不正アクセス禁止法
正式な名前は「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(平成11年法律第128号)です。ネットワーク(電気通信回線)を通じて、他人の識別符号(IDとパスワードなど)を使ったり、アクセス制御の仕組みの制限を免れる情報や指令を入力したりして、利用を制限されたコンピュータを使える状態にすることを禁じています。2026年10月時点の条文に基づきます。
主な定義(第2条)
| 用語 |
意味(条文の要約) |
| アクセス管理者 |
ネットワークにつながったコンピュータの、ネットワーク経由の利用について、その動作を管理する者 |
| 識別符号 |
利用を許された者(利用権者)とアクセス管理者(あわせて利用権者等)に、他の利用権者等と区別して識別できるように付される符号。第三者にみだりに知らせてはならないもの(パスワードなど)、身体の影像や音声を使うもの(生体の情報)、署名を使うもの |
| アクセス制御機能 |
入力された符号が識別符号かを確かめて、利用の制限を解除する機能 |
不正アクセス行為(第2条第4項)
いずれも「電気通信回線を通じて」入力する行為です。ネットワークを経由しない操作は、この定義に当たりません。
| 号 |
行為 |
除かれるもの |
| 第1号 |
他人の識別符号を入力して、制限された利用をできる状態にする(なりすまし) |
アクセス管理者自身がするもの、アクセス管理者又はその識別符号の利用権者の承諾を得てするもの |
| 第2号 |
識別符号以外の情報や指令を入力して、アクセス制御機能の制限を免れる(脆弱性を突く攻撃など) |
アクセス管理者自身がするもの、アクセス管理者の承諾を得てするもの |
| 第3号 |
ネットワークでつながった別のコンピュータのアクセス制御機能で守られているコンピュータに、制限を免れる情報や指令を入力する |
同上(第2号の括弧書きが及ぶ) |
第2号・第3号は、利用権者の承諾では除かれません。たとえば、利用者が同意していても、アクセス管理者の承諾なしに脆弱性を突く検査をすれば、この定義に当たりうるということです。
禁止と罰則
| 条 |
禁止される行為 |
罰則 |
| 第3条 |
不正アクセス行為 |
3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金(第11条) |
| 第4条 |
不正アクセス行為(第1号のなりすまし)に使う目的で、他人の識別符号を取得する |
1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金(第12条) |
| 第5条 |
業務その他正当な理由による場合を除き、他人の識別符号を、そのアクセス管理者と利用権者以外の者に提供する |
相手の目的を知って提供したときは第12条、それ以外は30万円以下の罰金(第13条) |
| 第6条 |
不正アクセス行為(第1号のなりすまし)に使う目的で、不正に取得された他人の識別符号を保管する |
第12条 |
| 第7条 |
アクセス管理者になりすまし、又は誤認させて、識別符号の入力を求める情報を、Web など(自動公衆送信)で公衆が閲覧できる状態に置く、又は電子メールで送る(フィッシングにあたる行為) |
第12条 |
守る側の義務(第8条)
アクセス制御機能を付けたアクセス管理者は、識別符号や、それを確かめるための符号を適正に管理し、アクセス制御機能の有効性を常に検証し、必要があれば速やかに機能を高度化するなど、不正アクセス行為から守るために必要な措置を講ずるよう努めるものとされています(努力義務)。
このページは法律の概要の説明で、法的な助言ではありません。
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出典
確認日:2026年10月16日
最終更新:2026年10月16日 16:27