英ポンド
長い不況による沈黙を経て復活、ユーロ台頭の中で独自性を貫く
英国ポンドは、米ドルにその座を譲るまでは、基軸通貨として世界を席巻していた。現在でも首都ロンドンには世界各国の金融機関が集まり、世界の金融センターとして大きな役割を担っている。英国は地理的にも欧州大陸と米国の間にあり、また中東やアフリカなどと結びつきも強いため、ロンドン市場での外国為替の取引高は世界一を誇っている。
国土面積は日本の3分の2に満たないものの、資源は豊富だ。英国が誇る北海油田の採掘量は1億1000万トンで世界シェア3.2%におよび、天然ガスは世界シェア4.3%を占める資源国としての一面を持つ。さらに農業でも大麦・菜種が、畜産でも羊毛・牛乳などが世界でもその生産量が10位以内に入るなど、農畜産国でもある。
経済的には「イギリス病」といわれた長期にわたる経済の停滞から、1980年代のサッチャー首相の規制緩和を旗印にした構造改革により、回復傾向を見せるようになった。そして、ブレア前首相の時代には好況に沸き、英国経済の復活を世界に知らしめた。
ユーロ圏とは一線を画した独自の英国経済ではあるものの、英国はEU欧州連合には加盟しているため、統一通貨であるユーロを採用するかどうかの是非は、今後も議論されていくことだろう。
確かにユーロが創設されてからは、その存在感に圧倒されている感は否めないが、ポンドが現在でもなお、欧州を代表する通貨のひとつであることは間違いない。また、ポンド/米ドルは、基本的にはユーロ/米ドルと同じような値動きをする。しかし、英国の中央銀行(BoE)とユーロの欧州中央銀行(ECB)では、金融政策のスタンスが異なるため、必ずしも同じ値動きにならないこともある。
国土面積は日本の3分の2に満たないものの、資源は豊富だ。英国が誇る北海油田の採掘量は1億1000万トンで世界シェア3.2%におよび、天然ガスは世界シェア4.3%を占める資源国としての一面を持つ。さらに農業でも大麦・菜種が、畜産でも羊毛・牛乳などが世界でもその生産量が10位以内に入るなど、農畜産国でもある。
経済的には「イギリス病」といわれた長期にわたる経済の停滞から、1980年代のサッチャー首相の規制緩和を旗印にした構造改革により、回復傾向を見せるようになった。そして、ブレア前首相の時代には好況に沸き、英国経済の復活を世界に知らしめた。
ユーロ圏とは一線を画した独自の英国経済ではあるものの、英国はEU欧州連合には加盟しているため、統一通貨であるユーロを採用するかどうかの是非は、今後も議論されていくことだろう。
確かにユーロが創設されてからは、その存在感に圧倒されている感は否めないが、ポンドが現在でもなお、欧州を代表する通貨のひとつであることは間違いない。また、ポンド/米ドルは、基本的にはユーロ/米ドルと同じような値動きをする。しかし、英国の中央銀行(BoE)とユーロの欧州中央銀行(ECB)では、金融政策のスタンスが異なるため、必ずしも同じ値動きにならないこともある。
- ポンド取引のポイント
“原油高のポンド買い”が進む、隠れ資源通貨
「イギリス病」と言われるほど長い間、戦後は経済が低迷していた。10%前後の高い金利を続けていたが、1992年にポンドの通貨危機を経験し、構造改革も功を奏して1990年代の中頃からは約200年ぶりといわれる英国繁栄の時期となり、金利も歴史的には低い位置で安定している。
ポンドは、ユーロに比べると流通量が少ないため、値動きも荒くなりがちで、「悪魔の通貨」とも呼ばれている。このダイナミックな値動きのため、投機の対象にもなりやすいという特徴を持つ。
英国は、北海油田を保有しているため、原油の国内自給率も高く、原油の値段が上がっている時などには、ポンドも買われやすくなるという側面もある。また、長年抗争が続いてきた北アイルランドの問題や、大英帝国時代の旧植民地であった地域とのトラブルにも巻き込まれやすく、テロの対象になりやすいという地政学的なリスクも抱えていることに注意したい。
ポンドは、ユーロに比べると流通量が少ないため、値動きも荒くなりがちで、「悪魔の通貨」とも呼ばれている。このダイナミックな値動きのため、投機の対象にもなりやすいという特徴を持つ。
英国は、北海油田を保有しているため、原油の国内自給率も高く、原油の値段が上がっている時などには、ポンドも買われやすくなるという側面もある。また、長年抗争が続いてきた北アイルランドの問題や、大英帝国時代の旧植民地であった地域とのトラブルにも巻き込まれやすく、テロの対象になりやすいという地政学的なリスクも抱えていることに注意したい。