【15日以上かけて作る熟成レーズン酵母種の作り方】
【必要な道具】
1.ガラスの入れ物
(密閉できるものでも密閉できないものでも可で種を作る量の2倍~4倍程度の大きさの物を準備)
2.食品用手袋
(手に付着している菌でも食中毒を引き起こす場合があるので必ず用意する)
3.pH測定器
(水素イオン指数を測定するもので用意できるならなるべく用意する)
4.糖度計
(添加した糖類の糖度を測定するのにあると便利な道具です)
5.アルコール比重計
(糖度計よりも安価なもので簡易な計測方法になりますが、あると便利な道具です)
6.アルコール濃度計
(アルコール臭がした場合の濃度計測にあると便利な道具ですが、さほど必要ではありません)
7.塩分濃度計
(添加した塩分の濃度を測定するのにあると便利な道具です)
(種のかけ継ぎを行う際に濃度を測りながら塩分添加量を決められるのであると便利です)
8.水槽などの容器
(温水の中に容器を入れて温度を一定に保ち酵母の増殖・発酵・熟成をさせるのにあると便利な
道具です)
(パン生地発酵をさせる際にもヒーター等を組み合わせて発酵に使え、ホイロがない場合には便
利です)
9.サーモスタットのついた水槽用やペット用などの小型ヒーター
(水温を一定に保ち酵母の増殖・発酵・熟成をさせるのにあると便利な道具です)
(パン生地発酵をさせる際にも一定の温度を保てるためホイロがない場合には便利です)
10.水槽用クーラー
(夏場の室温が高い場合でクーラーなどで室温の管理が出来ない場合に、酵母の増殖・発酵・
熟成をさせる際の水槽の水温を冷やして適正温度にするためにあると便利な道具です)
(冷蔵庫や氷水では冷えすぎてしまう場合に有効ですが、若干高価なのが難点です)
11.吸水・排水用オーバーフローパイプ・吸水パイプ
(水槽用クーラー使用時に必要)
12.ポンプ
(水槽用クーラー使用時の吸排水に必要)
13.水温計
(サーモスタットの設定温度とヒーターの温度には誤差があるので必ず必要)
14.温度計
(液種や基本種や元種の増殖・発酵・熟成時の温度管理にあると便利です)
15.煮沸消毒して使用できるもので、かき混ぜられるカトラリー等
(スプーン・マドラーなど)
【必要な材料】
1.ノンオイルコーティングのレーズン適量
(レーズンの種類はどの種類を使用しても良いです)
2.小麦粉適量
(粉の種類はどの種類を使用しても良いです)
3.糖類適量
(レーズンの場合は入れなくてもOK)
4.水適量
(水道水でも軟水のミネラルウォーターでも可)
5.塩適量
(海塩でも岩塩でもOKで必要に応じて熟成元種に使用する)
【レーズン液種の作り方】
手順1.使用する器具や手をアルコール・熱湯・煮沸で消毒し、食品用手袋をする。
手順2.オイルコーティングのない上質のレーズンを、消毒したガラスの入れ物に水と共に洗わず
に入れる。
手順3.毎日数回かき混ぜて酵母の生育に必要となる酸素を入れ、ガスを抜きながら水を足すこと
なく約5日間程度酵母を増殖・発酵させ、レーズンの中身が溶け出して濃い茶色で甘い香
りが強くする状態のものを液種に採用する。
手順4.濃い茶色で甘い香りが強くする状態のものが出来上がったら、濾してレーズンと液種を分
ける。
※レーズンは洗うと酵母菌が流れてしまい酵母菌の増殖・発酵・熟成がうまく出来なくなるだけで
なく、雑菌の増殖にも繋がり液種を作れなくなるので洗わずに使用してください。
※手順3の段階でアルコール臭がした場合は、酸素不足で酵母の増殖が止まり発酵に進んでいるた
め、良くかき混ぜ酸素を取り入れるようにする。
※手順3の段階で酵母の働きが弱くビールのように泡が出ない場合は、良くかき混ぜて酸素を取り
いれ場合によっては糖類や水を追加する。
※液種作りに使用するガラスの入れ物は、液種を作る量の2倍~4倍程度の大きさのものを用意して
ください。
酵母菌が増殖・発酵・熟成する過程で泡と炭酸ガスが多量に発生するため、シャンパンのように
噴出したり泡があふれたりする場合があります。
噴出したりあふれては掃除も大変ですし、もったいないので入れ物は余裕のある大きさのものを
用意し、蓋をする場合は密閉せず炭酸ガスの抜け道を用意して攪拌回数を多くし炭酸ガスを抜く
ようにしてください。
※液種を作る際は炭酸ガスが多量に発生し容器の爆発といった可能性があるため、蓋をする場合は
絶対に密閉させず軽く蓋を閉める程度にし、ガスの抜け道は確保するようにする。
※ホコリや虫や浮遊菌の付着・増殖防止を行う場合には、爆発事故防止の観点からポリ袋やアルミ
ホイルやサランラップを瓶の口にかぶせるだけでも良いが、密閉させずガスの抜け道は確保する
ようにし攪拌回数を多くするようにする。
※液種を作るときのレーズン・水・その他の材料の分量に決まりはなく、多数の資料・情報を総合
すると入れたレーズンに対して水は約2倍の量を入れれば良く、糖類の濃度は20%を超えないよ
うにするとなっている。
※液種が出来上がり最終段階の濾す前に蓋を開けた際、酸のすっぱい臭いがする・カビのようなも
のが生えている・卵の腐ったような臭いがするといった状態であった場合は液種作りの失敗なの
で、一切使わずにすべて捨てて容器は良く洗い熱湯や煮沸で消毒する。
※かき混ぜる際は、容器を揺するか熱湯や煮沸で消毒したカトラリーなどを使用して行う。
※濾したレーズンは具としてパン生地に混ぜ込むなどで使用することが可能。
(材料分量例:糖類を入れない場合)
水:100%
レーズン:50%
(材料分量例:糖類を入れる場合)
水:100%
レーズン:50%
糖類:20%
※糖類は濃度20%を越えると酵母の活動が停止するので、20%を超えない分量にする。
※水の代わりにぶどうジュースを使用することもできますが、レーズンを使用する場合には基本的
に糖類不要なため、ぶどうジュースに含まれる糖分とレーズンの糖分で糖度が20%を超える場合
があります。
※ぶどうジュースを使う場合には糖度計で糖度を常に計り、糖度が20%を超える場合は水で薄める
などして20%以下に抑えてください。
※この段階でのpH値の目安は3.93前後です。
※この段階で基本となる液種が完成。
【基本種の作り方】
(基本種a材料)
レーズン液種:50重量部
水:90~110重量部
小麦粉:50~70重量部
温度:21℃~24℃
保存期間:2日間
(基本種b材料)
基本種a:100重量部
水:15~35重量部
小麦粉:11~14重量部
温度:21℃~24℃
保存期間:2日間保存後5日間保存
手順1.1日目に(基本種a材料)を混ぜ21℃~24℃で2日間保存。
手順2.3日目に(基本種b材料)を混ぜ21℃~24℃で2日間保存し4日目の基本種bとする。
手順3.5日目に(基本種b)を21℃~24℃でさらに5日間保存する。
※必ず消毒した器具を使い、食品用手袋をしてから作業を行う。
※液種と小麦粉・水を混ぜる前にあらかじめ小麦粉と水を混ぜ合わせて練っておく方法もありま
す。
小麦粉の中に自然に含まれる麹菌などに小麦粉のデンプンを分解させ、糖化させておくと糖化が
十分であれば、酵母は栄養源にして盛んに増殖することができます。
※各工程の各材料の分量は使用する材料によって必要な分量が異なるため、各自で材料の特性を理
解し調整・調合を行って自分の好みの状態になるように研究してください。
※この段階で元種の基本となる基本種が出来上がり、ここまでの工程で9日目。
【元種の作り方】
(熟成種a材料)
基本種b:100重量部
水:35~55重量部
小麦粉:20~40重量部
温度:室温放置
保存期間:4~6時間
(熟成種b材料)
熟成a種:100重量部
水:40~60重量部
小麦粉:24~44重量部
温度:室温放置
保存期間:4~6時間
(熟成種c材料)
熟成b種:100重量部
水:45~65重量部
小麦粉:27~47重量部
温度:室温放置
保存期間:8~12時間
手順4.10日目に(熟成種a材料)を混ぜ4~6時間放置。
手順5.(熟成種a材料)を混ぜ4~6時間放置後(熟成種b材料)を混ぜ同じく4~6時間放置。
手順6.(熟成種b材料)を混ぜ4~6時間放置後(熟成種c材料)を混ぜ8~12時間放置。
手順7.11日目以降は(熟成種c)を(熟成種aの基本種b)として手順4~6を1日の1サイクルとし、
最低5日間以上(5サイクル以上)全工程計15日以上繰り返す。
手順8.5日間以上(5サイクル以上)計15日以上工程を繰り返したら1番目の熟成種の完成。
完成した熟成種はパン生地に直接入れたり中種を作るなどして生地作りに使用し、残った
熟成種は種のかけ継ぎを行うことにより2番目3番目の熟成種を作ることが可能で、状態が
良ければ長く持たせることが可能です。
※最終段階でのpH値の目安は4.50前後です。
※必ず消毒した器具を使い、食品用手袋をしてから作業を行う。
※熟成種と小麦粉・水を混ぜる前にあらかじめ小麦粉と水を混ぜ合わせて練っておく方法もありま
す。
小麦粉の中に自然に含まれる麹菌などに小麦粉のデンプンを分解させ、糖化させておくと糖化が
十分であれば、酵母は栄養源にして盛んに増殖することができます。
※各工程とも粉を混ぜる程度にし、分量としては白い粉が残らなければ良い。
※各工程で出来上がったものを全量使う場合は、各工程で必要な材料の分量をベーカーズパーセン
トに置き換え計量し、計算して作ってください。
※各工程の各材料の分量は使用する材料によって必要な分量が異なるため、各自で材料の特性を理
解し調整・調合を行って自分の好みの状態になるように研究してください。
※この工程で酵母菌の力が弱いと感じたり発酵力が弱いと感じた場合は、糖類を熟成種aとなる元
種に濃度20%以下の分量を添加、もしくは、水の量を減らして液種を熟成種aとなる元種に
減らした水の分だけ添加、もしくは、塩を熟成種aとなる元種に0.1%~3%添加してくださ
い。
※塩を添加した場合は、塩分濃度と発酵の状態を良く確認して濃度が最大3%を超えないように注
意し、添加回数はなるべく少なくする。
※塩を添加する効果についてはさまざまな見解があり、元気すぎる酵母菌に塩というマイナス要素
を入れショックを与えて酵母菌を落ち着かせると言う意味合いや、元気のない酵母に塩を加えて
ショック療法で元気にしていくと言う意味合いなどがあります。
※手順4~6の工程を1日として1サイクルと計算する。
※この作業を毎日行い最低5日以上かつ5サイクル以上繰り返すと15日目以降に使用可能な熟成レー
ズン酵母元種が得られる
【種のかけ継ぎ(種継ぎ)の方法】
(レーズン液種のかけ継ぎ方法)
長期間液種をかけ継ぐ場合:残った液種にレーズン・水を入れ、酵母菌の増殖・発酵・熟成
が弱い時は酵母菌のえさとなる糖類も追加し、液種の作り方
の手順で種のかけ継ぎを行う
液種を起こすたびに使いきる場合:液種は冷蔵庫に保管をし、毎日数回かき混ぜて酸素を取り入れ
糖度計で濃度を時々計り、糖度が極端に下がってきた場合
は濃度20%以下で糖類を添加する。
※残った液種に材料を入れる際は、液種の総量の割合が液種の作り方の材料の分量「水100%・レ
ーズン50%」、糖類を入れる場合は「糖類20%」、を超えないように割合を必ず守る。
(基本種のかけ継ぎ方法)
長期間基本種をかけ継ぐ場合:残った基本種25重両部に新しく起こした液種もしくはかけ継
いだ液種を25重量部入れ基本種aとし、もしくは残った基
本種50重量部に新しく起こした液種もしくはかけ継いだ
液種を50重量部入れ基本種bとし、基本種の作り方を参考
に小麦粉・水・場合によっては糖類、を添加してかけ継
ぎを行う。
基本種を起こすたびに使いきる場合:毎日何度かかき混ぜ酸素を供給し、早めに元種を作り使い切
る。
(元種のかけ継ぎ方法)
長期間元種をかけ継ぐ場合:元種の作り方を参考に、残った元種を50重量部、新しく起こし
た基本種やかけ継いでいる基本種を50重両部を入れ「基本種
b:100重量部」とし、元種の作り方を参考にかけ継ぎを行
う。
発酵力が弱いと感じたときは、新しく起こした液種もしくは
かけ継いだ液種を水の代わりに適量(35~55重量部)加える。
元種を起こすたびに使いきる場合:出来上がった元種は毎日数回かき混ぜ、酸素を供給し早めに使
い切る。
(種のかけ継ぎを行う際の注意事項)
※しばらく使わない場合は冷蔵庫に保管をし、カビの増殖を防ぐために時々かき混ぜて炭酸ガスを
抜いて酸素を供給してあげてください。
※冷蔵庫に保管をしていても酵母は生きているので、糖分が消費されていきます。糖分が不足する
と、酵母菌が死んでしまうので、糖度計で濃度を時々計り濃度20%を超えないように糖類を添加
してください。
※必ず消毒した器具を使い、食品用手袋をしてから作業を行う。
※各段階の種の状態を見て、初期の熟成状態と明らかに違う、見た目・臭いが良くない、味見をし
たところ吐き出すほどの味であるといった場合は、種のかけ継ぎに適さないので思い切って破棄
をする。
※酵母菌の死骸であるオリの量が多くなってきた場合には、酵母菌の活性を良くし発酵力を高める
ために上澄み液のみを別の容器に移してから種のかけ継ぎを行い、オリは破棄する。
(オリは食べても問題がないので生地に混ぜても平気です。)
※酵母菌のえさとなるレーズン・小麦粉・糖類・水または水以外の水分を添加したり、良くかき混
ぜて酸素を取り入れても液種がビールのような泡が立たない、熟成基本種・熟成元種が発酵せず
膨らまない、といった状態のときは酵母菌の力が弱っているので早めに使い切るか一度破棄をし
て初めから作り直す。
※弱っている熟成した液種・基本種・元種に新たにレーズンを加えたり液だねを添加した場合、酵
母の力が復活する場合もありますが、発酵力が弱っている場合もあるので思い切って破棄するこ
とも検討する。
※熟成種と小麦粉・水を混ぜる前にあらかじめ小麦粉と水を混ぜ合わせて練っておく方法もありま
す。
小麦粉の中に自然に含まれる麹菌などに小麦粉のデンプンを分解させ、糖化させておくと糖化が
十分であれば、酵母は栄養源にして盛んに増殖することができます。
※酵母菌の活動が活発で増殖が進みすぎると、栄養となる糖分を食べつくしてしまったり酵母菌自
身が作り出した有機酸などが原因で、死滅してしまうことがあります。
糖度計で糖分の濃度を常に確認し、糖分がなくならないように注意してください。
※以下各工程の注意事項を守りながら種のかけ継ぎを行う。
【レーズン以外の食材を使うには】
・熟成酵母種を作るにはレーズンが最も最適で失敗の少ないな材料ですが、レーズン以外の食材で
も熟成酵母種を作ることは可能です。
・使用する食材はどのような食材でも使用可能ですが、土の上や土の中で育つ食材を除き極力食材
は洗わずに使用する。
・食材は皮ごと小さくカットし、汁気のあるものは果汁などを軽く絞り、絞り汁ごと実と一緒に容
器に入れると良い液種を得られやすいです。
・カットする以外にも、食材を摩り下ろしたり摩りつぶした状態のものも一緒に加えると、より一
層良い液種を得られやすいです。
・糖分の少ない食材を使用する場合には、糖度計などで濃度を計りながら濃度20%を超えないよう
に糖類を添加します。
・レーズンを含め風味の良い食材を使うことにより熟成された液種・基本種・元種に食材の良い風
味が残り、使用する糖類や水以外の水分の種類によっては食材の風味と相まってより一層豊かな
風味にすることが出来ます。
焼成されたパンにもこの風味は残るので、豊かな味わいのパンが作れます。
・作り方は熟成レーズン酵母元種の作り方と同じなので、各工程の注意事項を守り安全に注意しな
がら熟成酵母種作りをお楽しみください。
【ハチミツを糖類の材料として使用する事について】
【1.ボツリヌス菌の各型による菌の死滅と芽胞の死滅について】
| 菌の型 |
菌の死滅温度と時間 |
芽胞の死滅温度と時間 |
毒素の不活性化温度 |
| Ⅰ群A型・B型・F型 |
80℃15分 |
120℃4分~20分 |
80℃6分~30分・85℃10分・100℃1分~10分 |
| Ⅱ群B型・F型 |
65℃10分 |
120℃4分~20分 |
80℃6分~30分・85℃10分・100℃1分~10分 |
| Ⅱ群E型 |
65℃10分 |
80℃6分~30分・100℃5分 |
63℃10分~ |
| Ⅲ群C型 |
80℃15分 |
100℃15分 |
80℃6分~30分・85℃10分・100℃1分~10分 |
| Ⅲ群D型・Ⅳ群G型 |
人間には発症例なし |
人間には発症例なし |
人間には発症例なし |
| 菌の型 |
菌の増殖至適pH値 |
菌の増殖至適水分活性値 |
菌の増殖最低・至適・最高温度 |
主な感染発症原因 |
| Ⅰ群A型・B型・F型 |
4.6・4.0~9.6 |
0.94 |
10℃・35℃~45℃・48℃ |
加熱殺菌不十分の食品を菌の増殖 |
| Ⅱ群B型・F型 |
5.0・5.0~9.6 |
0.97 |
3.3℃・28℃~30℃・45℃ |
至適温度で保存の上経口摂取した |
| Ⅱ群E型 |
5.0・5.0~9.6 |
0.97 |
3.3℃・28℃~30℃・45℃ |
結果、芽胞を経口的に摂取して感染 |
| Ⅲ群C型 |
4.6 |
0.94 |
15℃・40℃~42℃ |
し、腸管内で菌が発芽・増殖して産 |
| Ⅲ群D型・Ⅳ群G型 |
人間には発症例なし |
人間には発症例なし |
人間には発症例なし |
生する毒素により発症。 |
※主な情報源:厚生労働省・農林水産省・食品安全委員会・大学の資料・企業の情報
※調査結果に基づく情報ですので、修正点があれば情報交換場にお書きください
※厚生労働省・農林水産省・食品安全委員会など各情報源で若干の数値違いがあります。
※以上のことから十分な煮沸消毒をして食品用手袋をはめ、まな板などの上で作業せず煮沸消毒し
たバットの上などで作業するようにしてください。
※上記加熱温度と時間は中心部が上記温度と時間に保持される必要があり、加熱開始から終了まで
の時間ではないことに注意が必要です。
※Ⅱ群菌は増殖しても腐敗臭を発せず食品の外観にも大きな変化をもたらさないため、見た目では
増殖しているか見分けがつきません。
※Ⅱ群菌は、液体培地中では4℃で20日後、3.3℃で47~81日後に毒素を産生したという報告もあり
ます。
※Ⅰ群菌は、10℃未満での増殖の報告はありません。
※厚生労働省の資料によれば、過去の検査で計700個近くのハチミツ検体から約4%はボツリヌス菌
が検出されたとの報告があります。
【2.ハチミツの使用に関するまとめと見解】
1.食品用手袋をはめて十分な消毒などを行い安全に注意しながら酵母菌の増殖・発酵・熟成を行
えば、ハチミツを使用しても良いと思われる。
2.糖類はハチミツでも良いが、ボツリヌス菌問題を考えた場合菌そのものが無味無臭であるの
と、菌の発育に最適な温度で発酵させるため好ましくない。
しかし、ボツリヌス菌の芽胞・菌・毒素そのものは加熱で分解できるため、製パンでの焼成温
度・焼成時間から見れば十分に死滅する温度と時間で焼成されるのでさほど問題はないと思わ
れる。
3.ボツリヌス菌の毒素が生産されるのは、極めて限られた環境(酸素がない・酸性でもなくアルカ
リ性でもない・水分がある・低温でもなく高温でもない)に置かれたときだけである。
4.付着したボツリヌス菌を万が一食べたとしても、胃の中の胃酸とペプシン(タンパク質分解酵
素)によって菌は消化され、生き残って腸に届いたとしても腸内細菌が守ってくれる。
5.食材に付着したボツリヌス菌を乳幼児以外が食べても問題はないが、ボツリヌス菌や芽胞が増
殖した場合やごくまれな環境により毒素が生産された場合はこの限りではない。
6.焼成の温度と時間を考えれば菌・芽胞・毒素が死滅し分解されるため一見乳幼児が食しても問
題ないように思えるが、腸内細菌などが未発達の乳幼児にはなにが起こるか予測できない、国
として乳幼児にハチミツを食べさせないようにとの指導がある、などを踏まえ焼成したパンを
乳幼児に与えなければハチミツを使用しても良いと思われる。
7.現在市場に出回る大半のハチミツは加熱殺菌処理されているため、さほど気にするほどではな
いが注意は必要。
8.最も注意が必要なのは非加熱処理の「生ハチミツ」と呼ばれる部類のハチミツで、酵素などの
有効成分が生きておりボツリヌス菌に万が一感染していた場合、使用時に芽胞・菌・毒素の増
殖の恐れがある。
9.生ハチミツはボツリヌス菌に感染していた場合、菌の増殖の恐れがあり熟成の妨げになる可能
性があるが、加熱殺菌処理されたハチミツにはない酵素などの有効成分が熟成に良い方向で働
くので自己責任で使用することは可能である。
10.ハチミツの主成分はブドウ糖と果糖であるため、砂糖のようにショ糖をブドウ糖に分解する
段階が不要で、酵母はそのまま栄養源として利用することができる。
11.ハチミツをパン生地レシピの砂糖の代わりに使用した場合分量によっては発酵を阻害し、膨
らみが遅く悪い場合があります。
保水性が増し、焼成後のパンのしっとり感が長持ちするといわれていますが、べとついた生
地にもなりやすく焼成時に色づきやすいので分量として10%程度が限界となりますので、こ
の点も考慮して使用して下さい。
12.調理家電2ch@wikiとしてはハチミツの使用を積極的に薦めることは出来ないが、大人が食べ
る分にはハチミツの風味を楽しめるので使用しても良いと思われる。
※ハチミツ使用時のレーズン液種・基本種・熟成元種完成時の味見などは、自己責任でお願いしま
す。
※調理家電2ch@wikiでは責任を負えないため、ハチミツを使用される場合は各自で十分注意してい
ただくようお願いします。
【本項目で参考にした資料の出典】
【発明の名称】パンの製造方法
【公開番号】特開2007-215454(P2007-215454A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】公開特許公報(A)
©株式会社神戸屋
特許情報
【番外編:液種作りで毎日何回もかき混ぜる時間が取れない人はどうするの?】
・酵母菌を育てるためには酸素が不可欠なので、1日数回かき混ぜ酸素を取り入れて炭酸ガスを抜
き、アルコール発酵にならないように酵母菌増殖を促す必要があります。
・調理家電2ch@wikiの考える最善の道具と方法は以下の通りです。
※基本の必要な道具に加えて以下の道具を用意
1.エアポンプ・エアーポンプ
(1,000円前後の安価なもので十分OK)
2.エアチューブ・エアーチューブ
(シリコン製の物が好ましい)
3.エアストーン
(セラミック製品を選ぶ)
4.逆流防止弁
(水が逆流して室内が水浸しにならないために必要)
5.一方コック
(エアーポンプの種類によっては酸素の量を調節する場合に必要)
6.キスゴム(吸盤)
(エアストーンやエアチューブを固定するために場合によっては必要)
手順1.レーズン液種の作り方を参考に材料を混ぜ、エアーポンプをセットして酸素を供給する。
手順2.酸素を供給し続けていても、最低朝晩の2回は消毒したカトラリーなどを使いかき混ぜる。
手順3.毎日1回は糖度計で糖度を計り、糖度が極端に下がっていた場合は糖度20%を超えない量で
糖類を添加する。
手順4.以降レーズン液種の作り方を参考に5日ほど酵母を増殖・発酵・熟成させ、出来上がったら
濾して液種とする。
※酸素を多量に供給すると酵母の働きが活発になりすぎるため、糖分の消化が通常の作り方よりも
速くなる場合があります。
※糖分を消化しつくすと、酵母菌自身が作り出した有機酸などが原因で死滅してしまうことがあり
ます。
※糖度計で糖分の濃度を常に確認し、糖分がなくならないように注意してください。
※酸素を多量に供給すると酵母の働きが活発になりすぎるため、炭酸ガスも多量に発生するのでか
ならず手順どおりに1日最低2回はかき混ぜて炭酸ガスを逃がしてください。
【熟成レーズン酵母元種の作り方Q&A】
Q:蓋を開けたときにポンと音がした
A:炭酸ガスが容器に充満した状態で、酸素よりも炭酸ガスが多いため酵母の増殖よりも発酵になっ
ている状態です。
Q:アルコール発酵になっても炭酸ガスが出ているので酵母菌が元気に増殖している証拠では?
A:アルコール発酵になってしまうと酵母菌が増殖せずアルコールが生成されますので臭いで分かり
ますが、炭酸ガスがでているので一見酵母菌が元気に増殖中であると勘違いしがちです。
アルコール発酵になった場合酵母菌は増殖しているのではなく、今いる酵母菌が糖分を分解し
てアルコールと炭酸ガスを発生させている状態で、糖分が分解しつくされるとえさがなくなり
酵母菌自身が作り出した有機酸のなどで死んでいきます。
発酵力を高めるためには酵母菌の増殖が欠かせませんので、アルコール臭がした際は良くかき
混ぜて酸素を取り入れて酵母菌のえさとなる糖類を濃度20%を超えない量添加してください。
Q:毎日かき混ぜて酸素を取り入れないとどうなりますか?
A:酵母菌のえさとなる糖分があっても酸素がなければ酵母菌は生きていけません。
酵母菌が増殖せず元気がなくなると酢酸菌やカビなどの雑菌が増殖する原因となりますので必
ず毎日数回は酸素を取りいれ炭酸ガスを抜いてください。
Q:アルコール発酵ってなに?
A:主に絞った果汁を用いたり、ジュースを用いたり、果肉を摩り下ろしたり摩りつぶした状態のも
のを用いた場合、または水を用いた場合は酵母菌に十分な酸素を取り込まないと酵母菌が増殖
せず、今いる酵母菌が糖分を分解してアルコールと炭酸ガスを発生させます。
そのまま放置すると、糖分が分解しつくされ発酵完了となりお酒が出来上がります。
S型やシリンダー型の発酵栓を用いて酸素をシャトアウトした状態であればお酒が出来上がるだ
けですが、ガラスの入れ物などで液種を作る際に酸素を取り入れず糖類を添加しなかった場合
には、糖分が分解しつくされると酵母菌の元気がなくなり酢酸菌やカビなどの雑菌が増殖する
原因となりますので、必ず毎日数回は酸素を取りいれ炭酸ガスを抜いてください。
※日本では酒税法によりアルコール度数1度以上酒類を、許可無く作ることを禁じられていま
す。
アルコール度数1度以下で、他人に振舞わず家庭内で楽しむ分には例外的に製造行為としない
こととなっています。
液種作りではアルコール発酵になってアルコール度数が酒税法に抵触することのないように
注意してください。
Q:酸素を取り込まないとお酒が出来るとあるがどんなお酒になるのでしょうか?
A:上記参考サイトを見ても分かるように実際のお酒作りにはイーストを用います。
(イースト=酵母菌)の数が最初から多ければ糖分を分解して十分な量のアルコールと炭酸ガスを
生成しますが、液種作りのように酵母菌の増殖が未熟で少ない場合は、糖分の完全な分解も進
まずアルコールの精製もごくわずかです。
酵母菌が十分に増殖していれば十分な量のアルコールと炭酸ガスが生成されますのでお酒とな
ります。
糖類にハチミツを用いればミードとなり、果実を搾った果汁やジュースを用いれば果実酒に、
ぶどうの果実をカットして用いたり、ぶどうを搾って皮と果肉ごと用いたり、ぶどうジュース
を用いた場合はワインになります。
耐圧ビンを用いて瓶詰め時に糖類やイースト(酵母菌)を添加して栓をすると、再び発酵が始まり
アルコールと炭酸ガスが生成され、スパークリングのお酒になります。
発酵の際に酸素を取り入れないと、糖分が分解されつくした後には酵母菌そのものが出す毒素
などで酵母が死んでいき、オリと呼ばれる死骸が底に溜まります。
アルコール度数の高いお酒を作る際にはイースト(酵母菌)を多量に添加したり酸素を供給(エアレ
ーション)し、イースト(酵母菌)を増殖させてアルコールを多量に生成させますのでオリも多く
でてラッキング(オリ引き)などが必要になるわけです。
アルコール度数が低いお酒でもラッキング(オリ引き)が必要になる場合があります。
※イーストを多量に添加したり、酵母菌を多量に増殖させてアルコール発酵になってしまった
場合には、酒税法の上限1度以上アルコールが生成される恐れがありますので注意が必要で
す。
※酒税法では、個人で楽しむ場合であってもぶどう各種を用いての果実酒の製造は禁止されて
います。
ぶどう各種を用いて液種を作る場合は、アルコール発酵にならぬよう、アルコールが生成さ
れぬよう、酒税法に抵触することのないよう注意が必要です。
Q:糖類を濃度20%以上添加した場合はどうなりますか?
A:酵母菌のえさとなる糖類は多すぎても酵母菌が生きていけず死んでしまいまので、糖度計で濃度
を常に計り濃度20%を超えないようにしてください。
Q:塩分濃度が3%を超えたらどうなりますか?
A:塩分は、酵母菌にとって味方でもあり敵でもあります。
添加する濃度が3%を超えた場合塩は、酵母菌にとって敵となり酵母菌が死んでしまうことにな
ります。
Q:種のかけ継ぎをした酵母菌と起したばかりの酵母菌とではどちらが発酵力がありますか?
A:種のかけ継ぎをした酵母菌と起したばかりの酵母菌とでは、発酵力が強いのがどちらかは一概に
言い切れません。
酸素をしっかり供給し、アルコール発酵にならずにしっかり酵母が増殖していればどちらの酵
母菌でも活発に発酵します。
Q:出来上がった熟成レーズン元種やその他の材料の元種が芳醇な良い香りがしない。
A:レーズンを使用した熟成酵母元種やその他の材料を用いた熟成酵母元種作りにおいて、殺菌・消
毒をしっかり行いコンタミネーション(以下コンタミ:雑菌混入)させず雑菌や酢酸菌を増殖させ
ないように注意しながら熟成酵母元種作りを行えば出来上がった元種は使用した材料の良い芳
醇な香りがしますし、味見をしても美味しいものです。
しかし、コンタミさせてしまった場合はどうなると思いますか?
それは酸味を帯びていたり、腐敗臭がしたり吐き出したくなるほどの風味であったり卵が腐っ
たような臭いがしてしまうのです。
こうなってしまっては熟成酵母元種作りの失敗となりますので、全量を破棄して容器を良く洗
浄・殺菌・消毒を行い一から作り直しましょう。
Q:焼成後のパンの香りが香ばしい芳醇な香りではなく、どことなく酸っぱい上に味見をしてもお
いしくなく酸味がする。(その1)
A:熟成酵母元種は特に問題が無いのに焼成後のパンがおいしくない・香ばしい芳醇な香りがしな
い・酸臭がする・味見をすると酸っぱい。
こういったパンは本来焼成時に熱殺菌されるので出来ないのですが、まれに起こります。
食べても“ほぼ”問題は無いものの生地作りや発酵段階で酢酸菌などの雑菌がコンタミし、増殖
してしまったことが要因で起こります。
このような場合は使用する調理器具・手や腕を良く洗浄し、殺菌・消毒を行ってから作るよう
にしてください。
家庭での場合は食品用手袋をするのも良い方法ですが、手袋の切れ端等の異物混入だけは注意
してください。
Q:焼成後のパンの香りが香ばしい芳醇な香りではなく、どことなく酸っぱい上に味見をしてもお
いしくなく酸味がする。(その2)
A:出来上がったばかりの熟成酵母元種やかけ継いだ元種を使用した焼成後のパンがおいしくない
・香ばしい芳醇な香りがしない・酸臭がする・味見をすると酸っぱい。
こういった場合のもうひとつの原因は、元種がコンタミしていて酢酸菌などの雑菌が酵母菌よ
りも増殖した状態になっています。
このようなパンが出来上がってしまった場合は、熟成酵母元種作りの失敗・かけ継ぎの失敗と
なりますので全量を破棄して容器を良く洗浄・殺菌・消毒を行い一から作り直しましょう。
元種が正常かどうかの確認で味見もできますが、雑菌が増殖した状態ではお腹を壊しかねませ
ん。
どうしても味見をする場合は舌で味を見るだけにし、酸味などがしたらただちに吐き出しよく
うがいをしてください。
Q:焼成後のパンの香りが香ばしい芳醇な香りではなく、どことなく酸っぱい上に味見をしてもお
いしくなく酸味がする。(その3)
A:前述のような状態以外で熟成酵母元種にも問題が無く、洗浄・殺菌・消毒をしっかり行ったのに
おいしくないパンが出来上がってしまった場合は、パン作りに使用した材料に問題があるかパ
ン作り工程に問題があるかのどちらかになります。
前者の場合は使用する材料を新たに買ってきた材料に変更し、後者の場合は温度計なども用い
つつミキシングの時間や速度や捏ね上げ温度に注意して、手捏ねの場合は捏ねる力加減や時
間・捏ね上げ温度を調節して発酵時間・発酵温度も注意しつつ過発酵させずにコンタミもしな
いように注意しながら作業を行ってください。
Q:
A:
Q:
A:
最終更新:2016年02月20日 13:05