絶体絶命都市2 -凍てついた記憶たち-
【ぜったいぜつめいとしつー いてついたきおくたち】
| ジャンル |
都市災害サバイバルアクションアドベンチャー |
| 対応機種 |
PlayStation 2 |
| 発売・開発元 |
発売・開発:アイレムソフトウェアエンジニアリング |
| 発売日 |
2006年12月21日 |
| 定価 |
7,140円(税込・パッケージ版) |
| レーティング |
CERO:B
(12才以上対象) |
| 備考 |
『絶体絶命都市』シリーズ第2作目 |
| ポイント |
舞台を「水害・極寒の地下都市」へと移したサバイバルアクション 体温(体調)の維持と乾かす手段を模索する「体温・濡れ」システム 5人の主人公の視点が複雑に交錯する「ZAPT(マルチアングル)」シナリオ |
| 判定 |
良作
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絶体絶命都市シリーズ
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概要
- アイレムソフトウェアエンジニアリングより2006年12月21日にPlayStation 2向けに発売された災害サバイバルアクションアドベンチャーゲーム。『絶体絶命都市』シリーズの第2作目。
- 舞台は前作の「地震による人口島」から一転、12月の猛吹雪と豪雨により水没・崩壊していく地下巨大都市「富坂市」へと変更。
- 立場の全く異なる5人の主人公(レスキュー隊員、大学生、冤罪で追われる少女、記憶喪失の男、高校教師)の視点を切り替えながら進める「ZAPT(ザプト)システム」を採用。一人の行動や選択が他の主人公のシナリオや生存・展開に重大な影響を及ぼすザッピングサバイバルが描かれる。
- 「水害と極寒」に特化した独自の生存システム
- 前作の「喉の渇き(TP)」に代わり、今作では「体温(体調)」システムを導入。衣服が濡れたり極寒の地に身を晒すことで体温が低下し、放置すると移動速度の低下や衰弱死に直結する。
- ストーブや焚き火での暖を取り、濡れた衣服を乾かす、あるいは防寒具や使い捨てカイロ、温かい飲料を活用するといった「寒さとの戦い」がサバイバルの緊張感を大幅に向上させている。
- 洗練されたマルチアングルシナリオ(ZAPTシステム)
- 5人の主人公たちが同じ時間軸・同じ都市でそれぞれ異なる目的を持って行動し、時にすれ違い、時に互いに助け合う群像劇の完成度が高い。
- ある主人公が残したアイテムや起こした行動(扉の開閉や仕掛けの作動など)が、後からその場所を訪れる別の主人公の状況を左右する連動要素が秀逸。
- 前作以上にパワーアップしたバカゲー要素
- シリアスな極限状態でありながら、第1章の篠原一樹はお世辞にもただのバイト学生とは思えない超人的な体力と生命力を発揮し、荒波を泳ぎ切り崩落を潜り抜けていくシュールさが際立っている。
- 着替え可能な衣装やアクセサリーも大幅に増加しており、サンタ服やナース服、コスプレ衣装などで過酷な被災地を進むといったバカゲー的な楽しみ方が用意されている。
- バリエーション豊かなおふざけ選択肢
- 会話の選択肢におけるおふざけ・ボケのバリエーションが前作からさらに強化されており、真面目な場面であえて場の空気をぶち壊すようなやり取りを楽しめる。
- 緊迫した被災状況の中でもプレイヤーの選択次第でギャグ満載のやり取りに変化させることが可能で、周回プレイ時の大きな楽しみとなっている。
- 探索の幅を広げる豊富なサブ要素と隠しイベント
- 女子更衣室を覗いたり、知事に提供する飲料水を雨水で誤魔化すといったシュールかつインパクト抜群のサブ要素や隠しイベントが多数盛り込まれている。
- 前作ファンに向けたファンサービスとクロスオーバー
- 前作の主人公・須藤真幸やヒロイン・相沢真理をはじめとする前作キャラクターが物語に深く関与しており、1作目をプレイしたユーザーに向けた熱い展開や補完が評価されている。
論争点
- 「災害サバイバル」としてのコンセプトの希薄化
- 前作が「崩壊する都市からの脱出」を前面に出していたのに対し、今作では「無実の証明」「陰謀の暴露」「テロの阻止」といった目的が中心となり、被災地で事件を解決する展開が増加。
- 迫り来る敵をやり過ごす場面で災害自体が助けになるような演出も多く、サバイバル要素が副次的な背景に追い遣られているとの指摘がある。ただし、群像劇としてのシナリオの多様性や面白さには寄与しており、一概に悪点とは言えない。
- シリアスな災害描写とおふざけ選択肢・バカゲー要素の著しい温度差
- 水没していく都市の惨状や重苦しい人間関係が描かれる一方、前作以上に過激化したギャグ選択肢やシュールな衣装が混在している。
- 選択肢も「模範的」か「極めて冷酷・鬼畜」かという極端なものが多く、相手の身内を心配する場面で暴言が大半を占めるなどバランスの悪さも目立つ。
- 「重苦しい雰囲気を和らげるアイレム独自の醍醐味」と歓迎する声がある反面、「大災害の現場で不謹慎」「雰囲気を壊している」と拒絶反応を示すプレイヤーもおり、評価が激しく分かれる。
- 須藤ルート(真ルート)の解放条件と展開
- 篠原編でパートナーの藤宮を見捨てたり理不尽な暴言を吐いて自身のみ離脱させることで、最終章の操作キャラが前作主人公の須藤に変化する特殊な分岐が存在する。
- 隠された真相を解き明かすルートへの到達に鬼畜な選択肢の実行が必須である点や、そこで明かされる黒幕の真相が他ルートで判明済みの内容の復習に過ぎないこと、スタッフロールの演出効果が乏しいことなどから、解放手順と見返りのバランスについて賛否が存在する。
問題点
- 主人公間の干渉要素・難易度・シナリオ長さの極端な偏り
- 第1章(篠原編)や第2章(佐伯編)が他者と深く関わるのに対し、第3章(柘植編)や第4章(西崎編)は他主人公との干渉がわずか数回程度で、ストーリーや攻略難度にほぼ影響を与えない。公式攻略本では駆け引きを生む演出と説明されたものの、不均衡さは否めない。
- ストーリーの長さも後半に進むほど短くなる「尻すぼみ」傾向にある。特に西崎編は学校内のみで数時間で終了し、本筋ともほぼ絡まないおまけのような扱い。パートナーとなるはずの比嘉夏海も同行シーンが皆無に等しく、実質的な機能を果たしていない。
- 後半シナリオにおける自由度の低下と手抜き感(一本道化)
- 前半~中盤の主人公パートではマップ探索やアイテムの応用、分岐イベントなどが充実しているものの、後半の主人公パートに進むにつれて自由度が著しく低下していく。
- ストーリー後半はあらかじめ決められたルートを辿るだけのリニアな一本道展開となり、遊び心のあるサブ要素や寄り道要素も激減するため、開発終盤の手抜き感・失速感を指摘されることが多い。
- 未回収の伏線や消化不良なシナリオ・キャラクター描写
- 執拗に優子を追う秋本刑事の極端な憎悪の背景、瀕死で現れる謎の人物、前作主人公・須藤の足が不自由になった理由、エンディング直前に託されるディスクやウイルス関連の描写など、説明なく放置される要素が多数存在する。
- いじめっ子の綾乃や変態教師の辺見など、強烈な行動を見せるものの動機や掘り下げが不十分なまま退場するキャラクターも目立つ。
- 衣装・装備システムの不自然な着用制限
- 衣装替えの要素は豊富だが、各主人公の初期衣装が他キャラに使い回せない、西崎が女子用ジャージを着られないなど、性別や体型にそぐわない理不尽な着脱制限が存在する。
- 同行者の比嘉夏海は全装備が変更不可であり、須藤編に至ってはメニュー画面から装備変更を選択することすらできず、カスタマイズの自由度を削いでいる。
- 設定と描写の不整合・機能していないシステム
- 極寒の水害下でありながら、成瀬沙耶をはじめとする一部キャラクターが軽装のまま被災地を歩き回るなど、世界観と防寒意識の乖離がみられる。
- 水中での「溺死」判定や、同行者のステータス管理・食事の分配機能など、凝った演出が用意されながらもゲーム攻略上の意味やメリットがほとんど存在しない「形骸化したシステム」が散見される。
- アイテムの使用ブロック数の都合上、「捨てますか?」の問いに応じて手放すと二度と手に入らなくなる罠アイテムが存在する点も不親切と評される。
- 出会った人物リストの名称更新が最後に接触した主人公視点に依存するため、主人公の一人である西崎佳奈が最終的に「女子高生」、須藤真幸が「ジャーナリスト」表記で上書き確定されてしまう雑な仕様も不評。
- 処理落ち(フレームレート低下)の深刻化
- 崩落演出に加え、常に大量の水・濁流・吹雪・炎などのエフェクトが画面上に表示されるため、PS2のスペック限界により前作以上の激しい処理落ち(コマ落ち)が発生する。
- 特に水流が押し寄せるシーンや広大なエリアでは操作のレスポンスが極端に悪くなり、プレイヤーのストレスになりやすい。
- カメラアングルと操作性の難点・演出の退化
- 固定アングルと追従カメラの切り替わりによる視認性の悪さは前作から改善されておらず、危険な足場や水中・暗闇での操作ミスを誘発しやすい。
- 転倒時のモーションが状況に関わらず「仰向けに倒れる」挙動に一律固定化され、前作にあったダメージに応じた服の破れや包帯演出が廃止されたことで、グラフィック面の臨場感が一部退化している。
総評
- 「水害と極寒」という新たなテーマのもと、体温管理システムと複数主人公によるザッピングシナリオを融合させ、サバイバルアクションとして大きな進化を遂げた一作。
- 後半の一本道化や手抜き感、PS2のハード性能に起因する処理落ちの重さ、カメラワークの拙さといった不満点は残るものの、水没する都市の臨場感、女子更衣室覗きや雨水提供などのぶっ飛んだ遊び要素、そして緻密に交錯するシナリオの完成度は今なお高く評価されている。
最終更新:2026年10月12日 00:19