まとめwiki ~ 「♀29匹のボックスに♂1匹を入れてみた」

03話 - マリルリ危機一髪

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f29m1

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 一方その頃、風呂の水を止めに走ったチャーレムはニドクインと会い一緒に2階へと上がっていた。

ニドクイン
「ダメじゃないお風呂の水を止め忘れるなんて。私が気づかなかったら溢れていた所よ」
チャーレム
「アハハ! ゴッメーン。今度は大丈夫だから許して! ね?」
ニドクイン
「全く、あなたはすぐにそれなんだから。……あら、何か騒がしいわね」

 ニドクインとチャーレムの前をドスドスと足音を立てながら(しかし乙女走りで)ガブリアスが駆けてきた。

ガブリアス
「うわあああああん! ニドちゃん!! レムちゃあぁーーん!!」
ニドクイン
「ど、どうしたのガブリアス!!」
ガブリアス
「わ、私たちの部屋に変態のぞき痴漢男がぁ~!」
ニドクイン
「なんですって!?」
チャーレム
「のぞき……? って、まさか……」



 三匹が部屋に駆け込むと、そこにはとんでもない光景が広がっていた。

ノクタス
「こいつめ!! こいつめ!!」
ギャラドス
「ノクたんもっとやっちゃえ!!」
マリルリ
「いや……、だかr……げふっ! ご、誤か……、ふべっ、ちょ、も、もうギブギブ……。あべし!!」

 それは、ギャラドスに締め上げられた上にノクタスのニードルアームのラッシュを喰らっているマリルリの姿であった……。

ニドクイン
「何なの!? この騒ぎは!?」
チャーレム
「マリルリ!?」
ニドクイン
「知ってるの!?」
チャーレム
「あー、知っているというかさっき知り合ったというか……。
 と、とりあえずストップストップ!!
ノクタス
「ギャラちゃん!! とどめのいっちゃえ!!」
ギャラドス
「まかせて!!」

 ギャラドスは拘束を解き口元にエネルギーを集め、床に倒れこんだマリルリに狙いを定めている。

チャーレム
「ちょっ! 破壊光線チャージ中!?」
マリルリ
(は、はかいこうせん……? に、にげなきゃ……。
 でも、体が麻痺して動けない……)
ギャラドス
「たぁーーーーーーーーー!!」
マリルリ
「も、もうダメだ……。ああ、走馬灯が見える……」

 しかしギャラドスの放った破壊光線がマリルリに当たる直前、その間にチャーレムが割り込んだ!

マリルリ
「え?」
チャーレム
「秘儀! 明鏡止水の構え!!」

 チャーレムが『みきり』を使うと放たれた光線が分散され後ろにいるマリルリには当たらなかった

ギャラドス
「え? チャーレムちゃん?」

 驚くギャラドスの隙を突きチャーレムは高く跳躍し、ギャラドスの頭上まで飛び上がった。拳に電撃が纏われていく。

チャーレム
「我が拳に集え閃光! 雷の力を持って打ち砕かん! 雷・鳴・拳!!」
ギャラドス
「きゃあああああ!!」

(ズギャーーーーーーーン!!)

 凄まじい轟音と共にチャーレムの放った『かみなりパンチ』がギャラドスにヒットした。
 たまらず倒れこむギャラドスと着地してポーズを取るチャーレム。

チャーレム
「決まった!」
ノクタス
「『決まった!』じゃないでしょーーーーー!? 何すんのよ!!」
チャーレム
「それはこっちのセリフ! あんたら何やってんのよ! そいつは新しく入ってきた新入りよ! たぶんのぞきじゃないってば!!」
マリルリ
「た、たぶんって……。ひどい……」


 チャーレムが事情を説明して誤解を解き、ボロボロになったマリルリは無事に開放された。そして――

ノクタス
「本っ当!! ごめんね~~~。もう、マリルリ君も新人なら新人だって言ってくれればいいのに~」
チャーレム
「どーせあんたのことだから、話も聞かず勝手に勘違いしたんじゃないのー? 本当にあんたはうっかりやでおっちょこちょいなんだから」
ノクタス
「それはアンタも大概でしょー?
 こないだもカッコつけて技の練習して、壁ぶちこわしたでしょ?
 本当アンタって愉快なサザエさんなんだから」
チャーレム
「サザエって言うなー!! あたしは『まさえ』ってニックネームがあるんだから! もしくは『流星の拳士レム・シューティングスター』と呼ぶがいい!!」
ニドクイン
「はいはい、その位にしときなさい」

 はたから見ると漫才にしか思えない会話をする二匹をニドクインがいさめる。

マリルリ
「え、えっと……、そういうわけで今日からお世話になるマリルリです。
 よろしくおねがいします」
ギャラドス
「さっきはごめんね。私はギャラドスよ」
ガブリアス
「あ……、私はガブリアス、です……。勘違いして……、ごめんなさい」

 ギャラドスの影に隠れてチラチラとこちらを見るガブリアス。見た目に反しておとなしい性格のようだ。

ノクタス
「あ、ガブちゃんのことは気にしないで。この子ちょっと恥ずかしがりだから」
マリルリ
「そうなんですか」
(とてもそうは見えないけど……。人、じゃない、ポケモンを見た目で判断しちゃ悪いか)
チャーレム
「あたしはさっき紹介したけど、もう一回ね。大事な事は二回言うっていうでしょ? 種族はチャーレム。N……Nは『まさえ』ね。
 趣味は厨二ネーミング。特技は必殺技! 自分で勝手に考えた通り名は『流星の拳士……」
ノクタス
「はいはい、聞いてない聞いてない!」
マリルリ
「(厨二ネーミングって……)あの、それってもしかしてさっきの『みきり』や『かみなりパンチ』を使ってたときに言ってたアレ?」
チャーレム
「そ。だってその方がカッコいいしょ?
 そうだ! マリルリにもカッコいい通り名つけたげようか?」
マリルリ
「……遠慮します」

ノクタス
「アタシはノクタス。でもさーマリルリ君もいきなり入ってくるんだもん。そりゃあ、のぞきと間違えるわよ」
チャーレム
「そうなの?」
マリルリ
「いや、一応チャイム鳴らしてたんだけど……」
チャーレム
「ほーら、やっぱあんたが聞いてなかっただけじゃん」
ノクタス
「う……、た、確かにちょっと化粧に夢中になって聞いてなかったかも……」
ガブリアス
「私もお昼寝していたし……。
 ギャラちゃんはトレーニングに行ってたから……」
チャーレム
「そういやさ、何でマリルリこいつらの部屋にいたわけ?」
マリルリ
「え? 何でって、ここの代表のポケモンさんに挨拶しに行こうと思ったらチャーレムさん行っちゃったし、どこの部屋かわからなかったから……」
チャーレム
「あれ? あたし部屋番号言ってなかったっけ?」
マリルリ
「うん。言ってない。聞いてないよ」
チャーレム
「……あっははは! うん、忘れてたね、言うの。ごめん」
ノクタス
「ね? こいつは本当にドジっ子サザエなのよね」
チャーレム
「だーかーらー! サザエはやめてって! ドジっ子はまだ許すけど!」

 あちゃー、という顔をしながら笑って謝るチャーレムと、からかうノクタス。サザエと呼ばれるのは嫌なようだ。
 しかしなぜ『サザエ』なのか……。意味としては確かに通じそうではあるが。

マリルリ
「……あー、えーと……」
ギャラドス
「続けていいわよ。この二人いつもこんなんだから」
マリルリ
「それで2階に来たけど、どうしようかと思っていたらピチューに案内してもらって……」
チャーレム
「ピチューに?」
マリルリ
「はい。それでここに入って待ってろ、って……」

 マリルリの話を聞いて、ははあ、とか、なるほど、とつぶやいたり、うんうんと頷いている。

チャーレム
「なるほどね。マリルリ~、あんた騙されたんだよ。姐さんの部屋は3番の部屋。ここじゃないよ」
マリルリ
「ええっ!?」
ニドクイン
「ごめんなさいね、あの子イタズラ好きだから。
 そうそう私はニドクインよ。これからよろしくね」
マリルリ
「は、はい。あ、ひょっとして貴女が代表の方ですか?」
ニドクイン
「え? フフ、違うわよ」
マリルリ
「違うんですか? す、すいません、なんだかそれっぽかったから……」
チャーレム
「確かにそれっぽいかもねー。ニドクインは世話焼きだから」
ニドクイン
「そりゃあ、ね。世話のかかる子達が多いのだもの」
チャーレム
「うぐ……」
マリルリ
「それじゃあ代表のポケモンって……」
???
「どうした、お前たち」
ギャラドス
「あ、お姉さま!」
チャーレム
「おっ、噂をすればってやつだね」
マリルリ
「え?」
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