*
ちょっとお尋ねしたいことがある。そこの二人だ(森林奥底、ニオと
コンキリオの交戦方向とは真反対から低いトーンで聞こえるようにと張り上げた声が聞こえる) 」
ニオ「––––– 迷い人か、こんな偏屈な場所に足を踏み入れるとは冒険者に違いないが、それにしては知識が浅いようね(振り変えることはなく鳥かごから視線を外さないまま背で答え)ここは"迷宮"。行きはよいよい帰りは怖い、やがて土塊の一部になるのが関の山。そんなあなたに何を答えろと? 」
コンキリオ「森林で、偶然あって訪ねてくる・・・迷子なら帰り道はー・・・多分あっちだ、が?(持った武具を、威圧しないよう、しかしすぐに構えられるように持つ) 」
ヴォイド「その鳥籠の鍵は何処にあるか、俺にはそれが必要だ。そいつが無きゃこの森から出られやしねぇ(感情は既に雷神剣を抜剣済みである事に記されており、右手にその重々しい装備を提げている)そいつはなんだ、何故人間が今も尚死にかけていやがる 」
コンキリオ「―――あーくそ、人間か・・・はぁ。(ため息をつく)こんなんだから、俺らみたいな種族は野蛮で忌み嫌われて対話の余地なく攻撃されんだよなぁ・・・はぁ、泣きたい。(心底残念そうに、ヴォイドの武器を見つめる) 」
ニオ「はぁァァ~~…(ただ黙して目を伏せ長い気だるげな溜息を零し首を横に振り)––––言い方が悪かったわね。答えは"コレ"よ(辞書のように分厚い皮表紙の本を出現させながら踵を返してヴォイドの方を向き、その書物を何もない空間に固定して水平にして開く)【 BOOK OF COSMOS 】 」
フ ォ ン … (ニオがその名を宣言すると同時に、地表一面に彼女を中心とした波紋が広がり)––––– オ ン (ニオの背後にそれとなく存在していただけの岩石が、ヴォイドの頭上10mに出現していた) 」
*
VS 【グラナートファミリエ構成員 コンキリオ & ニオ】
ヴォイド「自分が勝手に非難されている事を嘆くことよりも、人間が人間を助ける事に違和感を感じるようじゃあ話し合いの余地もありゃしねぇ。困難なフリをしている自分を正統化する前に自分の行為を省みるんだな(駄弁るのはここまでだ、一刻も速く鳥籠を破壊しねぇと――ッ!?)(宵闇でも分かる自下の不自然な影の造られ方に反応して、頭上を見上げソレを見ると瞳が細まる) 」
ニオ「––––彼の言っていることはつまりこういうことよ、コンキリオ(書面上に浮かび上がったチェス盤のマス目、その中の【Yz8】と記されたマスの上を指で軽くつきながら気だるげに答え)私たちの都合なんて知らない、己の価値観の中で確定した善を行うために、エゴを貫く––––– 残念でした、私もそうなの。 トン ッ (そしてそのマス目を再度強く叩き、空中に浮遊した岩石が勢いをつけて落下し始めた) 」
コンキリオ「・・・世の中にはな、誰かの庇護下にいなければ生きていくのすら難しい者もいるんだよ、お前らってズルいよ・・・なぁ人間。(フランベルジュを黒い男面盾の口に押し付け)ガギッ―――(口がフランベルジュを噛み)『チャージオブアンホーリーパワー』・・・ガッ、ガリガリガリッ!バチィッ・・・ジジジジッ!!!(不浄の力がコンキリオの身を包み、その悍ましいオーラをより強大なものへ引き上げる。加えて男面盾に噛まれた刃がスライドすると、火花を散らしながらフランベルジュが紫の雷に包まれていく)最初から全力だぞ、頼むから死なないでくれよ。 」
ヴォイド「ズサァアアアア!!!(落下するその寸前、スポーツ選手宛ら荒々しくも綺麗なフォームでスライディング態勢に入り岩石の下敷きから逃れ、大樹の反面に姿を眩ます)(情報が足りねぇ、今のはなんだ、魔法か……!?)(コンキリオの厖大なオーラを木裏から感じ取り、雷神剣の刀身に目を通して手を添える)(あの手の後方支援はまだ様子見だ、デケェ方から叩く)ヒュッ!!(木の裏から駆け出し姿を現すと、コンキリオ目がけ掌サイズの石を投げつける) 」
コンキリオ「バチィッ、ジジジィッ・・・(穢れた雷光が迸るフランベルジュを構え)ふんっ(左手の盾で石をバッシュして防ぎ)ちょろちょろすんなよ・・・カンカンッ 『グリーヴス・クライ』!!(二度、軽くフランベルジュで盾の男面を叩く) 」
ニオ「……(ヴォイドが攻撃を回避して見せたのを見口だけ『へぇ』といった風に動き目を細める)–––コンキリオ、前線は任せるわ。
ジゼルが戦線離脱してから時間が経過している以上、彼らがいつ合流してもおかしくない。(気だるげに彼女なりに声を張り上げながらブックオブコスモスのページをめくり)ズァァァ……(大量の"釘"を扇状に持ちじっとヴォイドを睨みつけ) ––––効率よく行くわよ 」
オォオオオオオァァァアアアアアアァァァアアアアアアアァァァッ!!!!!(盾の男面から怖気のするような、恐ろしい叫び声が響き渡り、強い畏怖とそれによる防御低下を誘発する!) 」
ヴォイド「ズタタタタタ!(地形の凸凹具合から不格好ではあるものの彼らから囲うように大きく円状に素早く木々を駆け抜け)ヒュン!!ヒュンヒュン!!(手頃の石を見付け、木から姿を現しては走りながらコンキリオ目がけ只管に投げ続ける) 」
コンキリオ「グググッ―――(『グリーヴス・クライ』の効果により攻撃力と防御力が向上する)ちょこまか―――すんなぁぁぁぁッ!『アンルミナス・エッジ』!!!(不浄の雷光を纏うフランベルジュを、横薙ぎに振るうと、雷光が伸び、投げられた石ごと周囲を両断する!) 」
ズッ―――ドシーーーンッ!!!(一度その刃が振るわれただけで、周囲の木々が綺麗に横へ斬られ、何本も倒れていく) 」
ニオ「(何故"抜刀"しない。出し渋っているのか、それとも––––)時間稼ぎか。いや、この際何でもいいわ、興味わかないし(片手いっぱいに握った釘の束を宙にばらまき、ブックオブコスモスのページに手を添え)文字通り、"釘を刺して"足という名の"馬を射る"(ページ上のあるマス一列をピアノを弾くかのように叩き) ––––ヒュ ガガガガガッ!!(ヴォイドの進行方向に大量の釘が雨のように降り注いで行く手を阻もうとする) 」
ヴォイド「(こ、こいつは……思わぬ収穫だッ!)パシッ!(一つでも捉えようと、切断された内、跳ばされた石の欠片を捕まえ自らのポケットにしまい込み)(攻撃の振り方は分かった、後は実践だ)――ツ、次はなんだッ!(目の前から釘雨が降り注ぐと、倒れていく木々に身軽に飛び移って釘から逃れる、3度木々間を飛び移ると高く上空へと舞う)雷神剣ッ!!(装備していた剣を大きく振るい上げ、体重や重力を一斉にかけた勢いの縦斬りをコンキリオへと振るう) 」
コンキリオ「ええい、ムササビみてぇに・・・!だぁっ!(男面盾を斜めにして縦斬りをぐっと受け止め、衝撃で足が少し地面に沈む・・・が)―――ガチィッ(雷神剣の刃を、がっちりと男面盾の口が噛む) 」
ニオ「(判断力、順応力、身体能力、どれを取っても不足はない。これは思ったよりも)収穫ね、期待はしないけど–––––––(高く上空を舞ったヴォイドを目で追い、先までの冷めた目が一変、縮小した瞳が、その剣が放つ光の色に染まり)な……っ(あの光は……そんな馬鹿な、こんな偶然が……) 」
ヴォイド「パッ(突如雷神剣を手放し、身体をフリーにすると)おらよ(ポケットから取り出した石を彼の顔面へと投げつけ、雷神剣を蹴って男面盾の口の中に雷神剣を押し込む)――(目眩ませたつもりはないが、僅かな隙があった、遅いが投げるッ!)(蹴った反動で大きく距離を取りながら、ニオの方角へと隠しもっていた石を2個、彼女の顔面と本へと投げつける) 」
コンキリオ「ガキィンッ(石が兜に命中し、砕ける)くっそうっぜぇ・・・おわっ!(雷神剣を盾に向かって押し込まれ、後ろへノックバックする)だが、獲物はこっちが抑えたぞ・・・(盾に剣を噛ませるのをやめ、地面に剣を落として突き刺し)―――せいっ!!(かかと落としで剣を思いっきり地面に押しこむ)・・・○スターソード。 」
ニオ「っツ––––!!(我に帰り眼力を強くし目前の飛来物、その向こうを見据えるニオの表情に先までの怠慢さはない。ブックオブコスモスの複数のコマを素早く精密機械のように指で叩き) トンッ トンッ ––––ヒュガガッ!!(弾丸が通過したかのような音がヴォイドの耳元で響き、浮遊した彼の下で地面に二つの小さな穴が開く)回りくどい詮索は無しよ––––– " 魔 女 狩 り " 」
ヴォイド「和んでいる所悪いが、その剣は返してもらうぜ(地形の悪い地面でも綺麗に着地すると、手元に獲物がない為に行動の制限が掛かる) ――(左右に落ちた石が自分の物である事を音のみで確認)(対象物であれば任意の空間に落下させる事が出来る、落下速度は見積もって約五倍、それ以上の可能性も否定出来ない)――(《魔女狩り》の単語に対して表情こそは変わらないが、瞳の細さこそは反応したかのように狭まる)……(肯定も否定もせず、再度石を一つ掌に潜め、コンキリオではなくニオの方へと駆け出す) 」
コンキリオ「返して欲しいなら緑の服と帽子でも着てこいよ、仮装大会なら付き合ってやるからさ・・・あっ俺ガノンな!(ぎっちりと地面に雷神剣を差し込んだのを確認し)あっやっべ俺タンクなのに!くっそぉ!!(ニオへ向かうヴォイドに、全力でダッシュして向かう) 」
ニオ「––––(正面から突っ込んでくるか、まるで闘牛のようだが先も証明した通りこいつの機動力は蝶のそれだ––––ならば)あなたの”虚しい”努力に免じて教えてやる(ブックオブコスモスのページをショットガンシャッフルのように素早くめくりながら、残像程度にしか見えない『木』の挿絵が見えるたびにそこを指で叩き)”BOOK OF COSMOS”。(そして向かってくるヴォイドを猫のような妖艶な目で睨み)現実世界をチェスの遊戯盤に見立てコマを”高速”で配置する。以上、ただのそれだけ––––(そして連弾を弾くかのようにマス目を連続で叩き) –––––逃しはしない 」
–––––––––– ズ ┣¨ ォ ッ !!! (コンキリオ、ヴォイドを避けるように、『人が一人通れる程度の隙間』を開けて大木が二列並び、ニオへ一直線に続く道筋以外を遮断してしまう) 」
ヴォイド「(魔法の予想は的中した、だがこの使い方は――)魔法使いらしい捻くれた悪知恵だ……ッ!(ニオの方へと駆け出していたが、罠の恐れやコンキリオの位置情報も掴めないためか、その隙間の中ニオとは真反対へと駆け出していく) 」
コンキリオ「うぉっ・・・聞いちゃいたがすげぇ力だな・・・っと!(盾としての役割のために、ニオの元まで移動する) 」
ニオ「(流石に判断が早いな……だが残念だな、こいつは片道切符だ)ス…(薄く笑みなっがら二本指を立てた手をヴォイドに向け)言ったはずだ。お前たちがそうしたように、私もまた––––"逃がさんと"。 【 呪 え <ガンド> 】(指先からただのガンド撃ちが、地表を抉りながらヴォイドの背へ向かって飛び出す) 」
ヴォイド「――(拙い、雷神剣の装備をしていない!!)ギリッ(歯を食いしばりながら、力強く走り続けようやく出口に差し掛かったところ)ズドッ!!(呪いを背中から真っ向に受けながらも、一先ず一方通行の迷路から抜け出す)ゼェ…ゼェ……流石に走り過ぎた、間違いねぇ明日は筋肉痛だ…… 」
コンキリオ「さっきあの剣を地面にブッ刺しといたのは正解だったらしいな。(ヴォイドが歯を食いしばったのを見て、兜の下でにやりと笑む)さて・・・まだ、来るか・・・? 」
ニオ「(ガンドが通過した余波で舞った土ほこりで視界が遮られじっと沈黙し)手ごたえがないね。リズのようには行かないか……(下手に追い内をかければ
キャロルの守護が外れる、このまま逃亡を図るというならそれもいいが)……コンキリオ(ちらりとコンキリオへ横目をやり首をクイと捻る) 」
ヴォイド「(……さっき投げた石は幸い雷神剣付近にある、奴の放った雷で切断された石も俺の元にある。一つ、昔を思い出して試してみるか……)ザッ(姿を現し、変わらず片手に石を持ち、コンキリオ相手を見据えて《投げるぞ》と明らかに威嚇) 」
コンキリオ「―――ん、了解した。(盾と剣を収め、籠の方へ走り)―――出てこい、ナイトメア!(首なしの馬を召喚する) 」
ニオ「(ブックオブコスモスのページに手を添えたままじっと静観し)……(さぁどう出る魔女狩り。お前の剣は既に"7年前"に一度見せてもらった)作戦はこうよ。術式による転送という選択肢は"捨てる"。キャロルは、あなたの馬"だけ"で城へ運ぶわ 」
ヴォイド「そうはさせねぇ!!(コンキリオの方向へと石を投げるも、彼には当たらず彼の上空をかけて通り過ぎる) 」
コツンッ!(帯電した石はコンキリオを通り過ぎ、雷神剣に見事ぶつかると) 」
ヴァリリリリリリ!!!ヴィリリリ!!(雷神剣から空間を裂くような超スパークが発生して、辺り一面が夜森に関わらず早朝のような輝きを放ち、周囲が真っ白になる) 」
コンキリオ「・・・わかった、行けナイトメア!(首なしの馬に籠を乗せ、出発させる)―――?一体何を・・・嫌な予感が、す・・・うぉぁっ!(思わず両手で光を遮る) 」
ニオ「此の期に及んで石ころひとつで何が––––(攻撃に転じようと書を構えるが、投石がコンキリオの頭上を通り過ぎる際に電気を帯びているのが視界の端に移り瞳が収縮する)(–––––まさか)しま……ッ!! ヴァリリリリリリ!!!ヴィリリリ!! (対処しようとページをめくるが時すでに遅し、真夜中の太陽とも取れる発光によって視界がホワイトアウトし)(やられた……これでは奴の位置情報は掴めない……!) 」
ビリビリリ……(放電の熱りも覚めると、森には再び夜が訪れる) 」
ヴォイド「どんな強靭な拳を持っているんだテメェは――抜くのに精一杯時間使っちまったぜ(放電が過ぎ去ると、既に雷神剣の真横で剣を両手で抜いており、軽く息切れ)――鳥籠は何処やった!(雷神剣を片手に持ち、その違和感に戸惑いの表情が出る) 」
コンキリオ「亜人種ってのはな、人間の迫害されても生き延びるために基本の能力が人間より高いんだよ、でなけりゃ根絶やしにされちまう。(元に戻っていく視界の中で、答える)質問は一つまでにしときな、不公平だ・・・つっても人間は俺らにはいつだって不公平だな。 」
ニオ「(視界を覆っていた腕を離し、恐々と瞼を開けヴォイドが雷神剣を手にしているのを確認し、眉間に深い皺を刻む)"我々の居場所に対する問い""キャロルの行方に対する問い"。それらには全て答えろと言ったのは彼女よ。"私個人"に答える義務はない、けれど(服の土ほこりを軽く手で払いながら切れ長の鋭い目を向け)どうせ"無駄"だろうから教えてあげる。あなたたち俗世の人はこう呼ぶ場所よ。【悪魔城】と 」
ヴォイド「テメェら自らの人種を無粋に貶すんじゃあねぇ!!俺が聞いたのは鳥籠を何処へやったかだ、テメェの自己紹介なんざお茶会の時だけで充分だ(雷神剣をその場で一振りすると、剣身から充電しきったかのように小さな放電が続く) 随分と捻りの無い名称をつけて申し訳ないな魔女、人攫いで悪魔城なんて言われちゃあ先入観悪い方向にしか感じ取れやしねぇ(雷神剣の稲妻は十分だ、ここからの切り返しは――) 」
コンキリオ「ああそうかい、・・・はっ、テメェ『ら』か、俺には中々手酷い皮肉だ。(自らの手を一瞬見る)さて、どう来るよ人間・・・。(収めた盾と剣を構えなおす) 」
ニオ「『寝ぬるに尸せず。居るに容づくらず』よ。––––私昔から好きなの、他人の瞳の奥に悪者を作り上げるのが。そうやって空想と戦う姿はあられもなく見えて退屈しないわ。あなたは私達を非情な悪党だと思ってなさい、それで満足よ(今日初めて、作り物なのか心象なのか伺いいしれない笑みを浮かべ)さ、殺しに来なさい勇者。お姫様を救う勇者はゴルゴンの姉妹を順番に切り捨てていくんでしょう 」
ヴォイド「こいつは全てメカニカルファンタジーだ。男の嗜みを見せてやるよ!!(コンキリオの誘いに熱の籠った声量で叫び返す)雷神剣ッ!!(雷神剣を前に、剣先をコンキリオへと向けると空中に《魔法陣》の形をした稲妻が生成される)俺は人を殺したりはしねぇ、《オーク》だろうが《デュラハン》だろうが、ましてや女だろうが殺しやしねぇ、だがぶん殴る事は出来る。ビリリ……《嘗て啼き閃光》(ライトニングストレート)!(魔法陣形状の稲妻の中心から雷特有の不規則な波はなく、それこそ光線に近い貫通形状の稲妻がコンキリオとニオ目がけ発射される) 」
コンキリオ「そら随分と熱いこったな・・・!(速い―――くっ)ぼ、『ボムシールド』ッ!!(盾で光線を受け止め、爆発を起こして威力を削ぐ)ぐぉぉぉぉぉッ!!がぁっ・・・!!(しかしそれで威力を殺しきれてはおらず、踏ん張りながらもズリズリと押され、震える) 」
ニオ「(上から–––––)ちぃ……ッ!!(左手を一振りするだけで足元に強力な球体状の結界が発生し光線を受け止めるも) ピシィッッ!! (一瞬で亀裂が走り瞳が縮小し、微かに口元が笑む)……!! ハ……飛んだ隠し玉を……!(バリアの中でおもむろにブックオブコスモスに手を添えるが––––) 」
ニオ「……。 ……–––––(閃光に包まれた静粛の中で不敵に笑み、開いたその魔道書をそっと閉じて目を伏せる)充分よ、すでに私達はこの時点での役目は果たした。 残念だったね、魔女狩り–––– 」
–––––パァァァ ァ… ン…… (ニオの展開した防御壁は容易く砕かれ、彼女の姿は閃光の向こうに見えなくなる) 」
ヴォイド「やるじゃねぇか!(稲妻を防ぎきったコンキリオを賞賛しながらも、既にニオの方へと駆け出しており)雷神剣ッ!(地面に雷神剣を突き刺すと、ニオの地面表面下から僅か微量だが、攻撃性のある稲妻を直接繰り出す) 」
ヴォイド「――チィッ!!(稲妻が虚空を空しく奔るのを見据え、歯を食いしばる)くっそ!瞬間移動の類いか…!? 」
コンキリオ「はぁッ・・・馬鹿かてめぇ・・・デュラハンのアホみたいな防御力が無かったら、こうはいかねーっての・・・全身ビリビリする・・・。(盾と鎧からバチバチと音を立てながらも、盾越しにヴォイドを見る)―――ハッ、に、ニオっ!!(自分と同じ攻撃を受けたニオの方を向いて、閃光の向こう側を気にかける) 」
ヴォイド「その耐久力は羨ましい限りだぜ、慎重にも自信があったがテメーを見ていると負けた気にしかなりゃしねぇ(雷神剣からはスパークが消え、剣から漂う威圧は消える)……(俺の剣術じゃあこのデカ男は骨も斬れやしねぇ、思考をやめるな打開策はあるはず) 」
–––––––– 惜しい、ハズレ (遥か上空から先のように気だるげな声が木霊し) ┣¨ ゥ ッ !!! (最初に彼女が行った攻撃と似た音と衝撃がヴォイドの背後で響く) 」
ヴォイド「――(猫のように瞳が細く、素早くだが恐る恐る後方を視線で確認) 」
コンキリオ「耐久力ばっかりで、攻め手に欠けるんだがな・・・くっそ、まだビリビリしやがら。(今、全力で逃げてぇ・・・こんなんだったら転移系覚えとくんだった)ギリッ―――『チャージオブアンホーリーパワー』!!(コンキリオの体に纏わり付く、穢れたオーラが肥大化する)―――ハッ この声は・・・ 」
ニオ「––––言ったでしょ、対象物"は"任意に配置できると(ヴォイドの背後、そこには先に落下させた岩石と同じもの、そしてそれの上に立つニオが落下しており) フ ッ ––––(閉じた状態のブックオブコスモスを、殺気も闘気すらも感ぜられない目でヴォイドを見つめながら彼の頭部目がけゆっくりと振りかぶってくる) 」
ヴォイド「ドスッ!(頭部に本が直撃し、目が眩み雷神剣を持つ手の力も緩まって剣も身体もふらつく) 」
ニオ「ス……(立ち眩むヴォイドを前に一切緊張感のない半目で彼を見据え)さっきのはコンキリオの分……そしてこれは––––ッパァァンッッッ(まさかの 平手打ち )–––私の分よ(今日一番に満足げに微笑み、小首を傾げ)これで"あいこ"でしょ。 」
コンキリオ「おぉっ・・・(痛そうな音に思わず兜を守るように手を出す)あ・・・(俺の分あるんだ)うわぁすげぇいい音。 」
ヴォイド「うげぁッ!?(勢いよく頬を打ち抜かれ、先ほどの脳震盪と加えてバランスが保てずに剣ごと倒れ込む)(やばい、脳内ダメ―ジは雷じゃあ保養出来ねぇ!立ち上がらねーとッ!)ググッ……(フラフラながらも片膝着いて立ち上がろうとする) 」
ニオ「けどお生憎様、私に"フェア"という概念はなくてね。(そして再度分厚い書を横に振りかぶり立ち上がろうとするヴォイドの前頭葉に対して半円の軌跡を描きながら遠心力を乗せた一撃を振り下ろす) チ ェ ッ ク メ イ ト 」
ヴォイド「ドスッ!ゴロゴロゴロ……(雷神剣を手放し、コンキリオの前まで転がり白目をむいてうつ伏せで停止) 」
コンキリオ「・・・さらばこいつの脳細胞、あともしかしたら記憶。(思わず合掌する)なんつうか、こんなに小細工を多用する相手も初めてだ・・・またやっちゃろ。(雷神剣をヴォイドの目の前の地面に深く突き刺す)っていうかあれだ、こいつ放っといて大丈夫かな・・・アフターケアぐらいしておこうかな・・・死なれたら胸糞悪いな。(そっとヴォイドの懐にヒールポーションをしのばせる)ていうか、俺って全然メインタンクの仕事できなかったな・・・不甲斐ねぇ。 」
ニオ「さぁね、死んだらそれはそれで"不要"の二文字だけが残るだけ、別に私たちがどうこう言うことでは無いわ(肩をすくめブックオブコスモスを光の粒子に変え消滅させ、服のほこりを払うような動作)ただ–––––(倒れたまま動かないヴォイドの型を踏みつけて転がし仰向けにさせ、じっと顔を見つめる)………いや、なんでも無いわ。 (目を伏せながら視線を外し、横目をコンキリオに向ける)あれだけ"活躍"したのよ、ダメージや疲労は軽視できないね… 退くわよ。足止めの必要ももうない 」
コンキリオ「いや確かにそうだけどな・・・寝覚めが悪いから・・・。(武器を収める)・・・キュッキュッキュッ(ヴォイドの頭に無言で『肉』と書き込む)わかった、・・・あー、帰りは馬便は無しでございます。(ナイトメアを呼びだそうと思ったが、既に出発させていたことを思い出す) 」
ニオ「問題無いわ。ケージの構築式が崩れる可能性を考慮してこうしなかった、ただそれだけよ(トンと先の岩石の上に乗り)知ってるでしょ?"間接的"であれば生体も例外なく移動できると 」
コンキリオ「・・・あー、なるほどね、了解。(岩石に手をかける)よいしょっ・・・うぉっ、やべぇまだ痺れてやがる・・・っと。(一瞬、岩石から落ちかけるが、ちゃんと登る)つーか便利な力だな・・・落ち着いたらもっと魔法の事学ばねぇと。 」
ニオ「––––(コンキリオの言葉に対し一瞬、穏やかでは無い表情を浮かべるが)–––あなた、自殺願望者なの(それを隠すように背を向け)ろくなことは無いよ、"ああいうの"が殺しにくるしね。 "落ちるわよ"捕まってなさい 」
コンキリオ「どうせ何したって俺は『魔物』だ、多かれ少なかれ、一生人間に命を狙われるのにゃ変わりねえさ・・・だったら少しぐらい自分の事を守れる力をつけたほうがいい。(自分の手を、じっと見つめて握る)おう、わかった。(岩にズボッと手を突っ込む) 」
ニオ「(その答えに対しただ無言で返し俯向く)……(グラナート・ファミリエが魔境と呼ばれたのはそもそもリズが当主となったから……そう、これは紛れもなく"あなたのせい")……日の光が、ずいぶん遠くに感じるね(パチンと指を鳴らし、それが合図となって上に乗った二人ごと岩石が消失する) 」
最終更新:2020年09月27日 22:51