戦場がコストコだったのはゴメスにとって幸運だった。
日本最大の世大佐を誇るコストコならばゴメスパロボの巨体でも自由に動ける。
ゴメスパロボが使えるのならば手品師如きに負けるはずが無い。そのはずだった。
ステッキに仕込まれたパイルバンカーがゴメスパロボの足に穴をあける。
「チッ、今度はそっちからか!くそったれが!」
対戦相手の事を甘く見ていた。ゴメスパロボのダメージが深刻なものになった頃、ゴメスはようやく気付く。
数秒間意識を誘導される能力、それはつまり向うの攻撃が来るまで無防備になる事に等しい。
ゴメスにできる事はナズナの攻撃を受けた後、相手が姿を消すまでに一撃を入れる事だ。
だが、それができない。ナズナはコストコの広さと障害物を利用して、ゴメスが反応するより先に逃げてしまう。
ゴメスカッドミサイルやゴメスメルで広範囲を攻撃する事も試みたが、これもまた見事に誘導されてしまい、
ナズナの居る場所とは反対側に全弾撃ちつくしてしまっている。
露出卿と同タイプの能力なら対応できると思っていたゴメスだったが、能力の厄介さだけならこちらの方が遥かに上だ。
「おーい手品の姉ちゃん!こんなチマチマした攻撃ばっかりして楽しいのかよ?
こんなんじゃあロシュアの戦士は痛くもかゆくもねえんだぜ!てめーなんかより露出卿の方がずーっと強かったぜ!」
挑発すれど返事は無い。その代わりに近くの棚から缶詰が一つ転がり落ちた。
(あ、モモ缶だ。そーいや今日はまだゴメスイーツ食ってねえなあ)
などと呑気に考えているとゴメスパロボの右足首、人間で言うアキレス腱の辺りをステッキが貫通する。
「おいこらテメェ!よくもやってくれたなあ!」
振り返れど姿は見えず。またもやナズナの術にかかってしまったゴメス。
もう原理とかパターンとか大体わかってきているのだがそれでもかかってしまうのが恐ろしい所である。
「何か手はねえのか・・・何か・・・ナニか・・・」
ゴメスは自分の持つ戦力を、自分が何をできるかを今一度思い返していた。
「取りあえず今日のゴメスイーツカモン」
ゴメスイーツのボタンを押す。引き出しからゴメスイートポテトと爪楊枝が出て来た。
(ゴ・メ・ス)
「もうすぐ・・・もうすぐ・・・そのはずよね」
一方的に攻撃を仕掛けているナズナもまた消耗していた。
ゴメスパロボをチクチク攻撃し、イラついたゴメスが操縦を誤って自滅というのが当初のプランだった、
だが露出卿との戦いで学習したのか、思考誘導によって見当違いの方向を向いたり何もない所を空振りする事はあっても
致命的な操作ミスはここまで一度もなかった。
「早くその鉄屑から出てきなさいよ」
もう何度も攻撃を成功させてきた。それはつまり、何度も攻撃の為の動作を繰り返したという事。
棚の間を飛び回った足は痛み、ステッキを持つ右手からは握力が失われていく。
自分の攻撃力と持久力の不足(ゴメスパロボと比べての話である)を痛感していたその時、ゴメス側に動きがあった。
「もう我慢ならねえ!そっちが足元ばっかり攻撃するってんなら、こっちはこうだ!ゴメスタンプ!」
ゴメスーンゴメスーンと音を立てて、ゴメスパロボが少しずつ前進しながらスタンプ連打。
一撃ごとにゴメスパロボの足に空いた穴から蒸気が漏れる。
「自滅行動キター!」
ナズナは小声でガッツポーズ。このままいけば数分でゴメスパロボは足元から崩壊するのは明白である。
ゴメスパロボが倒れ操縦席からゴメスが這い出て来た時に即座に決着をつける為に距離を詰める。
ゴメスに気付かれぬ様に棚の影から覗き込むと、正にゴメスパロボがバランスを崩し倒れる瞬間だった。
右向きに倒れるゴメスパロボ、響き渡る衝突音、倒れれも尚ゴメスタンプのモーションを繰り返すゴメスパロボ。
「これで直接ぶっ刺す事ができるわね」
ナズナは地面まで落ちて来た操縦席にステッキを突き立てる。
「ハイ、さようなら・・・あら?」
が、そこにゴメスはいなかった。
無人の操縦席、そこにはファミコンのそれを模したふざけたデザインののコントローラー。
コントローラーのボタンの一つと十字キーには爪楊枝が刺さっていた。
「オイッス~」
背後から男の声。恐る恐る振り返るナズナ。
「は・・・はうあ!」」
(ゴ・メ・ス)
ゴメスは全裸でそこに立っていた。全裸自体はおかしくはない。ゴメスはメキシコ人、ロシュア領土の人間である。
しかしsの様子が一回戦の時と明らかに違っていた。
顔は斜め上を向き、白目を剥き、青ざめた表情。体全体が小刻みに震えている。
その異様さにナズナは動けなかった。マジックを見守る観客の様に、ゴメスが次に何をするかを見守ってしまっていた。
「ゴメ・・・スクワット」
プルプル震えながらゴメスはゆっくりとスクワットを始めた。
身体を上下に揺らす度にチンチンがペチンペチンと音を立てる。
「ハッ・・・ハッ・・・フン、ふんっ、フンフンフンフンフン!!!」
次第に加速していくスクワット。顔が青から赤に染まっていき、チンチンがどんどん勃起していく。
やがてチンチンが腕程の太さまで膨らんだ所でスクワットを止めると、ゴメスは両手を鶴の様に広げその技の名を叫んだ。
「ロシュア男子奥義、『ゴメづくス』」
ナズナは見た。ゴメスの背後で波がざっぱーんとなっている情景を。それは完全ナルゲイだった、
表情、しぐさ、股間、全てがゴメスのゲイっぷりを証明している。
ロシュアの人間は99%が同性愛者として生まれる。その後修行等によってノンケやバイに変質する事はあれど、
ロシュアの男は本質的にゲイであり、ロシュアの女は本質的にレズなのは間違いない。
ゴメスもかつてはゲイだった。ゴメづくスはゴメスがゴメスパロボという芸を得る前のゲイ。ゴメスの原点がそこにあった。
「オゲエエエエエエエ!!!!!!!」
ナズナは嘔吐と共に即死した。
これまでの疲労とマジシャンとしての観察眼とクソレズな性癖が仇となった。
(ゴ・メ・ス)
「勝ったぜ」
「お前何てことしてくれてんの!」
「勝ったから気持ちよく踊れそうだ。さあEDの時間だ」
「あ、こらゴメスまてー!!」
CAST
ゴメス:ゴメス武人
ゴメスパロボ:野沢雅子
看守達:野沢雅子
(ナゾナゾみたいにゴメスを解き明かしたら皆でどゴまでもいけるね)
露出卿:デーモン閣下
可愛川ナズナ:石田彰
(ゴーン!ゴメスでゴメスなこの思いは何もかもをゴメゴンなバーチャルで~ゴメスだ!)
ゴメスイートポテト;野沢雅子
爪楊枝:野沢雅子
ナズナステッキ:野沢雅子
(ある晴れた日の事ゴメス以上にゴメスな限りなくゴメスだしゴメスじゃないわ)
モモ缶:野沢雅子
(明日また会う時ゴメスながらゴメンズ)
「もうハナほじる力も残ってねえ・・・」
なんてこった!野沢さんの喉はもう限界だ!!