1月3日午後4時30分。千秋はいつ藤岡が来てもいいように張り切って部屋を掃除していた。
―――ピンポーン。
チャイムの鳴る音にいち早く気づいた千秋は、早る気持ちを抑えきれず玄関へ駆け出した。
「なんだ、ずいぶん早いじゃないか。…も、もしかして私に早く会いたくて……」
「……何言ってんだ千秋?」
「…あれ?」
そこにいたのは藤岡ではなくトウマであり、それに気づくと千秋はいつも通りのテンションに下がった。
「なんだ、トウマか。まだ約束の時間じゃないだろ?」
「なっ…、おい千秋! なんかあからさまにさっきの対応と違いすぎないか?!」
「うるさい。玄関が空いてたら部屋が寒くなるだろ、さっさと入れよ。」
「…なんだよ、まったく。」
トウマはそう言って何故か不機嫌な千秋の後に続き部屋へと入って行く。
部屋に入ると千秋は掃除機を片づけ始め、コタツの中ではカナがせんべいを食べながらテレビを見ていた。
トウマはカナにそっと千秋が不機嫌な理由を尋ねることにした…。
「おぃ、カナ。…なんか今日千秋の機嫌悪くないか?」
「え? そうかな? さっきまで珍しく鼻歌歌いながら掃除してたけど…」
「いや、でもあきらかに…」
「おいお前ら! ごろごろしてる暇があるなら部屋でも片付けてろ! バカ野郎!!」
「……な? やっぱり機嫌悪いだろ?」
「…確かに。お前が来てから機嫌が悪くなったみたいだな。…お前なんかしたんじゃないの?」
「オレ?! …でもオレが来たときにはもうあんなだったぜ? カナが原因なんじゃ無いのか? …パリパリッ。」
「私は何もしていないぞ。ずっとコタツで平和に過ごしていたからな。―――パリッ。」
カナとトウマがそう言いながらせんべいをかじると、千秋がさらに機嫌悪そうにカナとトウマの方へやってくる…。
―――ピンポーン。
チャイムの鳴る音にいち早く気づいた千秋は、早る気持ちを抑えきれず玄関へ駆け出した。
「なんだ、ずいぶん早いじゃないか。…も、もしかして私に早く会いたくて……」
「……何言ってんだ千秋?」
「…あれ?」
そこにいたのは藤岡ではなくトウマであり、それに気づくと千秋はいつも通りのテンションに下がった。
「なんだ、トウマか。まだ約束の時間じゃないだろ?」
「なっ…、おい千秋! なんかあからさまにさっきの対応と違いすぎないか?!」
「うるさい。玄関が空いてたら部屋が寒くなるだろ、さっさと入れよ。」
「…なんだよ、まったく。」
トウマはそう言って何故か不機嫌な千秋の後に続き部屋へと入って行く。
部屋に入ると千秋は掃除機を片づけ始め、コタツの中ではカナがせんべいを食べながらテレビを見ていた。
トウマはカナにそっと千秋が不機嫌な理由を尋ねることにした…。
「おぃ、カナ。…なんか今日千秋の機嫌悪くないか?」
「え? そうかな? さっきまで珍しく鼻歌歌いながら掃除してたけど…」
「いや、でもあきらかに…」
「おいお前ら! ごろごろしてる暇があるなら部屋でも片付けてろ! バカ野郎!!」
「……な? やっぱり機嫌悪いだろ?」
「…確かに。お前が来てから機嫌が悪くなったみたいだな。…お前なんかしたんじゃないの?」
「オレ?! …でもオレが来たときにはもうあんなだったぜ? カナが原因なんじゃ無いのか? …パリパリッ。」
「私は何もしていないぞ。ずっとコタツで平和に過ごしていたからな。―――パリッ。」
カナとトウマがそう言いながらせんべいをかじると、千秋がさらに機嫌悪そうにカナとトウマの方へやってくる…。
「おいバカ野郎共、私が綺麗に掃除したのに何せんべい食ってんだよ…」
「なっ…何を言う! …ならば何故私がせんべいを食べているのにこの辺りを掃除したりしたんだ!!」
「藤岡が来るからに決まってるだろう!この、大バカ野郎!!」
千秋はきっぱりとそう言い切った。
「…おいおい、それじゃあまるで藤岡しか来ないみたいじゃ無いか。一応トウマや内田も入れてやれ。」
そんなやり取りを聞いてたトウマは、ある一つの事に気づいた。
「あれ? 今日って藤岡も来るのか?」
「…あぁ、そう言えば言ってなかったか。…一人や二人増えたってどうって事無いと思って誘ったんだ。」
「ふーん…まぁオレは良いけどな。今日は夜通しサッカーの話で盛り上がれそうだし。」
トウマのその一事を聞いて千秋はハッとする……そう言えばこの二人サッカーの話になると夢中になる…。
そして千秋はいつも完全にカヤの外と言った感じでその姿を見ているだけなのだ。
千秋はそれだけは何としても阻止しなければならなかった。
「ちょ、ちょっと待て! 今日はサッカーの話は無しにしよう!」
「…なんでだよ?」
千秋のいきなりの訳の分からない提案に、トウマは首をかしげながら答える。
「と、とにかくダメなものはダメだ! こ…ここは私の家だ、私の言うルールに従ってもらう!」
「なんだよそれ! …やっぱり今日のお前少しおかしいぞ? どうしたんだ?」
「う…うるさい! とにかく言う通りにしろ!」
千秋がそう言うと、トウマはスッと立ち上がり千秋に近づいて行く…
「嫌だ、オレは藤岡とサッカーの話をするんだ! どうしてもと言うなら力ずくで言う事を聞かせてみろ!」
「…じょ、じょうとうだ!! かかってこい!!」
―――ピンポーン。
南家がヒートアップする中、再び家のチャイムが鳴った。
千秋とトウマは、にぎやかに争っていてチャイムに気付いていない……カナは渋々重い腰をあげ玄関に向かった。
「なっ…何を言う! …ならば何故私がせんべいを食べているのにこの辺りを掃除したりしたんだ!!」
「藤岡が来るからに決まってるだろう!この、大バカ野郎!!」
千秋はきっぱりとそう言い切った。
「…おいおい、それじゃあまるで藤岡しか来ないみたいじゃ無いか。一応トウマや内田も入れてやれ。」
そんなやり取りを聞いてたトウマは、ある一つの事に気づいた。
「あれ? 今日って藤岡も来るのか?」
「…あぁ、そう言えば言ってなかったか。…一人や二人増えたってどうって事無いと思って誘ったんだ。」
「ふーん…まぁオレは良いけどな。今日は夜通しサッカーの話で盛り上がれそうだし。」
トウマのその一事を聞いて千秋はハッとする……そう言えばこの二人サッカーの話になると夢中になる…。
そして千秋はいつも完全にカヤの外と言った感じでその姿を見ているだけなのだ。
千秋はそれだけは何としても阻止しなければならなかった。
「ちょ、ちょっと待て! 今日はサッカーの話は無しにしよう!」
「…なんでだよ?」
千秋のいきなりの訳の分からない提案に、トウマは首をかしげながら答える。
「と、とにかくダメなものはダメだ! こ…ここは私の家だ、私の言うルールに従ってもらう!」
「なんだよそれ! …やっぱり今日のお前少しおかしいぞ? どうしたんだ?」
「う…うるさい! とにかく言う通りにしろ!」
千秋がそう言うと、トウマはスッと立ち上がり千秋に近づいて行く…
「嫌だ、オレは藤岡とサッカーの話をするんだ! どうしてもと言うなら力ずくで言う事を聞かせてみろ!」
「…じょ、じょうとうだ!! かかってこい!!」
―――ピンポーン。
南家がヒートアップする中、再び家のチャイムが鳴った。
千秋とトウマは、にぎやかに争っていてチャイムに気付いていない……カナは渋々重い腰をあげ玄関に向かった。
「おぉ、藤岡か。」
「…あれ? 南が出てくるなんて珍しいね。」
「いやー、お子様方が元気ありすぎて困ってるんだよ。」
「…?」
「ほら、あっち。…いやー、それにしてもトウマは強いなぁ…一方的だよ。」
カナが居間の方を指差すと、そこには馬乗りになっているトウマと下でジタバタしている千秋がいた。
千秋は暴れながらも玄関に藤岡の姿を発見すると大声で叫んだ。
「藤岡! 突っ立ってないで早く助けろ!」
玄関に入って即そう命令された藤岡は、急いで千秋の救出へ向かった。
「こらトウマ、前から何回も女の子と喧嘩するなといってるだろ!」
「そんな事言ったって…こいつが……」
「男なら言い訳するな!」
「…………。」
こうしてトウマは今までにも同じように何度も藤岡に叱られていた。
それでも自分が女である事を言わなかった理由…それはこの後にある。
「…とにかく、トウマはここでじっとしてろ。」
「…ちぇっ、分かったよ。」
そう言って藤岡は、いつもと同じようにトウマを自分の前へ…つまり千秋の特等席へトウマを座らせた。
しかしこの席はトウマにとっても特等席である。ここに座っていると誰にも邪魔されずサッカーの話ができるからだ。
トウマは先ほどの仕返しに思う存分サッカーの話をしようと思い、試合に負けて勝負に勝ったと言うような顔で千秋の方を見た。
するとこの日の千秋は怒る……と言うより羨ましそうな顔でトウマと藤岡を見ている。
「ん? なんだトウマ、今日はサッカーの話はしないのか?」
「え? …いゃ……まぁ…。」
そう言いながらトウマがもう一度千秋の方を見ると、今度はツマラナイといった顔で俯いていた。
こうなるとトウマは弟と言う設定ながら、気分はワガママな妹をもった気持ちだ。
トウマは特等席から立ち上がり千秋の方へ近づいた。
「…あれ? 南が出てくるなんて珍しいね。」
「いやー、お子様方が元気ありすぎて困ってるんだよ。」
「…?」
「ほら、あっち。…いやー、それにしてもトウマは強いなぁ…一方的だよ。」
カナが居間の方を指差すと、そこには馬乗りになっているトウマと下でジタバタしている千秋がいた。
千秋は暴れながらも玄関に藤岡の姿を発見すると大声で叫んだ。
「藤岡! 突っ立ってないで早く助けろ!」
玄関に入って即そう命令された藤岡は、急いで千秋の救出へ向かった。
「こらトウマ、前から何回も女の子と喧嘩するなといってるだろ!」
「そんな事言ったって…こいつが……」
「男なら言い訳するな!」
「…………。」
こうしてトウマは今までにも同じように何度も藤岡に叱られていた。
それでも自分が女である事を言わなかった理由…それはこの後にある。
「…とにかく、トウマはここでじっとしてろ。」
「…ちぇっ、分かったよ。」
そう言って藤岡は、いつもと同じようにトウマを自分の前へ…つまり千秋の特等席へトウマを座らせた。
しかしこの席はトウマにとっても特等席である。ここに座っていると誰にも邪魔されずサッカーの話ができるからだ。
トウマは先ほどの仕返しに思う存分サッカーの話をしようと思い、試合に負けて勝負に勝ったと言うような顔で千秋の方を見た。
するとこの日の千秋は怒る……と言うより羨ましそうな顔でトウマと藤岡を見ている。
「ん? なんだトウマ、今日はサッカーの話はしないのか?」
「え? …いゃ……まぁ…。」
そう言いながらトウマがもう一度千秋の方を見ると、今度はツマラナイといった顔で俯いていた。
こうなるとトウマは弟と言う設定ながら、気分はワガママな妹をもった気持ちだ。
トウマは特等席から立ち上がり千秋の方へ近づいた。
「千秋、お前藤岡の所に行けよ。」
「…え?」
「…だから藤岡の前に座って良いって言ってるんだ。」
「い…いいのか?」
千秋は戸惑いながらも少し恥ずかしそうに尋ねた。
「先に座ってたオレが良いっていてるんだ、良いに決まってるだろ。」
「そっか、…あの、…その……さっきは悪かったな。…ごめん。」
「なんだよ、お前が謝るなんてらしくないぞ。さっさと行けよ。」
トウマにそう言われ千秋はいそいそと藤岡の前へ向かった。
いつもの特等席に座った千秋は、藤岡の胸元に頭を置いて幸せそうな顔をしている…。
当然その姿はトウマの目に羨ましく映ったが、その気持ちを気付かれない様にテレビを見て誤魔化していた。
すると今度は千秋の方からトウマへ話しかけてきた。
「…おい、トウマ。」
「ん? なんだ?」
トウマが振り向くと、千秋は体を半身左にずらし話し始めた。
「藤岡とサッカーの話をしたいんだが専門用語が分からなくてな。…お前、こっち来て私にルールとか教えろ。」
「…でもそんなの藤岡に聞けばいいんじゃな…」
「…良いから来い!」
千秋はそう言って立ち上がりトウマの手を掴み、藤岡の右足にトウマを座らせ自分は左足に…トウマと向かい合うように座った。
どうやら千秋にもココがトウマの特等席である事は分かっているらしい。
「…こ、これで貸し借り無しだからな。」
千秋は何か恥ずかしそうにそう言うとトウマまでなんだか恥ずかしくなり、つい正直に『ありがとう』と言えなくなってしまう。
「……さ、最初からオレが座ってたんだから貸し借り無しにはならないだろ。」
「な、なんだと?! 私が親切にしてやったと言うのに!!」
そうやって第二戦が始まろうとした時、玄関の扉が開いた。今度はチャイム無しだ。
「ただいまー。」
「…ハルカ姉ひゃま……ほはえりははい。」
「おぉハルカ、ほじゃはしへるほ。」
「……えっと、まずどう言う状況か説明してくれるかしら…?」
ハルカは藤岡の膝の上でほっぺたを引っ張り合う二人にそう訪ねる。
…すると二人は手を離し、逆にハルカに質問を問いかけた。
「…え?」
「…だから藤岡の前に座って良いって言ってるんだ。」
「い…いいのか?」
千秋は戸惑いながらも少し恥ずかしそうに尋ねた。
「先に座ってたオレが良いっていてるんだ、良いに決まってるだろ。」
「そっか、…あの、…その……さっきは悪かったな。…ごめん。」
「なんだよ、お前が謝るなんてらしくないぞ。さっさと行けよ。」
トウマにそう言われ千秋はいそいそと藤岡の前へ向かった。
いつもの特等席に座った千秋は、藤岡の胸元に頭を置いて幸せそうな顔をしている…。
当然その姿はトウマの目に羨ましく映ったが、その気持ちを気付かれない様にテレビを見て誤魔化していた。
すると今度は千秋の方からトウマへ話しかけてきた。
「…おい、トウマ。」
「ん? なんだ?」
トウマが振り向くと、千秋は体を半身左にずらし話し始めた。
「藤岡とサッカーの話をしたいんだが専門用語が分からなくてな。…お前、こっち来て私にルールとか教えろ。」
「…でもそんなの藤岡に聞けばいいんじゃな…」
「…良いから来い!」
千秋はそう言って立ち上がりトウマの手を掴み、藤岡の右足にトウマを座らせ自分は左足に…トウマと向かい合うように座った。
どうやら千秋にもココがトウマの特等席である事は分かっているらしい。
「…こ、これで貸し借り無しだからな。」
千秋は何か恥ずかしそうにそう言うとトウマまでなんだか恥ずかしくなり、つい正直に『ありがとう』と言えなくなってしまう。
「……さ、最初からオレが座ってたんだから貸し借り無しにはならないだろ。」
「な、なんだと?! 私が親切にしてやったと言うのに!!」
そうやって第二戦が始まろうとした時、玄関の扉が開いた。今度はチャイム無しだ。
「ただいまー。」
「…ハルカ姉ひゃま……ほはえりははい。」
「おぉハルカ、ほじゃはしへるほ。」
「……えっと、まずどう言う状況か説明してくれるかしら…?」
ハルカは藤岡の膝の上でほっぺたを引っ張り合う二人にそう訪ねる。
…すると二人は手を離し、逆にハルカに質問を問いかけた。
「あの、ハルカ姉さま。その後ろのは…」
「ん?…あっ、そうそう! 帰ってくる途中にマコちゃんと会ってね、せっかくだから御泊りに誘ったらOKだって!」
「そうだったんですか。実は私も藤岡を連れてきまして……現在に至ります。」
すると今度はカナが手招きをしてマコちゃんを呼びよせた。
「おい、お前…家に来る予定もないのに女装していたのか…? まさか本当に目覚めてしまったのか?」
「ち、ちがっ…ただオレは新しい服を買うために…」
「……それホントに本当か?」
カナとマコちゃんがそんな話をしていると、ハルカは張り切ってキッチンへ向かった。
「ん?…あっ、そうそう! 帰ってくる途中にマコちゃんと会ってね、せっかくだから御泊りに誘ったらOKだって!」
「そうだったんですか。実は私も藤岡を連れてきまして……現在に至ります。」
すると今度はカナが手招きをしてマコちゃんを呼びよせた。
「おい、お前…家に来る予定もないのに女装していたのか…? まさか本当に目覚めてしまったのか?」
「ち、ちがっ…ただオレは新しい服を買うために…」
「……それホントに本当か?」
カナとマコちゃんがそんな話をしていると、ハルカは張り切ってキッチンへ向かった。
「さて、それじゃあ今日は大人数になりそうだし頑張って夕飯の支度しなくちゃね!」
「あっ! ハルカ姉さま、私もお手伝いします!」
千秋がそう言うとハルカは何か少し考えている。
「千秋、夕飯の手伝いはいいから先にトウマとお風呂済ましちゃってくれる?」
「でも…」
「ほら、藤岡君もいるし内田さんだって来るんでしょ? だから先に済ましてくれると助かるんだけど…」
「…わかりました。ハルカ姉さまがそう言うならお風呂をお先に失礼します。」
千秋はそう言って、居間で藤岡と何やら楽しそうに話しているトウマの元へ向かった。
「トウマ、一緒にお風呂に入るぞ。」
「え? 内田も来てないし…まだちょっと早くないか?」
「ハルカ姉さまの命令だ。」
「…そうか、ハルカの言う事なら聞くしかないか……じゃあ藤岡、続きはまた後でな。」
そう言って二人は脱衣所へ入って行った。
この女の子二人でお風呂に入る行為…それ自体は何の問題も無いのだが……
藤岡には小学5年生とは言え、男女が一緒にお風呂に入っているようにしか見えていない。
その女の子が自分の彼女…千秋となればますます心配だ。
「南、その…千秋ちゃんとトウマ一緒にお風呂入って言ったけど大丈夫かな?」
「はぁ? 大丈夫って…何言ってんだ?」
「だからその……お、おかしな事にならないかな?」
「なんで千秋とトウマがおかしな事になるんだよ。」
…もちろんカナからしてみればその通りだ。しかしここでカナは藤岡がトウマを男と思っている事に気づいた。
「いや、まぁなんだ…あの二人は大丈夫だよ……うん。」
カナなりにフォローはしたつもりだが藤岡には全く伝わらず、気づくと藤岡は脱衣所の前をうろうろしていた。
「あっ! ハルカ姉さま、私もお手伝いします!」
千秋がそう言うとハルカは何か少し考えている。
「千秋、夕飯の手伝いはいいから先にトウマとお風呂済ましちゃってくれる?」
「でも…」
「ほら、藤岡君もいるし内田さんだって来るんでしょ? だから先に済ましてくれると助かるんだけど…」
「…わかりました。ハルカ姉さまがそう言うならお風呂をお先に失礼します。」
千秋はそう言って、居間で藤岡と何やら楽しそうに話しているトウマの元へ向かった。
「トウマ、一緒にお風呂に入るぞ。」
「え? 内田も来てないし…まだちょっと早くないか?」
「ハルカ姉さまの命令だ。」
「…そうか、ハルカの言う事なら聞くしかないか……じゃあ藤岡、続きはまた後でな。」
そう言って二人は脱衣所へ入って行った。
この女の子二人でお風呂に入る行為…それ自体は何の問題も無いのだが……
藤岡には小学5年生とは言え、男女が一緒にお風呂に入っているようにしか見えていない。
その女の子が自分の彼女…千秋となればますます心配だ。
「南、その…千秋ちゃんとトウマ一緒にお風呂入って言ったけど大丈夫かな?」
「はぁ? 大丈夫って…何言ってんだ?」
「だからその……お、おかしな事にならないかな?」
「なんで千秋とトウマがおかしな事になるんだよ。」
…もちろんカナからしてみればその通りだ。しかしここでカナは藤岡がトウマを男と思っている事に気づいた。
「いや、まぁなんだ…あの二人は大丈夫だよ……うん。」
カナなりにフォローはしたつもりだが藤岡には全く伝わらず、気づくと藤岡は脱衣所の前をうろうろしていた。
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