まとめwiki ~ 「♀29匹のボックスに♂1匹を入れてみた」

10話 - 朝食の時間

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f29m1

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【食堂】

 食事はセルフサービスで、各種きのみやポケモンフーズ、ポフィン、ポロックなど好きな物を選べるらしい。
 食料は自動で転送されるようだが、なぜボックス内にこの様な設備があるのかは深くは追求しない。要は『かがくの(ry。

ブースター
「器用な子なら自分で料理したりもするのよ」
マリルリ
「料理のできるポケモンかあ。ポケモン専用レストランとか開いたら面白そうですね」
ブースター
「そうかも。あ、ねえマリルリ君、これなんてどう?」
マリルリ
「『海草入り天然ミネラル配合ポケモンフーズ(あさせのしお使用)』か。じゃあこれいただきますね」
チャーレム
「ちーっすお二人さん」

 テーブルに座っていたチャーレムがマリルリとブースターに手を振って声をかける。その隣にはノクタスも座っている。

マリルリ
「あ、おはようチャーレムさん。さっきも会ったけど」
チャーレム
「しっかしあんたも変わってるね~。タメ口でも敬称は付けるのね。『チャーレムさん』って長いし呼びづらくない?」
マリルリ
「……あ、すいません。じゃあニックネームの『まさえさん』ですか?」
チャーレム
「どっちかと言うと『レムさん』がいーんだけど。いやそのN.N嫌いじゃないんだけどさ」
ノクタス
「それにしてもマー君これから大変じゃないの? ピチューに目をつけられちゃって。気にいらない子には容赦ないものね~」
マリルリ
「ま、マー君?」
ノクタス
「そうそう。マリルリだからマー君」
チャーレム
「しかも一旦怒らせると長いのね。おまけにどっかの馬鹿は地雷踏むし」
ノクタス
「え? ちょ、アタシ!? アタシなんかやった?」

 チャーレムがニヤニヤしながら軽く肘でノクタスを小突いてノクタスは驚いたような顔をする。
 そしてチャーレムがやれやれ、といいたげな顔で指を振る。

チャーレム
「思い切りやってる。しかも自覚無しとはね~。さすがうっかりハチベーだわ」
ノクタス
「なーによそれー。なんか腹立つわねー! そんなことよりマー君、後でアタシ達の部屋に遊びに来ない?
 昨日のお詫びにお茶とお菓子用意して待ってるから!」

チャーレム
「じゃあさ、あたしんとこの部屋にも来てよ。面白い奴らがいるし!」
ノクタス
「あんたより面白い奴なんていたっけ~?」
チャーレム
「うっさいなー。そっちこそ、こんなに萌えないうっかり屋なんていないじゃん」
ノクタス
「へっへーん! ドジっ子は無条件でかわいさ三割増しなんだもーん♪」
チャーレム
「ばっかー。もう萌えなんて時代遅れ。今こそ熱さとソウル! 燃えの時代!! バーニングオーバーヒート!!
 あと、うっかりとドジっ子は似てるようで別モンだし、あんただと五割マイナスじゃないの?」
ブースター
「あはは、マリルリ君モテモテだね」
マリルリ
「ええ? や、やだなあそんな、からかわないでくださいよ~」
チャーレム
「おーおー! 言うようになったじゃん!」
ムクホーク
「それは構わんがお前たち。ノクタスは部屋の、チャーレムは館内の、各自自分の破壊した物の修理を命じていたはずだが?」

 落ち着いた、しかし威圧感のある声が盛り上がるチャーレムとノクタスが、ぎくり、と硬直させる。

チャーレム
「ね、姐さんいつの間に……」
ノクタス
「や、やだもう姉さんってば! ちょっと穴が開いてるのもオシャレじゃない……」
チャーレム
「あたしはー……そんなに壊してないハズ……よね?」
ムクホーク
「……ノクタスは床と天井。チャーレムは浴場に向かうまでの通路で壁三枚とドア一つをぶち抜いたそうだな?
 早とちりで戦闘したノクタスもそうだが、レム、お前は『単に急いでいた』という理由で破壊しているので余計タチが悪い」
チャーレム
「あー、それはホラ! ちょっとした近道……」

 ムクホークの目がギラリと二匹を睨み、スッと片翼を広げる。それを見てブースターも青ざめた顔をする。

ブースター
「あ、あれはリーダーの『つばめがえし』の構え!」
マリルリ
「え? な、なんですかそれ!?」
ムクホーク
「これはただのポーズ、ハッタリだ。私はバトルは好きだが、このボックス内で無闇に力で解決するのは望ましくないと思っている」
チャーレム
「はい。すいませんでした」
ノクタス
「すいませんでした……」

 チャーレムとノクタスは素直に謝りムクホークは穏やかな顔つきに戻り翼を納めて苦笑する。

ムクホーク
「これだからイカンのだ私は。野生下においては単純に力の強い者が群れを束ねればいいが、人間の管理下では多種多様の種族が集まるのだからな。当然争いを好まない性質のポケモンもいる。あまりこういったハッタリをかけていると『パワハラ』とやらになるな」
チャーレム
「いや~、姐さんを訴えるような勇者なんていないんじゃないの? んじゃ、さっさと修理にいってきまーす」
ノクタス
「それじゃあ、まったねー」
ムクホーク
「ああ。終わってからなら好きなようにすればいい」

 チャーレムとノクタスはそそくさと食堂を後にした。去り際にも手を振っていたのでマリルリも手を振り返す。

ムクホーク
「ところで少し話を聞いていたのだが、マリルリ、このボックス各部屋を訪れてみるのはどうだ?」
ブースター
「あ、それっていい考え!」
ムクホーク
「軽い挨拶は先ほど終えたし、このボックス内を知るにもいいだろう。まずは1番と部屋がいいな」
マリルリ
「1の部屋に、ですか?」
ムクホーク
「ああ。あの部屋の者達はこのボックスの結成当時からメンバーだ。ここの歴史や成り立ちなら彼女達が詳しいぞ」
マリルリ
「わかりました、行ってみます」



 朝食を終えたマリルリはブースターらと別れ、紹介された【1】と書かれた部屋の前にやってきた。

マリルリ
「ここかあ。まさかまた攻撃されたりしないよね……?」

(ピンポーン)

ハピナス
「はーい、どなた。あら? あなたは……」





―― 一方その頃

トリトドン
「つきました~。
 あれ? 誰もいないですね~。でもおなかがすいたので朝ごはんにします」
ムウマージ
「……オチ?」
トリトドン
「あ、ムウマージはいましたか。それどこの電波ですか~?」
ムウマージ
「……ひみつ。……教えない……」
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