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ひだまりのない世界で ◆2Y1mqYSsQ.



 ひだまり荘はやまぶき高校の門前にある2階建ての小さなアパートである。
 変わり者が集まると言われていたが、紗英は同級生のヒロを始め、後輩たちもいい子が多いと思っている。
 住民は仲良く、学校生活も平和そのもので悩みらしい悩みは将来についてくらいであった。
 そんな作品の登場人物を彼女は模していた。


 figma紗英は公園の茂みに隠れ、ただただ震えていた。
 何度かその場を離れようとしたのだが、脳裏に赤い怪獣の姿が浮かび、勇者が壊される音が蘇って邪魔をしていた。
 運動神経はいい。ひたすら走ればたとえ遭遇しても逃げ切れるかもしれない。
 何度もそう考えるのに、足が震えて動かなかった。
 戦いを経験したことのない少女としては当然の反応である。
 何度目かの決意が折れ、頭を抱えて座り直した時だ。
「誰か居るのか?」
 男の声が聞こえ、古臭い黒いロボットが姿を見せた。
 先に会ったガオガイガーとは違い線が少なくどこか丸みを帯びていた。
「お、いたいた。安心していいぜ。見た目はちょっと厳ついけど俺はマジンガーZ、正義の味方さ」
「いえ……大丈夫です。私が最初にあった人もロボットでしたし……」
 紗英は安堵しながら返事をする。どうやら先程のガオガイガーと同じく正義の心を持っているらしい。
「へぇ、そいつは助かった。こっちにも女の子がいるんだぜ。なあ亜美ちゃん」
「ええ……自己紹介もいいけど、ここは危険よ。自己紹介は離れてからにしましょう」
「いっけねえ、俺に似ている奴から逃げている途中だった。上空から君を見つけたから降りてきたんだ。
誰かと一緒にいたんだろ? そいつと合流しに行こうぜ」
 紗英は思わず言葉に詰まる。彼が悪いわけじゃない。
 自分の説明が足りなかっただけだ。
 だから涙が流れた自分を見て、焦るマジンガーに申し訳がなかった。


「すみません。取り乱してしまって……」
「いやいいってことさ。けどその怪獣とんでもねぇな」
 マジンガーは顎に手を当てて、考え事をしているようだ。
 ガオガイガーと怪獣の激闘を伝えて以来、亜美と二人でより警戒心を深めたようだ。
「ガオガイガーというロボットについてネットで調べてみたわ。
原作では異星の技術を盛りこまれて特に攻撃力が高いわね。
紗英さんが渡したハンマーを使った攻撃は標的を問答無用で光にする技、ゴルディオンハンマーのことだと思うわ」
「俺たちがどこまで原作に忠実に再現されているかはわからねぇが……それでも破壊力が高いのは変わんねぇんだろ?
その技で倒せない赤い怪獣はとんでもねえな」
「ええ、警戒するべきね。けど情報が足りなさすぎる。先に紗英さんを避難させましょう」
 二人は紗英を守るように挟んで結論をつけた。
 申し訳なくて思わず二人に謝る。
「ごめん……私が頼りなくて。特に水野さんは年下なのに……」
「気にしないでください、紗英さん。それに歳はあくまで原作の話で、私たちはみんな起動したばかりです」
「そうそう、俺たちはみんな生まれたてさ。堅苦しいのはなしにしようぜ」
 カラカラと笑うマジンガーを前に紗英は肩の力が抜けた。
 自分を和ませようと気を遣っているのがわかり、とてもありがたい。
「二人ともありがとう。一人だったらどうにもならなかった……」
「こういう時は助け合いですよ」
 紗英は亜美と二人で顔を見合わせて、微笑み合う。
 さっきまで荒れていた心が嘘みたいだ。
「それでこれから――」
「悪い、二人とも。ちょっと忘れ物しちまった。先に行ってくれないか?」
「忘れ物ってなにを……」
 紗英がマジンガーの唐突な提案に戸惑って質問しようとしたが、亜美が肩を掴んで止めた。
 気のせいか、彼女は一瞬だけ厳しい表情をしたように思えた。
「わかったわ、マジンガーZ。紗英さんと一緒に銀行に向かうから気をつけてね」
「な~に、このマジンガー様の手にかかればちょろいちょろい。じゃ、ちょっと行ってくらあ」
 マジンガーZはいつもの調子できた道を戻っていった。
 唐突な展開に紗英はついていけないが、亜美とは打ち合わせをしていたようだ。
 彼女は自分の手を掴み、歩みが速くなっている。 
「紗英さん、早く着いてお茶でもしません?」
「ならヂェリカンも探さないと。……なんかひだまり荘に帰ってきたみたい」
 紗英が頬をかいて談笑を続ける。

 だから気づかなかった。二人がいち早く察知し、紗英を遠ざける理由となった殺意に。


【早朝/エリアO(公園出口)】

【セーラーマーキュリー@S.H.シリーズ】
【電力残量:50%】
【装備:なし】
【所持品:クレイドル、基本パーツ(ポケコン)、拡張パーツ×1~2(確認済み)】
【状態:ダメージ小、疲労】
【思考・行動】
 基本方針:殺し合いの阻止
 1:紗英を連れて銀行に。
 2:銀行にてマジンガーZと合流。
 3:仲間・情報を収集し、対主催のための態勢を整える


【沙英@figma】
【電力残量:90%】
【装備:無し】
【所持品:クレイドル、ビームサブマシンガン(ガンダムサンドロック改)@ROBOT魂】
【状態:損傷なし】
【思考・行動】
 基本方針:とにかく生き残る
 1:マーキュリーと一緒に銀行へ。
 2:赤い怪獣(=デストロイア)を恐怖。
 3:凱さん(=ガオガイガー)に対して罪悪感

 ※逆光眼鏡は差し替えパーツではなく、通常の表情変化として扱われます。
  また、乃莉の顔差し替えパーツは付属していません。


□

 冷たい夜風がわずかに遊具を動かし、金属の鎖がきしむ。
 土の上に鉄の城は仁王立ちして、全身を刺すような鋭い殺気を受け止めていた。
 砂利を踏み進める音が聞こえる。
 マジンガーZは街灯に照らされた青い単眼のロボットを睨みつけた。
「黒いレプリロイドか。さっき見た奴に似ているな?」
「……もう一人のマジンガーに会ったのか?」
 警戒態勢を解かずに問いかける。一触即発の空気の中で、相手は世間話でもするかのように話し始めた。
「俺が見た奴はもっと刺々しくて強そうだった。けど、お前もやるんだろ?」
 ぶわっ、と黒いオーラが広がったように錯覚する。
 気の弱いものが当てられたら失神しかねないほどの殺意。
 やはり紗英を避難させて正解だったようだ。
「なにが目的か知らねぇが……このマジンガー様が相手になってやるぜ。かかってきな!」
 マジンガーZは見得を切って青鬼と対峙する。
 こいつをのさばらせてはいけない。そんな気がした。
 だが予想に反して相手の殺気は急激にしぼんでいく。
「……お前じゃダメだ」
 なにがだ、とマジンガーZが尋ねるが相手は意に介さない。
「アイツを……伝説を本気にさせるにはお前じゃダメだ。
ロックマンの仲間であればその限りじゃないが……お前は覚悟が出来過ぎている」
「なにを言っているんだお前!」
「そうだ。奴を本気にさせるには覚悟のできていない奴じゃないとダメだ。
もっと平和に暮らして、もっと戦いに無縁で、もっと弱くなければ……。
女がいい。そいつの首でも突きつければ、奴も目を覚ますだろう。クックックッ……」
 両肩を震わせ敵は笑い続ける。同時にマジンガーZの頭が怒りのあまり逆に冷えて腰を落とした。
 ここで確実に仕留めなければいけない。たとえ自分の命と相打ちになろうとも。
 そんな覚悟が怒りより先に、冷静な戦士へのスイッチになった。
「……お前を逃すわけにはいかねえ」

「ほう、となると……」
 モノアイを光らす殺人鬼が笑ったように見えた。

「その先にいるな? 俺の条件を満たした相手が!」

 マジンガーZは地面を蹴って加速する。TVアニメのように機敏に動いて標的を定めた。
 兜甲児と戦い抜いた幾多の経験を元に、容赦なく有名な技を叩き込もうとする。
「ロケットパ――なにっ!?」
 突如現れた白い放熱板のような物体が足をすくった。
 バランスを崩してマジンガーZはうつ伏せに倒れる。
 マズイ、とすぐに立ち上がろうとしたが、もう一つの放熱板――フィンファンネルが垂直に落ちて地面と首を縫いつけた。
 コの字の中にちょうど首が挟まり、フィンファンネルは地面に深々と突き刺さる。
 マジンガーZはまるで首枷をはめられたような状況に焦った。
「もう一人のお前の戦いを見せてもらったが、これで倒せるとは思っていない。だからいかせてもらうぞ」
「待ちや……がれ!」
「なんなら鬼ごっこでもするか? 俺は奴の本気を引き出せるならそれでいい。
参加は自由だ。それじゃあよ~い……」
 耳をつんざくような爆音が聴覚センサーを震わせる。
 煙に紛れて敵の気配も遠のいていった。完全にしてやられた。
 マジンガーZは悔しさのあまり叫んでしまう。

「くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


【早朝/エリアO(公園)】

【マジンガーZ@スーパーロボット超合金】
【電力残量:60%】
【装備:ジェットスクランダー】
【所持品:クレイドル、基本パーツ(同梱装備一式)、拡張パーツ×1~2(確認済み)】
【状態:ダメージ中、疲労、首をフィンファンネルで拘束されて動けない】
【思考・行動】
 基本方針:殺し合いの阻止
 1:VAVA(名前は知らない)を追いかける。
 2:亜美と紗英を絶対に守りぬく。
 3:対主催のための態勢を整える
 4:マジンカイザーが気になる

【VAVA@D-Arts】
【電力残量:60%】
【装備:肩キャノン】
【所持品:クレイドル、基本パーツ(同梱装備一式)、フィン・ファンネル×7(νガンダム)@ROBOT魂】
【状態:ダメージ小】
【思考・行動】
 基本方針:ロックマンの『伝説』を叩き潰す。
 1:ロックマンを煽るために女の首がほしい。
 2:さらなる強さを得る。
 3:ゲーム煽動。



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最終更新:2014年12月16日 01:58