【15日以上かけて作る熟成レーズン酵母種を用いたパンの作り方】
【基礎情報】※出典の特許情報では加熱水蒸気使用によるベイクを推奨しています。
1.近年リンゴ、ブドウ(レーズンなどの干ブドウを含む)などに野生酵母の付着しているも
のを酵母種として用いたパンの製造法が良く知られています。
2.また、製パン方法について発酵工程を基準にして区分けすると、ストレート法(直捏ね法)
と中種法に大別されるが、後者は中種を原材料の一部と共に発酵させた後、残部の原
材料とミキシングする方法である。
前者は、風味の点で後者に勝るが、大量生産に適しているのは後者であることから、風
味を改善するために、中種発酵の低温長時間で行なう方法、特に当初から0℃~15℃程
度の低温で10時間~20時間という長時間発酵させ、仕上げ段階では13℃~28℃で5時間
~15時間発酵させて改善する技術が知られている。
3.上記のレーズン酵母パンを、作るために好適な条件としては、ホイロ工程における低温
長時間の発酵が、初期発酵として20℃~25℃で0.5時間~2時間、次に低温発酵として2℃
~10℃で7時間~22時間、次に後期発酵として20℃~25℃で1~6時間の発酵条件を採用
することが好ましいと言われています。
4.上記の所定温度範囲での所定時間の「初期発酵」「低温発酵」「後期発酵」を選択的に
採用することにより、より確実に熟成レーズン種特有の旨味(香味、風味、食感)を充分
に味わえるレーズン酵母パンが得られます。
5.成型されたパン生地を所定の条件でホイロをとり、低温長時間発酵をさせることによ
り、水和と酵素作用により充分に熟成された水分含量の多いパン生地を得ることができ
ます。
6.低温長時間発酵工程は、初期発酵として20℃~25℃で0.5時間~2時間、次に低温発酵
として2℃~10℃で7時間~22時間、次に後期発酵として20℃~25℃で1時間~6時間の
発酵を行います。
7.このように当初に初期発酵として比較的高温にて発酵させることにより、全ての材料から
なる生地全体に必要な発酵が進行し、次いでその発酵速度を抑制するように温度制御し
つつ、比較的長時間の低温発酵をさせます。
8.この低温発酵では、酵母の活動はゆっくりとスピードダウンされる代わりに生地の「風
味」「香り」「食感」「旨味」がゆっくりと時間をかけて最大限引き出されていること
になると考えられます。
9.後期発酵として、発酵温度を短時間だけ上げて、仕上げのために充分な発酵を行なわせ
てホイロ工程を完了させます。
10.このように長時間のホイロ工程を実行すると、短時間のホイロでは醸し出すことので
きない複雑な味わい(風味・香味・食感)を引き出すことができます。
11.使用するパン酵母は、サッカロミセス・セレビシエ(saccharomyces cerevisiae)のよ
うに糖分をアルコールと炭酸ガスに分解する単細胞の微生物であればよく、これを天
然で得られる複数の微生物が混在した天然の酵母として用い、または工業的に単一種
または所定種に精製したイースト菌も用いることができます。
12.天然の酵母は、ブドウなどの果実、穀物、野菜などに付着した野生の酵母を利用したも
のであり、複数種類の酵母の混在と野菜や果実から生じる香気がパンに独特の味や香り
をつけることができるものです。
13.天然の酵母または精製された酵母(イースト)を用いたパンの製造方法は、ストレート法
(直捏ね法)または中種法のいずれの発酵工程を採用してもよく、通常行われる1次発酵、
分割成型、ホイロ工程までは通常のパン製造工程で作ることができます。
14.得られた熟成レーズン種を、中種またはパン生地にミキシングして1次発酵させ、分割
し成型するが、これらの工程は、通常のパン製造工程に準じて行なうことができます。
【作り方一例(分量&ベーカーズパーセント)】
準強力粉:1kg(100%)
食塩:21g(2.1%)
バター:10g(1%)
上白糖:10g(1%)
水:560g(56%)
熟成レーズン種:250g(25%)
【作り方一例(工程)】
1.ストレート法(直捏ね法)もしくは中種法を用いて通常の製パン方法で材料をこねる。
3.100gに分割し、棒状のフランスパン型(カスクート)に成形した生地を低温長時間発酵さ
せる。
4.初期発酵として21~24℃で1時間、次に低温発酵として5~6℃で10時間、次に後期発酵
として21~24℃で3時間の発酵を行う。
5.230℃で18分間焼成後210℃で5分または250℃で3分の焼成温度で焼成
【本項目で参考にした資料の出典】
【発明の名称】パンの製造方法
【公開番号】特開2007-215454(P2007-215454A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】公開特許公報(A)
©株式会社神戸屋
特許情報
【基礎情報2】※出典の特許情報に基づいたレシピのため中力粉使用で間違いありません。
1.自然発酵パン種は空気中や自然に存在する野生酵母の力によるところが大きく、小麦粉
をパン生地としての発酵に導くパン酵母としては、小麦酵母やライ麦酵母をはじめとして
玄米酵母、ビール酵母、ホップ酵母、ワイン酵母、リンゴ等の果物を素材とする酵母など
多種多様のもの利用されているが、これらの酵母を使用して風味のすぐれたパンを作るに
はかなりの経験を必要とするだけでなく、パンを作ってもボリュームに欠けた団子状にな
ったり、表皮がきれたり、クライムに空洞が発生してしまうことが多く、品質を安定させ
ることが難しいなどの問題があった。
2.本発明は、干しぶどうから分離培養した、サッカロミセス・セレビシエSacchaomyces
cerevisiae Sci(NITE P-84)株からなるパン酵母に関するものである。
3.本発明に係るサッカロミセス・セレビシエSaccharomyces cerevisiae Sci(NITE P-84)
株を培養して得られた酵母を用いて製造されたパンは、充分なボリュームを有するだけで
なく、表皮がきれたり、クライムに空洞が生ずることも極めて少ないので安定した品質を
確保することができ、また、製造に際しても特別な熟練度は必要なく常法により風味の優
れた天然酵母パンを得ることができる等の効果を奏するものである。
【効果】
この酵母を用いて製造されたパンは、充分なボリュームを有するだけでなく、表皮がきれたり、クライムに空洞が生ずることが極めて少ないので安定した品質を確保することができ、また、製造に際しても特別な熟練度は必要なく常法により風味の優れた天然酵母パンを得ることができる。
【作り方一例:中種(ベーカーズパーセント)】
液種:100ml(50%)
中力粉:200g(100%)
水:200cc(100%)
※ミキシングマシンにより均一に混和し、25℃で1晩ねかせて発酵。
【作り方一例:レーズン&くるみパン(分量&ベーカーズパーセント)】
中種:100g(100%)
中力粉:60g(60%)
グラハム粉:10g(10%)※熱湯10ml(10%)で湿らせておく
天塩:2.3g(2.3%)
レーズン:40g(40%)
くるみ:20g(20%)
水:10ml
発酵温度:30℃
【作り方一例:レーズン&くるみパン(工程)】
ミキシング時間(分):L4・M1&↓L0.5・M0.5
捏ね上げ温度(℃):28℃
発酵時間(分):120・P60
分割生地量:500g
ベンチタイム:20分
成型:ワンローフ型
ホイロ条件:30℃/80%
ホイロ時間:70分
焼成条件:200℃/45分間
※このようにして製造されたレーズン・くるみ入りパンは、もちもち感のあるふくらみと細
かく均一なすだちを有し、レーズンのかぐわしい風味としっとりとした触感を備えてい
た。
【作り方一例:セサミ・シナモンパン(分量&ベーカーズパーセント)】
中種:100g(100%)
中力粉:50g(50%)
ヨーグルト:20g(20%)
天塩:2.3g(2.3%)
生クリーム:20g(20%)
発酵バター:40g(40%)
レーズン:40g(40%)
くるみ:20g(20%)
グラハム粉:10g(10%)※熱湯10ml(10%)で湿らせておく
水:6ml(0.6%)
【作り方一例:シナモンシュガー(分量)】
粉糖:80g
シナモン:20g
水:適量
【作り方一例セサミ・シナモンパン(工程)】
ミキシング時間(分):L3・M2&↓M2&↓L0.5・M0.5
捏ね上げ温度(℃):28℃
発酵時間(分):120・P90
分割生地量:500g
ベンチタイム:20分
成型:ステッキ型
ホイロ条件:28℃/80%
ホイロ時間:60分
焼成条件:220℃/25分
※焼成後、シナモンシュガー(粉糖80g、シナモン20g、水適量)を塗り、粉砕した白ゴマを振
りかけてセサミ・シナモンパンを製造した。
※このようにして製造されたセサミ・シナモンパンは、レーズンの甘酢っぱさと良く合うセ
サミとシナモンの風味を最大限に引き出しており、しかもレーズンの旨味を兼ね備えてい
た。
【作り方一例:レーズンバタロール(分量&ベーカーズパーセント)】
中種:100g(100%)
中力粉:70g(70%)
天塩:2.3g(2.3%)
砂糖:15g(15%)
脱脂粉乳:15g(15%)
卵:12g(12%)
ショートニング(またはバター):12g(12%)
水:80ml(80%)
レーズン:60g(60%)
【作り方一例:レーズンバタロール(工程)】
ミキシング時間(分):L3M3&↓L2M2
捏ね上げ温度(℃):28℃
発酵時間(分):90・P30
分割生地量:40g
ベンチタイム:30分
成型:バタロール成型
ホイロ条件:30℃/80%
ホイロ時間:60分
焼成条件:200℃/10分
※このようにして製造されたレーズンバタロールは、普通のバタロールに比べると味わいのあ
るレーズンの甘味と香りが感じられ、すだち、触感とも優れていた。
【作り方一例:レーズンパン(分量&ベーカーズパーセント)】
中種:100g(100%)
中力粉:70g(70%)
天塩:2.2g(2.2%)
モルト:0.3g(0.3%)
レーズン:40g(40%)
水:40ml(40%)
【作り方一例:レーズンパン(工程)】
ミキシング時間(分):L3M1
捏ね上げ温度(℃):25℃
発酵時間(分):90・P30
分割生地量:200g
ベンチタイム:20分
成型:食パン型に入れる。
ホイロ条件:30℃/80%
ホイロ時間:60分
焼成条件:200℃/25分
※このようにして製造されたレーズンパンは、レーズンの甘味と酸味、そして香りが独特でも
ちもち感のあるしっとりとした触感を有していた。
【本項目で参考にした資料の出典】
【発明の名称】天然パン酵母
【公開番号】特開2006-325562(P2006-325562A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】公開特許公報(A)
©【出願人】【発明者】渡邉 悟・【発明者】飯塚 良雄
特許情報
※敬称略
【ミキシング工程用語説明】
1.低速(L)/中速(M)/高速(H)/最高速(HH)
2.Lは混ぜる/M&Hは捏ねる/↓は油脂投入タイミング
3.↓1番目=油脂投入&↓2番目=副材料投入
4.記号の右側数字がミキシング時間(分)
最終更新:2016年03月06日 16:52