかならない物だ』 」

クロサワ『ここ最近、連中はリトルベニスに駐在しているある企業から莫大な資金と報酬を積まれ羽振りがよくなっている』 」

クロサワ『前回のミッションを経て新たに我々の協力者に加わったアルセニオ二世の情報が正しければ、『新型殲滅兵器のパーツ』の運送を委託されているらしい。当人が、それと知って運んでいるのかは怪しいところだ』 」

クロサワ『連中が占拠しオフィスを構えているのは『キシギ・ノトヒ村』だ。 つい先日、この近辺を取り仕切っていたマフィアのボスが死亡したことによって村周辺を警備していた族が撤退している。近江が新たな協力者を呼び込む前に済ませるなら今しかない』 」

クロサワ『新型兵器がリトルベニスから輸出されているという事実を押さえておきたい。証拠になり得るブツを確認したら、極力手を加えずカメラで撮影しデータを此方へ送信して欲しい』 」

クロサワ『ちなみにだが相手は残党とはいえ元YAKUZA、腕にはそこそこ覚えのある連中だろう。戦力的には申し分ないはずだ、可能ならフルトン回収装置で回収してやってくれ。 ―――――頼んだぞ!』 」




――――『キシギ・ノトヒ村』 周辺 ――――




ババババ バ  バ   バ  八”   八”     八”     キュイン キュイン… (けたたましい轟音を轟かせ一機の輸送ヘリが着陸。 搭乗者達を地上へ搬送し終えると再び中空へ上昇していく) 」


ホーネット(操縦士)『ランディングゾーンで待機します。お気をつけて!』 」


―――――GATE一行が降り立ったのは砂で覆われているがアスファルトの見え隠れする平地。視認できる範囲に金網で仕切られた滑走路のようなスペースが存在し、羽根の折れた旅客機が乱雑に積み重ねられているなど『空港』だった頃の面影が見える 」


クロサワ『水筒に入れたマテ茶は忘れてないな?よろしい。 ―――『キシギ・ノトヒ村』は火の国が公共事業として進め、そしてポシャった空港の跡地に職を失った作業員が身を寄せ合ってできたスラム街だ。一般人の集まりなので、YAKUZAの残党に成すすべもなく占領されたのだそうだ。 ちょうど目の前にある空港跡地がそれに該当する。 本来、フィリップの部下が周辺を警備しているのだが、ボスが事故死し慌てて港町へ引き返したらしい。近江運送の連中はそれに気づかず、未だマフィアが周辺を警備していると思い込んでいるようだ 」

メイヴィス「ジギーさんが夜更かしでお休みなので本日は私が同行しますねっ(軽い足取り、弾むような声と場にそぐわない明るさを振りまきながら降り立つ)って空港跡地なんです?ワニ肉とか取れないじゃないですかやだー! 」

ラトニカ「(軽くヘリから降り立つなり、双眼鏡で村を確認)あー、成程……確かに空港となると、とりあえずの住居としても都合が良いですし、一端の武装勢力が根城にするのも頷ける様な……演説でもしてたりしませんかねえ 」

ミハイ「……さてはて、民草を虐げる者達に対して私はあまり良い顔ができないが。しかし派手にやりすぎるよりは隠密に……速やかに、しかし誰にも気取られぬように少しずつやった方がよいかもしれないな。(ひらりとマントを翻し、音も立てずに美しく降り立った)だが私の戦い方は……静音性に優れてはいない、どうしたものか。 」

クロサワ『物流を受け持つならこれ以上にちょうどいい『跡地』はないだろう。その点、流石は元YAKUZAといったところか……演説どころか物音一つないようだが……  ビューティフォー……ン"ン"(咳払い)社員の数は20人弱と聞いている。元々の近江の幹部クラスならまだしも、精々サンジ団体程度のチンピラだろうから警戒するに能わないはずだが……まあ確かに、穏便に事を進めるに越したことはないからな』 」

メイヴィス「 スチャッ (適当な岩陰に腰をかがめ望遠鏡を覗き込む)……。ん~~……一応つい最近まで誰かがいたような生活の痕跡はあるんですけどね。捨てられたポテトの空き容器に虫がたかっているのが視認できますから。ただ人の出入りする様子がほとんど見えないというのも不気味なような…… 」


    ボ    フッッ    (遠方に見える倉庫が割れた窓などから煙を咳き込むようにして吐き出した。直後、けたたましい音を立てて正面入り口のドアが破られ)  ドガァンッ カランカラン……  (荷台付きのジープが姿を現した……かと思えば荷台に乗せていた作業員を何人か路上に落とし、その場でピタリと止まってしまった) 」


ラトニカ「それこそ私はゲリラ戦も隠密行動も割と得意分野ですけどねー、目的のブツの話もありますし、それで片付けられるなら理想的ではあるんですが……(双眼鏡を覗きながら、片手間に背負ったライフルに大型の減温機を付けながら) (ジープの動きが目に留まり)あー、何か人でやってますねアレ 」

ダンボール「<バンッ ズサァーン  \OH!!/ (暫くの沈黙を破るようにしてジープが出てきた倉庫から今度は『足が生えたダンボール』が飛び出し着地と同時にスライド移動。その際ジープから落ちた作業員にぶつかる) ガサッ    ボトッ  カサカサカサカサカサ(そして足が生えたダンボールは素早く立ち上がり、気を失っている作業員に蹴りを入れてから『工口本』を顔面に叩きつけ、足早に倉庫入り口から反対側へ走り去ってしまった) 」

クロサワ『既に何者かと交戦中……いや仲間割れか? 依頼主が状況の悪化を懸念し口封じに来たという可能性も―――――!? えっ、な……何あれ。ダンボール……? ていうか足はや……』 」
陸也「……なあ何だアレ?火の国に前来た時はダンボールから足が生えたクリーチャーの目撃証言なんて聞いたことなかったけど。(絶句、というか唖然としている) 」

メイヴィス「――――キャプチャーしたらどんな味がしますかね。私気になります……ツチノコの味より木になるんですけど……(旋律が迸ったシリアス顔で) 」

ラトニカ「多分……アレ同業者ですね…界隈ではちょっと有名な人……聞いた事ありません?”サム”とか”ゲイブ”とか……そっちの人が…いやあ凄いですねえ!!こうやってお目にかかれる日が来るなんて!!(やけにテンションが上がっている) 」

クロサワ『奇抜な奴にしても精々封印されしポチとターバンのガキぐらいしか俺は聞かされてない……いやそもクリーチャーかあれ…… 飯から離れろ(全ギレ) え"っいやあれがあのサムゲイブ……!?とてもじゃないが信じられん……  ど、どうする……運送用の車、積荷等は全てあの倉庫の中だと思われるが……』 」

ミハイ「あれは、そのように興奮するような者なのか……?いや、あれは……しかし確かに行動としては迅速で……(この世のものではないものを見たような顔してる) 」

ラトニカ「ちょっと行って来ますね、もし帰ってこなかったら最悪爆撃してください!いやあアレ是非お会いしたかったんですよね!!(ウキウキで謎の段ボールを追い掛ける) 」

ダンボール「  ガッ  (倉庫裏で近江運送の作業員をホールドアップ→その場でぐるぐる回る→放してやる→ホールドアップ→放してやる→ホールドアップ→ぐるぐる回る この流れを高速で無駄なく無駄な動きをし作業員の所持金、所持品を絶えず搾り取っていた。 ダンボールを被っているが、ラトニカより小柄に見える) 」

クロサワ『いやあのHENATIを追うのか!?い、いやあとあと邪魔されても面倒だ。止めはしないが派手な陽動なのでは……あっ(行ってしまった)  ……。つ、積荷どうしようか…(震え声)』 」

メイヴィス「えーと……じゃあ私は倉庫の中見て来ますね(やや困惑しながら引きつった笑顔で挙手)あの調子だと中に誰かいたとしても抵抗できるような状態じゃないでしょうけど……お二人はどうされます? 」

陸也「俺はどっちかっていうと面白ェもん見るほうが好きだし……じゃあ俺あの謎クリーチャー追っかけるわ!そっちは任せたぜお嬢さんたち!待ってくれラトニカさんよーい!(ウキウキなラトニカを追いかけていく) 」

ラトニカ「(大型の軍用拳銃を懐から抜き、付近の物陰に隠れてダンボールの様子を見る)巻き上げてますねえ!! 」

ミハイ「ふむ……では私はあなたについて行こう、どちらにせよ我らの目的には変わるまい。 」

ダンボール「バサッ  \た、助け……え?/ ドゴァッ (粗方巻き上げると工口本を命乞いする兵士の前に投げ捨て頭部に蹴りを入れ意識を吹っ飛ばす)  !  トントントン(その行動を終えると何かに気づいたのか、倉庫壁に備え付けられているはしごに足をかけ登り始めた) 」

メイヴィス「あはぁいいってらっしゃぁい ヨヨヨ……  ! 来てくれるんですか! わぁい助かりますー!(両手をパンと合わせ)実を言うとあんな奇抜なもの見ちゃうとお化け屋敷みたいに思えて少し心細かったんですよー!じゃ、さっさと終わらせて早く帰りましょー!(目尻に堪えていた涙を浮かべつつ、ミハイの手を引いて軽い足取りで倉庫の中へ) 」
――――倉庫内部では案の定と言うべきか。工口本を顔面にぶち込まれた構成員が頭上に星マークを旋回させ気を失っていた。 奥には荷台を積んだトラックが4台ほど横に並べられている 」

クロサワ『あの謎のダンボールは好奇心旺盛なお二人に任せるとして……。なるほど、この様子だと出荷直前に襲撃を受けたようだな。となると例のブツがあるとすれば荷台の中のはずだ。パーツと聞いているが爆薬とも限らん、一台ずつ慎重に調べてくれ』 」


L1【右から1番目のトラックを調べる】 R1【右から2番目のトラックを調べる】 L2【右から3番目のトラックを調べる】 R2【右から4番目のトラックを調べる】 


ラトニカ「(倒れた兵士を一瞥し、完全に意識を失っているのを確認してから段ボールを追って梯子を素早く登り始める)気付かれたかも知れませんねぇ!!! 」

ダンボール「   オ   ン ッ   (刹那!水中に飛び込んだかのように体感時間が遅く感ぜられた! ラトニカの目前にはダンボールを被った例の何者かが梯子から手をはなし自由落下でラトニカをケリつけようと落下して来ていた!) 」

陸也「うおっあのダンボール降ってきたッ!?ここは……しょぉぉぉー龍ゥ~~~拳ッッッッ!!!(まだはしごを登っていなかった陸也、咄嗟に落っこちてくるダンボールへ独自の『強化』を為した対空攻撃を放ち迎え撃つ!) 」

ミハイ「……なんというか、惨憺たるというに相応しい状況だな。あの怪異は一体何をどうすればこのような……と、とりあえずは一番右から……。 」

ラトニカ「あれ?早っ―――(反応出来る自信はあった、恐らくそれに必要な能力も持ち合わせていただろう。しかし―――)ぶぐぅっ!?(ダンボールの落下が直撃し、梯子から転落する) 」


小島秀夫「 \ ! / (右から1台目の荷台の中で新作のスケジュールを組んでいたらしく、未配に気づくと軽く手を振る)  PON  (そして煙のように消えた) 」


メイヴィス「 !? か、監督……!? 」

ダンボール「  1 H I T !! (靴底がラトニカにクリーンヒット、続けざまに陸也を踏もうとするが)  ガォンンッ!!!  (何故か鉄板の上を弾丸が跳ねたような重金属音が響き昇竜拳に吹っ飛ばされ、空中で錐揉み回転する) 」

ミハイ「……!?……私はさっきから夢でも見ているのだろうか?おかしい……おかしい……(ふらふら) 」

陸也「ウゥゥゥゥ―――スタッ(着地隙まで完全再現の昇龍拳)なんかすげーカテエもん殴ったみたいな感覚……なんだ、あれ……?なんなんだあのダンボールクリーチャー? 」

メイヴィス「デススト続編待ってます……!(敬礼で見送り)いや待って、私は一体何を……ああミハイさんおきを確かに!(フラフラするミハイを素早く支え)次です次! 流れで2台目行って見ましょう! 」

ラトニカ「ゴ ッ(如何にも痛そうな音と共に床に叩き付けられ、頭上に星マークを回転させてぶっ倒れている) 」

カロリーメイト1年分「     \ 大 塚 製 薬 ! /      」

ダンボール「  ドゴンッ   ギュルルルルル(両足を空中へ向け頭(?)からラトニカの側へ落下。錐揉み回転の勢い余ってブレイクスピンし) シュタッ  ガッ ガッ スチャガチャ(そして先の作業員同様彼女をホールドアップ、会報を繰り返す) 」

ミハイ「おお……すまないメイヴィス殿、助かる―――(我に返る)……っと、これは兵糧というやつだな?……鹵獲するには悪くない物資だ。 」

陸也「……?????(ダンボールの奇っ怪極まりない行動に疑問符が尽きること無く出てくる、ひたすら困惑) 」

メイヴィス「至上の栄養補給食じゃないですかヤッタァー! えーっと、残るは二台ですか……いかがされます? 」

ミハイ「……見よう、ここまで見ておいてどちらも見ないというのは”ない”だろう?それに今のような有用なものがあるかもしれまい。 」

近江運送社員「うぅ……(心底から何かに怯えた呻き声を凝らし、頭を手で押さえ首を横に振りながら起き上がる)? な、なにゃあんたら……あの『SARU』の仲間……じゃなさそうやな……(ミハイメイヴィスを見るや襲撃を受けたにも関わらず冷静に、あるいは『一目でそうとわかる』のか言葉を向ける) 」

メイヴィス「ですねー。とはいえ突然大物というか神監督が出てくるというトラップもなきにせよも……(荷台を開けようとしたところ、梅聞こえに気付き) ! 生存者……ってみんな生きてますケド意識のある方が…!ミハイさん二台はお任せします!(社員の男に駆け寄り救急箱を床に設置、全自動でそれが開閉し応急手当ての器具一式が展開される)市警から救護要請を受けて駆けつけました、医療班の者です。話せますか?差し支えがなければ何があったのか教えていただけないでしょうか(公的医療機関に扮し交渉に出る) 」

近江運送社員「わ、わからん…… わしらはここでただ荷物積み込んどっただけじゃけぇの。警備の門が定期連絡をよこさなくなったっと思うとったら、急にあの『SARU』が襲って来たんじゃぁ… 」



SARU「    ┣¨    ンッ     (そいつはダンボールを捨てる、儀式のために。 体格からして恐らくは子供、それも少女だろう。迷彩柄のパーカーを羽織り、フードを被っているため髪色などの特徴は伺えないが、どうあれ『SARU』のマスクを被り)   シュボッッ   (どこから取り出したのか、ライターで松明に火を灯し陸なりの様子を棒立ちで伺っていた) 」


メヴィス「―――――――  さ る ?  」

ラトニカ「いいっ!?(再び意識を取り戻すもホールドアップされている事に気付き) ……思ってたのと違う!? 」

ミハイ「―――む、委細承知した、その者は任せたぞ!(そう言って、残る二台のトラックを物色する) 」

陸也「―――さ、猿?CHINPANJI!?……?????(疑問符は加速し、なぜか松明に着火するのを見て更に困惑は加速した) 」

SARU「   バッ   (松明を軽く中空へ放り投げ、ラトニカを突き飛ばし…)  トンッ  (脇に停めてあったバギーへ飛び乗る、旧型なので本来エンジンが動くまで時間がかかるのだが……)  シュボッ   バッグォォォォンンンンン!!!!!!(落下してきた松明がバギーのバックライトに装着されていた大量の『C4爆弾』に点火。 爆発がさながらロケットブーストのような役割を担い、バギーの限界を超えた速度で走り去る) 」


 >> KUMAGOROOOOOOOOOooooo!!!!!!!! << (去り際、その猿はこの世のものとは思えない、少女の声ながら形容しがたい雄叫びをあげたという…) 」

陸也「―――さ、SARU……一体何者なんだ…… 」

ラトニカ「……何だったんですかね、アレ……(半ば呆然としたままSARUを見送り) 」



ヨクバリス「  !   (三代目のトラックの荷台を物色していた。ハズレ) 」



――――――そして4台目。 その荷台には重金属で構成された『筒』が六本程積まれている。問題はその筒ではない、そこに印字されている『原子力』のマークであった 」




ミハイ「―――これは、”アタリ”だな。(すかさず懐から写ルンですで撮影する)……こんなものを用意して、何とやりあうつもりなんだ……? 」

クロサワ「―――――小島監督が出てきて意識が吹っ飛んでいたクロサワだ。 データの受信を確認した。近江運送は戦意を喪失している。両方のミッションを達成したとみていいだろう。 直ぐにホーネットをそちらへ向かわせる、ご苦労だった 」


クロサワ『カシムの情報通りか……ともすれば近いうちリトルベニスに探りを入れたいところだが……現段階であそこと対立するのは避けたいな……。 平坦を補給することはもちろんだが、人員を確保する必要があるな。 メイヴィス、なんとか説得して近江運送の構成員を味方につけられないか?』 」




―――Mission Passed―――



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最終更新:2020年06月12日 18:16