前々から、デビルサマナーにおけるレイの魔法の習得の法則については、ハッキリとした答えが出てなかった。理由としては、セガサターン版の攻略本にしろ、PSP版の攻略本にしろ、魔法習得の法則(計算式)がなぜか掲載されていなかったし、また「レベル固定で魔法を習得するのではないか」という説がまことしやかに流れていたところに、原因があると思う。実のところ管理者自身、デビルサマナーについてはレイが魔法を習得するタイミングはレベルが固定されているのではないかと、なんとなく思ったまま、調べもせずに済ませていた。しかし今になって、「実は真・女神転生2の計算式と一緒なのでは?」ということをなんとなく感じてしまったため、実際に検証し、計算式を解明してみることにした。
ところでなぜ「真2と一緒なのでは」ということを考えたのかというと、これは単純にダメージ計算式が真2と一緒だからで、他にも計算式をそのまま流用していそう、という予想をしたためである。
まず、真・女神転生2(以下真2)の魔法習得に関する計算式は、次のとおりになる。
■魔法の数=(レベル×2+知恵+魔力)÷8
ただし計算結果の小数点は切り捨てる。なお今回の調査に使うレイのステータスは以下のとおり。
■レイの初期ステータス:LV8、力5、知恵8、魔力9、耐力4、速さ7、運5
このレイを装備品のアビリティボーナスを付けないまま育て、はたして魔法習得の計算式が真2とデビルサマナーで同じなのかどうかを調べていくことにする。
始めに魔法の習得がレベル固定でないところから調査してみたい。まずレベル8のレイを用意し、アマテラスを降ろす。これをふたつのパターンに分けてレベルを上げていってみる。成長パターンを分けてみることで、アマテラス5個目の魔法であるドルミナーを習得するタイミングに変化が起きるかを調べるためだ。
ひとつ目のAパターンは、レベルアップ時に力だけを上げ続けていくというもの。この場合、レベルが12になったときに、ドルミナーを習得した。ふたつ目のBパターンは、レベルアップ時に魔力だけを上げ続けるというもの。この場合、レベルが11になったときに、ドルミナーを習得した。このふたつのパターンを数値で見てみると、
- Aパターンの式代入
…レベル11のとき:(LV11×2+知8+魔9)÷8=4.875
…レベル12のとき:(LV12×2+知8+魔9)÷8=5.125
- Bパターンの式代入
…レベル11のとき:(LV11×2+知8+魔12)÷8=5.25
となる。魔力だけを上げ続けたBパターンは、レベル11で計算結果が5以上になるため、Aパターンよりも一足早くドルミナーを習得したということが分かった。このことから、魔法習得はレベルによって固定されているわけではない、ということが証明されただろう。
例えば、降ろした神によって魔法を習得するタイミングは変わるのだろうか?3における調査で、おそらく魔法習得の計算式はあっているだろうという手応えは一応感じるのだが、念のため、タイプごとに計算式にそう形で魔法を習得するのかどうか、調査してみたい。
調べ方としては、神降ろしをしないままレイのレベルを上げ続け、レイがレベルアップするごとに魔力を1ずつ上げる。そしてそのたびに女神アマテラス、大天使ガブリエル、地母神イシュタルをそれぞれ降ろしてみて、初期習得魔法の数を調べていく。
ちなみに初期ステータスのレイの各種数値を、習得計算式に当てはめると、「4.125」となり、どの神を降ろしても初期魔法数は4つになることを確認した。レイの能力が上がっていき、計算結果が変われば、おそらく初期習得魔法数もそれに応じて増えていくだろう。リセットを繰り返すことになるので非常に面倒だが、やっていくことにする。
調査の結果、魔法習得計算式の結果が4→5→6→7と増えるにしたがい、レイの初期魔法数も増えることが確認できることから、デビルサマナーの魔法習得計算式が真2と同じであることは間違いないだろう。また各タイプの初期魔法数にもバラつきがないことから、タイプによって魔法習得のタイミング(計算式)が変わるということもなさそうだ。つまり魔法習得の計算式は、3タイプ共通であることが分かった。
装備品の中には、知恵や魔力にアビリティボーナスをもたらすものがあり、またバーで飲めるドリンクには、例えばジン&ビンガラのように、魔力を一時的に増強するドリンクがある。これらのボーナスを得ていた場合、魔法習得の計算式にはボーナス分が含まれた上で習得の判定がなされるのだろうか?
いきなり結論を書くと、ない(下の実験を参考)。したがって魔法習得の計算式に参照されるのは、ボーナス分を含まない、レイの素のアビリティのみ、ということになる。
■レイのステータス:LV30、知恵10、魔力21、習得魔法数11個
これまでの調査とは違い、アマテラスを降ろしたレベル30のレイを使う。習得済みの魔法は11個(計算結果は11.375)で、魔法習得数の計算結果が12以上になったとき、マハ・ラギを習得するはずである。まずはレベルが30→31になったときに魔力を、31→32になったときに魔法とは関係のない力を伸ばし、本当にマハ・ラギを習得するかどうかを確かめる。なおこれはアビリティボーナスのあるアイテムを装備していない状態での調査。
魔法習得計算式で算出された数値がちょうど12になったところでマハ・ラギを習得したので、計算式が正常に機能しているということは確認した。そこで次に、ピクシーナイフ(魔力+3)と呪紙冑(知恵+1)をレイに装備させて、少しばかりのドーピングをしたのちにレベルを上げてみることにする。実験方法は実験1と同じく、レベル30のレイを使い、レベルアップ時に伸ばすアビリティも実験1と同じだ。
レイのレベルが31の時点ですでに習得計算の結果が12以上になっているにも関わらず、実際はマハ・ラギを習得できず、実験1と同じくレベル32になったときにマハ・ラギを習得した。このことから、装備品によるボーナスアビリティは魔法の習得には関係していないことが分かった。
次に、またしてもレベル30のレイを使い、バーでジン&ビンガラを飲まして魔力を+3ドーピングする。そしてこの状態でレベルが上がるとどうなるかを調べてみる。
レベルが30→31になったときに魔法習得の計算結果が12になるため、あえて魔法とは関係のない力を伸ばしてみたのだが……マハ・ラギを習得することはなかった。以上の実験から、装備品及びドリンクのアビリティボーナスは、魔法習得には関係しないことが確認できた。