アルブルグの街での激しい戦闘は未だに続いていた
その戦いはもはや街全土に飛び火し、すでに街は廃墟と化しつつある
そんな中、
ピピンと
エーコは未だに気絶した状態だった
そして戦いの当事者たちはそんなことなぞ意にも介さず。彼らの倒れている
裏通りにまで侵入しようとしていた。
エーコとピピンの身体をはさむように
セフィロスと
デスピサロ、そして
サマンサが対峙した
その時だった。
一陣の風と共に黒い翼を広げた何者かが、彼らの間に割って入り
そしてエーコとピピンの身体を掴み上げるとそのまま北の方角に飛び去っていく
時間にしてわずか3秒足らずのことだった。
そしてそれを合図に再び戦いが始まる
セフィロスの踏みこみを大きく後ろに跳んで避けたデスピサロは隣のサマンサに耳打ちする
「サマンサ!さっきのあれを見たか」
「はい、確かに」
「間違い無い、あれこそ進化の秘宝・・・・ならば長居は無用だ、離脱するぞ!!」
「お任せ下さい、ですが少しだけ奴を遠ざけていただけませんか?」
「任せておけ!メラゾーマ!!」
超特大の火球がセフィロスに向けて放たれる、しかし彼にとって真正面からの攻撃なぞ
造作もなく避けられる、ただあまりにも巨大な火球だったので斬り込むのは諦めて
下がらざるを得なかったが・・・・
そしてその隙にサマンサが呪文を完成させる
「レムオル!」
デスピサロとサマンサの姿が背後の闇に同化して消えていく
慌ててセフィロスが正宗を彼らの立っていた場所へと振り下ろすが
それは虚しく空を切るばかりだった。
彼はしばらくそれを繰り返していたがやがて諦めると、正宗を鞘に収めそのまま街の外へと去っていった。
「ねぇ・・・気がついた?銀髪の奴には気をつけた方がいいよ」
エーコはその
呼びかけにゆっくりと瞳を開ける
声は聞こえるがまだ頭がぐらぐらする、すこし打ち所が悪かったようだ
おぼろげながら目の前の相手の姿が見える
その背中には大きな黒い翼が生えていた・・・・・
「ひっ!!化け物っ!!」
軽い混乱状態に陥っていたエーコはとっさに手に持っていた大鋏を
リュックの腹に突き刺してしまった、紫色の血がだくだくと流れ出し
リュックは仰向けに倒れてしまう。それを見たエーコはもう1度ひっ!と叫ぶと
そのままピピンを担ぎ、岩場の向こうへと逃げていった。
エーコたちが逃げ去ってから
「化けものかぁ・・・・だよね、そうだよね」
悲しげに呟くとリュックはゆっくりと起き上がった、その腹の傷はすでにふさがっている
そして再び歩き出そうとしたリュックだったが
「ぐっ!!」
突如全身を走った激痛に思わずうずくまってしまう。
やはり究極生物の細胞は普通の人間であるリュックの身体にはあまりにも負担が大き過ぎたのだ
それは進化の秘宝をもってしても補う事が出来ない、致命的な差だった
リュックもそれを悟っていた・・・自らの死という形なのか
それとも今度こそ心まで魔に蝕まれてしまうのか
ともかく自分に取っての破滅の時が近づいている事に・・・・
「でも・・・それでもやれることはやらないと・・・化け物でも出来る事・・あるはずだから」
痛みが収まるのを待って、再びリュックは歩き始める
自らに迫る破滅の恐怖を振り払うように、力強く。
【デスピサロ(中程度のダメージ)
所持品:
正義のそろばん 『光の玉』について書かれた本
第一行動方針:腕輪を探す
基本行動方針:所持している本を手がかりに進化の秘法を求める
最終行動方針:なんとしてでも生き残る】
【サマンサ 所持品:勲章
基本行動方針:デスピサロを手伝う】
【現在位置:アルブルク近辺】
【セフィロス(かなりのダメージ、ただし自動回復) 所持品:正宗
最終行動方針:全員殺す】
【現在位置:アルブルク】
【ピピン(気絶、負傷) 所持品:なし
第一行動方針:???
第二行動方針:
ジタンを探す、できれば他の仲間にも会う】
【エーコ(軽い混乱、時間と共に回復) 所持品:なし
第一行動方針:???
第二行動方針:ジタンを探す、できれば他の仲間にも会う】
【現在位置:アルブルク北の岩山】
【リュック(魔獣化制御・身体能力上昇・空腹) 所持品:
黄金の腕輪(進化の秘法)
第一行動方針:仲間と会う】
【現在位置:アルブルク北の岩山】
※魔獣時の能力を行使可能(レベル3コンフュ・真空波)・腕輪を失えば再び暴走の危険性有り
ただし腕輪を持ってしてもいずれ暴走あるいは死が訪れる)
※大鋏は放置
最終更新:2011年07月17日 21:32