まとめwiki ~ 「♀29匹のボックスに♂1匹を入れてみた」
04話 - シンクロラルトス
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f29m1
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あれは、ラルトスだ。
リボンもついていない。レベルもほとんど上がってない、というか1じゃないか。そばにいるリーフィアとじゃれあっている。わんぱくな子だな。
ああ。そうか。あの子はシンクロ要員なのか。
おれと同じように、間違ってここに入れられたんだろう。
なんとなく共感のようなものを覚えて、おれは、その子に声をかけようとした。
が……、ふと、その子の隣のリーフィアがおれを見た。
錯覚じゃない。彼女は、おれのことを見ていた。驚いたような顔で。
驚いたのはこっちだ。まずい。なぜ気づいた。このままじゃ騒ぎになる。
リーフィアは、おれの姿を視界から外さないようにしつつ、すぐそばで休んでいたジーランスに声をかけた。
するとジーランスもおれを見て、……そのまま何も見なかったような顔で、リーフィアの手を引いて、二匹でこっちをチラチラ見ながら、奥のほうへと姿を消した。
ラルトスもそれを追いかけていった。
いったいなんなんだ。
不可解に思ったおれは、他の♀ポケモンたちに気づかれないように(『するどいめ』のヤミラミの前を通るときは細心の注意を払った)、彼女らが消えた方へと向かった。
そこをそっと覗いてみると、ジーランスがすぐおれに気づいて、リーフィアの手を取って一直線にもっと奥へと消えた。
残されたラルトスが、遅れておれに気づいた。
「おじちゃん、お名前なんていうの」
ラルトスなんかに気づかれるとは。どうやら力が抜けて、身体の一部が形を持ってしまっていたようだ。
「けっしだ。爆発するのが仕事だからって、そう名づけられたよ」
「あたしワンパック。お隣のボックスにはヨーキィちゃんとかイジパリアちゃんとかノテンクスちゃんとか、お友達いっぱいいるよ」
「そうか」
どうせ間違って入れられるなら、おれはそのボックスに行きたかった。ナウくないボックスに。
リボンもついていない。レベルもほとんど上がってない、というか1じゃないか。そばにいるリーフィアとじゃれあっている。わんぱくな子だな。
ああ。そうか。あの子はシンクロ要員なのか。
おれと同じように、間違ってここに入れられたんだろう。
なんとなく共感のようなものを覚えて、おれは、その子に声をかけようとした。
が……、ふと、その子の隣のリーフィアがおれを見た。
錯覚じゃない。彼女は、おれのことを見ていた。驚いたような顔で。
驚いたのはこっちだ。まずい。なぜ気づいた。このままじゃ騒ぎになる。
リーフィアは、おれの姿を視界から外さないようにしつつ、すぐそばで休んでいたジーランスに声をかけた。
するとジーランスもおれを見て、……そのまま何も見なかったような顔で、リーフィアの手を引いて、二匹でこっちをチラチラ見ながら、奥のほうへと姿を消した。
ラルトスもそれを追いかけていった。
いったいなんなんだ。
不可解に思ったおれは、他の♀ポケモンたちに気づかれないように(『するどいめ』のヤミラミの前を通るときは細心の注意を払った)、彼女らが消えた方へと向かった。
そこをそっと覗いてみると、ジーランスがすぐおれに気づいて、リーフィアの手を取って一直線にもっと奥へと消えた。
残されたラルトスが、遅れておれに気づいた。
「おじちゃん、お名前なんていうの」
ラルトスなんかに気づかれるとは。どうやら力が抜けて、身体の一部が形を持ってしまっていたようだ。
「けっしだ。爆発するのが仕事だからって、そう名づけられたよ」
「あたしワンパック。お隣のボックスにはヨーキィちゃんとかイジパリアちゃんとかノテンクスちゃんとか、お友達いっぱいいるよ」
「そうか」
どうせ間違って入れられるなら、おれはそのボックスに行きたかった。ナウくないボックスに。