シナリオ「アイデンティティ」
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シナリオ「アイデンティティ」
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§ 1 とあるレッドエリア(レッド・神業禁止)
条件 一番初め
登場 鳳龍、愛奈、十三、咲綾、三間中、紫音、吼得
登場 鳳龍、愛奈、十三、咲綾、三間中、紫音、吼得
ト いつもの荒事、泣成家のトループ、吼得に囲まれる
吼得は牙をむき出しにし、獰猛に吼えた。
「これは報いだ、消得兄貴にケガさせたことのな。俺たち家族に手を出す理由、思い知らせてやるぜ!」
紫音を指さし、部下をけしかける。
「そいつが実行犯だ! お仲間もろとも食い散らかしてやんな!」
紫音は「えっと……、何もしてない、なんてことない、かも……」としらばっくれている様子。
「これは報いだ、消得兄貴にケガさせたことのな。俺たち家族に手を出す理由、思い知らせてやるぜ!」
紫音を指さし、部下をけしかける。
「そいつが実行犯だ! お仲間もろとも食い散らかしてやんな!」
紫音は「えっと……、何もしてない、なんてことない、かも……」としらばっくれている様子。
ト カット進行、戦闘する、敵を全滅させれば勝ち ト 紫音は鳳龍だけを守るのに精いっぱいな様子
紫音はしきりに鳳龍に気をかける。
「鳳龍! 大丈夫? 怪我はない? 私がいる限り何があっても、鳳龍を傷つけさせたりはしないからね」
解散の流れになったその時、倒れたはずのレッガーのトループの一人が起き上がり、鳳龍に向って引き金を引いた。
「鳳龍っっっっ!!!!」
「鳳龍! 大丈夫? 怪我はない? 私がいる限り何があっても、鳳龍を傷つけさせたりはしないからね」
解散の流れになったその時、倒れたはずのレッガーのトループの一人が起き上がり、鳳龍に向って引き金を引いた。
「鳳龍っっっっ!!!!」
ト 紫音が〈※存在証明〉を使用する。
鳳龍と男の間に入った紫音は、乾いた銃声とともに鳳龍の方へ吹っ飛ばされた。鳳龍の胸に収まったのは、眉間に大きな穴が開いて、そこから紫電が漏れ出ている紫音だった。紫音は何が起きたのかわからないままに、それでも鳳龍の無事を確かめて。
「よかった」
額の穴からひびが全身に広がり、紫音は、鳳龍の腕の中で爆ぜた。その中に詰まっていた膨大な情報が、大量の紫電が同心円状に広がり、その場にいた者たちのIANUSにノイズを映す。
「よかった」
額の穴からひびが全身に広がり、紫音は、鳳龍の腕の中で爆ぜた。その中に詰まっていた膨大な情報が、大量の紫電が同心円状に広がり、その場にいた者たちのIANUSにノイズを映す。
ト BS:電子妨害(20)をその場の全員に与える、シーン終了時に自動回復 ト 紫音のキャラシを破る
茫然としている鳳龍の手の中には、紫音の中から出てきた両手サイズの鍵穴のある箱だけが残っていた。
§ 2 鳳龍の拠点(レッド)
条件 § 1の後
登場 鳳龍
登場 鳳龍
一日の終わり。デスクの上に置いてある箱を眺めながら、電話で暁龍に今日の仕事の報告をする。暁龍は終始ただ話を聞いているだけだったが、最後にこう言う。
「鳳龍、お前、大丈夫か?」
「……いや、何でもない」
銃の手入れも終わった鳳龍はシャワーを浴びる。様々な思いが、感情が、排水溝に流れていく。
シャワーを止め、バスローブを羽織ったところで、部屋の方からの物音に気付く。嫌な予感がして飛び出すと、机の上に置いていた箱を手に取る、鼓音の姿があった。鼓音は鳳龍を振り返り、しかし何も言わずに、紺碧(こんぺき)の蝶へと姿を変え、飛んで行ってしまう。箱は持ち去られてしまった。
「鳳龍、お前、大丈夫か?」
「……いや、何でもない」
銃の手入れも終わった鳳龍はシャワーを浴びる。様々な思いが、感情が、排水溝に流れていく。
シャワーを止め、バスローブを羽織ったところで、部屋の方からの物音に気付く。嫌な予感がして飛び出すと、机の上に置いていた箱を手に取る、鼓音の姿があった。鼓音は鳳龍を振り返り、しかし何も言わずに、紺碧(こんぺき)の蝶へと姿を変え、飛んで行ってしまう。箱は持ち去られてしまった。
§ 3 甘味処・綾辻(イエロー・神業禁止)
条件 § 2の後
登場 フェイ、三間中、乃蒼、華南
登場 フェイ、三間中、乃蒼、華南
「綾辻スペシャルパフェでーす、ご注文の品はお揃いですかー?」
綾辻の看板娘、牧野かおりはにこっと笑ってカウンターへ戻っていく。隣の席の男二人はデレデレと、鼻の下を伸ばしてかおりを目で追っている。
テレビではN◎VA上空を周回していたイワサキの戦略飛行船が突如消えてしまったというニュースが流れている。イワサキは、以前までは宣伝目的で飛ばしていたが、メンテナンスのために回収したと発表しているが、マリオネットのトーキーは、イワサキがそのようなことをしたという証拠はないとしている。飛行船の行方は不明なままだ。
綾辻の看板娘、牧野かおりはにこっと笑ってカウンターへ戻っていく。隣の席の男二人はデレデレと、鼻の下を伸ばしてかおりを目で追っている。
テレビではN◎VA上空を周回していたイワサキの戦略飛行船が突如消えてしまったというニュースが流れている。イワサキは、以前までは宣伝目的で飛ばしていたが、メンテナンスのために回収したと発表しているが、マリオネットのトーキーは、イワサキがそのようなことをしたという証拠はないとしている。飛行船の行方は不明なままだ。
ト 一区切りつくと、次へ進む
表通りで突如悲鳴が上がり、それを追いかけるように爆発音がする。たくさんの人が店の前を走って逃げていく、そのスクロールの果てに、黒い壁が店の窓を覆いつくした。それは武装した集団だった。銃床で店のショウウィンドウを割り、店の中になだれ込んでくる。銃を乱射し、店の中は大混乱に陥る。襲撃者のうちの一人がトロンを操作する。すると紫電が店の中に満ちる。
ト 鼓音が神業《電脳神》を《不可知》の効果で使用
IANUSにノイズが走り、視覚・聴覚がジャックされる。真っ暗な中、何が起きているのかわからない。しばらくすると耳鳴りとともに視界も、音もぼんやりと戻ってくる。ゆっくりと立ち上がった三間中と乃蒼は、襲撃者と、フェイと華南がいなくなっていることに気が付いた。
ト 情報項目「襲撃者」
§ 3・1 ???(ベリューレン社地下大実験場)
条件 乃蒼、三間中がアドレス「ベリューレン社」を手に入れたら
登場 フェイ、華南
登場 フェイ、華南
二人は地下牢で目が覚める。二人の両腕は拘束されている。
ト 投獄は《タイムリー》によるもの、神業使用で解くことができる
地下牢からは上へと通じているようだ。途中途中に襲撃者と同じ装備をした連中が警備をしている。これをかいくぐって外へ出なければ。
ト FS判定「地下大実験場からの脱出」
扉を抜けるとそこには、たくさんの肉の塊が積まれている倉庫だった。それらは肌色で皮膚を持っているようだったが、液体のように常に形を変えている。こしょこしょと、その肉の塊たちは小さな声で、何度も何度も「父さん」とささやいている。コンテナがたくさん積まれている。その中身は、シリンダーの中に入った紫色の液体だった。
「ふーん、逃げ出したんだ」
背後に、ホログラムの少女がいた。それは鼓音だった。この以上にまみれた空間の中で、彼女は平然としていた。
「一応ここの管理を任されてる身だから、ほおっておくわけにもいかないしね」
紫色の雷が倉庫中を駆け巡る。うごめいていた肉塊たちはそれにびくびくと痙攣するように答え、互いに混ざり合い、巨大な肉塊となって二人の頭上に迫った。
「薬は不完全だけど、もう充分な効果はあるし、逃げ出しちゃうような危ないモルモットは邪魔だし、潰れちゃえ」
「ふーん、逃げ出したんだ」
背後に、ホログラムの少女がいた。それは鼓音だった。この以上にまみれた空間の中で、彼女は平然としていた。
「一応ここの管理を任されてる身だから、ほおっておくわけにもいかないしね」
紫色の雷が倉庫中を駆け巡る。うごめいていた肉塊たちはそれにびくびくと痙攣するように答え、互いに混ざり合い、巨大な肉塊となって二人の頭上に迫った。
「薬は不完全だけど、もう充分な効果はあるし、逃げ出しちゃうような危ないモルモットは邪魔だし、潰れちゃえ」
ト 神業《電脳神》を《死の舞踏》の効果で使用 ト ここで三間中、乃蒼が登場、三間中の神業で防いでもらう
「ちっ、邪魔しないでよね」
ト 神業《真実》を使用すると鼓音はこの施設について、自分について語りだす
「この施設は、もともとはベリューレン社のクローン製造工場。それをテラウェアが――氷の静謐が秘密裏に利用してたの。まあそう促したのはブランカなんだけどね」
「BIOSとヘイロンの内部にいた氷の静謐メンバーも集って、自分たちの実験施設として流用してたの――カオスドラッグの研究だよ」
「カオスドラッグは、使うと《個人》を溶かしてしまうの。自分と他人の境目があいまいになって、一つになる。氷の静謐の――超AIカオスの悲願だよ。みんな一つになるんだ」
「……まあ、私は興味ないんだけどね」
「人類がどうとかどうでもいい。私はただずっと、ブランカと一緒にいられれば」
「そうだよ、私が協力してたのはブランカのため。ブランカがどうしたいのかは知らないけど、私、彼の言うことだったらなんでも聞いてあげれるの――愛してるの」
「BIOSとヘイロンの内部にいた氷の静謐メンバーも集って、自分たちの実験施設として流用してたの――カオスドラッグの研究だよ」
「カオスドラッグは、使うと《個人》を溶かしてしまうの。自分と他人の境目があいまいになって、一つになる。氷の静謐の――超AIカオスの悲願だよ。みんな一つになるんだ」
「……まあ、私は興味ないんだけどね」
「人類がどうとかどうでもいい。私はただずっと、ブランカと一緒にいられれば」
「そうだよ、私が協力してたのはブランカのため。ブランカがどうしたいのかは知らないけど、私、彼の言うことだったらなんでも聞いてあげれるの――愛してるの」
ト 〈スタイル感知〉を使用すると鼓音はマネキンではないことがわかる
鼓音はブランカを愛していないと指摘すると、鼓音は激高する。
「お前に何がわかる! 私はただの副産物、お姉ちゃんの踏み台、誰も私を望んでなんかいなかった、私が生まれたことさえ知らなかった! ブランカだけなの、私を『使ってくれる』のは!」
「お前らなんて大嫌いだ。この街もろとも消え去ってしまえ!」
鼓音は逃げ出してしまう。その不吉なセリフは四人の脳裏に焼き付き、そしてタップに舞い込んでくるニュースに目を見張るのだった。
「お前に何がわかる! 私はただの副産物、お姉ちゃんの踏み台、誰も私を望んでなんかいなかった、私が生まれたことさえ知らなかった! ブランカだけなの、私を『使ってくれる』のは!」
「お前らなんて大嫌いだ。この街もろとも消え去ってしまえ!」
鼓音は逃げ出してしまう。その不吉なセリフは四人の脳裏に焼き付き、そしてタップに舞い込んでくるニュースに目を見張るのだった。
ト 逃げるのを神業で引き留められたときは《万能道具》を《霧散》で使用 ト もし説得ロールプレイがさく裂したら鼓音を改心させてもいい
§ 4 とあるイエロー
条件 § 3の後
登場 愛奈、結衣、ヨミ
登場 愛奈、結衣、ヨミ
愛奈は咲綾と、結衣は十三と喧嘩してしまった。二人とも、イエローの道をとぼとぼ歩いている。なぜあんなにもひどいことを言ってしまったのかわからない。道すがら、二人はばったりと出会う。
お互いに何かあったのかを話し合ったその時、二人の脳内に誰かの声が流れ込んでくる。
「……ない、……いない、どこ……、どこにいるの……」
気が付くと周囲には不自然なくらい誰もいない。声は一定の方向から聞こえてくるようだ。声に導かれるままに進んでいくと、イエローの隅っこ、ボロボロの館にたどり着いた。
館に入ると、玄関にヨミがいる。ヨミはどこかで怨霊機銃をなくしてしまっている。その怨霊の声に導かれてこの館にやってきた。
三人の脳内にはいまだに声が響き続けている。この館のどこかにいるらしい。
お互いに何かあったのかを話し合ったその時、二人の脳内に誰かの声が流れ込んでくる。
「……ない、……いない、どこ……、どこにいるの……」
気が付くと周囲には不自然なくらい誰もいない。声は一定の方向から聞こえてくるようだ。声に導かれるままに進んでいくと、イエローの隅っこ、ボロボロの館にたどり着いた。
館に入ると、玄関にヨミがいる。ヨミはどこかで怨霊機銃をなくしてしまっている。その怨霊の声に導かれてこの館にやってきた。
三人の脳内にはいまだに声が響き続けている。この館のどこかにいるらしい。
ト 情報項目「声の主」
§ 4・1 青空の館
条件 愛奈、結衣、ヨミがアドレス「青空の部屋」を手に入れたら
登場 愛奈、結衣、ヨミ、青空
登場 愛奈、結衣、ヨミ、青空
ホログラムの女性が、部屋のタンスをひっくり返したり、ベッドの下をのぞき込んだりしている。何かを必死に探しているようだ。
「ああ、来てくれたのね」
女性は三人を認めると、にっこりとほほ笑んだ。その声は、三人の脳内に響いた声と同じだった。
「あなたたちは知ってるわよね、紫音がどこにいるのか。あの子ったら本当にやんちゃで。すぐに変なこと知っちゃったり、死んでしまったり。私がついていてあげないとだめなのね。ちゃんとあの子の生活も、しつけも、記憶も、人格も、命も、全部私が管理してあげなくちゃダメなんだから」
「間違ってなんかいないわ、全部あの子のためだもの! 私はあの子を愛してる! この世界で一番大切な私の宝物! でも私以外、みんないなくなっちゃうんですもの。あの子を失いたくない! 私は永遠に、幸せでいるの!」
「……わかってる。永遠であることが、それほど重要じゃないことは」
「愛は与えるものであって、人からもらうものではないと、分かってたはずなのにね。あの子に――赤羅にも、受け取ることを強要していた」
「あなたたちに、これを」
青空は一つの小さな球体を渡す。
「ああ、来てくれたのね」
女性は三人を認めると、にっこりとほほ笑んだ。その声は、三人の脳内に響いた声と同じだった。
「あなたたちは知ってるわよね、紫音がどこにいるのか。あの子ったら本当にやんちゃで。すぐに変なこと知っちゃったり、死んでしまったり。私がついていてあげないとだめなのね。ちゃんとあの子の生活も、しつけも、記憶も、人格も、命も、全部私が管理してあげなくちゃダメなんだから」
「間違ってなんかいないわ、全部あの子のためだもの! 私はあの子を愛してる! この世界で一番大切な私の宝物! でも私以外、みんないなくなっちゃうんですもの。あの子を失いたくない! 私は永遠に、幸せでいるの!」
「……わかってる。永遠であることが、それほど重要じゃないことは」
「愛は与えるものであって、人からもらうものではないと、分かってたはずなのにね。あの子に――赤羅にも、受け取ることを強要していた」
「あなたたちに、これを」
青空は一つの小さな球体を渡す。
ト アウトフィット「アイデンティティの鍵」をゲット
「あの子の本質……、箱を開けるための鍵よ。鍵穴にこれを入れて、あの子を私の作った枠――『アイデンティティ』から解放してあげて」
「『アイデンティティ』は私が開発した、人格圧縮技術。データ化すると膨大な量になってしまう人格を36ペタバイトまで圧縮できる箱――檻」
「輪郭は、本当のアイデンティティは、あの子の生き様は、私が決めた超越者(ハイランダー)なんかじゃない。あの子自身が決めるべきものだから」
「さあ、私のお迎えが来たみたい。みんな、逃げて」
突如、天井が大きな音を立てて、外側から外されていく。部屋をのぞき込んだのは巨大な、人形の顔。愛奈には見覚えのある顔だ。
「赤羅のドール、よく来てくれたわね」
人形を仰ぎ見る青空を、人形は何本もあるうちの手でわしづかみにし、そのまま食べてしまう。そして三人を見下ろして、つんざく鳴き声で威嚇した。
「『アイデンティティ』は私が開発した、人格圧縮技術。データ化すると膨大な量になってしまう人格を36ペタバイトまで圧縮できる箱――檻」
「輪郭は、本当のアイデンティティは、あの子の生き様は、私が決めた超越者(ハイランダー)なんかじゃない。あの子自身が決めるべきものだから」
「さあ、私のお迎えが来たみたい。みんな、逃げて」
突如、天井が大きな音を立てて、外側から外されていく。部屋をのぞき込んだのは巨大な、人形の顔。愛奈には見覚えのある顔だ。
「赤羅のドール、よく来てくれたわね」
人形を仰ぎ見る青空を、人形は何本もあるうちの手でわしづかみにし、そのまま食べてしまう。そして三人を見下ろして、つんざく鳴き声で威嚇した。
ト SF判定「ドールからの逃走、怨霊機銃の発見、館からの脱出」
三人が館から出ると、屋根を突き破って、ドールが空高く飛んでいくのが見えた。その先に、黒い星が見えた。そして不吉なニュースが、三人のもとにも届く。
§ 5 真教氷の聖母教会(レッド)
条件 § 4の後
登場 鳳龍、灰狼
登場 鳳龍、灰狼
ト 鳳龍の回想
ホログラムの暁龍はいつも以上にまじめ、というか鳳龍の目をじっと見つめている。
「私はな、鳳龍。常々こう思っている。お前の、教育を間違えた、と。星塵に入れてしまったこともあるが、私はお前を、あそこの狂った他の連中みたいにしたかったわけではない。おれはお前の強みを活かせる、そういう環境に置きたかっただけだった」
「そうやってひょうひょうと、へらへらと、自分を取り繕うのがお前の得意分野とでも言うつもりか? はっきり言うが、そのポーカーフェイス、俺には通用していないぞ」
「お前が窮屈に思うなら、星塵から外してやってもいい――まあ、これはまた別の話だがな」
「お前には自分と向き合う時間が必要だと判断した。三合会の利益とか、損とか、そんなことでは左右されない、お前の意思による決定。お前にはこの経験が足りていない」
「というわけでお前、ちょっと慈善活動してこい」
それはスラムの子供たちの面倒を見ている真教の教会で、泊まり込みでボランティアしてこいとのお達しだった。
「何が〈善い〉なのか、お前自身が決めろ」
その言葉が嫌に耳朶に残っている。しかしそんな回想もすぐに、子供たちの喧騒に流されてしまった。
「私はな、鳳龍。常々こう思っている。お前の、教育を間違えた、と。星塵に入れてしまったこともあるが、私はお前を、あそこの狂った他の連中みたいにしたかったわけではない。おれはお前の強みを活かせる、そういう環境に置きたかっただけだった」
「そうやってひょうひょうと、へらへらと、自分を取り繕うのがお前の得意分野とでも言うつもりか? はっきり言うが、そのポーカーフェイス、俺には通用していないぞ」
「お前が窮屈に思うなら、星塵から外してやってもいい――まあ、これはまた別の話だがな」
「お前には自分と向き合う時間が必要だと判断した。三合会の利益とか、損とか、そんなことでは左右されない、お前の意思による決定。お前にはこの経験が足りていない」
「というわけでお前、ちょっと慈善活動してこい」
それはスラムの子供たちの面倒を見ている真教の教会で、泊まり込みでボランティアしてこいとのお達しだった。
「何が〈善い〉なのか、お前自身が決めろ」
その言葉が嫌に耳朶に残っている。しかしそんな回想もすぐに、子供たちの喧騒に流されてしまった。
ト 回想終了
神父(赤羅)が全員をなだめて鳳龍を紹介する。
「みなさん静かに。こちら鳳龍さん。みなさんのために、この教会にお手伝いに来てくださった方です。感謝の気持ちを込めて、『よろしくお願いします』と言いましょう。さんはい!」
よろしくお願いしまーす! 鳳龍の顔は引きつってしまうかもしれない。子供たちは鳳龍によってたかって、遊ぼうだの、どこから来たのだの、質問を浴びせまくる。その輪に混じらず、離れたところから鳳龍をじっと見つめる少女と目が合った。少女はにこりと鳳龍に微笑みかける。
「みなさん静かに。こちら鳳龍さん。みなさんのために、この教会にお手伝いに来てくださった方です。感謝の気持ちを込めて、『よろしくお願いします』と言いましょう。さんはい!」
よろしくお願いしまーす! 鳳龍の顔は引きつってしまうかもしれない。子供たちは鳳龍によってたかって、遊ぼうだの、どこから来たのだの、質問を浴びせまくる。その輪に混じらず、離れたところから鳳龍をじっと見つめる少女と目が合った。少女はにこりと鳳龍に微笑みかける。
ト 灰狼登場
「あ、灰狼、いいところに」
神父が荷物を運び入れてきた灰狼を手招きして、鳳龍を紹介する。
「こちらボランティアに来てくださった鳳龍さんです。鳳龍さん、こちら長い間この教会でカゼとしてお手伝いしてもらっている灰狼です。鳳龍さんには買い出しや荷物の搬入などもやっていただくつもりなので、よろしくお願いします」
「灰狼? どうかしたのですか?」
神父が荷物を運び入れてきた灰狼を手招きして、鳳龍を紹介する。
「こちらボランティアに来てくださった鳳龍さんです。鳳龍さん、こちら長い間この教会でカゼとしてお手伝いしてもらっている灰狼です。鳳龍さんには買い出しや荷物の搬入などもやっていただくつもりなので、よろしくお願いします」
「灰狼? どうかしたのですか?」
ト 灰狼と鳳龍の絡みは流れに任せる。一区切りついたら次へ。
「ではお昼ご飯にしましょう」
子供たちは食器の準備などをし始める。なぜだか自分の手で食べようとする子は少ない。みんな他の子に食べさせあっている。スキンシップも多いようだ。
と、さっき鳳龍を見ていた女の子がいつの間にか近くに来ていて、鳳龍の裾を引いた。にっこりと笑いかける。どうやら懐かれたようだ。
子供たちは食器の準備などをし始める。なぜだか自分の手で食べようとする子は少ない。みんな他の子に食べさせあっている。スキンシップも多いようだ。
と、さっき鳳龍を見ていた女の子がいつの間にか近くに来ていて、鳳龍の裾を引いた。にっこりと笑いかける。どうやら懐かれたようだ。
ト 情報項目「運び入れる荷物」
§ 5・1
条件 情報項目「運び入れる荷物」のある程度の解決
登場 鳳龍、灰狼
登場 鳳龍、灰狼
昼寝の時間。鳳龍は子供を寝かしつけるように赤羅神父から言われる。部屋一面に毛布を引いて、みんなで眠る。おしゃべりする子に注意をしていくうちに、みんなぐっすりと眠りについた。他の誰かと抱き合って眠っている子が多い。灰狼にとってはいつもの光景だ。
鳳龍に懐いた子が鳳龍の裾をしきりに引く。
「一緒に寝よう」
少女は鳳龍に抱き着きながら寝る。その力は強く、より密着しようとしているように思える。少女はとろんとした顔で鳳龍を見上げる。しかしそれは、眠たいわけではないようだ。少女は鳳龍の身体をまさぐる、鳳龍にキスしようとする。
少女はにへらっと笑い、とろけた表情になる。そしてそのまま、溶けた。どろりと、肌色の液体のような肉塊に代わってしまう。見ると他の子供達も次々と溶けていったしまう。そしてお互いに混ざり合って、一つになる。
「素晴らしい」
部屋の入り口から、赤羅が声を上げる。
「これが本当の愛のカタチか! これが永遠の愛か! 〈個〉は消え去り、しかし〈全〉の中で確かに生き残る! 完成したんだ! カオスドラッグが!」
「青空、ついに見つけたぞ! 今会いに行くからな、俺たち家族は一つに――」
駆けだそうとした赤羅はぴたりと足を止める。二人には視覚になっている廊下に、誰かがいるようだ。鳳龍には聞き覚えのある声で、誰かが言う。
「困るなぁ、そんな衝動的に外部に情報を漏らされるのは」
「いや、は、ははは、じょ、冗談ですって」
へらへら笑う赤羅の首に、素早く黒い煙が巻き付き、赤羅を持ち上げた。
「頭を冷やせ。優先順位を間違えるな」
「ひっ、わ、分かってます! でも、俺の家族は助けてくれる約束は覚えてくれてますよね、ブランカさん!」
廊下の先から、ゆっくりと男が歩み出る。初めて会う顔の男、しかし鳳龍は見たことがある。三合会での資料、顔を変えて逃走中のブランカの似顔絵。
また灰狼も、ブランカというその名前に聞き覚えがあった。鳳龍の母、マリアが愛した男。その昔、夏王朝がHAEVENを取り込んだ直後から王族の中にあり、鳳龍が生まれる少し前から行方が分からなくなっていた、無責任な、鳳龍の父親の二つ名。
「ん、客人がいたとは」
「いつぞやの暗殺者と慈善家のバイク乗りか。悪いが君たちにかまっている暇はない。これで失礼するよ」
「君たちが止めるというのなら、それはそれで面白い」
鳳龍に懐いた子が鳳龍の裾をしきりに引く。
「一緒に寝よう」
少女は鳳龍に抱き着きながら寝る。その力は強く、より密着しようとしているように思える。少女はとろんとした顔で鳳龍を見上げる。しかしそれは、眠たいわけではないようだ。少女は鳳龍の身体をまさぐる、鳳龍にキスしようとする。
少女はにへらっと笑い、とろけた表情になる。そしてそのまま、溶けた。どろりと、肌色の液体のような肉塊に代わってしまう。見ると他の子供達も次々と溶けていったしまう。そしてお互いに混ざり合って、一つになる。
「素晴らしい」
部屋の入り口から、赤羅が声を上げる。
「これが本当の愛のカタチか! これが永遠の愛か! 〈個〉は消え去り、しかし〈全〉の中で確かに生き残る! 完成したんだ! カオスドラッグが!」
「青空、ついに見つけたぞ! 今会いに行くからな、俺たち家族は一つに――」
駆けだそうとした赤羅はぴたりと足を止める。二人には視覚になっている廊下に、誰かがいるようだ。鳳龍には聞き覚えのある声で、誰かが言う。
「困るなぁ、そんな衝動的に外部に情報を漏らされるのは」
「いや、は、ははは、じょ、冗談ですって」
へらへら笑う赤羅の首に、素早く黒い煙が巻き付き、赤羅を持ち上げた。
「頭を冷やせ。優先順位を間違えるな」
「ひっ、わ、分かってます! でも、俺の家族は助けてくれる約束は覚えてくれてますよね、ブランカさん!」
廊下の先から、ゆっくりと男が歩み出る。初めて会う顔の男、しかし鳳龍は見たことがある。三合会での資料、顔を変えて逃走中のブランカの似顔絵。
また灰狼も、ブランカというその名前に聞き覚えがあった。鳳龍の母、マリアが愛した男。その昔、夏王朝がHAEVENを取り込んだ直後から王族の中にあり、鳳龍が生まれる少し前から行方が分からなくなっていた、無責任な、鳳龍の父親の二つ名。
「ん、客人がいたとは」
「いつぞやの暗殺者と慈善家のバイク乗りか。悪いが君たちにかまっている暇はない。これで失礼するよ」
「君たちが止めるというのなら、それはそれで面白い」
ト SF判定「カーチェイス」しながら戦闘
赤羅のトラックは横転して転がって行ってしまう。電脳暗渠の下に落ちたそこには、原形をとどめていないトラックと、その中ですりつぶされた赤羅しかいなかった。
「まったく、乱暴だな」
姿は見えないが、ブランカの声がする。
「俺はここで退場させてもらうぜ。最後の一押しができなかったのは残念だが、まあ良しとしよう。俺にとっては、何もかも、どうでもいい」
「きっと君たちが勝つだろうけど、そんな予定調和も、俺は客席から楽しませてもらうぜ」
「まったく、乱暴だな」
姿は見えないが、ブランカの声がする。
「俺はここで退場させてもらうぜ。最後の一押しができなかったのは残念だが、まあ良しとしよう。俺にとっては、何もかも、どうでもいい」
「きっと君たちが勝つだろうけど、そんな予定調和も、俺は客席から楽しませてもらうぜ」
ト 神業で逃走を阻まれた場合《霧散》を使用。
立ち尽くす二人のもとに、今朝からやっていたニュースの続報が入る。
§ 6 千早アーコロジー最上階・天照院(ホワイト)
条件 導入一番最後
登場 咲綾、十三、服部半蔵、千早雅俊
登場 咲綾、十三、服部半蔵、千早雅俊
咲綾の下には服部から連絡が入る。護衛の依頼である。
「除名しておいた身で恐縮だが、君しか頼れない、イワサキの――N◎VAの危機なんだ」
「社長から直々の使命だ。あの飛行船――リーテルリーブ号についてだ」
十三のもとにも、千早雅之から護衛依頼が来る。
「私の養子、雅俊の護衛をお願いしたいのです。あくまで護衛、千早の利益などは考えてくださらなくて結構です。場所はN◎VAセニット――N◎VAの企業の集まり、元老院です。N◎VAの危機に迫られ、議長より緊急招集がありました」
N◎VAセニットが始まる。
円形の机、それぞれに超有名企業の重鎮が座っている。議長は欠席、雅俊がその役を一部代行する。
「テラウェアとBIOSとヘイロンは欠席ですか……。しかし時間がありません。これよりN◎VAセニット臨時集会を始めます。議題はこちらです」
スクリーンに黒い、漆黒の飛行船が大きく映し出される。それは船主を地へ向けて、真っ逆さまに落下している。否、地面に向かって飛行している。
「リーテルリーブ号は木更津に向かって落下中です。落下地点付近には甚大な被害が予想されます。が、それだけではありません。先日、大量の劇薬――カオスドラッグがリーテルリーブ号に輸送されていることが確認されています。このまま落下すれば、木更津だけならず、N◎VA中が甚大な被害を受けることになります」
会場がざわつく。「イワサキは説明責任を果たすべきだ」という声が上がる。その後の沈黙は、服部の発言待ちであった。服部は一見堂々としているが、咲綾にはその首を伝う汗が見えた。
「現在、リーテルリーブ号はわが社のコントロール下にありません」
さらにざわつく。服部は続ける。
「今朝、我々はリーテルリーブ号に接近し、内部の自立戦闘システムAI《リーテルリーブ》と接触しました。これがその時の、記録です」
ざらついたノイズ、続く無機質な音声。
「諸君らの要求は受け入れられない。私は、私の使命まっとうのために、やり遂げなければならない。私の使命、愛の計算機の創造は、超AIカオスの提案の下に今成し遂げられんとされている。すなわち、N◎VA全域の人類をカオスドラッグにより融合、その脳およびIANUSの計算能力で我らが聖人紫音の箱を包み込めば、地上最強の計算機が完成する。我々は『愛とは何か』の問いに終止符を打つことができる。邪魔をしないでもらいたい」
爆音、警告ブザー、パイロットの悲鳴が聞こえる。音声はそこで途切れた。
「向かわせた戦闘機三機とその搭乗員、全員が行方不明です。未知の方法によって、ロスとしました」
会場はしんと静まり返る。服部は深呼吸をし、話を切り出した。
「敵の力は未知数、我々だけでは対処できません。N◎VAの未来を守るため、皆さんにぜひ協力していただきたいのです」
不満が、爆ぜた。「ふざけるな!」「なぜイワサキの尻ぬぐいを我らがしなければならないのか!」「イワサキが責任をもって対処すべきだ!」服部は思わず目をぎゅっとつぶり、肩を跳ねさせた。
その混乱を雅俊が鎮める。
「落下までのタイムリミットは五時間です。一時間だけ、ロビー対談にしましょう。各社の方々、しっかりと議論してください」
他の企業はイワサキから逃げるように、別の企業と話を始めてしまう。服部と話す気のあるものはいないようだ。雅俊だけが、彼女に話しかける。
「千早は協力を惜しまない……と言いたいところだが、全力で支援できるわけではない。天上との兼ね合いもあるんだ。この場にいるエグゼクたちはみな、職業病か、この事件の先のことを考えずにはいられない。自分たちのアーコロジーさえ守り通せれば、その後の荒廃したN◎VAで有利に出れる。行政府も同じ考えのようだ」
「……他企業がどうであろうと、イワサキは全力であれを止める。我々には責任がある……」
「責任と者の存続、どちらが重要かはしっかり見極めなければならない……。ものは貸せても、人は動かせない。許してくれ」
「はは……、企業や団体の損得にとらわれない、純粋にN◎VAを守ってくれる集団があればな……」
咲綾と十三はこのタイミングで話ができる。
「除名しておいた身で恐縮だが、君しか頼れない、イワサキの――N◎VAの危機なんだ」
「社長から直々の使命だ。あの飛行船――リーテルリーブ号についてだ」
十三のもとにも、千早雅之から護衛依頼が来る。
「私の養子、雅俊の護衛をお願いしたいのです。あくまで護衛、千早の利益などは考えてくださらなくて結構です。場所はN◎VAセニット――N◎VAの企業の集まり、元老院です。N◎VAの危機に迫られ、議長より緊急招集がありました」
N◎VAセニットが始まる。
円形の机、それぞれに超有名企業の重鎮が座っている。議長は欠席、雅俊がその役を一部代行する。
「テラウェアとBIOSとヘイロンは欠席ですか……。しかし時間がありません。これよりN◎VAセニット臨時集会を始めます。議題はこちらです」
スクリーンに黒い、漆黒の飛行船が大きく映し出される。それは船主を地へ向けて、真っ逆さまに落下している。否、地面に向かって飛行している。
「リーテルリーブ号は木更津に向かって落下中です。落下地点付近には甚大な被害が予想されます。が、それだけではありません。先日、大量の劇薬――カオスドラッグがリーテルリーブ号に輸送されていることが確認されています。このまま落下すれば、木更津だけならず、N◎VA中が甚大な被害を受けることになります」
会場がざわつく。「イワサキは説明責任を果たすべきだ」という声が上がる。その後の沈黙は、服部の発言待ちであった。服部は一見堂々としているが、咲綾にはその首を伝う汗が見えた。
「現在、リーテルリーブ号はわが社のコントロール下にありません」
さらにざわつく。服部は続ける。
「今朝、我々はリーテルリーブ号に接近し、内部の自立戦闘システムAI《リーテルリーブ》と接触しました。これがその時の、記録です」
ざらついたノイズ、続く無機質な音声。
「諸君らの要求は受け入れられない。私は、私の使命まっとうのために、やり遂げなければならない。私の使命、愛の計算機の創造は、超AIカオスの提案の下に今成し遂げられんとされている。すなわち、N◎VA全域の人類をカオスドラッグにより融合、その脳およびIANUSの計算能力で我らが聖人紫音の箱を包み込めば、地上最強の計算機が完成する。我々は『愛とは何か』の問いに終止符を打つことができる。邪魔をしないでもらいたい」
爆音、警告ブザー、パイロットの悲鳴が聞こえる。音声はそこで途切れた。
「向かわせた戦闘機三機とその搭乗員、全員が行方不明です。未知の方法によって、ロスとしました」
会場はしんと静まり返る。服部は深呼吸をし、話を切り出した。
「敵の力は未知数、我々だけでは対処できません。N◎VAの未来を守るため、皆さんにぜひ協力していただきたいのです」
不満が、爆ぜた。「ふざけるな!」「なぜイワサキの尻ぬぐいを我らがしなければならないのか!」「イワサキが責任をもって対処すべきだ!」服部は思わず目をぎゅっとつぶり、肩を跳ねさせた。
その混乱を雅俊が鎮める。
「落下までのタイムリミットは五時間です。一時間だけ、ロビー対談にしましょう。各社の方々、しっかりと議論してください」
他の企業はイワサキから逃げるように、別の企業と話を始めてしまう。服部と話す気のあるものはいないようだ。雅俊だけが、彼女に話しかける。
「千早は協力を惜しまない……と言いたいところだが、全力で支援できるわけではない。天上との兼ね合いもあるんだ。この場にいるエグゼクたちはみな、職業病か、この事件の先のことを考えずにはいられない。自分たちのアーコロジーさえ守り通せれば、その後の荒廃したN◎VAで有利に出れる。行政府も同じ考えのようだ」
「……他企業がどうであろうと、イワサキは全力であれを止める。我々には責任がある……」
「責任と者の存続、どちらが重要かはしっかり見極めなければならない……。ものは貸せても、人は動かせない。許してくれ」
「はは……、企業や団体の損得にとらわれない、純粋にN◎VAを守ってくれる集団があればな……」
咲綾と十三はこのタイミングで話ができる。
ト 他のキャストを集めるように促す、もしくは他のキャストに登場してもらう
§ 7 N◎VA上空・成層圏
登場 全員
レベッカが〈※超テク〉で装備を整えてくれる。灰狼のバイクを飛行可能に。
ト 戦闘
崩れゆくリーテルリーブは最後の力を振り絞り、鳳龍に攻撃を仕掛ける。
ト 〈※スーサイドアタック〉を使用、神業以外では防げない
残骸の中に、紫色に輝く箱が落ちていく。このままだと木更津湖に落ちてしまう。
ト アイデンティティのカギを《とどめの一撃》で発射する
木更津湖沿岸に一人の、ホログラムの少女が横たわっている。それは紫音であり、しかし紫音でない何かだった。鳳龍は彼女の下へ向かい、そっと抱き起した。少女は目を覚ます。
「……ここは、どこ?」
「何も、覚えて、ない……、怖い……」
涙を流す少女に、鳳龍が書けた言葉は――
「……ここは、どこ?」
「何も、覚えて、ない……、怖い……」
涙を流す少女に、鳳龍が書けた言葉は――
情報項目
☆一つになる薬
◎襲撃者
技能:知覚、企業、ストリート
技能:知覚、企業、ストリート
- 襲撃者は装備は同じだったが、それぞれエンブレムが違っていた。部隊内でもそれぞれ差別化していたのか? 複数の団体の混合部隊であったと推測できる。
- 装備品はすべてBIOS、テラウェア製であった。
- 常人ではありえない身体能力。ドーピングしていたか。しかし市販のドラッグにあのような効果のものは存在しない。
- 紫電のハッキングは、新オメガ=プロジェクトの超AIによるものである。
- 襲撃者たちが二人をどこへ連れ去ったかわかった。アドレス「ベリューレンCo.」をゲット。
☆青空の館
◎声の主
技能:知覚、電脳、アストラル、テクノロジー、社交界、ストリート
技能:知覚、電脳、アストラル、テクノロジー、社交界、ストリート
- 「ああ、どこへ行ってしまったの、私のかわいい、かわいい娘は……」
- 「世界中に散らばったの、あの子の記憶が、情報が……、でもそれはただの記憶、あの子の本質が、どこかに……」
- 「お願い許して……、私はただ、ただ、永遠に、幸せでいたかっただけなの……!」
- 「お願いだから戻ってきて、本当の愛のカタチ、あなたを本当に愛しているの、紫音!」
- アドレス「青空の部屋」をゲット。
☆真教教会の愛の実験
◎運び入れる荷物
- 生活必需品に紛れて、シリンダーに入った紫色の液体がある。何かの薬のようだ。
- 台所で空のシリンダーが大量にあることがわかる。食事に混ぜているのか?
- 運んでくる先は古い倉庫。もともとどこかの会社だった。鳳龍にはそこがベリューレン社跡だと分かる。
- 食事後の昼寝の時間が一番スキンシップが激しい。中にはキスしている子もいるという。カップルではなく、別の日には別の子ともキスをするのだとか。