邂逅 -石動美空-


「ど、どいてどいてー!!」

叫び声が聞こえて振り返ったら、女の子が突っ込んできた。
どんがらがっしゃーん、と騒々しく響き渡る衝突音。

「いたたた……ご、ごめんなさい……ってゆーか! なに突っ立ってんのよ! 邪魔でしょ!」

しおらしそうに見えたのは気のせいだったのか、やにわに威勢の良いこの子は、石動美空さん。
ネットアイドルをしているらしく、愛嬌のあるルックスだ。
カフェの制服がよく似合っている。

「ちょっと、なんとか言いなさ……!? ヒッ!」

急に顔色を失ったのでどうしたのかと思えば、私の腕が取れていた。
石動さん元気いいから、しょうがないよね。

「あ、あ……ご、ごめ……」

大丈夫だよ。イリーナにくっつけてもらうから。

「ほんとに……?」

ほんとほんと。

「よ、よかった……じゃなくて! ふん、心配して損したわ!」

えへへ、ごめん。それより急いでるんだよね? ライブ?

「そうよ! あたしのファンが待ってるんだから! あんたも大丈夫なら観てよね!」

うん! ばいばーい。


最終更新:2018年08月14日 11:10