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*砂原清仁の出会い~拳骨武男編~
希望崎学園入学式会場。ここには様々な表情の者がいる。
これからの生活に絶望するものいれば魔人の恐怖におびえるいる。錯乱のあまり自殺を図ろうとするものさえいる始末である。
だがこの時、砂原清仁が胸に抱いていたのは希望であった。
それも、この学園で暴れてやろうとか支配してやるといったものではなく、新たな出会いへの希望である。
この日本有数の魔人学園になら自分とコンボの組める魔人に出会えるのだと。
──このクラスにはどうやらいねえみたいだな。
入学式が終わり、クラスメイトとの顔合わせが終わった時、砂原は軽く落胆していた。
このクラスにも魔人らしいヤツはいるのだが砂原の求める魔人はいなかったのである。
──まぁ、そんな簡単に出会えるわけがねえか。
だが、砂原はそんなことぐらいで諦めたりはしない。この広い学園のどこかには必ずそいつはいるはずなのだ。
クラス会が終わってすぐ、砂原は行動を開始した。
この学園で魔人が徒党組むところといえば生徒会か番長グループである。多くの魔人と出会うにはそいつらの集まる場所に行くのが手っ取り早い。
生徒会室は学園の地図に書いてあったし、番長小屋はクラス会で教師が絶対に近づくなといっていたところだろう。
どっちにいくべきか。数秒迷ったところで番長小屋に行くことに決めた。番長グループの方が響き的に攻撃的っぽい感じがしたからだ。
なら、とりあえずは外にでておくべきだと、砂原は玄関に向かって歩き出した。新入生たちが思い思い歩きまわっている中ひと際目をひかれる男がいた。
他のヤツらより頭ひとつ、いやみっつぐらいはでかい。砂原とは対照的に筋肉も発達している。だが、それだけではない。まるで体全体がこいつを欲しているかのような感覚に襲われた。
──まさか、あいつ
──再行動能力者か──!
いや、間違いない。このたまらず惹かれるような感覚。砂原の魔人としての全てが、この男を必要としている。
「おい、そこのでかいあんた。」
たまらず声をかけた。
「なんじゃ、チビ。」
男は威圧するかのように声を返した。まぁ、見ず知らずの赤髪のチビがいきなりあんな風に話しかけられれば仕方ないだろう。
「や、すまん。喧嘩売ってるわけじゃないんだ。あんた俺とおんなじで魔人だろ。俺ァ今から番長グループに挨拶にいこうと思ってんだがよかったらあんたも一緒にこねえかい。」
「なんじゃ、お前も魔人なんか。そうはみえんがのう。まぁ、ええ。ワシも番長グループを見に行こうと思っとったんじゃが、ちょっと迷っちまってたんじゃ。ちょうどええから案内せい。」
「あいよ。俺は砂原清仁ってんだ。まぁこれからよろしく頼むぜ。」
「ワシァ拳骨武男じゃ。」
「番長小屋はたぶんこっちだからついてきてくれ。」
──ついてる。今年の俺は間違いなくついてる。まさかこんなに早く再行動に出会えるとは思わなかったぜ。
確かに再行動能力者というはそうそういない。いや、いるときにはいるがいないときにはとことんいないものである。
その再行動能力者と出会えたことは間違いなく幸運ではある。ただ、砂原は見落としている。拳骨武男は再行動能力者にしてはいやに筋肉が発達しているということを。
いや、筋肉が凄まじいということはわかっているがそれがどういうことを意味するのかを全く考えていない。つまり完全に浮かれているのである。
そして自分たちの中学の頃の話などをし、その話がちょうどつきたころに番長小屋についた。