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Ride The Wind ◆6O/b6a0evc



「ここがバトルロワイアルの世界か…なるほど、設定通りの武器が使える。殺しあいがしやすいようになってるわけだ」

世界の破壊者、通りすがりの仮面ライダー、歩くライダー図鑑。
そう呼ばれた仮面ライダーのフィギュア、ディケイドはカードを手に取り一人呟く。

「だが他の仮面ライダーへの変身は出来ないか…」

彼のモデルになった仮面ライダーディケイドの使うカメンライド。
所持しているライダーカードを使い、平成ライダーに変身しその力を発揮するというチートとも呼べる能力。
これこそがディケイドというキャラクターの魅力でもある。

しかし、このバトルロワイアルの舞台に呼ばれた彼のフィギュアはその能力を使えない。
通常のディケイド、コンプリートフォーム、そして激情体。
彼に許されたフォームチェンジはこの三つだけである。
もし他のライダーと彼のベルトが交換可能パーツであれば、話は変わったのかもしれないが。

「まあ、出来ないものは仕方ない。それよりもこれからどうするかだ」

通りすがりの仮面ライダーとして動くなら殺し合いに反抗するべきだ。
『世界の破壊者』ディケイド激情体として動くなら他のフィギュア…主に仮面ライダーを破壊するべきなのだろう。
これが本物のディケイドが殺し合いに巻き込まれたのなら迷う事はない、呼び出されたタイミングのディケイドとして動くだけだ。
だがディケイドのフィギュアである彼はどちらの姿も持ち合わせ、どちらにもなれる為自分のスタンスを決めかねていた。

「いっそのこと本物とは逆に旅も破壊も…仮面ライダーにもならないってのもありか…なあ、あんたはどう思う」
「き、気づいてたのか…」

呼びかけられたフィギュアはぎこちない動きで物陰から姿を現す。

「お前は…仮面ライダーブレイド」
「ウェッ!? あんた、俺を知ってるのか!」
「ああ、よく知っている。同じ仮面ライダーだからな。特にブレイドはな」

ディケイドの前に現れたのは仮面ライダーブレイド。
同じように仮面ライダーをモデルにしたフィギュアの一人だ。
原作のディケイドからしたらブレイドは因縁深いライダーになるのだが。

「なんだ、あんたも仮面ライダーだったのか…なら、迷う事はないだろ」
「ほう…と、いうと?」
「仮面ライダーは正義のヒーローだ。なら、俺たちはこの殺しあいを止めるべきだ!」
「…俺達が本物ではなく、ただのライダーのフィギュアだったとしてもか?」
「ああ、それでも俺たちは仮面ライダーだからだ」

仮面ライダーは子供達のヒーロー。
子供達はライダーに憧れ、そのフィギュアを手に入れライダーとして扱う。
子供達にとってはフィギュアの自分達も『仮面ライダー』なのだ。

「あんたも元の記憶があるならわかるだろ。ライダーは悪と戦い人々を守る存在なんだ。
そんな仮面ライダーが、たとえフィギュアでも殺しあいなんかにのっちゃいけないって!」

ディケイドに植え付けられた記憶にある、様々な世界の仮面ライダー達。
目の前の小柄なブレイドも彼らと同じく、熱い正義の心を持った仮面ライダーの一人だと確信した。

「まったく…説教するキャラの俺が、他のライダーに教えらえるとはな。
まあ確かに、俺もたまには普通の正義の仮面ライダーとして動くのも悪くないか」
「たまにはって…お前、本当にライダーなんだよな?」
「当たり前だろう。仮面ライダーディケイド、通りすがりの仮面ライダーだ。よろしく頼むぞブレイド」
「こっちこそよろしく頼む、ディケイド!一緒にこの殺しあいを…」
「避けろ、ブレイド!」

先ほどまで二人がいた場所には銃弾の跡が出来ている。

下手人は漆黒の武装に身を包んだ少女――悪魔型武装神姫ストラーフMk2。

「いきなり攻撃とはな。お前、殺しあいにのっているのか」
「話をするつもりはない。あたしはお前達を倒す。それだけだ」


「やめるんだ!こんな殺しあいに乗ったって…うわっ!」
「諦めろブレイド、あっちはやる気満々だ!説教するにしても動きを止めてからだ!」

突如始まったライダーと神姫の戦い。
その展開は一進一退、お互いまともなダメージを与えられず、無駄に電力を消耗していくだけだった。
ブレイドが近づこうとすればストラーフがガトリング付シールドで牽制し、
ディケイドが銃撃をすればストラーフはシールドで防御する。
逆にストラーフがどちらか片方を狙えばもう一人が妨害をする。

「このままじゃ埒があかないな…まずはあの副腕から片付けるか」
「片付けるって、どうするんだよ。右は盾があるし左はリーチの長い剣があるし」
「忘れたのか、お前が言ったんだぞ。俺達は仮面ライダーだ。ライダーなら持っていて当然の物があるだろう」
「そうか…わかった!」

「なにをごちゃごちゃと…!」
ストラーフはブレイドに向けて左の副腕に装備された大剣『グリーヴァ』を振るう。
「ウェイ!」
ブレイドはその一撃をブレイラウザーで受け止め、一枚のカードを取り出す。

――『Thunder』――

瞬間、武装を通じてストラーフの全身に電撃が走る。

「なっ、これは…!?」

予想外の一撃を受けたストラーフは距離を取るがその動きは精彩を欠く。

「今だ!やるぞブレイド!」
「おう!」

二人の仮面ライダーは原作と同じくカードを取り出し必殺技の動作に入る。

 ――FinalAttachRide――
 ――『Kick』『Thunder』――

設定通りに再現された電子音声が戦場に響く。
電撃のショックが引いたストラーフは慌てて右副腕のシールドを使い防御態勢を取る。

「はぁぁぁぁ!!」
「ウェェェェイ!!」

 ――DeDeDeDecade――
 ――『Lightning Blast』――

二人の仮面ライダーの必殺技がストラーフの構えるシールドに突き刺さる。

「くっ…そんな、馬鹿な……!?」
副腕に装備されたシールドがへしゃげ、蓄積されたエネルギーが爆発を起こし副腕が千切れ飛ぶ。

「やった!これであとは左側を!」
「おい、油断するな。あいつはまだ…」

「ハァァァッ!!」

爆煙の向こうからストラーフの左の副腕が振るわれ、ブレイドがボールのように吹き飛ばされる。

「ブレイド!?」

「まさかロークを破壊されるとは思っていなかった。だが、ここからはもう油断しない…勝つのはあたしだ」
シールドと右の副腕を失ったストラーフは大剣を収納し、新たな武器を構えていた。
「おい…なんの冗談だ、それは…そいつは」

ストラーフが構えるのは先ほど吹き飛ばされたブレイドと同じカラーリングの大剣。
ディケイドとブレイドが絆を交わした事により誕生した力。
ファイナルフォームライド・ブレイドブレード。


ブレイドが戦場から離脱させられた為、ディケイドは一人でストラーフの相手をするハメになっていた。
しかし相手をすると言っても既にディケイドは防御をするだけで精一杯だ。
やがて圧倒的な力で、手に持っていたライドブッカーを弾かれる。
「くそっ、まさか原作の俺の武器でやられるとか…最悪の展開だな」

「無駄に痛めつけるつもりはない。頭部だけ破壊させてもらうぞ」
(俺はここで終わるのか…結局俺はライダーではなくただのフィギュア。正義の味方にも破壊者にもなれないのか)
悪魔の振るう狂剣が哀れな破壊者の首を刎ねる――

だがその一撃を己の身体で受け止める正義の味方がいた。

「ぐっ…!大丈夫か、ディケイド!」
「ブレイド!?お前その姿は…」

ブレイドの身体は先ほどまでとはまるで違う姿になっていた。
ブレイラウザーより大型化した武器、全身に装着された黄金のアーマー。
これがブレイドのもう一つの姿、仮面ライダーブレイドキングフォーム。
超合金と同じ素材が全身の装甲に使われている為、並大抵の攻撃ではびくともしない。
先ほどブレイドがブレイドブレードを受けて無事だったのも、同じ素材の胸部装甲のおかげだ。

「なッ、さっきと違う姿だと!?」
「あんたがなんで殺しあいに乗ってるかはわからない…けど!
これ以上、仲間を傷つけさせるわけにはいかないんだ!」

 ――Royal Straight Flush――

「ウェェェェェェイ!!」

ブレイド最強の必殺技、ロイヤルストレートフラッシュ。
ブレイドはキングラウザーにエネルギーを込めストラーフに突進していく。

「くっ…させるか!」

ストラーフ側も黙ってそれを受けるわけがない。
構え直したブレイドブレードにエネルギーを集中させ、ブレイドに叩きつける。


ロイヤルストレートフラッシュとブレイドブレード、二つのブレイドが衝突し戦場に再度爆発が起きた。


「ディケイド、あの子は…」
「わからん。だが、消し飛んでなければ逃げたんだろうな」

爆発の光が消えた後に残っていたのはブレイドとディケイド、そして破損したブレイドブレードだけだった。
使い手であるストラーフの姿は消えていた。

「やれやれ、初戦からこれか…酷い状況だな。先が思いやられる」
「だけど、諦めるわけにはいかないだろ。俺達は仮面ライダーなんだから」


【深夜/エリアG(屋外)】

【仮面ライダーディケイド@S.H.シリーズ】
【電力残量:60%】
【装備:ライドブッカー】
【所持品:クレイドル、拡張パーツ×1~2(未確認)】
【状態:ダメージ中】
【思考・行動】
 基本方針:仮面ライダーとして殺しあいを止める
【備考】コンプリートフォームと激情体にフォームチェンジできます。
原作と違いクウガ~キバへのフォームチェンジはできません。

【仮面ライダーブレイド@装着変身シリーズ】
【電力残量:50%】
【装備:ブレイラウザー】
【所持品:クレイドル、拡張パーツ×1~2(未確認)】
【状態:ダメージ小】
【思考・行動】
 基本方針:仮面ライダーとして殺しあいを止める
 1:ストラーフMk2に殺しあいをやめさせたい
【備考】キングフォームにフォームチェンジ可能です。

※エリアGに破損したブレイドブレード@S.H.シリーズが放置されています。


「くっ…なんて様だ…」

結論を言うと、ストラーフは破壊されていなかった。
あの爆発の瞬間、脚部用ブースターを装着して緊急離脱を果たしていた。
フルアームズパッケージのパーツはエネルギーの消耗を加速させるため使用を控えていたのだが、背に腹は代えられなかった。

あの二人はフィギュアでもモデルになったキャラクターのように動くべきだと言っていた。
なら武装神姫である自分はどうだ。
マスターに従い、共に歩むのが武装神姫の役割だ。
だが今の自分にはマスターがいない。
なら残された役目とは武装神姫のもう一つの目的…神姫バトルのみ。
そう、戦う事しかない。
このバトルロワイアルの舞台で自分はバトルを行い、勝つ事が悪魔型武装神姫ストラーフMk2としてすべきことだ。

「仮面ライダー…覚えたぞ。お前達は、あたしが倒す」

神姫と違い武装も少なく、片方は小柄な事もあって二対一でも勝てると油断していたのは確かだ。
その代償は武装の一部と強力な拡張パーツの喪失。
だが次は油断しない…全力で倒す。

悪魔型武装神姫は次の戦いを求め動きだす。


【深夜/エリアG(東側)】

【ストラーフMk.2@武装神姫】
【電力残量:50%】
【装備:背部ユニット、脚部パーツ、脚部用ブースター】
【所持品:クレイドル、拡張パーツ×0~1(未確認)】
【状態:ダメージ小】
【思考・行動】
 基本方針:バトルを行い勝つ
 1:もう油断はしない
 2:次に仮面ライダー(ディケイド、ブレイド)に出会ったら倒す
【備考】フルアームズパッケージの武装を追加できますが、電力消費が増えます。
ローク(シールド)と右副腕が破壊されました。
※拡張パーツの一つはブレイドブレード@S.H.シリーズでした。


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最終更新:2014年06月03日 23:14