新参陣営最終応援ボーナス:229点
『血に染まる雪』
幼い頃の
審刃津 志武那は孤独な少年であった。
理由は褐色の肌だ。志武那の母方にアラブ系の血が入っている為である。
子供というのは純粋であり、それ故に残酷だ。
分かりやすい皆と違うところがあるというだけで、子供は容赦なく攻撃するのだ。
「なんかお前、変な色だよなー」
言ってる側としては攻撃という意思は無く、面白がってるだけかもしれない。
だが言われた側としては別だ。少年がそんな言葉を受け流すことが出来るほど精神ができているわけはなく。
結果として志武那は同年代の子供達と距離を取るようになった。
そんな彼に転機が訪れる。家の隣にある家族が引っ越してきたのだ。
新たな隣人は日本人と英国人の夫婦。そしてハーフの娘が1人。
英国人である母親の血を濃く受け継いだ娘は、白い肌に金髪碧眼の見目麗しい少女であった。
少女の名は古門 ソーリス。彼女もまた特異な見た目から、以前住んでいた場所では同年代の子供達から仲間外れにされていた。
それ故に臆病となったソーリス。彼女が何に怯えているかを同じ立場の志武那は痛いほどに理解していた。
そんな2人が仲良くなるのには、そう時間は必要なかった。
そして時は流れ、2人は中学2年生になった。
志武那は歳相応に成長し、また周囲も肌の色程度で差別するような事は減ったので、心許せる友人がソーリス以外にもできるようになった。
ソーリスはソーリスで日本人離れした美貌は周囲の羨望を集め、一躍人気者となった。
尤も、周囲からの扱いが変わるようになっても幼い頃から作り上げられた性格はそう変わることなく、ソーリスは常に志武那の保護を求めるように彼の後を追いかけるのだが。
幼馴染の運命というやつか。2人は小学校に入学してから今に至るまで一度も違うクラスになったことはない。
時期は冬。周囲がもうすぐ訪れるクリスマスに向けて浮き足立つ12月半ば。
「待ってよ、志武那ちゃ~ん!」
下校する為に志武那が靴をロッカーから取り出していると、慌てた様子で階段を下りているソーリスの姿が目に入る。
「あー、ソーリス。足元をちゃんと――」
見ろよ、と志武那が言い終わるよりも先にソーリスは階段を踏み外して見事にこけてしまった。
不幸中の幸いなのは、高さが殆どなかったことだ。酷い怪我にはならないだろう。
ちなみに見えたパンツの色は白。その上に黒タイツを履いており、タイツに透けたパンツという中々に趣深いものを志武那は見ることができた――とはいっても彼にとってはある意味日常風景なのだが。
志武那はため息を吐きながらソーリスの傍に寄り、手を伸ばす。
「全く……起きられるか?」
「うん、ありがとう――っ!?」
志武那の手を取り、起き上がろうとしたソーリスだが足の痛みに顔を顰める。どうやら足を捻ってしまったようだ。
ソーリスの表情と足を庇う仕草を見て、志武那も彼女の状態に気づく。
「保健室に行った方がいいかな‥‥。余計な手間をかけさせる」
「う、うぅ……ごめんね?」
「いつもの事だ。慣れている」
ひょい、とソーリスを抱き上げる志武那。いわゆるお姫様抱っこというやつである。
「し、志武那ちゃん!?」
下校時間とはいえ、学校にはまだ多くの生徒がいる。衆人観衆でお姫様抱っこという状況で、恥ずかしさからソーリスを顔を真っ赤にする。
「あうあう、皆に見られて‥‥こんなの恥ずかしいよー!」
「おんぶし直すのも面倒だ。俺は恥ずかしくないから我慢しろ」
「うぅ……はい……」
元はといえば悪いのは自分だ。ソーリスは覚悟を決めて受け入れる。
それに彼女としてもこのシチュエーションは悪くなかった。‥‥大好きな人にお姫様抱っこしてもらえるのだから。
「えへへ……」
赤面したままだが、少し大胆に手を志武那の首に回すソーリス。そのまま体を志武那へと預け、密着度を上げる。
柔らかな感触が志武那の胸板に伝わる。ん、と小さく志武那が声を洩らすがソーリスはあまり気にしていないようであった。
それから、保健室で治療を受けたソーリスは志武那に背負われて帰宅することとなった。
「えと……その、重くない……?」
「重い、と言ったら軽くなるのか?」
「あぅ……ならないです……」
こんな風に会話をしながら歩く2人。時々、2人の知り合いとすれ違う事もあったが、基本的には暖かい目で見られていた。
何故なら皆知っているからだ――志武那とソーリスはなんだかんだで相思相愛であることを。
ソーリスは志武那の背中に体だけでなく、心まで預け。
志武那はソーリスの温かさに愛しさを覚える。……尤も、ツンデレ体質の志武那がその愛情を表に出すことは無いのだが。
こんな幸せがいつまでも続くと思っていた。
――その時までは。
「きゃぁぁぁ!?」
突如、辺りに響く女性の悲鳴。
何事かとそちらを見やれば、悲鳴の主だろう女性が倒れている男性に駆け寄っていた。
「そんな……起きて、起きてよ!?」
倒れている男性をよく見れば、胸……ちょうど心臓の辺りから、鮮血が流れているのが見える。
そして、そんな2人を見下ろすように、傘を持った少年がすぐ傍に立っていた。
「まーったくよぉ、クリスマスが近いからってイチャついてんじゃねぇよ。許せねぇ、許せねぇよなぁ」
傘の先端は――赤く染まっていた。
「なぁ、お前もそう思うよな?」
傘を持った少年が志武那らを見る。
直感的にやばいと判断した志武那は即座に逃げようと踵を返すが……何もかもが遅かった。
「まったく見せつけんじゃねぇよ!」
少年が、傘を振るう。傘の先端は志武那への胸元に吸い込まれるように――
突き刺さらなかった。
「――え?」
「し、ぶな……ちゃん……。逃げ、て……」
危険を察したソーリスが無理矢理志武那を体勢を崩し、その結果――傘の先端が彼女の胸元へと突き刺さったのだ。
直後、騒ぎを聞きつけたのだろう魔人警官が傘の少年を取り押さえる。
「あぁ、くそ……! 全然カップルどもを粛清してねぇのに……!」
だが志武那にとっては傘の少年がどうなろうと最早どうでもよかった。
「おい、ソーリス……? なんの冗談だよ、これ……!?」
彼の腕の中でソーリスの体がどんどん冷たくなっていく。
愛しさを感じた温かみは……もう腕の中にはない。
「ソーリス……! ソーリスゥゥゥゥゥ!!!」
雪が……降り始めた。
降り積もる雪は、しかし血の赤を隠すことなく、赤く染まっていく。
後日、ソーリス他数名を殺した傘の少年に対して裁判が行われることとなった。
結果は無罪。刑法三十九条「魔人の犯罪は能力覚醒直後に限り不問とされる」によって、覚醒直後だった傘の少年は罪を問われることは無かったのだ。
当然だが傍聴席にいた志武那は激怒し――そしてまた、彼も魔人として覚醒することとなった。
「あぁ、そうか。……裁きってのは不公平なものなんだな」
先ほどまで何も持っていなかった筈の手に、天秤がある。
「では、俺が裁こう。……何、俺も罪に問われないんだろ?」
天秤が――傾いた。
【武論斗さん】
面接官「特技はグランドヴァイパとありますが?」
ブロント 「それほどでもない」
面接官「グランドヴァイパとは何のことですか?」
ブロント 「敵に致命的な致命傷を与えられる。色も黒っぽいのでダークパワーが宿ってそうで強い」
面接官「え、ダークパワー?」
ブロント 「ちなみにダークパワーっぽいのはナイトが持つと光と闇が両方そなわり最強に見える。暗黒が持つと逆に頭がおかしくなって死ぬ」
面接官「・・・で、そのダークパワーは当社において働くうえで何のメリットがあるとお考えですか?」
ブロント 「俺がどうやってメリットだって証拠だよ。大体そう言うお前にメリットあるかよ。見ろ、見事な
カウンターで返した。調子に乗ってるからこうやって痛い目に遭う」
面接官「いや、当社には襲ってくるような輩はいません。それに人に危害を加えるのは犯罪ですよね。」
ブロント 「自慢じゃないがPT組んでる時に「ヴァナのイチローですね」と言われた事もある」
面接官「浅はかさは愚かしい」
ブロント 「黙想で敵のTPを溜めないでもTP100~300のWSで自由自在の破壊力ばつ牛ンの連携を決めれるんですよ。」
面接官「いい加減にしろよてめーぶっ殺すぞこっちが礼儀正しい大人の対応してればつけあがりやがってよ」
ブロント 「口で説明するくらいならおれは牙をむくだろうな。おれパンチングマシンで100とか普通に出すし」
面接官「このままでは俺の寿命がストレスでマッハなんだが・・」
ブロント 「お前ハイスラでボコるわ・・」
面接官「いや今のハメでしょ?俺のシマじゃ今のノーカンだから」
ブロント 「グランドヴァイパでトドメさすよ」
面接官「おい、やめろ馬鹿」
【D・P´0008】
面接官「特技は完全蘇生とありますが?」
面接官「完全蘇生とは何のことですか?」
D・P´0008 「受け継いだ異能です。」
面接官「え?」
D・P´0008 「同マスの味方を完全蘇生します。」
面接官「・・・で、その完全蘇生は当社において働くうえで何のメリットがあるとお考えですか?」
D・P´0008 「はい。敵が襲われても生き返ります。」
面接官「いや、当社には襲ってくるような輩はいません。」
D・P´0008 「でも、便利ですよ。」
面接官「いや、便利とかそういう問題じゃなくてですね・・・」
D・P´0008 「死んだキャラがもう一度使えるんですよ。」
面接官「ふざけないでください。それにDP2消費って何ですか。だいたい・・・」
D・P´0008 「2ダンゲロスポイントです。DGPとも書きます。ダンゲロスポイントというのは・・・」
面接官「聞いてません。帰って下さい。」
D・P´0008 「あれあれ?怒らせていいんですか?使いますよ。完全蘇生。」
面接官「いいですよ。使って下さい。完全蘇生とやらを。それで満足したら帰って下さい。では死にます。」
D・P´0008 「運がよかったな。今日はDPが足りないみたいだし、女性にしか使えないし、スタメンでも使えなかった。」
面接官「へんじがない、ただのしかばねのようだ」
『一流騎士の世界』
おれは腕力も強いしシマでも圧倒的な影響力と人気を得ていたから希望崎学園にいってもぜんえzんだいじょうぶだと思っていたがやはりそのとおりさすがにナイトは格が違った
きうぶざき学園にきた理由はナイトの謙虚さとスペしゃルさを見せつけてやるためにまちがいちがいない
校門を余裕でくぐりぬけたらどうやらおれの汚メアgネにかなうくらいよりちょっと劣るくらいの速さだったからさすがのおれでもほんのすこしビビッた
うどやらはんぷくよこっとびをしている事だと理解できたのは日ごろのくんえrんで目がよくなるし力トエイニイングのおかげだとさとったときにはおれはすごく眼がよくなっていることにきづいた
「おいそこのおれと同じくらいのレベウでバックステッポの少年すぐにそこをどいたほうが身のためだぞバラバラにされたくないならどいたほうがみのためdえぞ」
するとピュんぴゅんっていう音がとっまたのはピュンピュンするのがとまった男は忍者のようふくを着てきている事になっていた
にnじぇは汚いヒキョウなやつらだからおれはこころの心底からぶんあぐってやろうかと思ったが以外にも隙がないみたいな感じだったのでちょっとよそ見しながらめをあわせた
おれがパチンチングマシンで100出す時の百倍のパンチんグをおみあmいしてやろうかと瞬間にギリギリのtあみングではなしかけえtきたのでこまった
「ドーモ、ハジメマシテ。ブロント=サン。サタカです」
「サタカとかいう名前におれのともだちも裏不良界にもいないがなんでおまえはおれのなまえをしっているっていうんだよ? おい?」
「オツカレサマデス。ハルマゲドンに参加しますか」
あたりまえだ俺は裏世界でも十本の指がかぞえられる凄腕ナイトとして有名なナイトのおれがハげるまオdンに参加しないりゆうがないはずがない
そもそもおれがたまに学校に行くとみんなが注目するkとはリアルモンクだから当然だが最近みんなやるきない感じのはkしあnとかいうアワレなやつがのさばらっていると聞いたときにまじぶっころしょと考えたときにすでに行動はおわっているんだよ
「やるます!」
すこしかんじがダサさになったところだがこれがおれのユニークなところでもある
なんかはやい忍者はおれをとおしたあとすぐにステッポえお刻んでいたのですごくがんばッテることに深い関心をだいたが時間が金なりという名セリフを胸にきざんだ
これがダんげロスとかいうへんなのにさんかするはめになったのはきっかけはぜんぶヒキョウな忍者のせいだ
会議にはほととんどおれを必要としないレベルだったからじょこ紹介レスをみていたらなんだとビックリの完全リたーn復活があることに気付いたときにワクワクした
ナイトが一番のジョブといってもほんのときどきのたまに死ぬこともあるが死ななくなったらナイト無敵→チームが無敵→戦いの秘訣をきかれる→人気者
おれは一級ナイトの限界を越えた二級ナイトだからみんなのためにおれがしんだら想像を絶する悲しみにチームが悲しむことは想像できるのでおれは完全ふっあつのキュラに会った
そいつはヒキョウなジョブだった女だけのみしか相手にしていないとかいっていた
おれは生き返らさない事があるといわれたので「おれをいきかえらさないとみんな死ぬよ?」と優しくきいてみたが返答はNO
そいつが汚い性格だったと思ったので無視してやろうとしたが話かけられなかったのでおれが無視していることに気付いてないオロカなやつだと決めた
俺は実はででお四天王の一人
だからダンげバゲマルドンがなにかあまり五里霧中しているときでもおれはハるげんdまに参加したしおれは戦闘をきって下段ガートが硬かった
ナイトの信頼度は違いすぎるからおれは期待にこたえてやったのは簡単にできる事だった
おれがたたかたったカイの未熟者は気の毒なほど見失ってあせっていたので「タイムアップでもいいんだが?」と聞いたらそいつは6ダメージ与える技を使えるらしくてあぶないところdえかみひとえだった
目の前におれを同じタイプのナイトがいたから得意なジュツのひつつのわざにグラットンスウィフトでバラバラする事があることになった
しかしおれがまさにヌードメーカーになってハイスラを使おうとしたすんかんに後ろにいたブンブンうるsい女はちオンナがおれの腕をつかんだ事はおれが好きなのだとおもったがおれは孤高の騎士だからモテるのがとうぜんの事といえたのだった
いsかしおれの予想とすこしちがっていて照れ隠しだとおもうがすぐに腕をはなして「これは模擬戦だから殺したらダメよ」といった
おれはれんsゆうのときでもいつも全力パワーをだしてしまうことが基本だからバラバラに殺さないようにするのがせいいっぱい力をおさえていた
そのかいあってLSにふしょうした弱いやつはいなかっただけどひとりのパツギンが瀕死みたいなかんじで倒れていたレイズを掛けたがたちあがらなかったので「なにごとか」と近くのヤツに聞いてみたらそいつは倒れてたヤツとおあじ顔をしてた
そのとき初めて耳に聞いたのだがその男はけんぴょうで分裂するスキルを憶えているようでおれは謙虚に褒めたたえてやったら照れ隠しにそっぽむいていたことで照れ屋がおおいところだと知った
なるほどおれが一番のナイトであるのはしぜんのせつり
だがナイトがすばらしぐすぎてナイトのまねのナイトみたいなのが増えすぎているのはたしかだがやppあり真の一流ナイトは「ヴァナのイチロー」といわれたおれくらいしかいない
しかしイチローで思い出したがほかのキュラで野球部のヤツがちゃあほあされているのが気にはいらない
そいつはヒキョウに自分はうごかないで他人を背をプッシュするようなキタナイやつだったが押されるエネルギでたくさんすすむという考え方は科学的だ
その男以外にも押すだけのやつが二三体いたがおれの家来になるかとおもって話そうとしたらチームが違うとか言って逃げた
すぐにおれと比べられうことが恐いのだと気付いたがおれはあえてなにもいわなかったがきっとあいつは本能的に長寿タイプ
おれは格が違うから恥ずかしがっうtのあ確定的に明らかだからグラットンソードが最強だから雷属性の左をジョーにヒットさせてKOする日も近い
おれにたちに立てつくこすぁんどもは調子に乗ってると裏世界でひっそりと幕を閉じる
●グリーンアイズ・グリードマインド
特殊能力の取材に埴井のもとへやってきた夢追であったが……
「何よ!そんなに脚を見せびらかして!自慢!?」
「えぇっ!?いえ、あのお話を」
「言っておくけどあたしのほうがよっぽど美脚だからね!そんなんで目立とうったってそうはいかないから!」
「あのせめて話を」
「キャラ被りなんて最悪じゃない!私が目立つのがそんなに嫌なの!?」
「ちょっと落ち着いて」
「蜂さん達!ヤッチマイナー!」
「ギャー!」
※この後、夢追はD・P´0008の完全蘇生によって事なきを得ました
●獅子身中の虫
新参陣営本部にて、弐之宮と夢追が侃侃諤諤喧喧囂囂の議論を繰り広げている。
「着物なんてもんは“女性は着飾って座ってりゃいい”って精神の象徴だろ!」
「何を言いますか!あんなに綺麗な服は世界中探したってありませんよ!」
「……どうやらお互い譲れないところまで来たらしいな」
「……ええ。微妙に論点ずれてますからこのまま話し合っても決着はつきそうにありませんしね」
「こうなったら俺の『THE JUDGE』でお前の覚悟を試してやろう」
「いいですね、脈絡のない熱血展開。私は好きですよ。でも私がむざむざ技を喰らうまで突っ立っているとでも?」
「お前の速さは知っているが……決めてやるぜ!」
特殊能力を発動させるため精神集中を始めた弐之宮であったが、夢追の行動は弐之宮の能力発動よりも速かった。
(頑張れっ!)
握り拳を固め、心の中で弐之宮の能力発動を応援する夢追。
綺麗に弐之宮の能力を喰らった。
弐之宮晶のTHE JUDGE!こうか は ばつぐんだ!
「痛いっっっったぁぁぁーーーーい!」
「避けんかいっ!」スパァーン
思わず突っ込む朱音。
「で、でも……初めての特殊能力ですし……」ハァハァ
「あんなー……本番ではホント頼むで、ジブン」
「は……はいっ!全力で頑張れっ!って応援します!」
「ええかげんにせいっ!」スパァン
朱音多々喜のハリセン・BON!こうか は ばつぐんだ!
「ウボァー!」
「おいィ?」
「はっ!アカン!あまりのことに加減を忘れてもーた!」
※この後、夢追はD・P´0008の完全蘇生によって事なきを得ました
●悪気はないんです
校内新聞の記事を書いている夢追を眺める緑風。
(ああ……これで言動がまともならなぁ……)
「どうしました?緑風くん」
「あーっと、何の記事を書いてるんだ?」
「野球の記事ですよ。先日、五郎丸くんが壮絶な投手戦を繰り広げたやつです」
「あぁー。あれ相手チームのピッチャーもよく心が折れなかったよな。バッターの援護がまったく見込めなかったってのに」
「あれぞ熱血球児魂ってやつですね」
「熱血って言やあ秋刀も延長戦最後まで声を張り上げてて大したもんだったよな」
「あれぞ折れぬ男の鋼の魂ってやつですね。えーっと記事の見出しはどうしようかな」
(まともに話してるとやっぱ可愛いなぁ……)
「よしっ!『エースがちんこ対決』っと」
「お前わざとやってるだろぉぉぉぉぉ!!!」
※緑風の傷心はD・P´0008でも治せませんでした
夢追の家にて。夢追と親友の会話。
「えへへ。『アナフィラキシー・ハック 突発奥義 蜂覆絶討』に『THE JUDGE』、あと『ハリセン・BON!』っと」
「ねぇ……」
「それに『完全蘇生』!今日は色々な凄いことが体験できたなー」
(胃が痛い……)
埴井葦菜と愉快な仲間たち⑦「埴井葦菜の憤慨」
「あんたたち、気でも狂ってるんじゃないの!?」
嫉妬深さに定評のある魔人・
埴井葦菜は激怒した。
拠点教室で彼女と相対するのは、仲間たる二人の魔人。
怒られている二人は、訳が分からないよ、といった風な表情を浮かべている。
「なんじゃい、オドレは」
地底の怪物の如き低い声で答えるのは、応援団長魔人・
秋刀魚広である。
一年生にして応援団長を務める彼は、硬派で不器用ながらも人望を備えた正しく漢である。
その漢ぶりに惚れた多数の男子生徒のファンを持つ彼だが、今は心なしか困惑した様子であった。
「用件はさっさと済ませてくれない? 私、まんことお話しするほど暇じゃないの」
衝撃的な一言をさらりと言い放つのは、献身的乙女魔人・鶴崎一途である。
彼女は男性器を異常なほど愛し、学内のほとんどの男性器をその膣中に収めていた。
その反動形成とでも言おうか、女性器に対して苦手意識を持っているようであり、今も一刻も早く帰りたそうな雰囲気を醸し出している。
「手短に話してあげるわ。あんたたち、二人とも強いわよね」
悔しいけど、そこは認めるわ。と葦菜が――あの葦菜が言うとおり、二人は一年生陣営でも屈指の強能力者であった。
味方の移動する力を底上げする秋刀と味方に敵と壁をすり抜ける力を与える鶴崎のコンビは、確かに最高峰のシナジーがあると言えた。
だが、強い魔人能力には、それ相応の“制約”がつきものであり、それが葦菜の怒りの原因でもあった。
「それなのに、なんで、このあたしをシカトするかのように『男性のみ』なワケ? ねえ、なんでよ!?」
そう、この二人の能力は、共に『男性のみ』に有効な能力であった。
自分の力を最高のものだと信じてやまない葦菜には、この展開は到底納得しうるものではなかったのだろう。
しかし、能力の習得にはそれ相応の原理があるものだ。制約もそれ準ずるのだから仕方ない。
「ワシの応援は、女子にはウケが悪いからのォ……」
「確かに意味わかんないわね」
「私の愛はちんこにのみ注がれるものだし」
「た、確かに、あたしには、その、ゴニョゴニョは、生えてないし……」
冷たく吐き捨てたり、一転恥ずかしそうに呟いたりしながら、一応納得した様子でいる葦菜。
まあ、能力の可不可にケチをつけることほど不毛なこともない。それは分かっていた。
けれど、真に許せないのは――
「よおおお! 少し遅れちまっただか?」
「大・遅・刻よッ!」
葦菜の不機嫌の最大の原因が、今やってきた。
その者の名は、蝦夷威もとじ。幽霊を信じないことが特徴の魔人である。
尤も、一年生陣営所属の幽霊少女・梨咲みれんを見た時は頭を抱えていたようが――
「どうどう、そんなに怒んなや」
「あたしは、馬じゃ、ないっ!」
ぷりぷり怒りながら、葦菜は数日前を思い出す。
あの頃、一年生陣営は最大限に焦っていた。強力な補助能力者を抱えていながら、そのお眼鏡にかなう男性アタッカーが不足していたからだ。
そんなところに颯爽と現れた蝦夷威は、正に『ヒーローは遅れてやってくる』という言葉を体現しているようでさえあった。
「(あの二人の恩恵を受けられるだけでも懲罰モンだってのに、後から来てあたしより目立つとか、万死に値するわ!)」
ただでさえ嫉妬深い葦菜が、こんな格好の獲物を看過しようはずがない。
二人は初顔合わせ以降、出会う度に衝突を繰り返していた(まあ、葦菜から蝦夷威への一方的なものだが)。
今回も葦菜が三人を呼びつけたのは、この問題を白黒つけるためであるらしかった。
「最後にもう一度訊くわ……あたしよりこの男と組むって言うのね?」
「何度も言っとろうが、ワシらの能力は男にしか効かんけぇのォ」
「バナナ大好き♪」
「わはは、俺の方が人気のようじゃの!」
あっ……と、この中では断然常識のある秋刀が止めようとした時には、蝦夷威は既に言い切っていた。
この、嫉妬魔人・埴井葦菜に対する最大のタヴーを――!
「あああああああ、あんた! 言ってはならないことを言ってしまったわね! こうなったら決闘よ!」
言い終わるが早いか、持ち歩いているペット用キャリーバッグの扉を開け、蜂達を解き放つ!
そして蜂達が状況を把握する間も与えずに指示を飛ばす――
「目の前にいるのが標的よ! ぶっ殺しちゃいなさい!」
決闘と言っといて不意打ちの速攻かよ、とか、そういえば最初の方で殺しは嫌とか言ってなかった?、とか、蜂達にも言いたいことは多々あった。
でも言わないのだ。なんだかんだで主人に対して甘いのであった。
とにもかくにも命令通りに蝦夷威に向かって突撃をかけるが――?
「来るか? ならば――ぬうんっ!」
蝦夷威が力を込めると、辺りの雰囲気が一変した。
恐らく能力を発動させたのだろう――その場にいた全員がそう思った。
「っ――止まりなさい!」
途端、葦菜はその能力の異様な圧力を感じ取り、蜂達の侵攻をストップさせた。
この蝦夷威の能力は「死した後、地縛霊となり他人を呪い殺す」というものだが、幽霊を信じない蝦夷威は自分の能力について多くを知らない。
「きっとスゴイ能力なんだべなあ」くらいの淡い認識しか存在しなかったが、それでも彼は己の能力に自信を持っていた。
「止めたか。懸命だやなあ。でも、来んのなら俺がいくべ!」
言うと同時、懐からフライングディスクを取り出す!
自分が中距離を得意としている葦菜の痛恨のミス――相手もまた、中距離を得意とする者であったのだ。
「イヤーッ!」
「グワーッ!」
蝦夷威の放ったフライングディスクは、精確に葦菜の首をとらえた。
躰は紅き噴水と化し、目をひん剥いたままの壮絶な表情の生首が、血だまりにばちゃりと落下した。
これには流石の秋刀もドン引きであった。いや、仲間殺しちゃマズイだろう……と。
「はああン! 蝦夷威君、強いのオ! すごいのオ!」
「わははは! 俺の勝ちじゃな!」
教室の対岸では、勝利に酔った蝦夷威とちんこに酔った鶴崎がずっこんばっこんお愉しみの最中であった。
頭を抱える秋刀。誰か、マトモや奴はおらんのか……!?
しかし、ここでふと気付く。葦菜の繰り出した蜂達の姿が見えないことに。
「どこに行ったんじゃァ……?」
キョロキョロと見まわしていると、やがて、ブンブンという独特の羽音が聞こえてきた。
戻ってきたようだ、と思ったのも束の間、別のことにも気付く。
もうひとつ――これは、人間の足音……?
「……ここですね」
死体と性交のひしめくカオスな教室へと足を踏み入れたのは、仮面と白衣を身に付けし存在。
彼の者の名は、D・P´0008。とあるマッドサイエンティストのクローンと言われている。
その出自は一切が謎に包まれているが、一つだけ確かなものがある。それこそが、“受け継いだ異能”――!
「彼女ですね……首の切断面が非常に綺麗です。これならば、難なくイケるでしょう」
呆気にとられる秋刀の前で、テキパキと検視を進めるDP。
やがて葦菜の首と躰とをピッタリ合わせ、能力を発動させる!
すると、一瞬の閃光が周囲に煌めいた後――
「う、うぅ~ん……なに、なんなのよこの赤いの。あと誰よあんた」
「術式は完了です。報酬はキチンといただきますよ」
復活した葦菜の疑問を華麗に無視し、すっくと立ち上がって教室を出ていくDP。
そう、このDPの能力は、ズバリ『完全蘇生』である。
数多の魔人が所属するこの希望崎学園においてもいっとう稀有な能力者であり、葦菜が殺された直後、その存在に気付いた蜂達が連れてきたのだ。
「確か、蝦夷威のやつと戦ってたんじゃなかったかしら……」
だいぶ状況の把握が進んできたらしく、蝦夷威を探して視線を彷徨わせる。
すると、鶴崎と絶賛結合中の蝦夷威と目があった。
その痴態に「ひっ」と目を背けるが、一方の蝦夷威は信じられないものでも見ているかのように葦菜から目を離さない。
「う、嘘だべ……死んだ人間が、生き返るだ……べ……!?」
「ねェ、続きしよぉよお?」
「ゆ、夢に決まってんだべええええええええええええええ!」
思考がパンクしたらしい蝦夷威は、繋がったままの鶴崎ごと教室を飛び出して何処かへ走り去ってしまった。
後に残されたのは、イマイチ釈然としない葦菜と早くおうちに帰りたい気分の秋刀のみ。
秋刀は未だポカーンとしている葦菜に、締めの言葉をかけた。
「まあ、なんじゃ……蝦夷威は逃げたけぇの、オドレの勝ちでえんじゃのォか?」
「な、納得いかねー!!」
埴井葦菜の憤慨も、尤もであった。 <終>
『AチームOPデモ』
=新参陣営総本部=
「なー、Bチームの連中知らねえ?」
「なんか、前哨戦だそうですよー」
「へー。んじゃ、俺等もいっとく?」
「そうはいっても、もうだいたい片付いちゃってますよ?」
「心配ゴム用。ほれ、第二波だ」
BGM:『恋の積尸気冥界波~僕は魚座に恋をした(Ver.ReMIX)』
◆
「支配を求めるのは、決まって古い人間ね」
皮膚が焼ける。肉が裂ける。頭蓋は砕け、脳漿が吹き出す。
…否。そこにあるのは、ただ痛みだけ。全くの無傷のまま、呻き、のたうち、事切れる。
「苦しいでしょう?辛いでしょう?あの子は、きっともっと辛かった」
【二之宮 晶】ーー保有痛覚『THE JUDGE』.
◆
「ヒャッハァーー!死にやがれェー!!」
飛びかかる雑魚生徒、その数、十。
四方八方並びに上下、もはやそこに死角はない。はずだったがーー、
「うらうらうらうらぁぁーーーーーーー!!!!!!!!!」
包囲網に穴が開く。ひとつ。ふたつ。
やがて十の敗者が転がり、ひとり立っているのは、戦場に飢えた獣。
「うっひょー、いいねえ!どいつもこいつも、俺がブッ潰してやるよ」
【浦 優輝】ーー保有暴力『TNN(調子のんな)』.
◆
「いいから野球しようぜ!」
ボールを投げる。当たる。ボールが返る。ボールを投げる。当たる。ボールが返る。
神掛かり的な一方的キャッチボールの末うまれた、九人の犠牲者。
「よっしゃあ、ゲームセット!ノーヒットノーラン、コールド勝ち!」
「…あ?おう、いいぜ!向こうの群れへ行くんだな?せーのっ」
【五郎丸 卒塔婆】ーー保有投法『魔人球』.
◆
「ばーか、こっちじゃねえよ、五郎丸!」
突如飛んできた流れ球から、男が飛び出した。
二本の筆を振りかざし、その空間に芸術を作り出す。
美しい黒が、雑魚生徒の四肢を切り離した。
「あー、くさくさする。憂さ晴らしでもせんとやってらんねえぜ」
懐から引き抜いた書がはためく。
「離散」「爆散」「雲散霧消」
爆音と共に、周囲一帯のものが消し飛んだ。
「ひっひ、…あーあ、収まらねえなあ」
◆
「フレ”エ”エ”エ”エ”エエェエェェェエェ、フレ”エ”エ”エ”エ”エェェェエェェエエエェエ、しいいいぃぃいいぃんんんんんざああああぁぁぁあぁぁああん!!!」
「うるせえェーーーーッ、黙りやがれッ、こんちくしょォーーーーッ!!」
「おう貴様、魂の応援を愚弄するんか、おぉ?」
その体躯、殴る為、蹴る為にあらず。
その体躯、他者を奮い立たせる為に在り。しかして、他者を奮い立たせる為に殴り蹴る時、その膝をつかぬ者などいない。
他数名を巻き込んで、雑魚生徒はバラバラに吹き飛んだ。
「お”お”お”おおおう、フレ”エ”エ”エ”エ”ェェェエエェェェエエェエエエエ」
【秋刀 魚広】ーー保有声援『他者を応援することを通し己を応援する。それが“応援”ッ!』.
◆
「いいねえ秋刀!よっしゃ、テンション上がってきたぜ!」
疾走する少年は、何かに躓き盛大に転んだ。多くの者を巻き込んで。
桃、桃、桃、時々あわび。
「む!これは…とんだTo LOVEる…!!」
何の因果であろうか、女性雑魚生徒の半数以上が、彼のもとに引き付けられていた。惹き、ではなく引き、である。コレ重要。
「きゃーー!!もう、これいったいなんなのよ!?」
周囲の男共がたまらず飛び込むが、流れ弾とか隕石とかに阻まれて、一向にたどり着く気配はない。
そこに男は彼一人。資格を持つ者のみ立ち入れる、桃色領域である。
【
一 一】ーー保有ラブコメ『To LOVEるメイカー』
◆
「ねえ君、その肩パッドすっごいお洒落だね♪」
「ありがとうございまッすゥゥゥ、これ友達料ッすゥゥゥ」
死体うずたかく積み上がる戦場で、不気味とさえ言える和やかな雰囲気があった。
狂信的にお布施を入れる雑魚生徒の顔面を蹴り飛ばしながら、愛想を振り撒く少女。
このような光景が、どうして和やかに見えるのだろう、しかし、そこにあるのは皆の笑顔だけである。
「本当ごめんね、友達なんだし、許してねー」
【寅貝 きつね】ーー保有コミュ力『友達屋』
◆
「ははは、私は怪盗!魔人怪盗である!」
滑空するグライダーから颯爽と飛び出す白銀紳士。身構えるAチーム。
「あなた方の体の一部に魔人爆弾を仕掛けました!外せばボカン!外さずともボカン!うひゃひゃ、木っ端微塵になるがいいですよ!せーの、ボッカーン!」
戦場が静寂に包まれる。
「…ボッカーン!」
やはり何も起こらない。そこへ歩み寄る妙な男。歩を進める度に、可愛らしいリボンが上下に揺れる。
「やれやれ。紛い物の怪盗など、私にかかればただの阿呆だな」
【紫野 縁】ーー保有眼力『イビルアイ』
◆
「うおおおい、あんなとこに薬草落ちてるぞーー!!!」
「よっしゃあああ、いっただきいいいい」
のそり。薬草が立ち上がり、こちらに向き直った。
「おうワレェ、ブリ大根食わねえかィ」
言うなり、雑魚生徒の口にブリ大根が突っ込まれる。
「うんめええええ、すっげええええなんだこれ!あ、お前死んどけええええええ!!!」
「ぎゃああああ、てめー味方に何すんだああああああ」
「…人を動かすものがなんだかわかるか?それは金でもなければ食いモンでもない。心、だよ」
【大魂】ーー保有人生『とろっとろにとろけたブリ大根食わせるぞワレェ!』
◆
「はあああ痛い!ああ!痛い!あっ、あっ、はあああん」
目、脛、みぞおち、股間。敵の攻撃全てを、自身の急所で受け止める者がいた。
「いやー、ああ痛い!素晴らしいな!君達も一緒に行こう!幸福の世界へ!」
「うあっが、げぎゃあぁああぁぁっぁぁあっぁぁぁ!!!!!!」
その痛みで失神している一方で、その痛みで失禁している男。同じ痛みで、こうも差が出るものなのか。
彼もまた、新参陣営Aチームが一人である。
◆
「ねえ貴方!ふくしってさ。どういう意味だと思う?」
一見穏和そうな少女の問いに、ついつい返事をしてしまう。
「いきなり何言ってんだ…んー、ふざけんなクソヤロウ死んでしまえ、の略だな!なんつって。ひゃっh」
「あ?ふざけんなクソヤロウ死んでしまえ!!!」
何が彼女の琴線に触れたか、その刹那、彼の胴は三つに分かたれていた。
「て、てめぇー、俺の相棒に何しやがった!?ゆるさねェーッ」
問いかけ。捕捉の合図。彼女に声を掛けられれば、それすなわち絶命を意味する。
「ねえ!貴方はどう?ふくしってさ。どういう意味だと思う?」
◆
「はあっ!ふっはっ!」
右、左、そして右。目にもとまらぬ速さで道を阻む、忍者が一人。
「てててめェ、ここ通しやがれ!」
「ちくしょう、こうなりゃ強行突破だ!!」
特攻を試みた雑魚生徒の腕が吹き飛ぶ。
「ひっ、ヒィ!!!?」
「なっ、ならこいつで蜂の巣にしてやるッ!!」
「馬鹿!やめろォーーッ」
呼び声虚しく、跳弾に貫かれる雑魚生徒達。
凄まじき速度の反復横跳びは、何者をも受け付けぬ究極の壁となっていた。
「ふっはっ!とうっ!…ふう、325回か。うむ、今日は自己ベストが出せそうだ。そろそろ、俺の分身会得の日も近いかな」
【左高速右】ーー保有忍法『高速反復横跳び』
◆
男の拳、そして男の拳。二つが混じり合った時、そこにうまれるのは真剣勝負である。
「へっ、てめえ…やるじゃねえか…」
「貴様こそ、ここまで骨のある奴だとは思わなかったぜ!いくぞ、タイグァー、アパカッ」
真剣勝負?否、これは戦争である。あらゆる手を尽くした者こそが、勝利の喜びを獲得する、非情な戦場。
「なっ、なんだァ、コレはッ…み、身動きが取れねぇ…!!」
「悪いがな、俺はもう格闘家じゃないんだ。あんたもストリートファイターだ、わかるだろ?」
「う、うわあーッ!こっちに来るんじゃねェーッ」
◆
一枚のフライングディスクが、戦場を横切る。
四肢を断ち、胴を断ち、その軌跡は死体によって彩られる。
「隙在りッ!!そこだァッ!!」
しかし雑魚生徒といえど、やはり三年。油断は禁物なのだ。心の臓を貫かれ、絶命する少年。
「ヒャッハー、一人ブッ潰したぜェーーーッ!」
「お、おいお前…後ろッ…」
「あァ?」
雑魚生徒の顔から生気が抜ける。取り殺された…!
駄目だ。逃げろ。
いや、既に遅い。そこにいた雑魚生徒は、もう、皆死んでいた。
「な、なんだよコレよー!俺、死んでんべ!?何コレ!得しちまったようっひょー!」
◆
「み、皆さん頑張って…!私に出来るのは、これだけだけど…!!」
無防備にも丸腰で、必死に祈り続ける少女がいた。
手柄を焦った外道雑魚生徒が群がる。
「こ、来ないで下さい!」
壁際に詰められた。下衆めいた笑みを浮かべ襲い来る雑魚生徒。しかし。
壁からの斬撃。一人の男が現れ、彼女に微笑みかけて、去っていく。
「…頑張って下さい…!!」
彼女は祈り続ける。戦地を駆ける、愛する人の為に。
◆
「ヒャッハァー!馬鹿共め!本拠地が丸腰だぜ!ブッ潰してやる!!」
「…留守番していて良かったよ。僕の能力に、今回出番は無さそうだが」
「グッギャァアアアーーーッ」
もぬけの殻となる総本部を、その双肩に担う者。
彼は何を思い、何を知るのだろう。
【D・P´0008】ーー保有宿命『完全蘇生』
◆
タイトルデモ
『魁! ダンゲロス 新参Aチーム』
『38%の確率で野球しようぜ!』
朱音「なんやこのタイトル!38%ってなんや!しかも間にあっとらんやんけ!」
五郎丸「いいから野球しようぜ!」
最終更新:2011年06月21日 00:24