アーク死す?

エビルマージよ・・・頼む、助けてくれ」
豪雨の中、セフィロスとデスピサロが戦いを繰り広げていたころ、アークマージ
上半身のみで這いずるようにようやく研究室に辿り着いた
だが、エビルマージはそれを見ても別に態度を変えることなく、黙々と水晶球をかざして
世紀の一戦に見入ったままだ。

「我が甥よ、何をしとる・・・はようわしの身体を修復せんか!?」
アークマージが大声を張り上げてようやくエビルマージは
床に這いつくばる自分の叔父を頭巾越しに眺める。
「ああ・・・これは叔父上失礼を、まさか生きてお戻りになられるとは思いませんでしたから」
その言葉を聞いて、ようやくアークマージも状況を悟ったようだ。
「え・・・エビルマージィィィィ、貴様謀ったな!!」

「ようやくお気付きになられましたか、叔父上も鈍くなったものですね
あの娘は私が作ったこいつの細胞を殖えつけているのですよ」
と言って背後の培養槽にちらりと目をやる。
「上手く共倒れになってくれればと、最初は思ったのですが、考えて見れば
勝負になるはずがありませんでしたね・・・・これが叔父上と私の差ですよ」

その言葉を聞いて、アークマージは激昂する、
このような歴然とした形で自分との差を見せつけられてなお、彼の傲慢な自尊心は
事実を認めようとはしなかったのだ。
「にゃにお~~っ師より優れた弟子なぞおらぬわ!!死ねぃ!!イオナ・・・・」
「ストップ」
しかし、おそらくアークマージが自信を持って繰り出そうとした渾身の呪文は
エビルマージの一言で中断され、さらにその身体はまるで文字通り時間を止められたように
微動だにしなくなった。

彫像のように動かなくなってしまった、かつての師へとエビルマージは講釈を始める
「今、私は異世界の呪文について研究してもいるのですが、これがなかなか興味深くてですね
我々の世界の物と違い、かなり複雑な体系・系列があるようですが」
そこでエビルマージは言葉を切り、彫像のようになったアークマージをちらりと見る
「その分、面白い呪文もありましてね、デジョン!!」

呪文の発動と同時にアークマージの背後に突如としてブラックホールが出現し、
少しずつではあるがその身体を飲みこんでいく
「ふむ・・・使いこなせばこんなものではないのだろうが、今の状況での使用には多少無理があるか」
神妙そうに頷くエビルマージの視線の先で、その身体が半ばまで暗黒の中に飲みこまれてから
ようやくアークマージが口を開く

「わしは・・・・どうなるのだ?」
もはや命乞いの言葉すら出てこない、我ながら間の抜けたことを、と思ったが
それでも聞かずにはいられなかった。
「さぁ?まぁ確実に言える事はこれから叔父上はあの世に行くという事です
天国か地獄かは存じませんが・・・念のため書いといてあげますよ」

エビルマージはアークマージの頭巾に”地獄に行く”と書きこむとそのままアークマージの身体を
ブラックホールへと蹴り落とした。
その時アークマージの頭巾がめくれ、もはやミイラ同然の顔面が姿を現す
その余りの醜さに思わずエビルマージは顔を背けてしまった。

だからエビルマージは気がつかなかった、暗黒の片隅にわずかながらも大地のような物が
見えていた事に・・・・・

【アークマージ 死亡?】


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最終更新:2011年07月18日 08:07
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