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ファーストインプレッション
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その乗り味は?
「ロードスター」の名の通り、その乗り味は軽快です。もちろん600ccのSSのような車体全体が羽根のように軽い感じとは異なりますが、R1200Rに合った操作を施すと、見た目からは想像つかないような軽い身のこなしを披露します。その軽快さを演出しているのは2気筒の空冷ボクサーエンジンです。ぱっと見てわかるように、大きなシリンダーが左右から飛び出しておりますが、通常のパラレルエンジンと比べると、重いエンジンシリンダーとシリンダーヘッドが地面に近い位置にあることが一目瞭然です。つまり重心位置が低いわけです。そのため基本的にはどっしりとした安定感に包まれながらも、コーナリング時、その低い重心位置を中心に「パタン」と素早く倒れこむ感覚を得ることができます。小難しく表現すると、車体リーンのロール軸が非常に低い位置にある、ということですね。
私がディーラのR1200Rに試乗した際、ある場面で、左右にすばやく切り返さなければならないことがありました。まっすぐに走っている状態ではそのどっしりとした安定感ばかりを感じていたため、1200ccの車体を素早く切り返すために一気にステップに荷重しました。するとこれまで体験したことの無いようなすさまじい早さでバイクがリーンし、低速だったこともあって、バイクが突然グリッ!と向きを変え、あやうく転倒しそうになってしまいました。これまでのバイク経験からはありえない動きだったのです!
安定と軽快がまさに同居している面白い性格を演出しているのがボクサーエンジンなのです。
そしてさらに特徴的なことはそのハンドリングでしょうか。はっきりいって私もまだ探索中なのですが、最近のフロント重視のバイクの乗り方ではイマイチ曲がりませんでした。体重をフロント側に預けて腰をイン側にずらせて・・・よりも、リーンウィズかそれに近い体勢のままステップとシートにしっかりと荷重し、リアタイヤ中心にコーナリングするといいようです。
それにしてもBMWは面白いバイクです。私自身の話をしますと、峠を駆け抜ける速度は、だんぜんSSに乗った場合の方が速いのですが、気持ちよさという点ではBMWの方が上です。というより気持ちよさの種類が違うのかもしれません。高回転型パラレルエンジンだとアドレナリン全開的な刺激的なコーナリング、ボクサーだと安心感に包まれた空を飛ぶようなコーナリング、みたいな感じ。一言で言うとスタビリティが高い、ということなのでしょうが、4輪のBMWにも通じるメーカの味なのではないかな、と個人的には思っています。
さてエンジンです。
まず音ですが、私的には、バイクらしくない音だなぁ、というのが感想。ドカやハーレーみたいに迫力があるわけでもない、日本製マルチみたいに高回転型っぽい音を発するわけでもない。なんだか乗用車みたいな音がします。迫力あるツインエンジンの音を期待するとあっさり裏切られますね。純正のアクラポビッチ(純正で無くてもいいのですが)をつけると、重低音で良い、とは聞きますが、どうなんでしょうか。まぁあまり音を楽しむバイクではないですね。
音が乗用車的である意味軽やかな一方、その回転フィーリングはどうかというと、やっぱり乗用車的。ビュンビュンでもドルンドルンでもないです。普通にシレッとまわってます、って感じ。まぁでも軽やかかもしれません。大排気量ツインですが安心して操れる感じです。怖くないです。
でもつまんないかというとそういうことではなくて、大排気量ツインのトルクでコーナリングしていくのはとっても気持ちいいです。しかも際どい感じも無く。
Uターンについては、これまで乗ってきた大排気量車の中では一番やりやすいですね。これは重心バランスのおかげだと思いますが、エンジンについては、1速アイドリング時ボコボコッと不安定な回り方をするため、半クラをあててやっています。
最後にタンデムについては「とてもいい」と言えますね。タンデムライダー曰く「安定感を感じる」とのこと。惜しいのは、トップケースを装着しない仕様の場合、タンデムライダーがつかまるグラブバーが無い、という点です。トップケースを装着するアダプタはグラブバーが一体化されているのでいいのですが、私はR1200Rのテールの造形を隠したくないのでサイドパニアしか装着していません。そうするとつかまるところがないので、それをカバーするために、身体にタンデムベルトを装着しています。
さて、乗り味についてまとめますと、スタビリティの高い極めて高級車的な乗り味と言えるでしょうか。
安全に「駆け抜ける喜び」を味わってください、ってのがBMWのメッセージなのでしょう。やっぱり。
安全に「駆け抜ける喜び」を味わってください、ってのがBMWのメッセージなのでしょう。やっぱり。