まとめwiki ~ 「♀29匹のボックスに♂1匹を入れてみた」
10話 - クサイハナよ永遠に
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救護室で仮眠をとっていたら、やたらゴツイ感触を感じて目が覚めた。同じベッドにダイノーズ姐さんが添い寝していた。
ポワァーオ!? オレはまたトリトドンになる。時計を見ると、夜中の11時27分。やべえ、いくら何でも寝過ぎだろオレ。どうもここへ来てから疲れてるみてーだ。とんだ休暇だぜ。
クサイハナの部屋に向かう途中、三人娘がテレビを見る音が聞こえた。桂小枝の裏声だ。ちくしょう、オレも見てーよ探偵ナイトスクープ。
ポワァーオ!? オレはまたトリトドンになる。時計を見ると、夜中の11時27分。やべえ、いくら何でも寝過ぎだろオレ。どうもここへ来てから疲れてるみてーだ。とんだ休暇だぜ。
クサイハナの部屋に向かう途中、三人娘がテレビを見る音が聞こえた。桂小枝の裏声だ。ちくしょう、オレも見てーよ探偵ナイトスクープ。
クサイハナの部屋の前に着くと、足音を察したのか向こうからドアを開いて出てきた。こいつなりに色々考えたんだろう、迷いはねえみてーだ。
ゴウカザル
「じゃあ、行くぜ」
クサイハナは黙ってオレの手を握る。ニオイはほとんど出ていない。もしかして、結構カワイイんじゃねーかこいつ? ていうか、♀と手を握ったのなんて生まれて初めてなんですけど。
ボックスの入り口が近づいてきた。オレの足が止まる。入り口の前にゴースト♀がいやがる。不測の事態だ。きっとトレーナーの奴が、ポリゴン事件を教訓にポケモンが勝手にボックスを移動しねえように見張らせてるんだな。奴を見くびってたぜ……。
クサイハナは、考えこむオレの様子を見て不安になったのか、腐臭を放ち始めた。ちくしょう、このままじゃバレちまうじゃねーか。
……いや、待てよ。これは逆にチャンスか? クサイハナをゴーストの顔面に近付ければ、ニオイで撃退させられるぜ。すげえ武器だ。
オレはクサイハナの手をしっかり握り、走り出す。
クサイハナは、考えこむオレの様子を見て不安になったのか、腐臭を放ち始めた。ちくしょう、このままじゃバレちまうじゃねーか。
……いや、待てよ。これは逆にチャンスか? クサイハナをゴーストの顔面に近付ければ、ニオイで撃退させられるぜ。すげえ武器だ。
オレはクサイハナの手をしっかり握り、走り出す。
ゴースト
「うわっ、なに!?」
ゴウカザル
「悪いが通してもらうぜ!」
オレはクサイハナをゴーストの前に突き出す。
ゴウカザル
「お前に恨みはないが、少し眠っててくれ」
ゴースト
「……ひひひッ」
ゴウカザル
「なにィ!?」
ゴースト
「あたしには鼻がないんだよ! 逃がすもんか!」
鼻がないからニオイが平気だと? こいつクリリンか。
オレはクサイハナを放り投げた。お前だけでも行け。もっと笑えるようにな……。
オレはクサイハナを放り投げた。お前だけでも行け。もっと笑えるようにな……。
ゴースト
「逃がさないって言ったよ!」
ナイトヘッドが放たれる。やべえ! オレは炎のキバで喰らいつく。
やっちまった。ケガさせるつもりはなかったのに……。
だが間に合わない、クサイハナがナイトヘッドを喰らっちまう……。
やっちまった。ケガさせるつもりはなかったのに……。
だが間に合わない、クサイハナがナイトヘッドを喰らっちまう……。
クサイハナ
「……?」
クサイハナは無事だった。守ったのは……、ゴリ子だった。
ゴーリキー
「な、なにしてる……。早く行きな、クサ子……」
クサイハナ
「ゴリ子ちゃん……?」
ゴリ子は、パンツの中から石を取り出してクサ子に手渡した。
リーフの石ではなく、太陽の石だった。
リーフの石ではなく、太陽の石だった。
ゴウカザル
「ゴーリキー、お前……」
ゴーリキー
「どこへでも行っちまいな」
ゴウカザル
「……ああ。行こう、クサ子。もう時間がねえ」
クサイハナは首を横に振った。
クサイハナ
「私……、ここにいる。ゴリ子ちゃんと一緒にいたい」
ゴーリキー
「クサ子、あんた……、どうして」
クサイハナ
「だって、私のお友達は、ちゃんとここにいるもん……。ゴリ子ちゃん、ひでよしさん、それにみんな……」
まいったぜ。
『同じトレーナーの元に集まったポケモンはみんな友達』。
……それを誰よりも強く信じてたのは、クサ子だったんだ。
『同じトレーナーの元に集まったポケモンはみんな友達』。
……それを誰よりも強く信じてたのは、クサ子だったんだ。
その後、クサ子は腐臭を出さなくなったが、3日後にトレーナーの奴が太陽の石を使ってキレイハナに進化させ、連れていったままこのボックスに戻ることはなかった。
噂だと、コンテストのかわいさ部門とうつくしさ部門を制覇したらしい。なんだか複雑な心境だが、あいつが元気ならそれでいい。
噂だと、コンテストのかわいさ部門とうつくしさ部門を制覇したらしい。なんだか複雑な心境だが、あいつが元気ならそれでいい。
さて、次にこのボックスに入ってくるのは誰なんだろうな。
~ 第1部、完 ~