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アークマージ.

「なるほど・・・やはり人体に対しての移植は無理があったようだな」
リュックの変貌を目の当たりにしてエビルマージは納得顔で頷く。
やがて水晶球の画像は、突如発生した土石流によって泥1色となる
エビルマージは舌打ちして画像を切り変える、そこはどうやら橋の下のようだ。
橋の下には白い服を着た男が雨宿りをしている・・・・その腕には・・・・

「見つけたぞ!」
ついに腕輪を見つけた、薄暗い廊下で、水晶球を片手にエビルマージは狂喜していた
 ・・・・が。喜んでばかりもいられない
ここで自ら降り立って腕輪を奪取することは容易い、しかし・・・・・・
これ以上目立つ動きはしばらくは避けたほうがいいとの思いが彼を縛っていた

誰か刺客でも送るか・・・・・と考えながら研究室に入ろうとしたエビルマージだったが
その時何やら気配に気がつく、侵入者か!?
「貴様!!ここには誰も通すなと言っておるではないか!!」
エビルマージは門番を務めている動く石像に向かって叱責する
「し・・しかし」
動く石像は狼狽しながら、しどろもどろで返答する・・・・・

「しかしもかかしもないわ!」
エビルマージの右手が唸って光る、力任せに石像へと光球を叩き付けようとした時
「よさぬか、わしが無理に言ったのだ」
研究室の中の声にエビルマージは驚くと同時に、慌てて研究室に入ると声の主に対して頭を下げる

「これはこれは師匠殿、いや軍師閣下とお呼びした方がよろしいですかな?」
「堅苦しい真似は止さぬか、とうにわしは現役を退いておる・・・それに叔父と甥の仲では無いか」
紫色のローブに頭巾姿の魔道士、アークマージはエビルマージをやんわりとねぎらう
「ほほう・・・ついにここまで完成させたか、流石は我が甥よ、わしの為に良くやってくれたわ」
強大な培養槽の中の物体を覗き見てアークマージは満足気に頷く

別にアンタのためじゃない、とエビルマージは思ったが黙っていた
魔力は強力だが魔学のセンスは無きに等しかったアンタの机上の空論を
ここまで形にしたのは誰なんだよ?とも言いたげだったが

「これでわしの野望もあと数歩のところで叶うわ・・くくく、我が甥よでかしたぞ
わしが魔界に君臨した暁には相応の礼をくれてやろう」
「はっ、有り難き幸せです」
そう言いながらも、今、エビルマージは改めて確信していた
この死に損ないの権力欲の権化が生きている限り、自分の野望が叶うことはないと・・・・

嗅ぎ付けられた以上は仕方ない、殺すか・・・だがどうやって?とりあえずは殺害の意志を固めたエビルマージだったが
奴もかつてはゾーマの側近の1人、今の自分なら負ける気はしないが、自ら手を下し
事が公になれば全てが水の泡になりかねない。
ふと水晶球に目をやると、そこに映っていたのは腕輪を手にして、自らの肉体を制御したリュックの姿だった。それを見たエビルマージに一計が浮かぶ・・・・しばらく時間を置いて
彼はアークマージへと水晶球を見せる。

「実は叔父上、この少女ですが、なかなか好みではありませんか?」
「ほほぅ・・・・おいしそうな小娘じゃのう、わしにくれるのか?」
アークマージはいやらしくリュックの顔と身体ばかりを見ている。
エビルマージはそこで溜息まじりにアークマージへと言う
「しかし、残念なことに今はゾーマ様の命令でみだりに降りる事は禁じられておりまして・・・」
「なぁに、かまう事は無いわい、わしとて軍師と呼ばれた男よ、多少の勝手は今でも許されよう」

この色ボケジジィが・・・覆面の下でぺロリと舌を出すとエビルマージは困惑するようなそぶりを見せながら
「そうですか・・・ならばもう止めませぬ、ですが一つだけお願いが・・・・
あの娘が着けている腕輪を持ってきて頂けませんか?」
と、それとなくアークマージに水を向ける

腕輪と聞いて少しだけ怪訝な顔をしたアークマージだったが、エビルマージがそっと小指を立てるのをみて
にんまりと笑う
「ほほう、研究一途の貴様にも春が来おったか・・・任せておけい、その程度のことは造作も無いわ
つくづくわしは良い甥を持ったわい・・・・くくっ、生身の女を抱けるのは久しぶりじゃ
では早速降りるとするか」
頭巾を涎で汚しながら、ふるふると杖をつきアークマージは研究室を出ていく。

衰えた頭脳と肉体ではどうせ腕輪の価値も理解できまい・・・・・と思ってはいたが
まさかここまでとは・・・・エビルマージは流石に頭を抱えてしまった。
まぁいい、どちらに転んでも損はない、詰問されれば止めたが勝手に降りたとでも言えば良い。
「さて欲ボケジジィが勝つか、実験材料が勝つか、見物だな」

【アークマージ:地上へ】
※その能力はすでに衰えています、それでも強いことは強いですが


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最終更新:2011年07月18日 08:07
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