「The End of Prayers」
- 作者:組実(くみ)
- 連載時期:2010年8月1日~2022年1月22日(※完結)
作品リンク
編集中
概要
組実(くみ)氏の初連載作。デジモン創作サロンの前身であるデジモンオリジナルストーリー掲示板NEXTの頃より連載を開始、令和に入って遂に足かけ13年の長期連載として完結の時を迎えた。お疲れ様でした。
特徴は何と言ってもタイトルや扉絵より想起される幻想的な雰囲気からはまるで真逆の苛烈な世界観設定と作品全体に漂う仄暗い雰囲気であろう。序盤のデジタルモンスターとの出会いと旅立ちなどは現実世界から巣立つ王道王道ファンタジーな空気といやこれ死地に旅立つ奴ではといきなり恐怖させる空気の相反する二つの要素を孕んでいる。
また続けてピックアップすべきは、そこから繋がる某悪魔の城にて空腹と不衛生な環境下で徐々に衰弱していく子供達の姿が克明に描写されているシーン。王道ファンタジーと言ったな、ありゃ嘘だ。
かつてデジモン達はデジタルワールドの各所で確かに活き活きとそれぞれの生命を謳歌していた(※過去形)ことと、現在のどこか背徳的で退廃的な空気感の落差。そんな世界を小学生の主人公達は進んでいく。明かされていく謎と過去は決して希望となるものだけではないけれど、それでも隣を進むパートナーデジモン達と共に。
そして程なくして別視点として投入されるもう一組、作者様の性癖が闇鍋の如くブチ込まれた彼女達の物語も彼らと合流したその時、きっと貴方は改めて感嘆の声を上げることになるはずだ。
また続けてピックアップすべきは、そこから繋がる某悪魔の城にて空腹と不衛生な環境下で徐々に衰弱していく子供達の姿が克明に描写されているシーン。
かつてデジモン達はデジタルワールドの各所で確かに活き活きとそれぞれの生命を謳歌していた(※過去形)ことと、現在のどこか背徳的で退廃的な空気感の落差。そんな世界を小学生の主人公達は進んでいく。明かされていく謎と過去は決して希望となるものだけではないけれど、それでも隣を進むパートナーデジモン達と共に。
そして程なくして別視点として投入されるもう一組、作者様の性癖が闇鍋の如くブチ込まれた彼女達の物語も彼らと合流したその時、きっと貴方は改めて感嘆の声を上げることになるはずだ。
あらすじ
黒い水。あるいは毒。
旅の中で訪れた在る村で天使様、ダルクモンから僕らは世界に迫る脅威を聞く。
程無くして迫るそれを前に僕らはどうしようもなくて。
仲間は死に絶え、村は地図から消え。
僕らの目の前で、ダルクモンは──
旅の中で訪れた在る村で天使様、ダルクモンから僕らは世界に迫る脅威を聞く。
程無くして迫るそれを前に僕らはどうしようもなくて。
仲間は死に絶え、村は地図から消え。
僕らの目の前で、ダルクモンは──
矢車蒼太と村崎花那は、ある夜に不思議な生き物と出会った。
異世界からやってきたというコロナモンとガルルモン、傷付いた彼らを救い、彼らと触れ合う中で二人の生活は変わっていく。人間とは明らかに違う彼らと出会い、語らう時間はとても温かなものだったけれど、同じように現れるモンスター達のことは何故か助けることはできず息絶えていく様を見せ付けられ、二人は少しずつ心身を消耗させていく。
異世界からやってきたというコロナモンとガルルモン、傷付いた彼らを救い、彼らと触れ合う中で二人の生活は変わっていく。人間とは明らかに違う彼らと出会い、語らう時間はとても温かなものだったけれど、同じように現れるモンスター達のことは何故か助けることはできず息絶えていく様を見せ付けられ、二人は少しずつ心身を消耗させていく。
そんな中、空一面に広がる燃えるようなオーロラ。
幻想的な光景の下、異世界より降り立つのもまた炎の色をした大量の悪魔達。
彼らの目的は──人間の子供。
幻想的な光景の下、異世界より降り立つのもまた炎の色をした大量の悪魔達。
彼らの目的は──人間の子供。
■■■■年七月■日。
謎の自動集団失踪事件。
謎の自動集団失踪事件。
これが何の始まりを意味するのか、二人と彼らはまだ知らなかった。
舞台
2015年前後の現実世界⇔黒い水という災厄に晒されるデジタルワールド
登場人物
- 矢車 蒼太(やぐるま そうた)
主人公その1。小学五年生。……小学生!? 他の皆もそうだが小学生をあんな目にイイイイイイイ。
クラスの内外に友人が多く休み時間や放課後はサッカーを楽しむなど明るい性格だが同時に責任感が強く優しい。それでもデジモン同士の命を奪い合う戦いの場においては委縮してしまう、普通の男の子である。
最初にコロナモンを抱き、手を繋いだ。
クラスの内外に友人が多く休み時間や放課後はサッカーを楽しむなど明るい性格だが同時に責任感が強く優しい。それでもデジモン同士の命を奪い合う戦いの場においては委縮してしまう、普通の男の子である。
最初にコロナモンを抱き、手を繋いだ。
- コロナモン(Va種/成長期)
ガルルモンと共に旅をしていたが、或る時立ち寄った村が筆舌に尽くし難い事態で壊滅したことで逃げるように人間の世界へとやってくる。相方に対して自分が成長期であることに少々コンプレックスを抱いていた様子もあったが、出会った人間、つまり蒼太を守りたいという思いが強く頼もしい。
- 村崎 花那(むらさき かな)
主人公その2。蒼太の幼馴染で小学五年生。
奔るのが得意で恐らく蒼太以上に元気で活発。一方で怖いものが苦手で幼少時にお化け屋敷で動けなくなったことがあるとか。ガルルモンに触れると何故かピリピリするらしい。
自転車の後ろに蒼太を乗せて走れる大した少女。あと多分描写的に蒼太より重い。
奔るのが得意で恐らく蒼太以上に元気で活発。一方で怖いものが苦手で幼少時にお化け屋敷で動けなくなったことがあるとか。ガルルモンに触れると何故かピリピリするらしい。
自転車の後ろに蒼太を乗せて走れる大した少女。
- ガルルモン(Va種/成熟期)
天使様──ダルクモンに仄かな感情を抱いていた全く青春してるなデジモン。そのダルクモンによって救われ、同時に心に傷を負わされたことで過剰な責任感に苛まれている節がある。そのためコロナモン、また蒼太と花那に対しても自分が守らなければと友人やパートナーという以上に保護者のような観点から見ていることが多い。
かなりの長期間、唯一の成熟期として奮闘させられる苦労人。
かなりの長期間、唯一の成熟期として奮闘させられる苦労人。
- 海棠 誠司(かいどう せいじ)
蒼太の友人で彼以上に快活でサッカー好き。恐竜などカッコいい生き物に憧れる男の子。
ユキアグモンを拾って共に過ごしていたが、ブギーモンに誘拐される。
ユキアグモンを拾って共に過ごしていたが、ブギーモンに誘拐される。
- ユキアグモン(Va種/成長期)
ぎー。誠司の好きなもの通りの姿をしたまさしく運命のパートナー。デジタルワールドよりリアライズした影響が声帯に出ているらしく、上手く喋ることができないでいる。
ユキアグモンという種族ながら何故かホーリーリングと呼ばれるものを腕に装着している。
ユキアグモンという種族ながら何故かホーリーリングと呼ばれるものを腕に装着している。
- 宮古 手鞠(みやこ てまり)
いきなりランドセルを同級生男子に隠されるという戦慄の初登場を果たした花那の友人。
つまりランドセルの方が本人よりだいぶ早く出ている。何故だ!!
図書委員の女の子で、夜の街で時折輝いている謎の光の情報を最初に花那に持ってきたのは彼女である。
挿絵も相俟って彼女がブギーモンに拉致されるシーンは序盤のハイライト、そして作品を漂う空気が一気に変わった瞬間として著名。
つまりランドセルの方が本人よりだいぶ早く出ている。何故だ!!
図書委員の女の子で、夜の街で時折輝いている謎の光の情報を最初に花那に持ってきたのは彼女である。
挿絵も相俟って彼女がブギーモンに拉致されるシーンは序盤のハイライト、そして作品を漂う空気が一気に変わった瞬間として著名。
- チューモン(Vi種/成長期)
テマリのパートナー。どう考えても敵の刺客のような登場だったが頼れる姉御。
極めて不衛生なフェレスモンの城にて現れ、仲間になると共に八面六臂の大活躍を見せる。それと同時に味方ではあるが作中のグロ要素も丹念に演出しながら旅を続けていくが、一行のパートナーの中で唯一のウィルス種であるという点が後々ポイントとなる。
極めて不衛生なフェレスモンの城にて現れ、仲間になると共に八面六臂の大活躍を見せる。
- 山吹 柚子(やまぶき ゆずこ)
蒼太達より一つ年上の六年生。手毬とは同じ図書委員のため顔見知りな眼鏡女子。パソコンが得意で最近街中に現れる謎の光(デジモン)の存在を都市伝説の一種として事前に収集していた。本人は目の前で手毬を拉致されてしまった経験と人知を超えた事態で混乱していたこともあり、自身を少々頼りなく考えてしまっているようだが、スキルと思考を鑑みるに丈先輩と光子郎を兼ね備えたハイブリッドガール感ある。
- ウィッチモン(Da種/成熟期)
ユズコのパートナー。真の主役、もしくは作中随一の苦労人。恐らく苦労し過ぎて胃にクレーターができている。
デジタルワールドとは別次元にあるウィッチェルニーのデジモン。初登場時点ではどう考えても敵の刺客のような雰囲気と口調であったが(この流れ多いな)、むしろ戦闘以外は何ができないんだ貴様と言いたくなるレベルの万能ぶりで一行をサポートする。
デジタルワールドとは別次元にあるウィッチェルニーのデジモン。初登場時点ではどう考えても敵の刺客のような雰囲気と口調であったが
- 春風みちる(はるかぜ ―)
- ワトソンくん(―)
コロナモンやガルルモンと出会った廃墟の傍に現れたみちる、後に合流したワトソンくんという謎の二人組。年齢は間違いなく年上のはずだが二人揃って掴み所が無い人物達で、如何にも味方のようなツラをしているが、コイツらどう考えても敵の刺客で絶対寝返るだろ。実は何気に蒼太や花那に先んじて一人称視点の語り部を貰っている大した奴ら。主に柚子&ウィッチモンのサポートに回るが……?
マイペースでノリ良く明るく馴れ馴れしい少女がみちる。
どこか事務的に感じるぐらい淡々としている少年がワトソンくん(本名ははるか)。あれ? 実はこっちもマイペースだな?
マイペースでノリ良く明るく馴れ馴れしい少女がみちる。
どこか事務的に感じるぐらい淡々としている少年がワトソンくん(本名ははるか)。
- カノン(―)
上記の一行とは別の流れでデジタルワールド(?)を訪れた(恐らく)女子中学生。
地の文で“美しい”と明言されるセーラー服の美少女。人形のような顔立ちと白い肌、口数の少なさはどこか神秘的であり非現実的でもある。別パートにて主役を務め、下記の黒い男と行動を共にすることになるが、彼女の現実を逸脱した雰囲気が本筋とはまた違った不可思議な空気感を醸し出している。
現実世界での居住地は、蒼太や花那の住む町から徒歩三時間はかかる場所らしい。でもみちるの言うことだから本当かは不明。
地の文で“美しい”と明言されるセーラー服の美少女。人形のような顔立ちと白い肌、口数の少なさはどこか神秘的であり非現実的でもある。別パートにて主役を務め、下記の黒い男と行動を共にすることになるが、彼女の現実を逸脱した雰囲気が本筋とはまた違った不可思議な空気感を醸し出している。
現実世界での居住地は、蒼太や花那の住む町から徒歩三時間はかかる場所らしい。
- 黒い男(詳細不明)
デジタルワールド(?)に巻き込まれたカノンと出会った、文字通り黒い男としか呼べない存在。ドボドボと毒を吐き出す漆黒の痩躯が印象的。
その正体はバレバレである気がしないでもない。本作の退廃的・背徳的な雰囲気はほぼ9割を彼とカノンのパートより創出されている。
その正体はバレバレである気がしないでもない。本作の退廃的・背徳的な雰囲気はほぼ9割を彼とカノンのパートより創出されている。
- ブギーモン(Vi種/成熟期)
真の主役。作品の空気を一変させた名悪役で、大量に現れた同種族の中の一体。
元々はデジタルワールドで居城を構えるフェレスモンの部下。オーロラ出現時に大量の同族と共に飛来、子供達を攫う中で蒼太と花那に遭遇、駆け付けたガルルモンとコロナモンにやたらエグい描写で打ち倒されて捕虜となる。以降は手足を拘束された状態でみちる&ワトソンくん宅に軟禁され、情報を聞き出されたり必要とあれば軽く働かされたりで波乱の人生を送る羽目になる。
やろうとしたことは悪行とはいえ、彼が拘束されて利用されたのはその前にガルルモンとコロナモンに敗れた同族がペラペラと語り過ぎてしまった故なので、ある意味で被害者なのかもしれない。
元々はデジタルワールドで居城を構えるフェレスモンの部下。オーロラ出現時に大量の同族と共に飛来、子供達を攫う中で蒼太と花那に遭遇、駆け付けたガルルモンとコロナモンにやたらエグい描写で打ち倒されて捕虜となる。以降は手足を拘束された状態でみちる&ワトソンくん宅に軟禁され、情報を聞き出されたり必要とあれば軽く働かされたりで波乱の人生を送る羽目になる。
やろうとしたことは悪行とはいえ、彼が拘束されて利用されたのはその前にガルルモンとコロナモンに敗れた同族がペラペラと語り過ぎてしまった故なので、ある意味で被害者なのかもしれない。
用語
- 黒い水
作中では毒とも呼称される。ダルクモン(あるいは彼女の中の『私』)が存在を知っていた為、遠い昔から知られた災厄ではあるらしい。
デジタルワールドを覆う災害であり、本作を文字通りどこか毒々しい雰囲気に陥らせている元凶。成長期や成熟期を問答無用で害するものであるのみならず、ウィルス種に関してはたとえ究極体であろうと影響は免れない。これの影響で肉体的にも精神的にも破壊されてドロドロに崩れていく村のデジモン達の姿は容易くトラウマを植え付けるエグさがある。
同時に物語上の印象的なギミックとしても印象的に作用し、特に黒い男とアスタモンの戦闘ではその陰鬱かつ禍々しい世界の中でこその鮮烈な光景を演出する。
デジタルワールドを覆う災害であり、本作を文字通りどこか毒々しい雰囲気に陥らせている元凶。成長期や成熟期を問答無用で害するものであるのみならず、ウィルス種に関してはたとえ究極体であろうと影響は免れない。これの影響で肉体的にも精神的にも破壊されてドロドロに崩れていく村のデジモン達の姿は容易くトラウマを植え付けるエグさがある。
同時に物語上の印象的なギミックとしても印象的に作用し、特に黒い男とアスタモンの戦闘ではその陰鬱かつ禍々しい世界の中でこその鮮烈な光景を演出する。