XAGNO(カイアギノ)-ザ・エクソダス・オブ・ヤデト- > プロローグ・第1幕

閲覧に関する注意事項


本プロローグではXAGNO(カイアギノ)-ザ・エクソダス・オブ・ヤデト-に関するネタバレや確信的なキーワードなどが含まれております。
また、本プロローグはXAGNO(カイアギノ)-ザ・エクソダス・オブ・ヤデト-の登場人物と敵対している某柑橘軍の侵略異星人のプロローグとあわせて閲覧していただくと何となくですが想像力が鍛えられるかもしれません。




それと、本プロローグはヤデト脱出船団に残されていたアーカイブデータなどが基となっているため、某柑橘軍の侵略異星人のプロローグとの矛盾点が多いと思われます。ご了承ください
また、追記修正という形で時折、手が入ることがあります。改めてご了承ください





















準備は良いですか?





















ではどうぞ

あ、時々出てくる「※」は備考ですよ!



遥か彼方の銀河系にはヤデト人と呼ばれる異星人種族が存在し、彼らは自種族が生を受けた惑星「ヤデト」が存在する恒星系を平定、惑星「ヤデト」を首都星とする「ヤデト文明圏」を構築する。
そして、宇宙探索時代と呼ばれる大航海時代(※1)が始まるといくつかの宇宙人勢力の中でも特に有力な列強勢力(※2)の一つとして名が知られていた。(※3)
しかし、実際のところは二度の世界大戦―特に二回目の世界大戦は地球で言う「厄祭戦」級の規模(※4)だった―を経て、それらの苦い経験を教訓に、「殖民惑星の文明化」等といった対策を経て積み上げられてきた平和の集大成でもある。

だが、誰もが予想できなかったであろう、惑星ストロンティアの文明化作業を殖民ではなく生命創造チーム(GNO側資料明記より。ヤデト中央技術研究所資料には「生体兵器技術民生転用研究室」と記載、各地に分室がある模様)、人型の有機機械生命体(GNO側資料に乗っ取りバイオイドと呼称)(※5&※6)に任せた事でヤデト文明が崩壊していくという悲劇が起きるなどと。

ことにそのバイオイドの1個体「第二世代仕様SI型‐46号」(生命創造チームもとい生体兵器技術民生転用研究室では「ソフィ」と命名されている。コレはGNO側資料でも同名で記載あり)と番となった「希武」(ヤデト中央技術研究所資料には「第1号最重要観察対象」と記載され、同様の記載が憲兵団資料に存在するようである。)というストロンティアの大学に通っているヤデト人男子学生には恐ろしい思想があったという。
当時の記録には「「希武」はとにかく他の学生とのトラブルの温床で、特に思想面に関しては「全ての苦痛を生まれる前に消し去る」という思想を持っており、他の生徒とのトラブルも絶えず、警察どころかついには憲兵団の出動要請まで行われたほどである」という記載も見受けられたようで
さらには彼とのトラブルを起こした生徒への調書には「何が「ヤデト文明圏の腐敗っぷりを実生活レベルで何度も目撃した」だよ、あいつの言葉は嘘ばかりで惑わされてその嘘を鵜呑みにしたら駄目だ。それに奴は危険すぎる、いつかこの文明圏を滅ぼしかねないから早く排除してくれ」という発言が記録されているほどの危険人物であり
また、彼とのトラブルを起こした生徒の中には彼の社会進出を合法的に阻止する手段を模索するものもおり、彼に反出生主義者への道を強要させた生徒もその一人であったと言う。

そんな中、バイオイド「第二世代仕様SI型‐46号」と接触した「希武」は番(※6.5)となり、ついには子供を作るに至る。コレが悲劇の引き金である。

ことに番となったことが判明し、さらに子を設けた事に対するヤデト文明の各機関内部に居た「反バイオイド派」の面々(※7、※8)は即座に動かせれる権力や伝手を用いて、両者が属する学校からのの退学要求をはじめとする各種要求を開始するも手遅れであったのは間違いなかった

しかし、バイオイドを放置して置けないため、遂に反バイオイド派は行動を開始したのである。

ソレはヤデト中央技術研究所の職員で構成されたグループによる「番」襲撃である。

無論、ソレは失敗に終わり、参加した職員らは返り討ちにあっていた。元々、ストロンティアに生息しているバイオイドの殆どは「反バイオイド派」の面々の手で「タグ」(※8.5)と呼ばれる後付の安全装置が取り付けられた個体が多く、またタグ取り付け工程は生体兵器技術民生転用研究室からは切り離されている。

しかし、取り付け工程が完全に生産元から切り離されていたがゆえにタグ取り付け工程をすり抜けさせてストロンティアに放たれるバイオイドもいた。「第二世代仕様SI型‐46号」もその一個体である。

失敗理由はただ一つ、相手がすり抜けで放たれた個体であったためにタグによる強制的な安全装置作動からの拘束が出来なかったことである。

「我々が特設エリアで実際に番と対面したことは決して無駄ではなかった。我々の行動こそバイオイド・ハーフの存在証明である」
「しかもタグ付けされていない個体の存在証明も得られた。おそらくこうした存在を用意すべく生体兵器技術民生転用研究室が意図的にタグ付けをすり抜けさせたに違いない」

反バイオイド派にとって、無駄ではない重要な証拠を獲得した事で、彼らの暗躍は加速し始めていく

そして、月日がたつにつれ、生体兵器技術民生転用研究室に対する締め付けが強くなっていった。

当初より、反バイオイド派のグループによる監視に加え、先の襲撃への抗議に対し「あの個体はタグ付けされていない個体だ。ソレも君たちが意図的にタグ付けさせずに世に放った、害獣が人様と番となった、排除理由になるだろ?」と回答、実質、先の襲撃すら生体兵器技術民生転用研究室の責任問題として更なる責任に対する懲罰的処置がとられて行く。

ただでさえ、バイオイド・ハーフの育成のための環境づくり等に専念していた彼らがいかに自分たちが追い込まれつつあったと言う証拠でもあった。

さらに反バイオイド派は更なる行動を開始する。タグ付けの監視強化、射出型タグ付け機の民生販売網拡充、バイオイド・ハーフのデータを利用した次世代バイオイドの開発阻止の為の暗躍、さらには同様の「番」増加への対策等である。

もし「番」が増え、バイオイド・ハーフの数が増加すれば、それだけ社会的問題になりかねない。育成環境が育成環境なだけに危険でしかないと。

とはいえ、番が現れそうな環境がよく分からないと言うのが現状であり、ただでさえタグ付けされてない個体という監視ネットワークを潜り抜けている存在が居る状況でそのような事が起きればそれだけ惨事は回避できないだろう。というのがバイオイド監視組織「トライデント」(※8.55)の見解であった。

しかし、まさか生体兵器技術民生転用研究室が非タグ個体を用いて監視ネットワークを潜り抜けて番の構築に走るなどという暴挙に出るとはまさしく想定の範囲外であった。

「最近、変な広告を目にするようになったの。バイオイドとの共存が出来る環境に移住するべきっていう奇妙な広告…これ、おかしいですよね?」

スラムに住む、雑貨屋の店員として働いている子供が店に客として来ていたバイオイド監視ネットワークメンバーに対してふと世間話で振ったその話、それが生体兵器技術民生転用研究室が打った次の手であった。

ソレはまさしく寝耳に冷や水…いや寝耳の上に焼け石を置き、冷や水をぶっ掛けるぐらいの惨事であった。

さらに監視ネットワークの会合でヤデト中央技術研究所の職員から研究所内での不審な人事や予算配分等が行われていると言う報告も挙がったのだ。

ある職員は「超時空化技術」と呼ばれる不老不死の研究によって誕生した寿命克服技術、俗に地球で言う「サザエさん時空」(※8.555)と呼ばれるアニメ描写的事象を科学的に作り出す技術のチームが生体兵器技術民生転用研究室に引き抜かれたことを報告し

ある職員は対バイオイド戦用の兵器開発チームに割かれる予算が不当に少なくされた事を報告し

さらにある職員は先の報告と関連がある報告として生体兵器技術民生転用研究室が異様に高額の「機密指定予算」を獲得した事を報告したのである。

そしてストロンティア現地政府関係者からもある報告が出されたのだ

「ストロンティア内部で消息が追えなくなった住民やストロンティア到着後、足取りが分からなくなった移民がいる。もしかしたらその消息不明移民と生体兵器技術民生転用研究室がらみの人事や予算配分等は関係あるだろう。」
「もしかしたら生体兵器技術民生転用研究室はバイオイドの番の増殖を行おうとしている」
「コレは由々しき事態である。何らかの形でコレの公表等を行うべきだ」

ただ、公表等に関してはあまりにも慎重であった。

先の襲撃作戦の失敗、さらにはトライデントが手綱を握ってるのもあるがストロンティアに存在する各国際機関にはバイオイドを「人間との意思疎通は可能だが取り扱いに厳重な注意を有する人造生物」という認識で捉えている職員ばかりであるとはいえ、バイオイドの番の存在を知らない職員が多く、下手に事実の公表などで下手にバイオイド・ハーフを含むバイオイドを一人の人間として尊重しろという風潮を呼び込む危険や手綱を握られてるとはいえ、各々機関それぞれにある面子がつぶれる可能性もある。ましてやトライデント自体の面子もだ。

ただでさえストロンティアではデブリの取引価額で売買されているバイオイド(※9)にそんな尊重風潮を呼び込ませれば労働力に困った所ではスラムの住人をひどい環境で働かせるしかなくなる可能性があり、ことにバイオイドと同じ価額で人身売買させざるを得ない、「文明化不適切事例」(※9.5)の発生につながる危険性がある。
しかもそうなればバイオイド・ハーフを含むバイオイドが大手を振ってストロンティアから他の文明圏構成惑星への移住が行われることになる。そして何より、「トライデント」が恐れたのはソレが実現すればヤデト文明圏の崩壊の危険性である。

だが、ここに一つの「火種」が現れたのである。他の監視メンバーによれば生体兵器技術民生転用研究室は人間とバイオイドの番及びその子孫達がいずれヤデト人社会という一種の既得権益と戦うと言う「使命」を持たせている事が判明したのである。
そう、トライデントが恐れた、文明圏崩壊につながるモノで、証拠データや資料からソレが事実であることが分かり、遂にトライデントは動き始めることとなる。

表舞台への進出である。あくまでもトライデントを「バイオイドなる労働用として作られた生体兵器の民生転用型の管理機材の製造販売会社」という形にし、企業としてのトライデントやバイオイド監視ネットワークの構成員を通じてのマスメディアへのバイオイドが人間と番を作ったことに関する公表とソレに関するネガティブキャンペーンの実行により、ある程度バイオイド、特に生体兵器技術民生転用研究室が非タグ個体を用いて監視ネットワークを潜り抜けて作った番とその居住区に対する負の感情を煽り、さらに生体兵器技術民生転用研究室に潜伏していた工作員が提案した『表向きには社会貢献の度合いに応じてバイオイドに待遇の差を与えるように仕向けて、わざとバイオイド内部での勢力争いを起こさせて団結と反抗を予防させる。もし団結と反抗を起こした場合は容赦なく憲兵団らに鎮圧させる』というプラン(※9.55)の検討などが行われていた

そしてそれから多少の間を置いての「生体兵器技術民生転用研究室がスラムの住民をかき集め、彼らおよび人間とバイオイドの番及びその子孫達を用いて国家転覆を図っている」と言う内容での警察組織や憲兵団への密告である。

しかし、その密告に基づき行われた憲兵団の任務は失敗に終わった

「だ、だめです!!バイオイド・ハーフ…止まりません!!」
「た、タグを打ち込んでるのだろ!?なんで鎮圧できないんだ!!」
「ハーフにはタグが通用しないのか!!くそ、親世代に打ち込め!!」
「や、やめろぉぉぉぉぉ!!うぎゃぁぁぁぁぁぁ!!助けてくれ!食われてる!助けてくれ!たすけtグギャ」
「ア、アンディィィィィ!!隊長、アンディが…生きたままバイオイド・ハーフに食われた!!」
「くそっ!!怪物め…!!ひ、うぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!」
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「カシワギィィィィ!!カキザキぃぃぃぃぃぃ!!う…うわぁっ!来るな!!くるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「助けてくれ!たすけ…」

初動突入部隊の悲鳴と、無線機越しに聞こえる銃声にまぎれて肉や骨、プラスチックや繊維、機械部品が咀嚼される、不快な音。
バイオイド・ハーフへの教育か、はたまた、最初の番の根底にあったヤデト文明圏への恨みなどが他のバイオイドに伝播し刷り込みで得られた物なのか…正規軍と同等の装備をしていた憲兵団の兵士に対しバイオイド・ハーフは残虐極まりない方法で憲兵団の兵士を一人、また一人と「喰らって」いく。
後続部隊が強化外骨格を装着し、強力な重火器を持ち出して反撃に出るも、元々が生体兵器であったことや教育か刷り込みかは不明だが、あまりにも残虐的かつ戦闘能力が高いことにより、後続部隊も一人、また一人と「喰われて」いった。
それは余りにもおぞましく、過去の災厄の「リフレイン」であった。

そして、ガイネーシア・ケランセティ率いる部隊は軍から提供された5m級人型機動兵器とその武装で身を固め、突入の時を待っていた。

突入ポジションは他の部隊のポジションとは反対の位置、そこに最初のバイオイド・ハーフとソレを産み落とした番がいる。今戦っている部隊も反撃が功を奏してバイオイド・ハーフの撃破に成功しつつある。
ここで自分たちが飛び込んで一気にバイオイド・ハーフらを駆逐すれば、鎮圧完了…のはずだった。

「ケランセティ隊長、司令部から…」
「どうした?突入開始か?」
「い、いえ…ソレが…」
「どうしたんだ?」
「て…撤退命令です!!」
「何!?」
「全文を読み上げます。「当作戦参加部隊の殆どを喰い殺され、作戦継続は困難と判断、生存部隊は直ちに撤退せよ」…隊長…命令違反してでも突入しますか…?」
「………くそっ、及び腰の司令部め…正式な命令か?」
「はい」
「仕方が無い…全機撤収!その前に火器の暴発と言うことにして一発ぐらいあの忌々しいバイオイドの番の巣穴に打ち込め!!」
「了解………!!」
「……この恨み、いつか晴らす!!」


余りにもおぞましい被害と惨状に司令部が音を上げてしまい、撤退命令が出された。
参加部隊の大半がバイオイド・ハーフによって喰い殺され、鎮圧作戦は失敗に終わった。

ソレはあまりにもたった一夜のおぞましい惨劇であった。

枷が無い個体から生まれたというのもあるが、バイオイド・ハーフの危険性は瞬く間にストロンティア現地政府とヤデト中央政府へと伝えられた。
ただでさえ、ストロンティア内部では労働力として用いられていた存在が現地に入植した住民との間で番となり、そして生み出されたのは軍人すら食い殺す、危険生物であった。
しかも両政府の動揺は思った以上にひどかった。その危険生物が国家転覆を図れるだけの知能と教育を受け、そしてソレが可能と言えるほどの戦闘能力を持つ。

憲兵団の鎮圧部隊の被害がソレを物語っていた。バイオイドの番の飼育施設と言うべき居住区域での惨劇は後にGNOと呼ばれることとなるバイオイド・ハーフの危険性を物語っていた。
生き残った兵士たちが持ち帰った戦闘記録を元に作られた危険性の証明ビデオはまさしく、ネガティブキャンペーンにふさわしい物であった。

殉職した兵士の遺族の許可の下、放映されたソレはバイオイド・ハーフの危険性を世論に周知していった。

そしてソレを生み出した番の内最初の個体を産み落とした番は実名公表の上で「彼らが出会わなければ死ななかった命がある。こんなものがヤデト文明を転覆させようと解き放たれようとしている」というキャッチコピーが添えられ
バイオイド・ハーフの存在の否定にも役に立ったのである。


しかし、生体兵器技術民生転用研究室による根回しを受けていた一部議員の進言などもあってかヤデト中央政府は「このまま奴等と戦っても恐らく我々に勝ち目はないだろう」と決め込んでしまい
そのままバイオイド・ハーフもといGNOをヤデト文明圏へと解き放ってしまったのであった…


備考



※1:脱出船団に運び込まれたヤデト文明のアーカイブデータに存在する明記で、GNO側の資料でも同様の明記がされている。探索時代と言うだけあって、資源や他の文明圏の存在などの探索が行われていた。
もっとも政府主導の探査船よりも冒険家らによる探査船が多かったようであり、だからこその「大航海時代」である。
無論、他の文明圏に住む異種族との接触や対話、共存の考えは冒険家は無論、政府関係者も持っているが、接触できた文明圏との関係はあくまでも「一応友好の条約みたいなの結んでおこう」程度の、単なる知り合いな関係であった。GNO側資料と食い違い点の一つ。

※2:GNO側資料明記を流用。接触ないし探査中発見した物に関するアーカイブデータの解析結果によればギルガメスやバララント、ゼ・バルマリィ帝国、ゾヴォーク等の名前が出てきていた。

※3:最もヤデト文明圏は穏健派の中で有力であることが判明している。そりゃ前述の勢力並みに武闘派だったらGNOはすでに絶滅しきってるってことだし、GNOがそいつ等に攻め込まれれば殲滅待ったなしである。

※4:地球での「厄祭戦」は無人殺戮兵器としてのMAが大暴れし、ソレをMSで倒し続けてようやく終戦するぐらいの規模だった。ヤデト文明圏では生体兵器技術が発達していたのでちょっと異なる事になってそう。

※5:詳細はGNO側資料に記載されているが、ヤデト文明圏は生体兵器技術が隆盛であり、その技術を応用し、なおかつソレを日常社会における代替労働力に利用するためであった。もっともオチがアレなので…

※6:二度目の世界大戦で使われた生体兵器はその殆どが非人型で、むしろ軍事分野においては人型兵器こそ邪道だという認識を持つものが多かった。
実際、戦時中に対生体兵器としての人型兵器の開発に乗り出そうとした技術者たちが司令部の意向でその計画を叩き潰されており、先見性が無い軍に失望した技術者たちは設計図面の一つを軍に残し、各々が残った図面を携え、軍を去り、ある者は軍需産業に、ある者は手にした図面を人型作業機械と偽って工業メーカーへと入り、密かに人型兵器が受け入れられる土壌が作られていった
そういった経緯に加え、第二次大戦に参加した傭兵の中には他列強勢力から人型機動兵器を持ち込んだ傭兵も多く、彼らの活躍も相まって、軍司令部の人型兵器に対する認識も変化しており、結果、人型兵器邪道派は駆逐されていったという。
そのため、対GNO戦用の兵器が人型機動兵器となっていったのは必然であったと言える。

※6.5:GNO側資料では「人間とバイオイドの異種族夫婦」となっているがここではヤデト脱出船団内部のアーカイブでの表記である「番」で統一する。

※7:「コレまで人々が手を汗で汚して成し遂げた事をそのまま続けるべきであり、ストロンティアの文明化作業はすでに先行してストロンティアに移住した殖民にやらせるべきだ」とし、あくまでも殖民らが文明化作業をやりやすくするためにバイオイドを殖民の労働力とするよう働きかけるなどした勢力。
反対むなしくバイオイドによる文明化作業が決定された際に「バイオイド監視連合」という表向きには世界各地の別々の国際機関として設置されたバイオイド監視網の統括や文明化作業の中核を殖民にやらせ、バイオイドを労働力として使うようにやんわりと世論誘導し、労働力として使われるバイオイドの管理機材「タグ」の製造と販売を行う組織をつくり、バイオイドの監視と管理体制を賛成派に悟られる事なく構築するなど
こうした策謀を悟られる事なく行える人材の集まりである。

※8;上記の派閥とはあくまでも「同名の別派閥」の、世界各地の国際機関の監視網をグループネットワークとした大小さまざまなグループで構成された派閥組織。「同名の別派閥」ゆえ、派閥違いの「バイオイド監視連合」とはスムーズな連携が取れなかった。
襲撃後、派閥レベルでの統合とグループの統廃合が行われ、正規軍や憲兵団、警察関係が属するグループによる「バイオイドによるテロ行為に対する戦術研究会」と、国際機関のバイオイド監視網と民間の監視ネットワークが合体した「バイオイド監視ネットワーク」が誕生し、そしてそのまま存続する事になった「バイオイド監視連合」の3つを総称して
「トライデント」と呼ばれる、バイオイド監視組織が誕生する事となる。

※8.5:バイオイドの安全装置。万が一の時に生体兵器並みの戦闘力を絞り出す能力を危険視し、コレを打ち込むことによる緊急時の鎮圧などに用いられる。押し付けて打ち込むタイプと射出して打ち込むタイプがあり、殆どはバイオイドが従事させられる土木作業事業主などが買っている。
また、後付けの安全装置ではあるが、そのコンセプトは生体兵器の制御用コントロールデバイスから受け継いでおり、所謂「遺伝性」として打ち込まれたバイオイドが繁殖しても子世代、孫世代へとソレが残り続けるようになっている。
一方で生体兵器技術民生転用研究室がタグ打ち込みを回避して出荷させた個体が後にGNOを生み出す個体であり、後にGNOと呼ばれるバイオイド・ハーフはこのタグを無力化する個体であった。つまりはそういうことである。

※8.55:誕生経緯は上記にあるが、組織としての目的はあくまでも「コレまで人々が手を汗で汚して成し遂げた事をそのまま続けるべきであり、ストロンティアの文明化作業はストロンティアに移住した殖民にやらせるべきだ」というバイオイド導入反対派の人々の声と変わらない。
また、ソレとは別にバイオイドを「労働力として民生転用技術評価を下して欲しい」とヤデト中央政府に申し出をしていたりする。が、結局彼らの努力は無に帰してしまったが…

※8.555:本来の用途は有名アニメにおける時代変化に伴うキャラクターの年齢や成長などの描写が無いことに由来する「アニメ視聴者などの間で使われている俗称」であり、不老不死の用途で使うのはどう見たって誤用でしかない。

※9:トライデントの前身となる組織であるバイオイド監視連合のおかげで労働力としてバイオイドを酷使できるためにスラムの孤児でもどんな職場であっても衣食住に困らず、勉強できる環境が整っている。価額にはバイオイドの管理機材「タグ」の値段も含まれている。

※9.5:「コレが起きれば文明化作業は打ち切りとなるレベルの事例」のこと。文明化作業に伴う作業要綱を定めた「文明化作業に基づく法律」にも「内戦や紛争等の戦乱で文明化作業に著しい遅延が発生した場合や人身売買等の人道的違法行為が行われる状況になった場合、事態正常化が見込めるまで文明化は無期限延期とする」とかかれている。バイオイドはあくまでも「兵器の民生転用の一つ」であるため、この要綱をかねた法律には抵触しない。

※9.55:GNO側資料が余りにも長文すぎるが掻い摘んで言えば「タグ」などの監視機材の整備が整っているからこそ、可能な最も効果的な勢力拡大対策と言えるもの。GNO側資料があくまでもGNO側に都合のいい資料であるからこそこういうのがあるわけでしてー

最終更新:2020年04月25日 16:44