「ふぅ」
朝日に照らされ水面がきらきらと輝く中、大きく背伸びをしながら
クラウドは港を歩いている。
雨に濡れてベチャベチャになった髪の毛も、いまはいつものツンツンヘアに戻っている。
彼は、港に停泊していた、ぼろ船の中で1夜を過ごしていたのだ。
そして扉はアルブルグの街の奥、海に面した堤防の一角に設置されていた。
最初は夜を徹して
エアリスと
ティファを探そうとは思っていたのだが、
激しい雨をみて考えが変わった、あの2人のことだ、わざわざ雨の中動き回る事はないだろうと。
それでここで休息を取るつもりだったが、すっかり熟睡してしまっていた。
おかげで放送も聞き逃してしまったし、扉もこうしてすぐ近くに出現してなければ
探すのに一苦労していただろう。
水面のきらめきに目を細めながら港を歩くと、扉が見えてくる、先客がいるようだ。
(あれは....
アーサー)
どうやら彼も無事1夜を過ごす事が出来たようだ。と、彼もクラウドに気がついたようだ
笑って手を振り駆け寄って来る。
「クラウドさんも無事だったんですね!」
「ああ、おかげさまでな」
それからしばらく扉の前で2人は雑談を始める、聞き逃した放送の内容も教えてもらえた。
エアリスもティファも、まだ無事のようだ。
ほっと胸を撫で下ろすクラウドにアーサーが声をかける。
「じゃ、そろそろ行きましょうか」
その言葉にクラウドは迷うような仕草を少しだけ見せ、すまなそうな顔でアーサーに告げる。
「悪いが、まだ一緒には行けない、俺はここに残って仲間を待つ」
「そうですか....ではご無事を」
アーサーは何とかして説得しようと考えたようだが、クラウドの決意が固いのを見て諦めたのだろう。
軽くお辞儀をすると扉の中に消えていった。
それから、何をするでもなく1人で街の方角を見ていたクラウドだったが、
ふと、遠目に誰かがこちらに近づいて来るのが分かる。
「誰だろ....もしかして、ティファかエアリスかな?」
そうこうしているうちに影はどんどん近くなっていき、やがて港の中に入ってくる。
残念ながら、それはエアリスでもなければティファでもなく
妙にひらひらした装飾過多の服を身に付けた男だった。
もっとも、そのひらひらはあちこち焦げた上にぼろぼろに破れていたが.....
男はクラウドに気がつくと、ひらりと水面を跳んですぐ隣に着地する。
「早く逃げろ!畜生、話し合いの余地すらねぇ!」
「お...おいアンタ、一体」
「話は後だ、こんな一本道にいたら逃げられねぇ、行くぞ!」
エッジは状況が理解できないクラウドの体を掴み、そのままもつれるように扉へと飛びこんでいった。
そしてそれからしばらく後。
「起きたか
サマンサ.....体は大丈夫か?」
「ええ...私としたことが魔法の使いすぎでダウンしてしまうとは、ですがもう大丈夫です」
そう言って体を起こしたサマンサの目に妙なものが入る。
「おや....この地面の焼け焦げは?」
「ああ、ちょっとな、お前には関係の無い事だ、体が大丈夫ならもう行くぞ」
デスピサロはサマンサには構わず、さっさと先に歩いていく。
それを見て、サマンサも服装を整えると、慌ててその後を追うのだった。
【アーサー 所持品:
ひのきの棒
第一行動方針:不明】
【現在位置:新フィールドへ】
【クラウド 所持品:
ガンブレード
第一行動方針:仲間を探す】
【エッジ 所持品:
忍者ロング
第一行動方針:
リディアの保護
基本行動方針:戦いを止める】
【現在位置:新フィールドへ】
【デスピサロ 所持品:
正義のそろばん 『光の玉』について書かれた本
第一行動方針:腕輪を探す
基本行動方針:所持している本を手がかりに進化の秘法を求める
最終行動方針:なんとしてでも生き残る】
【サマンサ 所持品:勲章
基本行動方針:デスピサロを手伝う】
【現在位置:アルブルクの街】
最終更新:2011年07月17日 21:32