Progress



最近の成果

磁性薄膜表面の原子層分解解析

  • デジタルコンテンツの増大にともない、年々ハードディスクの大容量化が求められています。それを支えるのが、高い記録密度を持つディスク媒体の技術です。1インチ角のテラバイトメモリの実現のためには単位素子を10 nm程度まで縮小しなければなりません。こうしたナノの世界では表面磁性が全体を支配しますが、これまで表面の磁気構造を原子層単位で調べる手段はありませんでした。
  • 本グループではこれまで大型放射光施設SPring-8の軟X線ビームラインBL25SUにて、原子配列を直視できる「光電子立体写真法」や、精密な局所構造解析法である「電子ホログラフィー」の開発を進めてきました。いずれも、試料に軟X線を照射して得られる電子の二次元パターンをもとにした手法です。今回これらの測定法を発展させ、電子の二次元パターンから原子層ごとの電子状態の情報を引き出す方法を考案し、さらに円偏光軟X線を用いて、Ni薄膜の原子層ごとの磁気構造を可視化することに成功しました。
  • 通常Ni単結晶薄膜の容易磁化軸は面内方向にありますが、10から40原子層程度の厚さでは面直方向に容易磁化軸が揃います。同グループは容易磁化軸の向きが面内から面直に変わる要因である磁気的な異方性を詳しく調べ、膜が薄くなると表面一層目の電子状態が容易磁化軸の向きを変える要因であることを実験的に明らかにしました。
  • 面直磁化という現象は今後の高密度記録技術を飛躍させる鍵とされています。原子レベルの磁気構造解明の手法として新奇の磁気材料への応用が期待されます。

高温超電導体Bi2212のキャリア深さ分布の解析

「価電子帯顕微鏡」によるグラファイトのエッジ状態の同定

オージェホログラフィーによる100以上の原子の実空間配列の再現

グラファイトの価電子帯のサイト選択的な軌道モーメント解析


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最終更新:2008年05月10日 19:55