ハンドアウト
平和な世界、平和な街。しかし、裏切りの世界の中では、指先一つで破壊される危うい平和。
花は咲き、種を残す。生きるだけなら簡単だ。

『ワレモコウの花』の行方がようやく掴めた。それを調べるために集まる者。
そして、見計らったかのように集まる舞台役者。
集まった者は皆、言った。

「時が来た」
「まだ間に合う」
「もう下がれ」


ダブルクロス 《Blank blood》


真実と向き合う瞬間へ。

PC1 "プランナー"都築京香 好意/脅威
「……そろそろ、大丈夫ですか」あの女がやってきた。
何を指すかは君はわかっているはずだ。
……あれ、人形、いつの間に身体が完成した?

PC2 "魔術師"メリー 傾倒/恥辱
「事態は進展を迎える。その覚悟はあるかい?」めんどくさい奴がやってきた。
ワレモコウは見つかりそうだ。それが何を示すのか。

PC3 荒島夷隅 有為/不信感
「君たちへの依頼だよ」あの男が訪ねてきた。
幾度も名前を聞いたこの男。少し雰囲気が変わったか……

PC4 蓬莱人形 執着/不安
身体の完成した人形。どこか、生きているのに死んだふりをしているような、生気を感じる。
舞台役者がそろった時に、彼女が少し動きだす。



登場NPC
NPC
"プランナー"都築京香
"魔術師"メリー
荒島夷隅
蓬莱人形

シナリオ内容
少し前。
荒島の屋敷に現れたメリー。彼女は荒島のことを少しべた褒めした後、「裏切りの報復に来た」と語った。
「始まりはあなたではないが、その人形を調べたことは良い。だが、私たちを調べたことが許さない」
互いの従者が傷つき、主は互いに睨みあう。だが、激しい戦いは起こらなかった。
「私は傷つけることをよしとしない。それに、あなたはもうすぐ関わってくる。そろそろ出発したほうがいいんではなくって?」
――これから、始まる物語。

UGN・K市支部。蓬莱人形が安置されている支部。
その支部に、都築京香が現れる。
慌てる新条。寝てる鳴神。
都築は語る。
「人形がそろそろ完成したはずです。それを見に、来ました」

深夜。葉風は街中を歩いていると奇妙な影が見える。
英国紳士風の衣裳を身にまとった女性。醸し出されるめんどくさい雰囲気。
「UGN支部知らない? あそこに用事があるんだけどさ」
知っているだろうに。それでもわざわざ使いに出させるこいつは何なんだろうか。

路地を歩く零。零の中に潜むカルマが騒ぐ。
それを懸命に抑える中、1台の車がやってきた。えきぞちっく。
現れる、3人のチャイナ侍女をつれた男、荒島夷隅。
彼は「良い物件を知らないか、不動産屋などを介さずに」と、不可解なことを申し出る。
心当たりのある零は、その物件に案内した。

岩手から帰ってきた狛井。守りたい者は置いてきた、戦いの準備はできている。
その時、目の前に走るよく見た二人。春日とその仲間1名。
何だかんだで乗せてってもらい、途中でUGNから「人形完成!都築襲来!」という情報を聞き、そちらに向かう。


都築は人形をここまで育ててくれたことに感謝し、残りのプランを提示した。
人形の身体は完成した。ここまでくれば後一歩。最後は、人形の力を戻すための最後の一つを取りに行く必要がある。ワレモコウの花は見つかったか、と。

蓬莱人形とは何なのか。
――それは、私の挑戦。過去から続く今まで、その系譜への挑戦。
その系譜とは何なのか。
――人が残す未来。それすなわち子を成すこと。これは、私の子。
子とは、どういうことか。
――それは

\ガラッ/
現れるメリー。最初はいつも通りだったが、都築と顔を合わせるや否や両者とも「何故ここに現れた」という嫌悪を表に出す。
そして、都築は早々に退室した。残るメリー。質問はメリーにぶつけられる。
都築京香(サンジェルマン)とは何なのか。人形とは。彼女の語ったことは。

「笑わないでね?」と前置きするメリー。その様子は、いつもの鬱陶しい調子とは違う。
人形は彼女の子だ、間違いない。でも、子を作ることは簡単ではない。
レネゲイドビーイングに子を成すことはできるか。答えはNO。子を成すという概念から違い、さらに考えた『当時』はそれをすることはできなかった。確実に。
故に彼女は一人の協力者とともにそれに近しい物を作ることにした。レネゲイドの力に頼らぬ子を作ることは無理だが、それを介してなら自分たちでも。
その時に使った物。それがこの人形。
人形はもともと力を持っていたが、意志などは無いEXレネゲイドに感染された人形だった。
それを介して様々な研究を行った。
そのうちに協力者は危機感を持つ。「この力は危険すぎる。このまま使うわけにはいかない」
都築は語る。「私の計画に支障はない。危険でも、それを押さえる方法もある」
……しかし、協力者は彼女の計画を止めた。それを、彼女は裏切りと取った。

また、静寂が広がる。メリーは「ワレモコウの花を取りに行きな。もう私の手で止めることはできないからね」と置き、去っていった。


ワレモコウの花。それは、変化のコードネームを持つFHのジャーム、バーネット。
それの隔離施設は人形を手に入れ、成長をしてきたあたりに力の暴走が強くなり、完成した今ではFHはあまりの危険性を考え、全研究員を退避し、カメラなどを使った監視だけの状態にしていた。

その島にやってきた一同。みな、人形とそれにまつわる物語を心に。
奥に進む。道中は恐ろしく奇怪な空間となっていた。
全てが変異し、あらゆる常識が通用しない世界。確かに、ここに長期いたら発狂するか同じく変異するかだろう。
その中を進む一同。バーネットに近づくにつれ、人形は自我を取り戻し、動き出す。
LEVEL1。人形が喋り出す。といっても、「うん」しか言えないが。
LEVEL2。メリーと都築の会話。子を成すことは生きていくことの全て。そして、人形との出会い。互いをサンジェルマンと呼んでいた過去。
LEVEL3。サンジェルマンと呼びあう二人。人を知りたい、人になりたいのかい?、人に憧れるサンジェルマン、それを支援するサンジェルマン。
LEVEL4。危険。決行。そして、人形のあるべき理由。人形に、世界を知ってもらうということ。
LEVEL5。完全なる決壊。二人のサンジェルマンが別れる瞬間。何故私を裏切った。それすらもわからない者だと思わなかった。

明かされる、二人の過去、人形の過去。
全ては、終焉へ向かっている。


最深域。何もない空間に一人の子供。それに近づくと一瞬にして異形の怪物に変貌する。
バーネットが襲いかかってきた!


倒した。だが、彼を完全に倒すことはできず、まだ戦う意思は残っている。
それと同時に、蓬莱人形が動き出して前に出る。そして、バーネットから力を取りこみ、植物で作られた冠を作り出す。それを人形に被せると、人形は人間の少女くらいの大きさとなり、力無く倒れる。
バーネットはまだ倒れきったわけではないが、目的は達成した。一旦引き、支部に戻る。

支部。都築とメリー、そして人形。
都築は一同に感謝の意を述べ、人形を抱える。……メリーは憮然顔。
「さあ、目覚めなさい。可愛い私の子よ」
「……あなたが、私のお母さま?」
「ええ。あなたは、私の娘よ」
「そう。……この紛い物の世界に起こしたのはあなたか」

人形は都築に向かって襲いかかる。都築を守るために動く
激しい攻防の後に彼女は去っていく。
「この力を教えたのは母。そして、あなた達。そして世界を破壊し、作るのは私の仕事。始まりの終わりでまた逢いましょう」

都築は泣いていた。
「どうして、私の計画は完璧だったはずなのに……」
だが、起きている事実。人形の暴走。

「お願い、あの子を止めて―――」




第十七話は最終話
  • 道中のキャラ同士の会話まで書くとめんどくさくなって死んだ。GMもあんまり覚えてないから忘れてるとでも思ってくれ! -- みりん (2011-04-21 18:01:51)
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最終更新:2011年04月21日 18:59