「…………」
眠り姫。いまはその呼び名がふさわしいのかもしれない。
裸繰埜命心咲白雪。雪のように白い肌、黒檀のように黒い髪、血潮のように赤い唇をもつ彼女は、本来ならば白雪姫と称されるらしい。
しかし、いまはただ眼を閉じる。
保健室のベッドの上で、生命維持装置に繋がれて。
イリーナいわく、彼女の持つ能力は奥深く、俄かには理解し難いという。
だから栄養剤を提供する代わりに、いろいろと研究させてもらっているらしい。
白い犬が彼女の顔を覗きこんでいる。
来たる闘争の中で、覚醒のときを迎えるのだろうか。
いまはまだ、ばいばーい。
了
最終更新:2018年08月14日 11:14