本作は一部の界隈でこそある程度の盛り上がりを見せていたが、全国的に見ればマイナーな部類であり大手TCGをプレイしている側から(元ネタ作品の関係もあって)は比較的白い目で見られる作品でもあった。

少しプレイを試みたがすぐに手放してしまった、辞めてしまった話ももちろん多く耳にするし、自身はプレイしてないが「~のカードは(悪い意味で)知ってる」「~のデッキは(悪い意味で)知ってる」という発言を良く目にしたのも事実である。

では本作は何がダメだったのか

最後まで続けていたプレイヤーからは色々な意見がでると思われる。

これらすべてに原因があるといえばそうだとも思う。
実際、環境への影響が大きすぎると判断されたのか上記の一つにある《ユーティ》へは最終期に致命的なエラッタを出されている 
(ただし、そのせいで空エレメントを含むデッキを事実上消滅させている)


しかし筆者は以下の部分を特に推したい

まずは「デッキ枚数が50枚」であること
これは単純にキーカードを引きやすくデッキが上手く回るということよりも、必要カードが最低限で十分になってしまいやすいという部分が大きい。
4枚制限50枚で組めてしまうと、《体調不良》4、《失敗》4、《マジックアロー》4の安定12枚に強ナビ8~12+4の16枚で28枚分埋まるため、後は使いたいエレメントの強カード5種*4+2で特別悩まずデッキが組めてしまうのである。
これがあと10枚下限に必要であれば、ナビゲーターは基本ナビを枚数あわせに投入せざるを得ないし、汎用性はあるが劇的ではないカードの採用も考えられ、サイドボードが20枚でもデッキコンセプトまでは変えにくくなっていたはず。
もちろん実試合においても望んだカードを引きにくくなり「安定したブン周り」という謎の現象も抑えられていただろう。


2つめはもちろん「キャラクターの登場は原則タップイン」であること

火単がずっと強かったことも
上記強カード群の理由も
除去カードの存在で多数のキャラクターが使うに値しなくなっていたことも
ひたすらコスト対効率が悪いカード群も
アタックとディフェンスのルールによるターン格差も

全てこれが原因であったように思う。
仮に、MtG同様のアンタップイン召喚酔いルールだったとして考えてみると、上記のほとんどがある程度改善されていたはずなのである。

火単が先手1ターン目から速攻をかけようにも《日野森 あずさ》《森原 さとみ》の7点、ましてや18点アタックなんて状況を楽には成立させなくできたり、
そもそも能力が弱くとも1域AP2を持っているキャラクター、複数回ブロック可能なキャラクター、空気能力と化している飛行潜水を代表とする回避能力とそれを防げる能力持ちキャラクターが重宝されたり、
1~2域のDPが4や5あるキャラクター、3域で防御面の能力を保持しているキャラクター《ポップル》等にはかなり価値が出たり、攻めの除去カードも今より1ターン速く撃つ必要があるし、失敗の5HPと1ドローなどにも、もっと価値があったりしたはずなのである。
(3~6域キャラクターのタップ能力についてはさほど変わらないかもしれないし、失敗のピッチは自分側にできなくすべきではあるが)

ルール的な落ち度であった部分のエラッタには当時のユーザーもそこまで難色を示していなかった。
しかし、低迷していた終期に実質削除同然となる謎のカードエラッタを出しユーザーに愛想を尽かせるくらいなら。
F&CTCG公式・担当部署はこのルール箇所へエラッタを早急にかけるべきであった。


過去のことを考えても仕方がないし変わることもない。

しかしながら、もし、仮にそれが実施されていたなら。


当時のユーザーもここまで見放し、黒歴史TCGとされる未来はなかったのかもしれない。
そして2004年6月に公式が夜逃げするような状況にはなっていなかったのかもしれない。


最後のカードセットとなったサードエキスパンションが発売されてからもう20年、当時の人々からも本作の記憶は薄れているであろう。
しかし、その長い月日が経った今でもそう考えてしまう日々を過ごしている。















なお、全盛期みちるロックはこのルールを持ってしても全く関係なくベーシック期を制圧していたであろうことは付け加えておきたい。(むしろより強い)



最終更新:2022年11月11日 11:32