第2ラウンドSS・古城その1

~1~

シリー城。

インド、デリー東北部シリーに位置する名城。
自らを「第二のアレクサンドロス大王(スィカンダル・サーニー)」と称した偉大なるスルターン、ハルジー朝のアラー・ウッディーン・ムハンマド・シャーがモンゴル軍の猛攻からデリーを守るために築き上げた鉄壁の城塞の一つである。

(ちなみに‟スィカンダル“を‟シリィカンダス”と読めるのはあながち筆者の勘違いとは言えないはずだ、尻を完全に出す。アレクサンドロスのアレとは正に尻の事でありそれを三度も出したという逸話からその名を名乗ったいう自説をも含めて筆者は力説したい!ああヒストリエ!世界史にも詳しくなる!)

内政においてはトルコ系国家からムスリム帝国への転換を成し遂げ。
文化事業も推奨し美しき建造物を残し。
自ら軍を率いて連戦連勝の偉大なるアラー・ウッディーン。

遠征中、デリーを包囲した12万のモンゴル軍によって援軍と食料を断たれたスルターンがこの地に城を築き、後に見事デリーを奪還したと言われている。

出リーの尻ー城。

今この名城に、輝ける尻を出すものが二人!!

見事なるプリ尻を持つ男、尻手翔。
芸術的な形の尻を持つ女、露出卿。

ともに頭も隠さず尻も隠さず!
恥じ入ることなき肉体美を晒している!

正にこの二人が戦うに相応しい場所と言えるだろう!!

~2~

パァン!

「おお、現状は朽ちているはずである古の名城をここまで再現するとは、流石VRと言った所かな」

城壁の上から壮大なる城を見上げ美しき露出卿は感嘆の声を上げた。
城塞都市を吹き抜ける爽やかな風で卿の豊満な胸はわずかに揺れたが、鍛え上げられた形の良い尻は微動だにしなかった。

「全くだぜ、スパンキングの世界三大聖地シリーで戦えるなんざ。光栄の極みだ」

スパァァン!

と軽快な音が城市に鳴り響いた。
翔が自らのケツを叩いて気合いを入れたのだ。

尻手翔の魔人能力『ラスト・スパンKING(最後のケツ叩き王)』は。
自らの尻に攻撃を受ければ受けるほどに自らの身体能力が高まる強化能力。
これは自らのケツ叩きでは効果を発揮する事は無い。

では何故に翔はこのような事をしたのか。
これは即ち一流のスパンキストが一流のスパンキストに対して敬意を表する礼法であるのだ。

「ロシュアっていやあ、スパンキング世界でも強豪国だ、そしてそのケツ。タダ者じゃねえだろ姉さん」
「ふむ…スパンキングか、懐かしい。ロシュアは雪国であるからな。子供たちは寒さを凌ぐ為に尻を叩き、体を温めたものだ。吾輩もまたそうである」
「へへっ、なるほど子供の頃からスパンキングか。それに比べりゃ日本なんてのはスパンキング後進国と言われても仕方ねえなあ」

露出卿が微笑み、また翔も笑った。

お互いに強者である事を認めた者同士の戦いの前の一時の安らかな交流。

「何を言うか、国など関係あるまい。君が世界で活躍すれば。いずれ日本中の子供がケツ叩きに興じるようになるさ」
「なるほどなあ、そりゃあ負けるワケにはいかねえな」
「で、あろう?」
「だがよ」

と翔が笑う。
だが、それは今までの穏やかな笑みではない。
戦いに生きる者が、それを目の前にした歓喜の笑みだ。

「違うというのか?」
「負けるワケにはいかないってのは、違わないさ。ああ、後進を育てるのも悪くねえよ。でもな、そりゃあもっと年くってからでも遅くはねえだろ?そうじゃねえんだ、負けられねえんじゃねえ。勝つ為に戦うのさ。俺がアンタにな、露出卿」

グッと翔の尻に力が籠められる。
逞しくそしてプリ尻!
しかして引き締まった尻がその美しさを増す。

「いや、元世界スパンキング大会優勝者、“凍結(トウケツ)”のアンナ・ハダカレーニナ!!」
「懐かしい傑名(ケツメイ)だ。よもやその名を知る者が居るとは、その名を出されては引くことはかなわぬ」

スパパパパァァァン!!

露出卿が自らの尻を叩く美しき旋律が風を渡って青空に響いた。

「だが、この戦いはスパンキングではない、吾輩の剣と拳を持って応じるが、良いか?」

スパンスパパァァン!!

「無論それで構わねえさ!」

パパンパァァン!!

突然だが。
うるさいと思われた方もいるかもしれない。

シリー城は楕円形の内部城壁は東西200m、南北100mに囲まれている。
また露出卿と尻手翔の立つ外部城壁は東西600m、南北400mにも及ぶ城塞都市である。
風の流れや自然の音もあるだろう。
その対角から通常の音量では会話の成立は難しい。

賢明な読者諸兄は当然お気付きである事は承知の上である。
だが、もしかしたらスパンキングと無縁の人生を歩まれた方もいるかもしれないと思い、会話の途中であるが解説を入れさせていただく。
誰もが尻叩きを常識としているわけではない、知っている方々は彼らを無知と笑わず、知らぬ方もまた恥じることはありません。

つまり今まで彼らは一言も声を発してはいないのだ。
ただ音だけだと意味が解らないので翻訳してあるのである。
ただケツを叩く音だけで会話をしていた、無言の戦士たちの会話。

スパンキスト達にはケツドラムでその意思を通じるというモールスパンキング信号と呼ばれる技術がある。
彼らには言葉は必要ない、とまではいかないが、スパンキングで通じる意思もあるのである。

「これより此処はシリ山ケツ河の戦舞台!」
「俺の傑名!尻手”スパンキング”翔!」
「懐かしき吾輩の傑名!“凍結(トウケツ)”のアンナ!a.k.a.露出卿!」
(a.k.a.はalso known assの略であり。“またのケツは”の意味。“またの名は”という意味のalso known asとは綴りが違うので英語のテストでは注意されたし)

「英傑豪傑(エイケツゴウケツ)、尻パン勝負!!」
「勝負、ノータイトル!欠番!」
「いざ!」
「尋常に!」
「「決闘(ケツトウ)!!」」

スッパァァァァァン!!

尻が叩かれる音と同時に二人は走り出した。

~3~

尻手翔は動物好きの子供だった。
父親に連れられて動物園や競馬場に行くのを楽しみにしている、そんな純粋な子供だった。

「ねえ、パパ」
「なんだい?翔」

ある日、競馬場で翔は父親に尋ねた。
父親は別にギャンブル好きというわけではない、ごく普通の動物好きの父親だったので

(競馬の細かいルールを聞かれるとちょっとわからないぞう、困ったな)

と思いつつ息子の疑問には応えたいと考えた。

「パパ、おうまさんね。おしりをね、たたかれてね、かわいそう」

幼い翔はレース中に鞭を入れられる馬を見て悲しそうな顔をした。

(ああ、なんて可愛いんだ。)
(俺の息子は天使か?)

と父親は思いつつ返事をする。

「翔、よく見てごらん。あれはね、お馬さんを虐めているんじゃないんだよ」
「でも、おしりぺんぺんするのは悪い子にすることでしょ?」

(ぬわー、かわいい!)
(素直!なんて素直な子なんだ!)
(流石は俺と妻の子、イコール神だ!)

「違うんだよ、翔。あれはお馬さんに言葉を伝えているんだ」
「ことば?」
「そうさ、お馬さんに頑張れ、頑張れって言っているのさ」
「がんばえ?」

(可愛すぎじゃね?)
(俺の息子可愛すぎじゃね?)

「そうさ、だからお馬さんも頑張って走るんだよ」
「ほかのひとに、おしりをたたかれると、おうまさんはがんばうの?」
「そうだよ、翔。それでお馬さんは強く速く走るんだ」
「おしりを、たたかれると、つよくなう!」

泣き顔だった翔は、ニッコリと満面の笑みを浮かべた。

(ああ、目をキラキラさせている!)
(俺は今、息子の期待に応えた最高の回答をしたぞ!)

この時、尻手翔は魔人として覚醒した。
即ち、他人に尻を叩かれると強くなる。

『ラスト・スパンKING(最後のケツ叩き王)』の誕生である。

~4~

シリー城壁は長大であり全力で走っても接触まで少し時間がかかる。

「卿、どう攻められますか?何か情報が必要ですか?」

VR空間外からでも自分の自撮り露出映像を送り付けられる『匿名露出自撮り生放送コメント付き(アカバンガール)』で少女は露出卿をサポートする。

「ふむ、とりあえず城内の見取り図を、使うかどうかはわからぬが、構造の強度計算はできる範囲で行っておいてくれたまえ」
「わかりました、卿。尻手翔はこのまま接触するのでしょうか?」
「どこかで、スパンキングを摂取したいところであろうな、彼のスパンキングは受けのスパンキングだ」
「なるほど、つまりスパンキング翔は“受け”!!」
「いやァ?妙に食いつくね?」
「普段は割と自信家で体も逞しいのに“受け”!」
「ん、まあ受けは相当の者であるが」
「まさかの“総受け”!」
「う、うむ。だが能力前提とはいえ攻めも中々侮れぬ」
「リバありですか?ゴメ×スパからのスパ×ゴメとかも?」
「落ち着きなさい!」
「はっ…?も、もうしわけございません、少し興奮しました」
「まあ、かまわんさ。君とのそういう会話は戦いの中に余裕をくれる」
「はい、卿」

少女は嬉しそうに答えた、半裸で。
『匿名露出自撮り生放送コメント付き(アカバンガール)』は露出中でないと使えないのだ。

「スパンキング翔の受けの技術は脅威だ、現在のスポーツスパンキングは音や動きを重視するが、彼は古流の尻武であろう。剛ではなく柔。あの防御はそう崩せるものではない。だが攻めはどうか、と言われるとやはり柔。どこかでスパンキングを補充しなければ攻め手に欠けよう」
「では、どうするつもりでしょうね」

その時、城壁外で鬨の声が上がった。

「しまった!」
「如何なされました、卿」
「そうか、なぜ現在の朽ちた古城ではなく、全盛期のシリー城であったのか、という事だ」
「戦争中ということですか?」
「そうだ、モンゴル軍だ!」

スパンキング翔が城外のモンゴル軍へと飛び込んだ。

~5~

時にモンゴル帝国は強大であった。
チンギス・ハンが打ち立てた大モンゴルはいくつかに別れ、ヨーロッパにも押し寄せようとする勢いである。
当時、インドに攻め立こんでいたのはチャガタイ・ハン国のモンゴル軍。

モンゴル、その主力は2つ!
縦横無尽の機動力で悪魔と恐れられた勇猛果敢なモンゴル騎兵!
一糸乱れぬ統率の無敵の肉壁、モンゴル相撲部隊!

「ド・スコーイ!」

密集する肉壁の間を翔は尻を振りながらすり抜けるように走る。
モンゴルオスモウ軍団の張り手が翔の尻をスパンキングしていくのだ。

スパパパパパパパパパァン!

「効いてきたぜ、良いスパンキングだ」

くるりと翔が尻を回転させると、モンゴルオスモウ軍団が薙ぎ払われる。

「よし、いい感じに温まってきたな」

スパンキング翔は城壁へと飛び上がる。

城門が開かれ、戦列の崩れたモンゴル軍に対してスルターンの軍勢が突撃を行っていくのをちらりと振り返りスパンキング翔は目の前の露出卿へと尻を向けた。

「よ、待たせたな」
「待たせただけあって見事に仕上がったな、その尻は」

ゆらりと翔の尻が揺れ。
露出卿の剣が抜き放たれる。

スパァン!

両者のケツが叩かれ死闘が始まった。

~6~

露出卿が中段から放つ突きを翔は尻で受ける。
素早くバックステップし露出卿が後退する。
露出卿の足が触れた城壁のレンガが僅かに浮き上がるとそれを翔へと蹴り飛ばした。
一弾、二弾、三弾。

これが露出卿の魔人能力『高速5センチメートル』。
触れた物を5cm動かす能力である。

対する翔の尻が円を描くように回りレンガをプリンと受け止める。

「ファンタスティックだな、それが尻文字というものかい?」
「ああ、日本が誇るケツアートさ」

露出卿が剣を収める。

「この剣では受けきられるか、流石の受けだ。手を変えるしかないな」
「剣じゃなきゃOKとは言わないぜ?」

タッ!

言葉を発すると同時に僅か一歩で翔が間合いを詰める。
そして尻が高速で振動している。

「むうっ!」

トン…。

露出卿が翔の尻に触れ『高速5センチメートル』で受け流す。

が、しかし。

ボウッ!!

露出卿の腕が炎に包まれる。

「ぐむッ」
「わりぃな、ケツに火がついちまってね」

高速振動による摩擦熱による発火!

「これでフィニッシュだ!」

ボウン!!

尻手翔の尻から屁が放たれる。
屁の成分はメタンガス!発火性は十分!

燃え上がる炎にスパンキング翔の屁が引火した。

~7~

『高速5センチメートル』

だが屁が放たれる一瞬!
露出卿が翔を再び能力で引き寄せる。

尻穴をふさがれ屁は不完全に終わる。
しかし火炎放射とはいかないが漏れ出た屁に引火し炎が吹き上がる

「あちぃ!」
「自らの炎は吸収できないようだな」

自らの腕も燃やしながら露出卿が言い放つ。

「アンタ、熱くないのかよ!」
「もちろん熱い、だが吾輩は暑さ寒さに多少の耐性があってね」

極寒のロシュアで生まれ灼熱のメキシコすら全裸で歩く露出卿の耐熱性は人間のそれを超えている。

「暑さ寒さってレベルじゃねえだろうがよ!」

翔はプリケツを弾ませ離脱を測ろうとするが露出卿はすかさず能力を使って引き寄せる。
露出卿の左手が吸い付くように翔のケツを離さない!
全裸の女性が左手を前に突き出し巨漢の男のケツを掴んで持ち上げている構図はかなりの異様であった。

「さっきの自爆は防げなかったが、これ以上はアンタの攻撃と同じだぜ」

『ラスト・スパンKING(最後のケツ叩き王)』によって翔の身体能力はさらに強化されていく。

「くらえッ!!」

翔が強化された脚力で蹴りを繰り出す。

「甘いなッ!」

露出卿がそれを受け流す。
露出卿の左腕を起点としてスパンキング翔がくるりと仰向けに回転する。

「全ての武術は地に足を付けてこそ、その威力を十全とする。いかに筋力に優れようとケツを掴まれた状態の君の攻撃は意味をなさぬ」

炎によってスパンキング翔の服が燃え全裸となった。
全裸の巨漢の引きしまった肉体を全裸の美女がケツを掴んで持ち上げている。
仰向けなのですべて丸見えだ。

当然であるがスパンキング翔も若い男なので美女が全裸で目の前にいればナニがナニしているがここでは詳しくは語らない。

「あちぃ!」
「その程度では死にはすまい。常に自分の方に引き寄せるのは、それなりに苦労するが」

ブン!
と露出卿が腕を振る城壁に翔が叩きつけられる。

「がはっ!」
「肉体が強化されているだけあって尻以外でもダメージは軽減される、ここから吾輩が攻める手もまた少ないな」

もみもみ、と露出卿が翔のケツを揉んだ。

「何をしやがるんだよ!」
「なるほど、尻を揉まれたことはあまりないか…」
「ねーよ!」
「君に足りないのは、それだな」

どさり、と翔が落下する。
露出卿が能力を解除したのだ。

「君のとってスパンキングは敵からの攻撃を受け止めるのみ!それは他者を拒絶するスパンキングだ」
「な、なんだって?」

露出卿が自らの尻を叩く。

キィィン。

まるでガラスを叩くような透明な音が鳴り響いた。

「ケツは静かであって氷の如し、激しく叩いて火の如し、尻は叩くだけにあらず」
「“凍結”のアンナ…アンタ」
「君がスパンキングの未来を望むなら、今一度見せてみよ、その尻技を!」

露出卿が剣を抜く。

「吾輩の剣がそれに応えようぞ!」

翔は自らの尻を触る。
肉体強化によって堅く強化されたプリケツ。
そっと、翔は自らの尻を揉んだ。

(翔、良い子ね)

母親の声が聞こえた気がした。
幼いころ、汗でかぶれない様に優しくベビーパウダーを尻に塗ってくれた母親の記憶が蘇る。

(そうか、叩くだけじゃない、攻撃だけが他者との繋がりじゃないって事か)

「ははッ!愛って奴が俺の尻には足りなかったようだな」

明るく笑ってスパンキング翔は尻を露出卿に向ける。

「だが、この戦いの決着は必要ってわけだ」

翔が尻を撫でるようにさする。

ぽろろん♪

まるで、空を行く鳥のさえずりの様な。
風が揺らす木立のざわめきの様な。

優しい旋律が奏でられた。

「行くぞ!」

露出卿が走り出す。

「おうよ!」

スパンキング翔がケツを回転させる。

「愛とは星!愛を尻!尻を愛す!尻地球(シリ・アース)!!」

地球の自転に匹敵する回転速度でスパンキング翔が迫る。
その回転からは愛を叫ぶ音が聞こえたのかもしれない。

「セヤァァッ!!」

露出卿が右手の剣を引き、左手で能力を使い回転をずらす!
翔はそのまま城門に叩きつけられた。

「ぐむッ!!」

露出卿の左腕が回転圧によって引き裂かれる。
スパンキング翔の回転は城門を崩し止まる。

「君の本来の尻は柔の尻、しかし今の君の尻は硬すぎる剛の尻!ゆえに!」

突き出された剣が露出卿の手の中でさらに5cm加速する。
神速の突きがスパンキング翔のケツに突き刺さる。

ピキ…。

翔の尻に亀裂が入る。

「本来ならば柔らかく受け止められる攻撃を防ぐことができなくなったのだ」
「強化が過ぎちまったって事か」
「ああ、だが。君の尻が奏でる旋律は私には出せぬ音、スパンキングの尻前は君の方が上だった。見事だよ尻手“スパンキング”翔」

パッキィーン!!

極限まで硬化されたスパンキング翔の尻が砕け散った。

「そりゃ、どうも。素直にうれしいぜ、元チャンプ」

亀裂が全身に及び、スパンキング翔は砕け崩れ落ちた。

勝者、露出卿。

~8~

「卿、音楽はお得意なのですか?」
「うむ。子供の頃はピアノを習っていたな」

キィン。
露出卿が自分の尻をつまはじき音色を奏でる

「へぇー、凄く綺麗な音が出るんですね」
「スパンキング世界大会は見た目の美しさ、奏でる旋律、動きの美しさ、そして武術の腕前などなど、尻十種とよばれる種目の総合点で争われるのだ。それにしても、来年の世界大会が楽しみだ」
「翔さんは優勝できるんですか?」
「わからぬ、だが十ケツ衆の上位独占は防がれることになるだろうな」
「ぜひ見に行きましょうね」
「ふむ、時間が合えばな」

少女は楽し気にお茶の用意を始める。

「さて、次はどのような強敵が待ち受けておるのか。楽しみである」

おしまい
最終更新:2017年11月05日 01:30