母は強し、そして脆い ◆EPqQEjq/rc
「はぁ……はぁ」
少女が息を荒げながら頭部を押さえつつ走る。
時々、後ろを振り返っては誰もいないことを確認し、安堵の息を着く。
だが真の安息を得るには、まだまだ走り続けなければならない。
時々、後ろを振り返っては誰もいないことを確認し、安堵の息を着く。
だが真の安息を得るには、まだまだ走り続けなければならない。
「――!?」
先回りされていたのか、少女は気付けなかった。
だが無理も無い。今、彼女が居る灯台はかなり複雑な構造になっている。
初めて訪れた際にちゃんと内部を回っておけば、こうはならなかったかも知れない。
そう後悔するが、もう遅い。
だが無理も無い。今、彼女が居る灯台はかなり複雑な構造になっている。
初めて訪れた際にちゃんと内部を回っておけば、こうはならなかったかも知れない。
そう後悔するが、もう遅い。
血に濡れた鉄パイプ。先ほど少女の頭部を殴ったものだ。
それを少女を追ってきた、少年が振り下ろす。
カンッ!と甲高い音が鳴り響く。少女は紙一重でそれをかわした。
少年は再び鉄パイプを振り上げる。少女は回避しようとしたところで、横は壁である事に気付いた。
更に後ろにも壁。恐らく偶然が重なった故の結果だろうが、完全に追い込まれてしまった。
それを少女を追ってきた、少年が振り下ろす。
カンッ!と甲高い音が鳴り響く。少女は紙一重でそれをかわした。
少年は再び鉄パイプを振り上げる。少女は回避しようとしたところで、横は壁である事に気付いた。
更に後ろにも壁。恐らく偶然が重なった故の結果だろうが、完全に追い込まれてしまった。
「や、やめ――」
少女が今出来る、迫りくる死への唯一の抵抗。いや抵抗と言うにはあまりにも弱弱しい。
正確に言い換えるのなら“交渉”といったものか。いやそれも的確では無い。
だが少女はそれを無駄だと分かっていても尚言おうとした。
正確に言い換えるのなら“交渉”といったものか。いやそれも的確では無い。
だが少女はそれを無駄だと分かっていても尚言おうとした。
――ゴスッと鈍い音が少年の耳に響いた。
少女が放った最後の言葉すらも、少年は言わせず少女を鉄パイプで撲殺した。
未だに少女の頭部を、その鉄パイプで殴り砕いた感触は忘れられない。
硬く、柔らかくもあり、非常に不快な感触。恐らく自分はこの感触を永遠に忘れる事は出来ないのだろうと思った。
硬く、柔らかくもあり、非常に不快な感触。恐らく自分はこの感触を永遠に忘れる事は出来ないのだろうと思った。
だが構わない。このまま生き続け永遠に人を殺した罪悪感を背負おうとも。何処の誰とも知らない人に呆気なく殺されようとも。
兄妹さえ――家族さえ生き残ってくれればそれで――
「おい。お前、何してる……?」
背後。
声を掛けられた。それは幼く高い女性のもの。
振り返れば、その女性は居た。先ほど殺した少女よりも外見は幼い。
僅かに残った良心が、少年の手を緩めそうになる。だが決意で握りなおす。
振り返れば、その女性は居た。先ほど殺した少女よりも外見は幼い。
僅かに残った良心が、少年の手を緩めそうになる。だが決意で握りなおす。
「――ディケイ……ド?」
ほんの僅かな攻防。いや攻防と言えるかすらも怪しい。
そして、その死体を見て彼女の理性は消えうせた。
一瞬にしてアキラとの距離を凶華は詰めた。
そのあまりに化け物染み、尚かつ神速の動きにアキラは動揺表に出しつつも、鉄パイプを渾身の力で振り下ろす寸前で顔を掴まれ。
そのあまりに化け物染み、尚かつ神速の動きにアキラは動揺表に出しつつも、鉄パイプを渾身の力で振り下ろす寸前で顔を掴まれ。
地面へと叩き付けられた。
頭蓋骨が砕け脳が軋む。
「ごめ、ん。兄貴、トウ、マ――」
朦朧とする意識のなか頭部から流れる血を眺め。
南アキラは息を引き取った。
殺す気は無かった、と言えば嘘になるかもしれない。
だが、理性では殺さず相手を無力化しようと思っていた。これは本当だ。
でも、目の前で、娘が死んでいて、その犯人が目の前に居て、理性を保っていられる母親など存在するのだろうか。
でも、目の前で、娘が死んでいて、その犯人が目の前に居て、理性を保っていられる母親など存在するのだろうか。
「――凰火。こういう時、夫は妻の傍に居てやるものだろうが……」
「その、少年を殺したのは貴様か?」
凛とした女性の声。娘の死を悲しむ事はおろか実感する暇すらない。
またもや偶然か、ここまで来ると最早仕組まれて居るようにも見える。
この短時間に灯台に4人も参加者がやってくるなど。
いや仕組まれていたのかもしれない。この悪趣味な催しを開いた者達に。もっと苦しめと。もっと殺し合えと。
「そうだ」
否定はしない。言い訳もしない。
する気力も無い。
目の前の少女は明らかにこちらを警戒している。
その証拠に一見普通に立っているように見せて、何時でも戦闘が可能なように構えている。
その証拠に一見普通に立っているように見せて、何時でも戦闘が可能なように構えている。
――どんな願いも叶えてやろう。
――荒唐無稽な望みでも良い。叶えられないことは無いと約束する。
思わず噴出しそうになる程、馬鹿だ。そう凶華は思った。
今、脳裏を過ぎったのは優勝し願いを叶える事。
今、脳裏を過ぎったのは優勝し願いを叶える事。
奴等は言った。どんな願いも叶えると。
そして奴等は行った。あの黄色いタイツの少年に殺害された男を目の前で蘇らせた。
――ならば、失った娘は帰ってくる?
時間。
それは人がどうしても抗うことの出来ない、残酷な物の一つであり。そして人を癒してくれるものでもある。
もしも、ほんの数分でもいい。凶華に落ち着いて思考を纏める時間があったら?
もしも、その数分が、幾分心を僅かながら癒してくれたとしたら?
もしも、ほんの数分でもいい。凶華に落ち着いて思考を纏める時間があったら?
もしも、その数分が、幾分心を僅かながら癒してくれたとしたら?
凶華は違ったかもしれない。
だがそれは既に通りすぎた。過去の話。
人は過去へは戻れない。
ただあるのは結果だけだ。
だが、まだ分からない。
人は過去を変える事は出来ないが、未来は変える事が出来るのだから。
【D-10 灯台/ 一日目・深夜】
【乱崎凶華@狂乱家族日記】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム品1~3
[思考・状況]基本:???
1:十周年を、生き返らせる……?
2:凰火……。
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム品1~3
[思考・状況]基本:???
1:十周年を、生き返らせる……?
2:凰火……。
※D-10灯台に乱崎十周年と、南アキラの基本支給品、ランダム品(1~3)(0~2)、そして鉄パイプ@現実が落ちています。
【乱崎十周年@狂乱家族日記 死亡 】
【南アキラ@みなみけ 死亡 】
【南アキラ@みなみけ 死亡 】
| 015ドラレツ大百科 | 投下順 | 017:勇次郎驚く |
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| 行動開始 | 乱崎凶華 | [[]] |
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| 行動開始 | 黒神めだか | [[]] |
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