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第四章一部

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匿名ユーザー

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第四章

~交錯~ 一部



光・・・

まばゆいばかりの・・・光

何もない、真っ白な世界。

感じるのは・・・心地よい風が僕の頬をなでる心地よい感触。

背中に感じる、大地の冷たさ。

そして、風と草木が奏でる草原の音楽。

ゆっくりと目を開ける。

照り付ける太陽の光が、目の中に飛び込んできた。

そのまぶしさに、少し目を細めて太陽を見つめた。

「大丈夫・・・ですか?」

声と共に僕の瞳の中に黒い影が現れ、太陽の光をさえぎった。

「ああ・・・ありがとう」

体を起こして、黒い影に向かってお礼をいう。

目線が高くなると、影の正体もはっきりとわかってくる。

「私の顔になにかついて・・・いますか?」

レテ平原で出会ったプリーストの少女が僕の隣に腰を下ろし、僕の顔を覗き込んでいた。

なぜだろう?

なぜ、僕はこの人を少女だと思ったのだろう?

改めて彼女をまじまじと見つめてみる。

「え・・・えっと?」

彼女はなんとも照れたような、困ったような表情を浮かべる。

確かに少女と言えなくはない。

しかし、この人は僕と同じかそれ以上の年齢であることが見て取れた。

多少あどけなさが残るが、それでも女性として通用する顔立ち。

栗色で長くまっすぐな髪の毛が、腰あたりまで届いている。

身長も見た限りでは僕よりも高いだろう。

それなのに僕は彼女を常に"少女"としてみていた

怪我の性でそこまで気が回らなかったのだろうか?

「いや・・・なんでもないんだ」

僕は考えるのをやめにした。

まじまじと女性を見つめるのは正直失礼だと思ったからだ。

「そう・・ですか?」

彼女はまだ少し納得のいかないといった表情を見せた。

ふと、自分の体を見てみる。

僕は瀕死の重傷を負っていたのだ。

しかし、今の僕の体には重症どこか傷ひとつなかった。

「怪我は眠っている間に治療しておきました」

治療しておきました・・・って

そんなにすぐ直るような怪我じゃなかった・・・

これレインのプリーストの治癒能力か・・・。

正直すごいと思った。

重傷の怪我でもたちまちに治してしまう。

怪我のことが気にならなくなると別のことが気になり始めた。

「・・・ここはいったい?」

あたりに目を向けてみる。

そこは僕らが今までいたレテ平原とは似ても似つかない場所だった。

一言で言ってしまえば丘の上の草原といったところか?

穏やかな風が吹いている。

風は草木を揺らし、草原の音楽を奏でている。

僕がまぶたの裏で感じていたのはこの音楽だったのか・・・

「ここ、私のお気に入りの場所なん・・・です」

彼女は立ち上がると両手を広げ、この草原に吹く風に己の体をゆだねる。

心地よさそうに目を細る。

「ここは風がとても気持ちいいの」

彼女の栗色の髪が風に拭かれて後ろへと流れる。

「どうして・・・僕をここに?」

ふと疑問を投げかけてみる。

気の置けない人間ならとにかく、僕らはさっき知り合ったばかりなのだ。

「ここなら・・・落ち着いて話ができると思ったから・・・じゃだめ・・・ですか?」

彼女は、元の位置に座りでひざを抱え、顔だけをこちらに向けて微笑みながら答えた。

ぺロっと舌をだし、いたずらっぽい微笑み。

その微笑を眺めながら僕は疑問を覚えた。

彼女は完結した言葉にとってつけたように"ですか"と取ってつけた。

それは、普段敬語を使い慣れていない人間が良くする行為だ。

思い直してみれば僕と出会ってから、何度もそのような場面があった。

いい直したり、とってつけたように語尾に言葉を加えたり・・・

そして、彼女がよく見せるこの笑顔。

僕が、なぜ彼女を"少女"と表現したのか、その理由はそれだった。

彼女のその行動は彼女を実際のそれよりずっと幼く見せていたのだ。

現に彼女は、今も体を前後にゆすってみたりと子供がやりそうな行動を取っている。

「どうかした・・・ましたか?」

また、語尾に取ってつけたように"ましたか"をつけた。

「無理にそんな風にしゃべることはないよ」

なんだか、とても無理して敬語を使うようにしている気がした。

「え・・・?」

あまりに唐突だったこともあって僕の言葉の意図が見えないようだ。

「あ~、無理して敬語を使う必要はないさ」

わかりやすく言い直すと、彼女は以外にも驚いたような顔をした

「えっと!その・・・あの!?」

なぜかは知らないがいきなり慌てふためいた。

彼女の行動に僕はなぜ無理をしてまで敬語を使うのか、疑問を持たずにはいられなかった。

「どうして・・・敬語を使っているんだい?」

諭すように、刺激しないように、可能な限りやさしげにささやきかける。

「えっと・・・お母様が、どこに出ても恥ずかしくないように敬語を常に使えって・・・」

お・・・お母様・・・汗

どこぞのお嬢様なの・・・か・・・?

「えっと・・・変・・ですか?」

お母様という単語に驚いて固まっている僕にの様子に何かを感じたのか、彼女は親に怒られた子供のようにシュンとしてしまった。

「いやいや、別に変じゃないけど、とにかく無理して敬語使うことないさ」

どうにも、対応に困る。

容姿はどう見ても僕より年上なのに、まるで子供の相手をしているような違和感を感じる。

「私の住んでいる世界で、私はそこではちょっとした有名人なんです。だからお母様もお父様も、どこにでても恥ずかしくないようにって・・・」

彼女はぽつぽつと自分の身の上話をはじめた。



彼女は元来他の人より勉強ができたらしい。

勉強ができれば両親はほめてくれた。

だから一生懸命勉強して、気がつけば有名人になっていたらしい。

すると、両親は彼女に敬語を強要した。

いろいろなパーティーに出席するのに恥ずかしくないように礼儀作法なんかを教えたらしい。

「ということなんです・・」

話を終えると、彼女はなんともつまらなそうに手元にあった草をいじり始めた。

「なんていうか・・・君は君らしくいればいいんじゃないかな?」

僕は思ったことをそのまま口にした。

「私・・・らしくですか?」

「今まで使ってた普通の言葉でいいと思うよ」

無理なんてするもんじゃない。

人間自然が一番なんだ。

「敬語なんて使えなくても全然変じゃないさ」

「本当に?」

少し、不安そうに僕に尋ねる。

両親とはまったく別のことをやれって言ってるんだから不安なのは仕方がない。

「本当だよ」

怖がらせないように、不安がらせないように。

「そっか・・・そうなんだ」

何かを理解したのか、それとも納得したのか。

彼女の顔が少しずつ明るくなってくる。

「わかった?」

「うん!」

僕の問いかけに笑顔でに答えた。

さっきまでの暗い表情はどこかに飛んでいってしまったみたい。

まるで憑き物でも落ちたかのように晴れ晴れとした顔をした。

「僕が・・・プレイヤーのことを知っているのは前にあったことがあるからだよ」

少しだけ間をとって話を切り出す。

「え?」

「どうして僕がプレイヤーのことを知ってるか?ってきいたでしょ?」

彼女が僕をここに連れてきた理由。

「会ったことが・・・ある?」

彼女は、聞きなおすように僕に問いかけた。

「うん。その人にプレイヤーのことをいろいろ聴いたってわけさ」

二言で終わってしまう。

しかし、本当にそれだけ。

「この刀もそのひとにもらったものなんだ」

僕の持つこの愛刀は彼女達の世界のものだ。

そして僕の使う技もであったプレイヤーに教わったものを自分なりにアレンジしたもの。

「紐解いてみれば簡単なことだろう?」

そういって彼女に笑いかけた。

「その人は・・・?」

彼女が気になったのは僕のであったプレイヤーのこと。

「わからない・・・いつの間にかいなくなっていたこの刀をのこして・・・」

そういって腰に挿した愛刀に手をかけた。

「そっか・・・」

それからは話をするわけでもなく、ただ・・・草原の音楽にしばし耳を傾けていた



「そういえば、自己紹介もまだだったね」

突然少女が声をかけてきたのはあれからしばらくしてからだった。

太陽は傾いて、夕焼けが世界を赤く染めた時間帯。

「あ・・・あはははは(汗)」

確かに僕らはまったく自己紹介をしていなかった。

僕にしてみれば、状況が状況で自己紹介なんてすっかり忘れいていた。

「えっと、僕はレオン。レオン・カーバストファング」

僕は改めて彼女に自分の名前を伝えた。
「私は・・・ルナ。ルナ・エスタリウス」

そして、彼女も僕に名前を教えてくれた。

「よろしく、ルナ」

「うん・・・レオン」

互いに確認するように名前を呼び合った。

ちょっと頬を朱に染めながら僕の名前を呼ぶルナ。

そんな顔をされるものだから僕もなんだか少し照れてしまう。

自己紹介を終えた僕らは、レテ平原に戻った。

「それじゃ・・・」

僕は簡潔に別れの言葉を継げる。

「また!、またあえるかな?」

そんな僕に彼女は9の不安と1の期待を乗せて僕に尋ねる。

「また・・・会えたらいいな」

あくまで僕はミレナで、彼女はレイン。

国境間を越えることはできない。

それでも・・・また会いたいと思った。

だから、僕も少しの不安と少しの期待を載せて・・・彼女の問いに答えた。

それだけ言葉を交わすと、僕らは背を向けて自分達の国へと戻っていった。



次回予告

「レオン・・・不思議な人」

どうして彼は・・・私の言ってほしいことがわかるんだろう?

「私は・・・私らしく」

彼の言った言葉を反芻してみる。少しだけ顔が熱くなった。

「レオン・・・レオン・・・」

何度か彼の名前を口にしてみる。

『また・・・あいたいな』

去り際に彼の言った言葉・・・それを思い返すと自然と笑みがこぼれた

次回 第四章~交錯~二部

ご期待ください。

あとがき

今回は二部構成です。
それにしても今回はなんか会話ばっかりで全然動きがなかったです。
しかも長いこと長いこと・・・。
今まで引っ張ってきた主人公の謎は、二言で終わってしまいましたw
動きのない会話ってのは一番難しいのです。
なんだかんだいっても戦闘してたりしたほうがずっと楽です。
書くほうとしてはw
次回の二部では視点が主人公から、瑠璃(だれ?)にかわります。
カンの良い人は気がつくはずw
わかんない人は次回を待てw

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