「で、オメーは何なんだ?」
セッコと名乗った男がまた同じ質問を繰り返してきた。馬鹿にも程があるわ。
「しつこいわね、さっき自己紹介したばっかりじゃない!」
「名前はわかったつってんだよお、その前後が意味不明なんだああ!」
まさか人語を解さないなんて事はないでしょうね。
「だからここはトリステイン魔法学院で、あんたは私の使い魔。」
セッコと名乗った男がまた同じ質問を繰り返してきた。馬鹿にも程があるわ。
「しつこいわね、さっき自己紹介したばっかりじゃない!」
「名前はわかったつってんだよお、その前後が意味不明なんだああ!」
まさか人語を解さないなんて事はないでしょうね。
「だからここはトリステイン魔法学院で、あんたは私の使い魔。」
「それがわかんねえてんだろおおおおおおお!」
どうやったらこの変な奴にうまく説明できるの、後にして休みたいわ。
「後でゆっくり説明してあげるから、わたしについてきなさい。」
「うん。」
セッコは大人しく後をついてきた。案外素直じゃない。
それとも使い魔の印のせいなのかしら?
「ここが私の部屋よ。とりあえず入りなさい。」
「うん、うん。」
どうやったらこの変な奴にうまく説明できるの、後にして休みたいわ。
「後でゆっくり説明してあげるから、わたしについてきなさい。」
「うん。」
セッコは大人しく後をついてきた。案外素直じゃない。
それとも使い魔の印のせいなのかしら?
「ここが私の部屋よ。とりあえず入りなさい。」
「うん、うん。」
ふと、辺りが埃っぽいとうかカビ臭い事に気づいた。
あ、そういえばこいつゴミの山の中から出てきたんだったわね……
あ、そういえばこいつゴミの山の中から出てきたんだったわね……
「ちょ、ちょっと待ちなさい!」
「?」
「その前に体を洗ってきなさい、あなたゴミの中から這い出してきたのよ。」
「わかった。」
「?」
「その前に体を洗ってきなさい、あなたゴミの中から這い出してきたのよ。」
「わかった。」
凄い勢いで行っちゃったけど、水汲み場が何処か判るのかしら?
まあいいわ、今日は凄く疲れたし昼寝でもしよう。
まあいいわ、今日は凄く疲れたし昼寝でもしよう。
あいつは一体何なんだぁ?変な服を着てるし偉そうだし、しかもあいつに命令されると、なんとなく素直に返事をしてしまう。
不快ではない、しかし何が何だかわからねー。
その上自分のことすら名前以外思い出せないときたもんだ。
考えても始まらないし、確かに体はカビ臭い気がするし、洗ってから話を聞こう。
不快ではない、しかし何が何だかわからねー。
その上自分のことすら名前以外思い出せないときたもんだ。
考えても始まらないし、確かに体はカビ臭い気がするし、洗ってから話を聞こう。
「……どこで洗えばいいんだ?」
そうだ。水がある場所なら、水の音がするんじゃねえか?
そう思って耳を澄ますと、何かを洗っているような音が聞こえてきた。
きっとそこには水があるに違いない。
程なくして水場が発見できた。使用人っぽい服を着た女が洗濯をしている。
「この水で体を洗っていいか?」
「きゃあああああ!!」
!?
そう思って耳を澄ますと、何かを洗っているような音が聞こえてきた。
きっとそこには水があるに違いない。
程なくして水場が発見できた。使用人っぽい服を着た女が洗濯をしている。
「この水で体を洗っていいか?」
「きゃあああああ!!」
!?
「あ、す、すみません! ちょっと驚いてしまって……
でも、でもここは貴族様の来る様なところでは、……」
でも、でもここは貴族様の来る様なところでは、……」
畜生また変な奴か。
「貴族じゃねえ、オレはセッコだ。 で、この水は使っていいか?」
「それは失礼しました。かまいませんよ。
でも、できればお洗濯が済むまで待ってもらえますか。あ、あと私シエスタって言います!」
「わかった。」
「それは失礼しました。かまいませんよ。
でも、できればお洗濯が済むまで待ってもらえますか。あ、あと私シエスタって言います!」
「わかった。」
初見のオレに水をただで使わせてくれるなんていい奴だ。
だが張り付いた様な黒いおかっぱ頭がどうも気に食わねえ。
ボーっと眺めていると洗濯は終わり、シエスタとかいう使用人は何処かへ行ってしまった。さっさと体を洗って戻ろう、ルイズに聞きたい事が多すぎる。
だが張り付いた様な黒いおかっぱ頭がどうも気に食わねえ。
ボーっと眺めていると洗濯は終わり、シエスタとかいう使用人は何処かへ行ってしまった。さっさと体を洗って戻ろう、ルイズに聞きたい事が多すぎる。
あ……あー、部屋はどこだっけ?
「ふぁあ……もう夕方かぁ」
ちょっと昼寝のつもりがずいぶんと時間が経っちゃったわ。
あら、そういえば使い魔はどこ?
ちょっと昼寝のつもりがずいぶんと時間が経っちゃったわ。
あら、そういえば使い魔はどこ?
「うおあ! うおっ月 月があぁ!」
下が騒がしい、窓から身を乗り出し見てみると、
変な服を着た男が騒いでいた。ってセッコじゃないあの馬鹿ああああああ!!
「ちょっと何やってるのよ、早く戻ってきなさい!!!」
変な服を着た男が騒いでいた。ってセッコじゃないあの馬鹿ああああああ!!
「ちょっと何やってるのよ、早く戻ってきなさい!!!」
「おあ ルイズ! 月 月っ月!!!」
「いいから戻ってこいって言ってるでしょ!」
「いいから戻ってこいって言ってるでしょ!」
「うぼあ……あ……わかった。」
ため息をつきつつ窓に背を向ける。
どう考えてもこの使い魔は使えない。涙が出てくる。
どう考えてもこの使い魔は使えない。涙が出てくる。
ドスッ
「戻った。」
「戻った。」
なんか早くない?
「ねえ、どこから入ってきたの?」
「窓。」
「そう。早いのはいいけどできればドアから入って欲しいわ。」
え、窓?!ここ3階だったわよね?
「セッコあなた魔法使えたの?」
「ねえ、どこから入ってきたの?」
「窓。」
「そう。早いのはいいけどできればドアから入って欲しいわ。」
え、窓?!ここ3階だったわよね?
「セッコあなた魔法使えたの?」
「魔法なんか使えるわけねえだろぉ、普通に下からジャンプして上がってきた。」
「そ、そう、あなた結構やるわね。」
前言撤回。こいつ意外と使えるかもしれないわ。
「そ、そう、あなた結構やるわね。」
前言撤回。こいつ意外と使えるかもしれないわ。
「なぁー聞いてもいいか?」
「何よ。」
「素朴な疑問なんだよぉ……メチャ最高に……」
「言ってみなさいよ。」
「何で月が二つあるんだ?お前は何なんだ?オレは何をすればいい?」
「月が2つあるのは当たり前。私は貴族でメイジのルイズ。セッコは私の使い魔。」
「月とルイズはともかく、いや月はおかしいがこの際どうでもいい、使い魔って何だ?」
「何よ。」
「素朴な疑問なんだよぉ……メチャ最高に……」
「言ってみなさいよ。」
「何で月が二つあるんだ?お前は何なんだ?オレは何をすればいい?」
「月が2つあるのは当たり前。私は貴族でメイジのルイズ。セッコは私の使い魔。」
「月とルイズはともかく、いや月はおかしいがこの際どうでもいい、使い魔って何だ?」
「あなた何も知らないのね。」
「自分の事も怪しいのにそんなこと判るかよぉー」
セッコは物凄くしょんぼりした様子で床に座り込んでしまった。ちょっと言い方が悪かったかもしれないわ。とりあえず説明してやることにする。
「自分の事も怪しいのにそんなこと判るかよぉー」
セッコは物凄くしょんぼりした様子で床に座り込んでしまった。ちょっと言い方が悪かったかもしれないわ。とりあえず説明してやることにする。
「まず、使い魔は主人の目となり、耳となる能力を与えられるわ。」
「便利だ。」
「でも無理みたいよ、さっきセッコが下に居た時わからなかったし。」
「ルイズオメー使えねーなぁ」
言われてみれば原因は私かもしれない。でもとりあえず一発殴る。
「便利だ。」
「でも無理みたいよ、さっきセッコが下に居た時わからなかったし。」
「ルイズオメー使えねーなぁ」
言われてみれば原因は私かもしれない。でもとりあえず一発殴る。
「使い魔は主人の望むものを見つけてくる、秘薬とか。」
「それは多分できない。」
最初からそれは期待してないわ。
「それは多分できない。」
最初からそれは期待してないわ。
「使い魔は主人を敵から守る存在である。」
「相手による。」
まあ……そりゃそうよね、妥当な答えだわ。平民の癖に。
「あんたって、強いの?」
「わからない。」
「戦ったこととかないの?」
「うう……あるようなないような……」
記憶が戻らないことには戦わせる気にならないわね、強そうなんだけど。
「相手による。」
まあ……そりゃそうよね、妥当な答えだわ。平民の癖に。
「あんたって、強いの?」
「わからない。」
「戦ったこととかないの?」
「うう……あるようなないような……」
記憶が戻らないことには戦わせる気にならないわね、強そうなんだけど。
……いい事を思いついたわ。
「使い魔は主人の身の回りの世話をする。」
「例えば?」
「起こしたりとか服着せたりとか洗濯したりとかよ。」
「できるけどやりたくない。」
「やりなさいよ馬鹿。」
「ご褒美くれるなら。」
「食べ物と寝る場所の世話は私がするのよ?それで十分でしょ?」
「うーあー」
「じゃあ他に何が欲しいのよ。」
「甘いの。」
「飴とかでいいのかしら?」
「うん!うん!」
「気が向いたらあげるわ、でもわたしの命令はちゃんと聞きなさいよ?」
「うん。」
意外と扱いやすいかもしれないわ。けど明らかに教育が必要ね。
「例えば?」
「起こしたりとか服着せたりとか洗濯したりとかよ。」
「できるけどやりたくない。」
「やりなさいよ馬鹿。」
「ご褒美くれるなら。」
「食べ物と寝る場所の世話は私がするのよ?それで十分でしょ?」
「うーあー」
「じゃあ他に何が欲しいのよ。」
「甘いの。」
「飴とかでいいのかしら?」
「うん!うん!」
「気が向いたらあげるわ、でもわたしの命令はちゃんと聞きなさいよ?」
「うん。」
意外と扱いやすいかもしれないわ。けど明らかに教育が必要ね。
「あなたと話してたら疲れたわ、寝るからちゃんと朝起こしなさいよ。」
「オレはどこで寝るんだ。」
「ベッドが一つしかないから床ね。毛布ぐらいあげるわ、おやすみ。」
「わかった。」
「オレはどこで寝るんだ。」
「ベッドが一つしかないから床ね。毛布ぐらいあげるわ、おやすみ。」
「わかった。」
やたらと寝るのが早い奴だなあ とセッコは思った。
床に転がって考える。オレは気づいたらここにいた。
ルイズはオレのことを使い魔と呼ぶ。飯と、寝る所と、甘いのをくれるとも言った。
人間として扱われてないような気もするが、同時に何だか懐かしい。
オレはもしかすると元々そういう生活を送ってきたのか?考えたくねえ。
そういえば昼会ったシエスタって奴は親切だった。
だがあの髪だけは許せねえ、いつか毟ってやる。
床に転がって考える。オレは気づいたらここにいた。
ルイズはオレのことを使い魔と呼ぶ。飯と、寝る所と、甘いのをくれるとも言った。
人間として扱われてないような気もするが、同時に何だか懐かしい。
オレはもしかすると元々そういう生活を送ってきたのか?考えたくねえ。
そういえば昼会ったシエスタって奴は親切だった。
だがあの髪だけは許せねえ、いつか毟ってやる。