邂逅 -根原啓子-


「ふふっ、式ちゃんたら楽しそう」

カウンターの前にあるテーブルで、頬杖をついていた女の子が微笑む。
玲瓏な雰囲気を醸し出しているのは根原啓子さん。彼女も図書委員らしいが、私が図書室に来たときはいつも字が多くて難しそうな本を読んでいる。

「私もあなたに合う本を探してくるわ」

そう言うと席を立って、武原さんを追った。
二人はいつも一緒。
見た目通り華奢な体に、似つかわしくないほど豪奢な錫杖を引っさげて、彼女は軽やかに駆けていく。


最終更新:2018年08月14日 11:11