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絶体絶命都市

【ぜったいぜつめいとし】
ジャンル 都市災害サバイバルアクションアドベンチャー
対応機種 PlayStation 2
発売・開発元 発売・開発:アイレムソフトウェアエンジニアリング
発売日 2002年4月25日
定価 6,800円(税抜・パッケージ版)
レーティング CERO:B (12才以上対象・再販版)
備考 海外名:『Disaster Report』(北米)/『SOS The Final Escape』(欧州) / 絶体絶命都市シリーズの第1作目
ポイント 大地震に見舞われた都市からの脱出を描いたサバイバルアクション
水分補給と体力の維持を促す「TP(渇き度)」システム
シリアスな災害体験とアイレム特有のシュールな選択肢・コンパス収集要素の融合
判定 なし
絶体絶命都市シリーズ

崩れゆく都市からの脱出――生き残りをかけた極限のサバイバル!


概要

  • アイレムソフトウェアエンジニアリングより2002年4月25日にPlayStation 2向けに発売された都市災害サバイバルアクションアドベンチャーゲーム。『絶体絶命都市』シリーズの記念すべき第1作目。
  • 舞台は人工島「首都島」。巨大地震によって都市機能が崩壊していく中、新聞記者である主人公・須藤真幸が、被災現場で出会った相沢真理らとともに、建造物の崩落や余震、火災といった過酷な危機を潜り抜けながら島からの脱出を目指す。
  • 「敵を倒す」のではなく「崩壊する都市や自然災害の脅威から生き延びる」という、当時のゲーム業界でも非常に珍しいコンセプトを主軸に置いた作品。

評価点

  • 「都市災害からの脱出」という極めて独創的なゲームデザイン
    • 地震による建物の崩壊、道路の落没、余震や火災など、リアルな被災の脅威から逃げ延びる臨場感が高く評価されている。
    • 主人公は特殊な力を持たない一般人の新聞記者であり、無茶な行動をとればあっけなく命を落とすリアリティが、サバイバルならではの緊迫感を生み出している。
  • 「TP(渇き度)」と水分補給による緊張感のあるリソース管理
    • 体力(HP)とは別に「TP(渇き度)」という独自のゲージが存在。走る・大声を出す・重いものを動かすといった行動で消費され、水分補給を行わないと移動速度が落ち、最終的には体力にも悪影響を及ぼす。
    • 各地の水飲み場やペットボトルを探し当てて渇きを癒やすという、生存管理と探索が組み合わさったシステムが機能している。
  • 実際の災害時にも役立つ知識の豊富さ
    • ゲーム内の描写やテキストには、実際の災害発生時における避難行動や応急処置などの防災知識が豊富に盛り込まれており、遊んでいるだけで自然と知識が身につく「遊びながら学べる」教育的価値も兼ね備えている。
  • アイレム独特のユーモアと豊富なコレクション要素
    • 極限状態のシリアスなストーリーでありながら、主人公の会話選択肢にはシュールでふざけたボケ要素が多数用意されており、緊迫した展開における独自のアクセントとなっている。
    • マップ内に隠された「コンパス」の収集や、作業用ヘルメット・コスチュームといった装備変更機能など、周回プレイを楽しませる要素も充実している。
  • パートナーとの協力・絆を描いた人間ドラマ
    • 単独での脱出ではなく、相沢真理や比嘉夏海といったパートナーと手を繋いで進んだり、互いに声を掛け合って危険を乗り越える演出が取り入れられており、災害下での強い連帯感が表現されている。

論争点

  • シリアスな災害体験とシュールな選択肢・バカゲー要素の乖離
    • 生々しい災害の恐怖や重厚なサバイバル劇を描く一方で、場違いな選択肢やコスプレ要素など、アイレム特有のコミカルな表現が混在している。
    • この独特なノリを「絶妙な緩和剤」「唯一無二の味」と捉えるファンがいる一方で、「緊迫した世界観や感動的な雰囲気を台無しにしている」と難色を示す声もあり、好みが大きく分かれている。
  • 後半における「ステルスアクション要素」とB級映画的な展開
    • 物語後半からは地震の背後に渦巻く「巨大な陰謀」が主軸となり、それを隠蔽しようとする刺客から身を隠すステルスアクション要素が導入される。
    • ヘリコプターが堂々と襲撃してきたり、主人公がある手段で反撃してヘリを墜落させるなど、純粋な災害サバイバルから一転して「B級映画風のアクション劇」に変貌するため、「災害ゲーのコンセプトから逸脱しているのではないか」と賛否両論を呼んだ。
    • ただし、刺客に追われる間も地震や倒壊といった災害自体は最後まで主人公を襲い続けるため完全に本質を見失っているわけではなく、当然ながら敵との直接的な「ラスボス戦」のようなイベントも存在しない(黒幕との対峙シーン自体はある)。

問題点

  • シナリオにおける一部の強引な展開やキャラクター描写
    • ヒロインが愛犬のために命を懸けようとする場面があるが、危険極まりない状況下であることを踏まえると無理があり、キャラクターの言動として疑問視されやすい。さらに、それほど大事な愛犬であるにもかかわらず「序盤はその存在自体を忘れていた」という描写になっているため、人格を疑われかねない不自然さが残ってしまう。
    • 首都島の崩壊に纏わる陰謀劇も、風呂敷を広げすぎた印象を拭えない。
  • レベルデザインや主人公の運動能力に由来するシュールさ
    • 明らかに少し頑張れば飛び乗れそうな段差であっても「登れそうにない」「手が届かない」と主張して進めない場面が多い。しかし主人公のジャンプ力自体が低く設定されているシステム上の都合もあり、「下手に飛べてしまうと他の場面で突っ込みどころになる」ため、ゲーム上の割り切りが必要となる。
    • また、崩落した建物内をよじ登るパートにおいて、あまりにも「主人公が都合よく通れる形」で都合よく崩れていくため、場面によってはシュールに見えてしまう。
  • カメラアングルの見づらさと操作性の難点
    • 固定カメラと追従アングルが切り替わる仕様となっており、足場の悪い崩落場所や狭い屋内において自機や着地点が見づらく、意図しない滑落死を誘発しやすい。
  • 予測しづらい「初見殺し」要素の多さ
    • 突発的な建物の崩壊や落下物など、事前の予兆が分かりにくい危険箇所が多く、初見プレイでは回避が難しいため「死んで覚える」展開になりがちである。
  • 同行するパートナー(NPC)のAI挙動
    • パートナーの移動AIがやや拙く、段差や障害物に引っかかって立ち止まったり、避難時に不自然な動きをしてプレイのテンポを阻害することがある。
  • 画面の処理落ち(フレームレート低下)
    • PS2初期の作品ということもあり、建物の倒壊や火災・水のエフェクトが重なる場面では画面の処理落ちが発生し、操作レスポンスが鈍くなる場面が見られる。

総評

  • 「巨大地震からの脱出」という未開拓のジャンルに挑み、災害の恐怖とサバイバルの面白さを両立させることに成功した名作。実際の防災にも役立つ知識が得られる点も評価が高い。
  • カメラワークや初見殺しの多さといった操作面の粗さ、後半の陰謀劇や一部強引なシナリオ展開、シュールなバカゲー要素に対する好みの差はあるものの、「水分管理」を軸とした独自のシステムと崩れゆく都市の臨場感は今なお高く評価されており、後のシリーズへと続く基礎を築き上げた1作である。

余談

  • 海外版では北米で『Disaster Report』、ヨーロッパで『SOS The Final Escape』というタイトルで発売された。
  • 海外展開にあたって舞台設定が海外に変更されたほか、主人公やヒロインのビジュアルも(一部リージョンを除き)金髪へと変更されている。
  • それに伴い、パッケージイラストに描かれた主人公たちもかなりアメリカンなデザインへ大幅に変貌を遂げており、一見しただけでは別作品と見紛うほどのインパクトを放っている。

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最終更新:2026年10月06日 00:24