深海教(しんかいきょう)
概要
海神クトゥルーとの眷属神らを崇める
アースガルド大陸発祥の宗教。
超古代文明時代に
拝星教の中でもクトゥルーをメインに崇める宗派が成長、独立して誕生した。
人魚やムイールなど海を住処とする種族に信者が多く、海と密着した生活を送る漁師や船乗りなどの一部にも信者がいる。
反面、内陸部では殆ど信者がおらず、
アースガルド大陸人口全体における信者の割合は少ない。
また信者の8割以上が穏健な教義を掲げる「ダレス派」であり、凄惨な教義を掲げる「原理主義派」は更に少数となる。
教義
現在主流派となっている「ダレス派」の教義を記載する。
海生
海神の住まう海を尊び、「母なる海を捨てず、母なる海と共に在れ」と説く。
海の中、それが無理なら海の近くで生きるべきだとされる。
信者は最低でも月に一度、海に身を浸して身を清める。
転生
霊魂は不滅であると考え、善き行いをした者は死後は「海の民」として生まれ変わるとしている。
逆に悪しき行いをした者は罰として陸棲の種族に転生するとされている。
そのため転生を阻害するアンデッドの存在を忌避し、敵対視している。
相互扶助
団結や相互の助け合い(いわゆる「ギブアンドテイク」)の精神が重要、と説く。
神々も信者達から生贄を受け取る見返りとして様々な加護をもたらすのだとされる。
供物
年に数度、神々に生贄を捧げる祭事を取り行う。
生贄は漁や狩りで獲れた魚などが用いられる。
神
クトゥルー
深海教の主神、大父クトゥルー。
頭部が蛸、多数の触手が生えた顔、軟質の鱗に覆われた巨体を持つ。
超古代文明時代には津波や嵐で人間達を苦しめた邪神でもある。
一方、それらを鎮め海に平穏をもたらすこともできるとされる祟り神的な性質を持つ。
妻にイダーヤー、スクタイ、カソグサが、子にイソグサ、ガタノソーア、ゾスオムモグ、クティーラがいる。
魔王ベルフェゴルに敗れ、深海に沈んだ古代都市ルルイエの奥深くに封印され、永い眠りについているとされる。
イダーヤー
クトゥルーの妻の1人。
イソグサ、ガタノソーア、ゾスオムモグ、クティーラの母。
神々の母ではあるが謎に包まれた存在で時期によって姿や性質の描写がまるで異なる。
スクタイ
クトゥルーの妻の1人。
転生と再生を司る、医療と薬学の女神。
クトゥルーが死病を患った際、自らの身体を薬として差し出して病気を治したとされる。
スクタイ自身はその傷が原因で死亡するが後日になって蘇った。
カソグサ
クトゥルーの妻の1人。
性的魅力に満ちた女神で性愛を司るとされている。
水商売、盗賊などいわゆる「夜の稼業」の守り神でもある。
ガタノソーア
クトゥルーとイダーヤーの息子でイソグサ、ゾスオムモグ、クティーラの兄。
鱗で覆われた蛸の姿に似た姿をしているとされる。
父クトゥルーと同じく海難の神であり、更にその姿を見た者は石化してしまう。
弟イソグサとは仲が悪く、領地を巡って戦争を起こして勝利している。
この伝説から軍神として崇められている。
イソグサ
クトゥルーとイダーヤーの息子でガタノソーアの弟、ゾスオムモグ、クティーラの兄。
単眼と無数の触手を持った頭部を備えた半魚人の姿をしている。
兄ガタノソーアとは仲が悪く、領地を巡って戦争を起こして敗北している。
金運と商売の神とされる。
ゾスオムモグ
クトゥルーとイダーヤーの息子でガタノソーア、イソグサの弟、クティーラの兄。
それぞれの先端に水かきのついた手を備えた奇怪なヒトデのような姿をしている。
託宣の神であり、神々のメッセンジャー的な役割を持ち、選ばれた者に託宣を与えるのが役目とされる。
また、数多の言語を操ることから転じて詩歌の神であるともされる。
クティーラ
クトゥルーとイダーヤーの娘でガタノソーア、イソグサ、ゾスオムモグの妹。
全身を鱗で覆われ、頭部に無数の触手を生やした人魚の姿をしているとされる。
戦争の際には兵達を歌や舞踊で鼓舞したという伝説が残っており、音楽と芸能の女神とされる。
ダゴンとハイドラ
「父なるダゴン」、「母なるハイドラ」とも呼ばれる夫婦神。
どちらも豊かな半魚人のような姿で描かれることが多い。
豊穣の神であり、狩りの成功や子孫繁栄をもたらすとされる。
元は一介の信者だったが神々に功績が認められて神に昇華したと伝えられている。
神々の中では最も格下ではあるがそれゆえ信者達と近い関係にある神々であると考えられており高い人気を持つ。
信徒
ヨーハン=イ=ハ=ダレス
現代から約100年以上前に活躍した
人魚の男性。
現在では主流となっている「ダレス派」の開祖。
司祭の立場にあったが信者を生贄に捧げるなどの凄惨な教義に疑問を抱いて穏健な教義を掲げ、賛同者達と共に自らを中心とする宗派を立ち上げた。
政治家としての手腕にも優れており、巧みな交渉などで原理主義派を味方に取り込んで最終的に政争に勝利したことでも知られている。
だが女癖が悪いなど私人としては問題のある人物であったため敵も多く、最期は何者かが放った刺客によって毒殺されてしまった。
関係組織
神官戦士団
深海教の僧兵で構成された私兵団。
神殿のある集落などで魔物や賊の襲撃から守る自警団の役割が主。
余談
色々加筆修正予定。
最終更新:2015年10月30日 21:38