まとめwiki ~ 「♀29匹のボックスに♂1匹を入れてみた」

01話 - 毒女、帰る

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f29m1

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 クサイハナ改めキレイハナが出ていって一週間。このオレ、ゴウカザル様もこのボックスにずいぶん馴染んできたが、相変わらずダイノーズ姐さんに貞操を狙われたり、三人娘との喧嘩は絶えない。今日もつまらん原因で喧嘩になっちまった。

ゴローン
「さっきの言葉、もう一回言ってみな」
ゴウカザル
「おう、何度でも言ってやるぜ。おめーらなんか、甘いポフィンでかわいさMAXになった所で迎えなんか来ねーんだよ」
ゴーリキー
「なんでそんな事がわかるんだ、クサ子だって迎えがあっただろ」
ゴウカザル
「あいつは進化したからだろうが。……なんならお前らも進化しろよ、交換されてゴローニャとカイリキーになっちまえ」
ゴローン
「なっ、なんだとォ……」

 この言葉がまさか重要なフラグを立てちまうとは、この時は全然考えもしなかった。

スリープ
「大変だよ! あいつが帰ってきた!」
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 &ゴローン
「えっ……。あ、あいつって……、まさか」
ゴウカザル
「誰だよ」
ゴーリキー
「ひでよし、あんたが来る前に引き取られてった奴さ。偉そうでイケ好かないババアだよ」

 なにィ? ってことは、殿堂入りのオレを差し置いてレギュラーの座を獲得したやつか。だが出戻りとはな、ざまあw

ドククラゲ
「なんの騒ぎです、もう就寝時間は過ぎていますよ」

 いきなり現れたクラゲに、オレたちは息を飲んだ。鋭い眼光にフワフワとした掴みどころのない動き。浮遊しているのか、無数に伸びる触手の微妙なバランスで立っているのか、謎だ。

スリープ
「は、箱長……、おかえり」
ドククラゲ
「スリッチさん、あなた、また廊下で寝ていましたね? いいですか、女子たる者、いついかなる時も恥じらいということをですね……」
スリープ
「お、おやすみなさ~い」

 スリープは にげだした!

ドククラゲ
「あなたたちもです! 就寝時間は9時と決まっているでしょう。ボックスはトレーナーさんが迎えに来るまで、心身の鍛練をする所です。修学旅行ではありませんよ」
ゴーリキー
「はいはいすいませんでした(棒読み)。行こう、ゴロ美」
ゴローン
「あ、ああ」

 ゴーリキー と ゴローンは にげだした!

ドククラゲ
「まったく……、いつまでも成長しない子たちね」
ゴウカザル
「よォ……、箱長ってのは何だ。あんたが決めたのか」
ドククラゲ
「誰かが風紀を正さねば、トレーナーさんに申し訳が立ちませんから」
ゴウカザル
「オレはそうは思わねえな。箱に流されたポケモンは、次にいつ連れていかれるかなんて、わからねえんだ。ここは墓場みてえなもんさ」
ドククラゲ
「そうかしら?」

 そう言って、この毒女は得意げに身をひるがえし、触手の根元にキラリと光る物を見せ付けた。
 それは、オレも持っている物……、殿堂入りのバッジだった。
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