まとめwiki ~ 「♀29匹のボックスに♂1匹を入れてみた」
02話 - 混乱
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f29m1
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マリルリ
(そうだ。一応新しく入って来たんだから挨拶しないと)
マリルリ
「あ、始めまして。僕は今日から成り行きでこのボックスに来たマリルリです。さっきチャーレムさんから代表の方に挨拶して来るように言われたんだけど……」
ピチュー
「……姉御に挨拶? ったく、チャーレムの奴、勝手に変なの入れやがって……」
マリルリ
(この子なんか機嫌悪いのかな?)
「あ、それで代表さんは……」
「あ、それで代表さんは……」
ピチュー
「……」
マリルリ
「あ、あの……」
ピチュー
「……こっちだよ。ついて来な」
マリルリ
「あ、ありがとう」
ピチューに案内されて着いた場所には【5】と書かれた扉の前だった。
周りの部屋にも同じように数字が書かれている。
周りの部屋にも同じように数字が書かれている。
ピチュー
「ここが姉御の部屋だよ。今はいないから中に入って勝手に待ってな。じゃあな」
マリルリ
「あ、ちょっと」
案内してもらった礼を言おうとしたが、ピチューはすぐに去っていってしまった。
マリルリ
「うーん、やっぱり警戒されてるのかな?
へー、これってボタン開閉式のドアなんだ。ここを押したら開くのかな? こっちはインターホンか。なんか無駄にハイテクだなあ。流石『かがくの(ry」
へー、これってボタン開閉式のドアなんだ。ここを押したら開くのかな? こっちはインターホンか。なんか無駄にハイテクだなあ。流石『かがくの(ry」
【5】と書かれた部屋の前に立ち深呼吸を一つして扉に手を伸ばしそうとした、――その時、
―――クスクス……
マリルリ
「だ、誰?」
背後で謎の声が聞こえてきた。だがきょろきょろと辺りを見回すが誰もいない。気のせいだったのかと思い気を取り直して
ドアに向かいなおしたマリルリの目の前に、スッ―、と一匹の紫色のポケモンが現れた。
ドアに向かいなおしたマリルリの目の前に、スッ―、と一匹の紫色のポケモンが現れた。
マリルリ
「うわあっ!!」
ムウマージ
「……フフフ……。あなた……、新入り……?」
マリルリ
「は、はい!」
ムウマージ
「……この先……、この部屋で……、『お約束の展開』……が……、起きる予感……。フフフ……」
マリルリ
「え? それってどういう意味……」
言葉の意味を問いただそうとしたが、ムウマージはクスクスと笑いながら再び消えていってしまった。
マリルリ
「……うーん、ここの女の子って、ちょっと変わってる……? の、かな……? 大丈夫かなぁ……? いやいや、悩むより行動だ!」
気を取りなおし横に付けられたインターホンを鳴らしてみた。しかし返事が無い。
マリルリ
「すいませーん、誰かいませんかー? すいませーん! ……留守、なのかな。さっきのピチューは勝手に入ってろって言われたけど……。いいのかな?」
そっとドア開け一歩づつ進みながら、おそるおそる中の様子を伺う。
マリルリ
「す、すいませーん、おじゃましまーす……。入っちゃったけど、本当にいいのかな? とりあえず待っているべき……、ん?」」
部屋の奥から何かが聞こえる。種族柄、マリルリは耳がいい方なのでじっと耳を澄ませる。どうやら歌のようだ。
マリルリ
「あ、やっぱり誰かいるのかな? とりあえず挨拶しとかないと……」
歌の聞こえる方に歩いて行くと、一匹のポケモンが歌を歌いながら鏡の前に立っていた。
色んなポーズを取ったり帽子の様な頭をいじったりしながら鏡の前でせわしなく動いている。
色んなポーズを取ったり帽子の様な頭をいじったりしながら鏡の前でせわしなく動いている。
ノクタス
「一緒にイェイイェイイェイイェイ♪ アクアジェットでふっとばしてけ~♪ モヤモヤ気分きりばらいしてー♪ ロッククライm」
ノクタス
「んー、やっぱ今日のメイクってば超ヤバー! ヘアスタイルもイマイチだし~……」
マリルリ
「……お邪魔だったかな?」
ノクタス
「あら? だーれ? そこにいるの?」
マリルリ
「あ、す、すいません勝手にお邪魔して……。僕は……」
ノクタス
「んっ? ……え? オト、コ……?」
マリルリ
「え?」
ノクタス
「……キ、……キャアアアアアアアアア! の、のぞきよ~~~!」
マリルリ
「えええええええええええええ!?」
ガブリアス
「ふあぁ……。どうしたの~ノクタスちゃん。お昼寝してたのに~」
部屋の奥からガブリアスが右手に枕を抱え、左手で眠そうな目をこすりながら出てきた。
ノクタス
「大変よガブちゃん!!
タシーロ、じゃなかった! のぞきが出たのよ~~~~!!」
タシーロ、じゃなかった! のぞきが出たのよ~~~~!!」
ガブリアス
「ええっ!?
きゃああああー! イヤーー!! 来ないでーーーーーーー!!」
きゃああああー! イヤーー!! 来ないでーーーーーーー!!」
マリルリ
「ちょっ、違うって!! 僕はのぞきじゃなくて……」
ギャラドス
「ただいまー。って、ちょっと! どうしたのノクたん、ガブりん!」
ノクタス
「ああ! ギャラちゃん! そこに痴漢が!!」
マリルリ
「いつの間にか痴漢にされてる!?」
ガブリアス
「わ、わたし……。もう少しで襲われる所だったわ……」
マリルリ
「何にもしてないんですけど!?」
ギャラドス
「な、なんですってーー!!
よ、よくもノクたんとガブりんを! あ、あんたなんか、わ、私が倒してやるんだから!!」
よ、よくもノクたんとガブりんを! あ、あんたなんか、わ、私が倒してやるんだから!!」
見た目とは裏腹に声を震わせながら立ち向かうギャラドス。が、こっちとしては全くの濡れ衣なのでたまったもんじゃない。
マリルリ
「な、なんでこうなってるわけ!?」
大混乱の部屋の様子を、外でこっそり伺っている者がいた。騒ぎになっているのを確認し、小さく笑った。
ピチュー
「フン! くたばりやがれ、水ウサギ野郎!」